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山本理沙編 不良少女とよばれて
クリックすると該当部分へジャンプします。 第01話 第02話 第03話


  第01話「ヨコハマ・センセーション」(1984年4月17日放送)

 自分が大映ドラマ、ひいては70〜80年代の国内ドラマにはまるきっかけとなった記念すべき作品である。
 詳しい経緯はマニアックコラムに書いてあります。御笑読下さい。

 自分は、特にDVDの3くらいまではあまりに面白くて繰り返し見ていたことを覚えている。前半に限れば独立したファンサイトを作ってもいいくらい好きなのだが、遺憾ながら後半から失速してしまい(視聴率は後半の方が高いけれど)、平均点を大きく下げてしまったので、このスピンオフで触れるにとどめる。もっとも、スピンオフと言っても、山本理沙さんの出番は「スクール〜」以上に少なく、ここでとりあげるのはふさわしくないかもしれない。また、山本さんの出演シーンにこだわらず、ストーリーについてもある程度紹介していきたいと思っている。

 前置きが長い? 失礼しました。

 なお、物臭な管理人は、今回もキャスト名と役名と愛称をちゃんぽんにして表記していきますのでご容赦ください。

 (2014年2月14日追記)

 「赤い絆」同様、役名と俳優名をごっちゃにして書いていて分かりにくくなっているので、キャラクター紹介もかねて表にして見ました。

 久樹哲也(国広富之)……舞楽の楽人。性懲りもなく婚約者のある身で不良少女に一目惚れする困った人。愛のためなら地球の一つや二つ吹っ飛んだって構わない、ましてや世間体や仕事など屁でもないと言う恋愛至上主義者。ロリコンにしてシスコン。表記は「トミー」。

 曽我笙子(いとうまい子)……元相模悪竜会のリーダー。哲也と出会って、舞楽の道に目覚めるかと思いきや、やってることは「少年院三国志」であった。不良になったり真面目になったり、その豹変ぶりはほとんど二重人格者である。表記は「笙子」。

 長沢真琴(伊藤かずえ)……少年院でモナリザと言う愛称で呼ばれ、影では「白百合組」のリーダーも務めている。他にも「カミソリマコ」や「久樹葉子」など、これだけたくさんの呼び名を持つキャラも珍しい。哲也の実の妹だと思っていたが、実は血の繋がりがなかったので驚いたけど、結局やっぱり血が繋がっていたと言うややこしい人。表記は「モナリザ」。

 西村朝男(松村雄基)……東京流星会の会長で、笙子に惚れている。常に全力疾走の面倒臭い奴。長い間警察から逃げ回っていたが、最後は泣きべそをかいて降伏する。その後、実に簡単に実業家として成功を収める。表記は「松村」「朝男」など。

 山吹麻里(比企理恵)……東京流星会の副会長だったが、朝男に命じられて少年院に入ったことから大きく運命が変わる。笙子、モナリザと激しく抗争を繰り返したが、最後は火事で死ぬ。表記は「比企さん」「マリ」など。

 葉山恭子(岡田奈々)……トミーの元婚約者。色々と悪あがきをするが、笙子にトミーを奪われる。その後、酒量が増え、保育園で子供を死なせ、その両親に骨までしゃぶられ、遂には悪党・酒井に騙されて覚醒剤中毒者になる。真性のマゾ。表記は「岡田奈々」「恭子さん」など。

 男谷(宮崎達也)……トミーの親友の弁護士。恭子に惚れている。仕事する気ゼロ。表記は「タツ」「男谷」など。
 代々木晶子(山田邦子)……笙子たちの溜まり場である「ジョーズ」の店主。表記は「山田邦子」「おアキ」など。
 代々木良夫(新育生)……おアキの夫。表記は「新育生」「ヨシ坊」など。

 二宮八千代(諏佐理恵子)……このレビューの真の主役。笙子の仲間で、一時は更生するが後に笙子と同じ少年院にやってくる。とても可愛い。表記は「八千代」「山本理沙さん」など。

 大沢善子(坂上亜樹)……笙子の仲間。表記は「坂上亜樹」「善子」など。
 堂本剛(荒川亮)……笙子の仲間。表記は「堂本剛(笑)」など。
 辻村晴子(かとうゆかり)……笙子の仲間。ジャズシンガーを目指している。「シュガー抜きのサタデーナイト」と言う曲で新人賞を取る。表記は「晴子」など。

 中川景子(立原ちえみ)……笙子の少年院での友人。表記は「立原ちえみ」「景子」など。
 戸塚五月(森美春)……同上。笙子より先に退院してドラマから消える。表記は「五月」など。
 松田弥生(百瀬まなみ)……同上。めっちゃ可愛い。表記は「弥生」など。

 丹波秀介(名古屋章)……相模愛育女子学園の園長。説教が三度のメシより好き。表記は「名古屋章」「章」など。
 江田幸子(中村晃子)……同上職員。笙子の天敵。表記は「晃子」「江田」など。
 大磯杜夫(福崎和也)……同上職員。女の子をいたぶるのが大好き。表記は「福崎和也」「大磯」など。
 瀬戸景子(高橋恵子)……同上職員。優しい。表記は「瀬戸」「景子」など。
 丹波圭太郎(阿部祐二)……同上職員。通称ダメケイ。秀介の甥。表記は「ダメケイ」など。

 曽我聖一郎(山本学)……笙子の父。神主。働くのが嫌い。唯一の特別出演。表記は「山本学」など。
 曽我美也子(小林哲子)……笙子の母。彼女の一言が笙子を不良にした、いわばドラマの創造主。表記は「哲子」など。
 久樹路泰(高橋昌也)……哲也の父。働くのが嫌い。表記は「昌也」。
 久樹信子(岩本多代)……哲也の母。管理人一押しの美熟女。表記は「多代」。
 葉山威弘(中条静夫)……恭子の父。舞楽界の重鎮。表記は「葉山」「静夫パパ」など。
 葉山多賀子(三ツ矢歌子)……恭子の母。笙子を目の仇にする。表記は「歌子」など。

 酒井晴彦(重田尚彦)……ワルモノ。恭子を騙して覚醒剤中毒にさせた。表記は「酒井」。
 浮浪者(及川ヒロオ)……笙子たちと仲が良かったが、少年たちに面白半分に撲殺される。
 (追記ここまで)



 横浜の港の近く、噴水のある公園で哲也(国広富之)と恭子(岡田奈々)が、友人の男谷(宮崎達也)と会うところから物語は始まる。
 国広富之(以下トミー)と岡田奈々は婚約していて、友人の弁護士・宮崎達也に婚約パーティーの司会を頼むために呼び出したのだった。
 おふたりさん、ここでは全く何の波乱もなさそうな、平凡だが幸せなカップルであった。
 快く司会を引き受けた後、お前も早く結婚しろと言われ、「俺は哲也と違ってゲイだ持てんからなぁ」と頭を掻く達也。
 なんてことのないやりとりだが、この和気藹々とした雰囲気が私は大好きだ。

 しかしこの後、トミーがとんでもない女(たち)と遭遇し、愛憎の泥沼にはまりこんでしまうため、小市民的な彼らの幸せはメタメタにされてしまう運命なのだった。

 その余波は部外者の達也にも及び、
 女性不信に陥った彼、数年後には、こんなことになっていた。(西郷輝彦版の「美女シリーズ」より)

 それはさておき、
 達也と別れたふたりは、腕を組んで散歩を続ける。
 と、なにやら得体の知れない連中が集まって騒いでいる。

 左右に列を作り、その中を四人の女の子が晴れがましそうな表情で進み、左右の若者たちが盛んに「おめでとう」と彼らを祝福している。
 四人の行く手に立つ、割とちっちゃなお方こそ、
 誰あろう、この物語のヒロイン、曽我笙子(伊藤麻衣子)であった!

 うーん、何度見てもインパクトのあるメイクである。
 なお、列の中には「スクール〜」で見掛けた顔もちらほらと。放送は「不良〜」の方が先なんだけどね。
 そして、女性陣の中に、我らが山本さんのお姿も……無論、このドラマでも諏佐理恵子名義である。左端の坂上亜樹は、「スクール〜」でも彼女の良き相棒であった。

 それにしてもこのアフロヘアはないよね。

 笙子は、四人に対し「お誕生日おめでとう」と、花束を渡す。そう、彼女たちのために誕生祝をやっていたのだ。四人は誕生日が同じ月なのだろう。のどかやねえ。
 その和やかなムードに、この時点ではふたりもどこかの学校の誕生会だと思い込んでいる。

 しかし、突然、
 バイクの一団が突っ込んできて、彼らを威嚇し、あまつさえ花束を踏みにじってしまう。
 ここで「東京流星会のチンピラだ」と言う、か細い女性の声が聞こえるのだが、これは山本さんが言ってるんじゃないかと思う。
 だが、笙子たちもこういう事態を想定しており、ちゃんと身近に武器を隠し持っていて、直ちに応戦する。
 植え込みの中にたくさんの木刀が仕込まれているのは笑える。

 左右にいた幹部たちも各々武器を取り出すのだが、
 その際、こういうお宝カットがありました。右側が山本さんね。これは御本人のパンツだと思うが、あるいは見せ用の下着かもしれない。
 そう言えば、ルリと同じようなところへナイフを隠し持っていた訳だ。
 バイクの連中は鎖で引き摺り下ろされ、袋叩きにされる。
 笙子「この子達はね、ただの一度だって誕生日を祝って貰ったことのない子なんだよ!」
 怒りにまかせ、彼女は木刀で執拗に彼らを殴る。一度くらいあるだろとか突っ込んではいけない。

 暴力沙汰を前にして怯える岡田奈々。
 しかし、
 トミーは、暴力を振るいながらも、笙子の目に涙が溢れているのを見ていた。

 そして、ここでOP「NEVER」のイントロ。
 芥川隆行ナレ「この物語は、『不良少女とよばれて』、の原作者で現在民間舞楽会で活躍されている原笙子さんが、かつて青春時代に非行に走り、そして立ち直った貴重な体験をドラマ化したものである」
 踊っているのが、その原さんである。お面を被っているので素顔は分からない。
 港をバックに、チェーンを振り回す笙子さんにタイトルがかぶさる。

 映像的には雅楽の様子と、暴れる不良たちの様子が交互に映される感じ。
 その中では岡田奈々もそういう衣装を着て踊っていて、かなり可愛いです。
 MIEの歌う「NEVER」は名曲だが、最初の頃は、音質が悪いと言うか、テイクが後半のものとは明らかに違う。

 なお、原作者の原さんはドラマを見て「話が違う!」と、お冠だったそうです。うわー、気まずい。
 さて、舞台は婚約披露パーティーに移る。
 達也のテキトーな司会でテキパキ進み、列席者及び視聴者に、二人の両親で、レギュラーである中条静夫、高橋昌也たちが紹介される。大映ドラマではお馴染みのメンツである。
 静夫は雅楽の名門・葉山家の当主であり、このまま普通に結婚していれば、トミーこと哲也は葉山家の後継者になっていたことだろう。
 で、トミーの演奏、岡田奈々の踊りによって雅楽のデモンストレーションが行われる。ただ、トミーはともかく、和服の岡田奈々が上のOP映像のような本格的な衣装に着替えているのは、ちょっと大袈裟かも。衣装チェンジにだいぶ時間がかかるんじゃないの?
 その頃、たまたま、笙子たちも同じホテルに、さきほどの流星会のメンバーを襲撃にやってきていた。
 あるよね、そう言う偶然(ねえよ)。

 今度は一転、中森明菜っぽい髪型で、なかなか似合ってる。要するにさっきのアフロはカツラだったのね。これもカツラだけど。
 右後方に山本さんがいる。

 だが、笙子はトミーの吹く笙の調べを耳にするや、襲撃は部下に任せて、音のするほうへふらふら向かってしまう。

 会場では、出席者一人一人にコメントを貰う段階に来ていたが、笙子は勝手に入って来て、たまたま入り口近くに空席があったのでそこに座っていたが、たまたまコメントがそのテーブルからスタートしたので、3人目に笙子の番が回ってくる。その前の一人目と二人目のお嬢さん、緊張してただろうなぁ。
 トミーや岡田奈々はすぐ彼女に気付く。
 彼女の番になるが、無言で立ち尽くすだけの笙子。気まずい数瞬が流れるが、やがて持参した花束の花をちぎり、最後はそれを放り捨てて、立ち去るのだった。

 何しにきたんだ?

 部下たちによる襲撃は成功する。
 その後、笙子は実家である神社へ立ち寄る。笙子、今度はブルーのチャイナ服を引っ掛けてる。
 彼女の父親、神主である山本学も、そこで踊りの稽古をしていた。
 BGMを流すラジカセを蹴飛ばし、
 笙子「相変わらずねお父さん、たまにはお金になる仕事に精を出したらどうなの?」

 不良なのだが、その物言いは実はそれほど刺々しくはないし、父親も彼女を見て笑顔になる。

 父親の言によると、彼女は4つの時から雅楽を仕込まれていたらしい。彼女がトミーの吹く笙の音色に反応したのはそのためだったのだ。
 笙子はズカズカ家に入り、タンスから着物などを持ち出そうとする。母親の小林哲子が止めるが、「あたいが内職して稼いだ分を返してもらうだけじゃねえか」と一理ある捨て台詞を残し、さっさと出て行こうとする。行きがけの駄賃とばかり、床の間にある由緒ありげな笙(笛)も持って行こうとするのを見て、父親が「それだけはやめてくれ」と哀願する。ちなみに笙子と言う名前はその笙から来てるそうです。

 笙子がその命名に不満を漏らすのも納得である。
 笙子が障子を開けると、弟や妹たちが立っていた。
 ケンジと言う弟は「姉ちゃんなんて死んじまえばいいんだ」と厳しい言葉を吐き、笙子は傷付く。

 笙子は着物や笛を質屋でテキトーに金に換える。
 その後、地下駐車場で幹部と車に乗ろうとしたとき、突然車のライトが彼らを照らす。
 そう、あのお方の降臨であります。

 松村雄基「東京流星会会長、西村朝男!」
 比企理恵「副会長、山吹麻里!」

 笙子「あたい、相模悪竜会会長、曽我笙子」

 こうやってちゃんと自己紹介するあたり、礼儀正しくて気持ちいいね。
 悪竜会幹部「親衛隊長、堂本剛(笑)!」

 演じるのは荒川亮氏。念の為、ツヨシではなく、タケシである。
 松村「会えて嬉しいぜ、どんな顔したお嬢さんかと会いたさ見たさで恋焦がれていたんだぜ、ふふっ」

 この、いかにもお芝居と言う感じの台詞、良いねえ。
 しかしこの笑顔、ちょっとやばい。
 笙子に用件は何かと聞かれ、「用件はてめえをフクロにすることさっ」とのたまう比企さん。はっきりいってこの髪型とメイクは似合わない。
 このだぶだぶしたワンピースもおばさんっぽいしねえ……。比企理恵ファンとしてはちょっと残念。

 早くもヒートアップしている副長を抑える松村。

 松村「今日は見合いみてえなもんだ、なぁ笙子さん」
 笙子「この見合いはまとまんないね」

 松村の方は彼女と手を組みたいらしいが、笙子は拒絶し、それから東京と横浜の、二つの恥ずかしい名前の組織が全面抗争に雪崩れ込む模様が、乱闘映像と芥川ナレによって描写される。

 一方、殺伐とした笙子たちの日常とはあまりに違う、トミーたちのセレブ生活。
 その夜もクラシックコンサートの帰り道、
 この時点では、まだふたりはラブラブであったが……
 と、トミーは、たまたま、通り掛かった質屋で笙子が捨て値で売り飛ばした貴重な笙を見付け、即座に購入する。
 その直後、たまたま、笙子たちが誰かをフクロ叩きにしているのに遭遇し、あわてて止めに入る。
 画面右端にセーラー服姿の山本さんが見える。
 笙子はとりあえず彼もフクロにしろと部下に命じるのだった。なんでだよ。

 開始から23分、一回目のフクロ叩き、スタート。
 トミー「笙子さん、君はこんなことをするような人間じゃない、やめたまへ!」
 必死で訴えるが、笙子に腹を蹴られてダウンする。
 次のシーンで、ドラマを通じて主要な舞台のひとつとなる「ジョーズ」と言う喫茶店と言うか、スナックが登場する。オーナーであるジョーズのおアキを演じるのは山田邦子。
 何故か、不良たちをリードしてジャズダンス(らしい)を踊っている。

 常に傍迷惑なほど全力で生きてる鬱陶しいキャラが多いこのドラマでは、山田邦子のような明るいキャラは貴重である。もっとも彼女にも暗い過去やらがあるんだけどね。
 無論、山本さんもしっかり踊ってます。
 全身タイツなので、体のラインがしっかり見れる、意外と貴重なカットになっている。
 彼女の振り付けがタコ踊りみたいだと不平を漏らす面々。
 ここでも、山本さんの下半身のラインが際どく映る。ぐふふ。

 くねくねくと体を動かす山田邦子を見て、
 山本「タコダンスにけってーい!」
 楽しそうに叫ぶ山本さんが可愛い。

 初めてこのドラマを見た時点では、無論、山本さんに何かを感じることはなかった。気になりだしたのは、後半、少年院に入る前後くらいかな。あるいは、それより先に「反逆同盟」で彼女を見たかもしれない。2年前なのでよく覚えていない。
 彼らが輪になってタコダンスを踊り狂っているさなか、トミーがまたまた現れる。
 笑顔でその様子を見ていた笙子の表情がトミーの出現に険しくなる。

 他の仲間も気付いて、トミーに脅し文句を放つが、トミーはシカトして笙子の前に進み出る。
 トミー「君と話がしたいんだ」
 笙子「話なんて何もないね、さっさと出ていきな、またゆうべみたいにフクロにするよ!」
 トミー「君はこんな生活をやめるんだ」

 しかし、トミーはどうやってこの溜まり場を知ったのだろう? 調べるにしても、昨日の今日だぞ。
 仲間に「どうするこいつ?」と聞かれ、笙子は、
 笙子「フクロにしな!」
 トミー(マジかよ……)

 開始から25分、二回目のフクロ叩き、スタート。
 トミー「笙子さん、やめたまへ!」

 レオタード姿の女の子たちによってたかって乱暴されて恍惚となるトミー。(註・なってません)
 しかし、ここ、保護者的立場で、店のオーナーでもある山田邦子が一切止めようとしないのはいささか変だ。それに3分と経たない内に袋叩きシーンが繰り返されるのは構成上もおかしい。ここは、山田邦子が割って入って外へ放り出される程度で良かったのではないか。

 それに、トミーがこうまでして笙子を更生させようとする理由も分からない……。非行に走った妹(伊藤かずえ)と、笙子とを重ね合わせていると言うのなら、他にもいっぱい不良娘はいるからなぁ。

 要するに、一目惚れでしょうね。婚約者もいるってのに。
 笙子は、夕陽を浴びつつ、トミーの訴えを心に思い返していたが、
 笙子「あたいは呪われた子なの、今更引き戻せるか! とことんやってやるまでだ!」
 と、独り言で決意を述べるのだった。普通こんな人いませんよね。
 そして、次のシーンでは大勢の手下を前に演説している笙子。

 「大人なんかに何も言わせない、あたいたちの世界を作ろうじゃないか!」

 続けて、流星会とはとことん戦うと宣言する。
 大いに盛り上がる悪竜会の皆さん。
 幹部のひとりが朝の3〜4時ごろに、流星会へ殴り込みを仕掛けるのでそれまで休んでいてくれと言う。その時、
 またまた登場のトミー。

 一応突っ込んでおくが、どうしてこの場所が分かったの?

 笙子は少々薄気味悪そうに「どういうつもりなの」と尋ねる。
 この時、山本さんが前に出て冷やかすように「笙子に惚れたんだとさぁ〜」と言うカットがある。
 即座に笙子に「おだまり!」と退けられるけど。
 続けて「こいつには婚約者がいるんだ、惚れた腫れたは関係ないよ!」と、わざわざ説明する笙子さん。不良の癖にモラリストですね。

 トミーは「君自身、本当に望んでいる(発音が変)世界で生きるべきだ」などと、上から目線で滔滔と述べる。
 笙子「黙らないとフクロにするよ……(トミー無言)……おはる、この男をフクロにしな!」

 トミー「え゛っ、黙ってたのに……」

 笙子は命令するが、
 今度は手下たちが気乗り薄。
 おはる(かとうゆかり)「もういいよ、笙子、飽きたよ
 坂上亜樹「笙子、コイツ、マジだよ、マジで頭がおかしいよ

 まあ、ある意味視聴者の気持ちを代弁した台詞である。

 女性幹部たちは従わないが、男性幹部たちは笙子に指示されるや、容赦なくトミーをフクロにする。

 はい、開始30分、三回目のフクロです。
 つまり、トミーは7分と言うドラマの中の時間で、三回もフクロ叩きされるという稀有な体験をした役者なのである。
 トミー「やめるんだ、笙子さん」
 ボコボコにされて、最後は気絶してしまう。

 その後、彼らは戦いに備えてさっさと寝てしまう。毛布を被ってみんな雑魚寝であるが、なんか合宿みたいで楽しそうだ。ただ、放送は4月だが、撮影時は冬だったろうから、実際はとてもじゃないがそんなところで寝られなかっただろう。


 ……長い。まだあるのか。


 笙子はトミーが自分が売り飛ばしたあの笙を持っているのを見て驚く。そりゃまあそうだ。ドラマの世界だけに存在する偶然のなせる業である。

 笙子も毛布を被って寝てしまうが、どれくらい経ったか、懐かしい笙の荘厳な調べに目を覚ます。
 慌てて周囲を見ると、
 トミーの仕業だった。
 で、笙子は自然と体が動いて、幼時から教え込まれた舞楽を舞うのであった。
 しかし、トミーは笙子がそういうたしなみがあることを知っていたのだろうか。それまで、そう言う手がかりは全くなかったはずだが……、直感で知っていたとしか説明しようがない。
 踊りつつ、彼女が正装して踊っているイメージも流れる。伊藤麻衣子さんは可愛いね。

 で、その音に他のメンバーも気付いて起きる。
 普通なら笑うところだが、なにしろリーダーが踊っているので笑うに笑えない。
 山本さんはびっくりし過ぎである。
 踊りながら涙を流す笙子。

 そして、見詰めあう二人。
 トミー「素晴らしかったよ笙子さん、やはり君は僕が思っていたとおりの人だった」

 とすれば、やはり、彼女を見ただけで舞楽をやっていた人だと察知したのだろうか?

 こうして、実にあっさりと彼女を更生させてしまったトミーでした。無論、それは内心の問題で、実際に彼女が自他共に更生したと認められるのはだいぶ先なのだが……。
 ただ、ドラマのストーリー上、彼女の改心があまりに早過ぎるのは残念だと思う。彼女がトミーの真心に動かされて、不良から足を洗おうとするまで、もっと時間をかけて描いて欲しかった。
 二人で仲良く夜の港をほっつきあるく。
 その様子を意外なことに、車の中から岡田奈々と宮崎達也が見ている。つまり、トミーは弁護士の達也に笙子たちのことを調べて貰い、婚約者の了解の下で、笙子を更生させようとしていたのだろうか。

 岡田奈々「舞楽の世界は格式を重んじる(中略)哲也さんが不良少女と交際してると噂が流れたら」
 宮崎達也「恭子さん、哲也を信じてあげてください……哲也にはあの少女を救わなくてはならないわけがあるんです」

 そして物語の核心に触れるようなことを言いかける。
 「哲也には葉子さんと言う妹がいたんですが……あっ、哲也がまだあなたに何も話してないとすると俺の口から話すわけにはいかんなぁ……」

 もったいぶるなよ。


 その妹・葉子(伊藤かずえ)が実は生きており、物語で重要な役割を果たすことはご存知のとおり。
 一応、トミーが笙子に入れあげる言い訳がされているが、さっきも書いたように、不良少女は笙子だけじゃないんだけどなぁ。
 葉子と笙子が瓜二つ(二役)とかだったら、まだ分かるんだけどね。

 で、その日の襲撃は行われなかったが、流星会との抗争はやまず、部下から突き上げられた笙子は、結局戦いに身を投じるのだった。
 伊藤さん、ちっちゃな体で奮闘する。
 壮絶なバトルが繰り広げられるが、その時、似つかわしくないみやびな音楽が聞こえてくる。
 そう、あのお方です。
 突堤の上に立ち、質流れ品の笙を高らかに響かせているトミー。

 その音を聞いて怯む笙子。なんか「キカイダー」のギルの笛みたいである(知るか)。

 悪竜会は松村雄基たちを追い詰めていたのだが、リーダーの彼女が逡巡しているうちにパトカーのサイレンが聞こえてきて、松村たちはさっさと逃げ出す。笙子は部下に責められるが、「みんなゴメン」と言い捨てて、トミーの元へ向かうのだった。
 そして、うるうるしながらトミーの胸に飛び込む。
 この段階で既に、笙子はトミーに対して激しい愛を感じていたのだろう。

 笙子「哲也さん、あたい、足を洗います、笙子は生まれ変わります」
 笙子「あたいは確かに非行の限りを尽くした女です。今までのあたしは命なんて少しも惜しくはなかった。命ギリギリのところに自分をブン投げて生きるか死ぬかを楽しんでいたんです。堕落していくことが気持ちよかった……そんなときしか自分が生きてるってことが信じられなかった……私、今度こそまっとうに生きます、哲也さん、あたしに舞楽を教えてくれますか?」

 ながーい台詞。

 で、笙子は即座に相模悪竜会をやめると言い出す。ついさっきまで「あたいたちの世界を作ろう」とか気勢を上げていたのに、さすがにそれはないだろうと思う。
 仲間からも当然ブーイングを受ける。
 山本「あたいも承知できないね!」
 気まずい空気が流れるが、カウンターの山田邦子が咳払いをしてみんなを振り向かせる。
 彼女は、笙子の気持ちも分かる、自分もかつてはグレていて、少年刑務所まで行ったが、若いヨシ坊と出会ってからはすっかりラブラブになったなどと言う。
 なお彼女の夫で、照れるヨシ坊を演じているのは新育生(あらいいくお)さん。「ウルトラマンレオ」の子役などで有名ですね。
 山田邦子「愛してるかい、ヨシ坊?」
 育生「愛してますーッ」
 山田邦子は彼の頭にキスまでしているが、これはアドリブかなぁ。

 みんな白けてしまうが、結局何が言いたかったんだよ。

 そこへ他の荒っぽい男連中もやってきて悪竜会を辞めるという笙子を非難する。で、笙子自身が作ったという掟……足を洗うときはフクロ叩きにされると言う掟に従い、今度は彼女が仲間たちから殴る蹴るの暴行を受けるのだった。
 見て見ぬ振りしてないで止めんかい! おめえの店だろうが。

 開始から44分、四回目のフクロ叩きです。
 血糊を顔につけ、靴でごりごりやられる笙子。伊藤麻衣子さんの熱演です。
 ズタボロになって店の外へ放り出された笙子を、駆けつけたトミーが抱きかかえる。
 笙子「哲也さん、あたし、抜けたわっ」
 トミー「笙子さん!」
 お姫様抱っこして立ち去ろうとするトミーのところへ、幹部たちがやってきて、堂本剛(笑)が「笙子は確かにあんたに渡した。半端なことしやがったら俺があんたを刺し殺す!」と断言し、また店の中に戻っていくのだった。

 要するに、彼も密かに笙子のことを愛していたと言うことだ。

 傷付いた笙子を映しつつ、ナレーションで締め。

 芥川隆行ナレ「(前略)それにしても笙子よ、お前は何故『不良少女』と呼ばれなければならなかったのか?」

 もう足を洗ったんだから良いじゃないか。



 と言う訳で、やたら密度の濃い第一回目だったが、はっきり言ってエピソードを詰め込みすぎである。もう、この一話で「完」にしてもいいくらい、恐ろしく迅速に話が進んでしまった。さっきも書いたように、初回はトミーと笙子の出会いから、トミーの訴えに笙子が更生の兆しを見せる、くらいで良かったんじゃないか、と。
 実際は、足抜けのために仲間からリンチされるところまで描いてしまった。

 管理人はつい、「男はつらいよ」シリーズ第1作で、さくらと博の結婚から、さくらが満男を生むまで描き切ってしまったことを連想してしまう。「男はつらいよ」は本来1作しか作らない予定だったのだから、急ぎ足で話を進めたのもまだ理解できるのだが、このドラマの場合、最初から2クールあると分かってるはずなんだけどね。





  第02話「横浜ロスト・ラブ」(1984年4月24日放送)

 第2話のサブタイトル、ほかのタイトルはすべてカタカタのみなのに、今回だけ横浜と言う漢字が使われている。また、何故か今回の視聴率が最も低い(12.1)。ま、どうでもいいことだが。

 冒頭、早速更生して、手始めにラーメン屋で働いている笙子。話が早くて良いね。
  
 しかもその愛想の良い接客振りは、まるで物心ついた頃からラーメン屋で働いてきたかのように板についている。
 ナレーションで、前回から2週間経ってることが分かるのだが、それにしても変わり身が早過ぎてウソっぽい。これではほとんど二重人格である。

 で、トミーがストーカーのごとく店にやってきてラーメンを注文する。
 大映ドラマにおいて、ヒロインに恋した主演男性は、だいたいヒマになる。いつでも好きなときにヒロインのもとへやってくるのだ。ちなみに、トミーは文部省の雅楽関連の職員なんだっけ?
 一方で、笙子たちを付け狙う刑事の姿も見える。前回は触れなかったが、石山雄大演じる刑事は1話からずっと笙子たちの行状を観察していたのだ。
 しかし、あれだけ堂々と暴力行為を繰り返しているのに、笙子たちが何で今まで補導されなかったのか、不思議である。
  
 そして、イメージ的に笙子が約束どおり、哲也の指導の下、舞楽の稽古をしている様子が映し出される。
  
 踊りだけでなく、笙の練習も。ちらっと暗号のようなものが映るが、これが笙の楽譜なんだろう。げげ。
  
 そしてアップで見詰め合うふたり。たれ目の伊藤麻衣子さん、明らかにトミーに恋しているが、トミーの方はなんか「しめしめ、こいつももう俺のものだ」などと、いたいけな少女をたぶらかしているようにも見える(註・見えません)。
 堂々と抱き合うふたり。

 トミー、お前は仮にも婚約してるんだろうが!

 前回、あまりに早く笙子が更生してしまったことを残念だと書いたが、同時に、笙子と哲也が余りに早くフォーリンラブしてしまうのも、いささか物足りない気がする。

 当然、婚約者の岡田奈々がそんなていたらくを黙ってみているはずもなく、彼の家に押しかけてきて、問い質している。
 部屋の外で会話を立ち聞きしているのは、トミーの母親で、演じるのは岩本多代さん。美熟女です。
 トミー「僕はすっかり笙子さんが立ち直って舞楽の世界でひとり立ちできるまで見守ってあげたい」
 しかし、舞楽って具体的どういう職業なのか、いまいちよく分からないのだった。

 岡田奈々「哲也さん、どうしてあなたがそこまでしてあげなくちゃならないの? 哲也さんはあたしとあの子とどっちが大切なんですかっ」

 割と核心を突いてくる岡田さん。ま、彼女が怒るのも当然なんだけどね。

 対して、
 「あっ、そういやそーだったな」と言うような顔になるトミー。ダメだこりゃ。

 岡田さんも、この時点で彼のことは諦めて婚約解消したほうがお互いのためだっただろう。
 ただ、じゃあ1話冒頭の、トミーのあのデレデレした様子はなんだったのか、岡田奈々と婚約に至るまでどういう恋愛をしてきたのか、その辺が解せないのも確かだ。

 が、逆に岡田さんは言い過ぎたと反省し、「ごめんなさい、あたし、あなたを信じてます」と健気に耐え忍ぶのであった。
  
 笙子は、まるっきり別人のような明るさで、神社の境内で遊んでいた幼い二人の妹に話しかける。
 二人が怯えているので、更生してから初めて顔を見せたのだろうか。
 二人にプレゼントをあげたあと、家に上がりこんで弟にお小遣いをあげようとする。
 ケンジ「要らないよっ」
 笙子「バカねえ、あたしが真面目に働いて貰ったお金よ、そうでなきゃ恐ろしい弟にお小遣いなんてあげられないよ」
 おどけた口調で言う笙子。
 ケンジ「姉ちゃん、お客さん来てるぞ」
 ケンジはそれには答えず、大人っぽい口調で知らせる。英語の辞書が傍らにあるので、ケンジは中学生なんだろう。
 客間に行くと、哲也の母親が笙子の両親と対座していた。
 ずばり、彼女は笙子に、哲也と会うのはやめて欲しいと言いに来たのだ。大映ドラマのいつものパターンですね。

 岩本「哲也はあなたと別の世界に住んでる人間ですのよ……あなたと哲也が付き合っていると言う噂が流れるだけで、哲也の人生は台無しになるんですよ! 笙子さん、あなたは不良少女なんですよ!」
 続けて「不良少女」と連発され、激しく傷付く笙子。うーん、当時はそんなインパクトのある言葉だったのだろうか?

 で、「二度とトミーと会いません」と、大嘘をつく笙子であった。大映ドラマのヒロインは大体この台詞を言います。そして守ったためしがありません。

 こないだまで、相模悪竜会でぶいぶい言わせていたのに、別人のようにしおらしくなり、ひとりでびーびー泣くのだが、
 OP前のカットで、なんかちょっと鋭い目付きになるのが怖い。このまま岩本多代を刺しに行きそうで。

 で、OP。

 ラーメン屋で酔客に、日本酒の筈がビールを持ってきて叱られ、ビール瓶を床に落として割ってしまい、それでも素直に謝って掃除をしている笙子だが、日本酒とビールを間違えるか普通? あと、どう考えても笙子を押したおっさんの方が悪い。ビール代弁償しろ。ワシは酔っ払いは嫌いじゃ。

 そこへ、いつもヒマなトミーがやってくるが、
 笙子はトミーの母親との約束を思い出し、わざと険しい顔をする。

 厳密に言えば、既にトミーと会ってるんだけどね。
 笙子「あんたいつまでお人好しなの、いい加減気付いたらどうなの?」
 トミー「何をだい?」
 笙子「バカだねあんたも。あたしが本気で悪竜会の会長やめたと思ってんの?」

 笙子は、この間のリンチも、警察の目を誤魔化すための芝居だと白々しい嘘をつく。
 ここでは以前の不良少女口調になっている。
 トミー「君は僕に迷惑がかかるのを恐れてそんなこと言ってるんだろう。だったらそんな必要はないよ。
 僕は君を愛してる!

 いきなり爆弾発言をかますトミー。さすがに愛の告白が早過ぎないか?
 笙子に、「あなたには恭子さんと言う婚約者がいるじゃないか」と言われるのももっともだ。笙子の立場からすれば、逆にトミーが信用できない男に見えるんじゃないか? 仮にトミーと恋仲になっても、今度は彼女が岡田奈々のように捨てられるんじゃないかと疑心暗鬼になりそうだ。

 トミー「僕は君を信じている。君も僕を信じて欲しい」
 と言う言葉が、いささか虚しく響く。

 こんなに簡単に岡田奈々を捨てられると言うのは、結局、雅楽の世界の一種の政略結婚だったのではないかと考えてしまう。でも、1話の冒頭ではそう言う風には見えなかったんだけどね。

 笙子はしかし、トミーの将来のためを思い、「どうにもなんないね。底抜けのバカだよあんたは! あたしの正体も知らないで……」と、自分を貶める発言を続ける。なお、今度捕まったら少年刑務所行きだと言っているが、と言うことは、過去に何回か補導されたことはあるのだろう。
 そこへ、かつての部下がやってきて、仲間が流星会に捕まったこと、ヤスオが決戦のために兵隊を集めていることなどを訴え、
笙子に助けを求めるのだった。

 こいつらも、こないだ笙子をフクロにして追い出しておいて、よくそんなことができるな。ま、彼らはリンチに加わったわけじゃないだろうが。
 笙子は悪竜会のリーダーとしてと言うより、かつての仲間を見捨てて置けない気持ちで、戦いに戻ることを宣言する。もっとも、そのまま現役にカムバックするつもりでもなかっただろう。
  
 トミーは、「待つんだ、待ちたまへ!」と止めようとするが、堂本剛(笑)に胸倉を掴まれて阻まれる。

 時間的には僅かだが、なんか、この場面、タケシがトミーに愛の告白でもしそうな雰囲気で、妖しい。タケシのうるうるした瞳が危ない。
 その後、商店街を駆け抜ける笙子たち。伊藤さんは普通の格好だけど、他の人は戦闘服スタイルなので、ちょっと恥ずかしかったんじゃないかと思う。
 坂上亜樹なんて、背中にこんなのしょってるしね。
  
 笙子はトミーのことを断ち切れず、途中で歩を止めてしまう。追いついたタケシは、トミーのことは忘れたと言う笙子にビンタして、「哲也さんの愛はハンパじゃねえよ」と、素面ではとても言えそうもない台詞を吐く。泥酔してたのかな。
 タケシは、捕まった仲間は自分が助けるから、笙子はヤスオを止めてくれと頼む。
 笙子が抜けた後、リーダー格になったのだろう、ヤスオが波止場で仲間たちと集まっている。だが、人望がないので、人手が足りず、流星会には勝てそうもないと弱音を吐いている。
 と、そこへ笙子がやってくる。
 人望が有り余るほどある笙子を見て、女性幹部たちが「おねえ!」「笙子!」等と口々に言いながら駆け寄る。
 その中に、セーラー服姿の山本理沙さんの姿も見える。咽喉のラインがちょっとセクシーですね。
 笙子は、ヤスオと二人だけで談判する。
 もっとも、ヤスオの感じでは、ほっといても流星会には戦争仕掛けなかったと思うけどね。
 笙子「あたいたち、そろそろ退け時だよ……いつまでもこんなバカなことやってないでさ、もっとまっとうに生きる道を探そうよ」
 と、今回の戦いのみならず、ツッパリそのものから足を洗おうと呼びかける。

 ただねえ、2週間前には「あたいたちの世界を作ろう!」とか宣言していた人に言われても、なんとなく釈然としない。
 足を洗うかどうかはともかく、全面戦争の回避は同意したヤスオ。笙子はみんなから武器をとりあげるよう幹部に命じるが、
 そのタイミングで、彼らを機動隊の照明が包む。
 石山雄大「全員、凶器準備集合罪で逮捕する!」

 抵抗する彼らと、警官隊の間でぬるい乱闘になるが、みんな捕まってしまう。だが、笙子は流星会に捕まった仲間を助けねばならないのでひとり逃げ延びる。
 どさくさ紛れに女子の乳を掴む警官。

 芥川ナレ「1984年2月18日午後8時、悪竜会の少年23名逮捕……その中に笙子の姿はなかった」

 ナレーションから、ドラマ内の時間が放送日ではなく撮影日にあわせてあることが分かる。

 その後、笙子はひとりで多摩川縁に流星会との決着をつけに向かう。
 タケシが松村雄基に決闘を挑み、あっさり負けたことが語られ、
 不甲斐なくも捕まってる人たちの図。
 笙子は自分をフクロにするかわり、仲間たちは解放するよう交渉する。

 が、
 比企理恵「寝とぼけたこと言ってんじゃねえよ、おらーっ」
 と、いきなり往復ビンタを喰らい、そのまま「不良少女とよばれて」名物のフクロに突入する。

 しかし、比企さん、なんで「寝」を付け加えたのだろうか。
 前回の終わりでズタボロにされているのに、笙子さんがまたもよってたかって殴られるのを見せられるのはつらい。
  
 途中、スタントもまじえてのかなりハードなシーンとなる。
 松村「相模悪竜会ももうおしまいだな。笙子、お前のこんな半端な姿を見たくなかったぜ。お前にはよー、とことん突っ張って欲しかった!」

 そう言い捨てて、笙子もタケシたちも放置して速やかに立ち去る松村たち。
 しかし、なんでこいつらは野放しなんだろう? ま、後で彼らも逮捕されるのだが。

 ここで普通に笙子が真面目な暮らしを続けていれば、特に波乱も起きないのだが、よしゃいいのに笙子は自分の罪を清算するために、自ら警察に出頭することを選ぶのだった。

 警察に出頭する前夜、笙子の家族は沈み込んでいた。
 そして、笙子は警察へ赴く前に、熱心に体を洗い清めていた。
 ここで、有名な入浴シーンとなります。
 結構際どいシーンなのだよ、これが。一瞬、乳首が映ってるんじゃないかと思うカットもあるが、さすがにそれはないだろう。
 ただ、首から下には泡をつけてるのに、顔や髪は手付かずなのは、さすがにウソっぽい。撮影上、しょうがないとは言え。
 こういうかなりドキッするカットまでありますのよ。おほほほほほっ。
 ただ、伊藤さんは童顔なので、なんかアイコラ画像みたいである。

 彼女は体を洗いながら、哲也に対する思いを断ち切るなどと真剣な決意を心の中で述べているのだが、視聴者(特にオス)の耳には全く入らなかったことだろう。

 そもそもこのシーン、要るか? スタッフのスケベ心が生んだ奇跡としか言いようがない。
 最後は、手桶のお湯を思いっきり頭からかぶる。

 シャンプーは?

 風呂から上がってからも、
 「私が悪かった」「いいえあたしがいけないのよ」「いや、私が」「いやいや、あたしが」「私だと言っとるだろうが!」「誰が何と言おうがあたしが元凶です!」「なんだとこのアマ!」
 と、反省会をする両親。後半は管理人の妄想です。

 ただ、その流れで、
 まだ不良になる前の笙子が造花の内職をしているところへ、母親がやってきて「笙子なんて産みたくなかったの」とやぶから棒に告げるカットが流れるのは要チェック。
 これが彼女が非行化する原因となったらしいが、詳しいことは後でじっくり説明される。

 そのことを泣きながら謝る母親に対し、笙子は「もうそのことは言わないで。お母さんはとっても正直で、隠し事のできない人なの」と慰めているが、フォローになってねえ。

 さて泣き明かして夜が明けて、まだ靄の漂う早朝、笙子は風呂敷包みひとつ持って家を出て、石段を降りる。
 と、案の定、きゃつらが待ち構えていた。
 無論、山本さんの姿も。

 ただ、こんな朝っぱらから、きっちりメイクを施してやってくるというのは、リアリティに欠ける。ま、彼らのことだからどこかで夜明かしした後に来てるのかも知れないが、ここは普段着で良かったんじゃないの?

 彼らは口々に笙子に出頭しないでくれと哀願するが、笙子の決意は固かった。

 考えたら、彼らもほぼ同罪なのに笙子だけ少年院行き(この時点では未定だが)と言うのは、不公平なんだけどね。
 さらに、坂上亜樹がトミーを連れてくる。
  
 ここでもトミー、ギャラリーもいると言うのに、励ましの言葉を述べた後、「君を愛してる」と宣言する。
 もう、トミーにとって岡田奈々さんは昔の女に過ぎないようです。

 笙子はそう聞いて思わず嬉しそうな顔になるが、ここでトミーの将来のことを考えて、心を鬼にして厳しい言葉を浴びせる。

 「うるせえっ、あたいはねえ、そんな半端じゃないんだよ! 二度とあたいの前に現れるなって言った筈だろ! うろちょろしてると叩きのめすから覚えときな!」

 ただ、一話であんなにしおらしいことを言っていた笙子さんが何を言っても、トミーには通用しない。笙子にしても、トミーが自分の本心が違うことを知っているのだと、知っているのだから、要するに彼らはやや変化球的な恋愛を楽しんでいるだけじゃないのかと言う気もする(ちょっと何言ってるか分からない)。

 トミーは例の笙を「自分だと思って」と言い、渡す。
 行きかける笙子の後ろから、「しあわせのさかいめが〜」と突然歌いだす相模悪竜会コーラス部の皆さん。

 多分、やるだろうと思っていた演出である。管理人はすぐ早送りしたけど。ちなみにこれは大映ドラマの大先輩・山口百恵の「GAME IS OVER」と言う曲である。全然知らんけど。

 さらに、石段の左右に並んで歌いながら笙子を送り出す面々。割と恥ずかしいぞ。

 所轄警察署の少年係へやってきて石山雄大に「曽我笙子、ただいま自首しました」とかっこよく決めたつもりの笙子だが、
 「笑わせるなこの不良! もう遅いんだよ、逮捕令状だ! やーい、ばーかばーか」
 と、罵られる。後半はウソです。

 そう、彼女には既に「凶器準備集合罪」の逮捕状が出ていたのだ。あらあら。
 そして、手錠がかけられる。

 芥川ナレによって、彼女が護送車で横浜地検へ送られる映像に被さって、少年事件送致書の内容が語られる。もっとも、それにはちゃんと「自首」とあるから、自首そのものは認められたようである。

 それによって、笙子がこの時点(1984年3月)で17才だと分かる(5月で18才)。

 で、横浜少年鑑別所に送られることとなる。
 他の不良少女たちと一緒に所内の制服に着替えている笙子。
 芥川ナレが「少年鑑別所とは……」と鹿爪らしく説明しているが、視聴者(特にチンコのついてるほう)の耳には入ってこない。

 さすがに伊藤麻衣子さんもブラジャー姿にはならない。ちぇっ。

 鑑別所は、その名の通り、送られてきた少年少女を鑑別して、保護観察処分か、少年院に送るか判断するところらしい。
 ロール・シャッハテストを受けている笙子さん。

 独房に入った笙子さん、早くも「哲也さんに会いたい」などとぬるいことをほざいている。
 一方、一目で分かる後ろ頭の山本さんたちは、警察署の前で見張っている。
 と、逮捕されていたヤスオたちが釈放されて出てくる。
 実際に罪を犯したヤスオたちではなく、濡れ衣の笙子だけが鑑別送りになったことに、女性幹部たちは憤る。
 山本「ヤスオたちがチクッたのさ! 奴ら少年院に送られるのが怖くて、笙子ひとりに罪を被せたんだよ」
 坂上「あたいたちで焼きいれてやろうか」
 山田かつてない邦子「よおーし、そういうことならあたしもやろう!」
 こいつには、どうも保護者的立場にあると言う自覚がないようだ。
 カムバックすると言う邦子を、夫のヨシ坊がなだめるが、
 山田「少しは男らしくしたらどうなんだい。離婚するぞ、離婚」
 ヨシ坊「ボク、実家に帰らせていただきます」
 さっさと店から出て行こうとするヨシ坊を、慌てて追いかける邦子。いつもの夫婦漫才にメンバーも失笑するが、
 そこへトミーとタツ(宮崎達也)が入ってくる。相変わらず暇だ。

 「ヤブ弁護士、会長が鑑別所に送られちまったじゃねえか」
 「笙子おねえが少年院に送られたら、あんたタダじゃ済まさないかんね」
 不良少女たちは次々と彼らに詰め寄るが、どれもこれも舌足らずで可愛いのだった。
 達也「待ちたまへ! 鑑別所に送られたからって少年院送りが決まったわけじゃないんだよ!」
 その笙子は、独房から団体部屋に移されていたが、入った早々、先住不良少女たちからフクロ叩きに遭う。

 フクロ叩きが好きな民族だ。

 ただ、彼らは笙子が相模悪竜会の会長と知ってるのに、いきなりこんな大胆なことするかなぁ? 彼らは笙子が堅気になろうと思ってることは知らないわけなので、むしろ後難を恐れてヘイコラするのが普通じゃないか?
 同じ頃、トミーも辛い目に直面していた。
 岡田奈々の家に呼び出され、中条静夫以下から、笙子とのことについて尋問されている。ヒーッ。
 静夫パパは、トミーに立派な楽人になり、28代目の葉山流を継いで貰いたいと言う。
 トミーの父親、高橋昌也は穏健で、「哲也はもう大人だから自分たちで決めなさい」と、ありがたいお言葉。
 一方、岡田奈々の母親、三ツ矢歌子、「江戸川乱歩の美女シリーズ」第1作目のヒロインとして有名だが(註・そんなことはない)、このドラマではトミーと笙子の恋路をことあるごとに邪魔する最大の敵となる。

 三ツ矢「非行少女との交際は葉山家では認めません! はぁーいやだわぁ、非行少女だなんて」

 トミー「笙子さんはもう、非行少女ではありません」
 トミーの母・岩本多代「何言ってるの、不良少女ですよ」

 トミーの母も尻馬に乗る。
 彼女はついでに、以前笙子に会って、トミーと二度と会わないと約束させたことを誇らしげに言う。トミーはそれで、笙子が彼を拒んでいる理由に気付く。

 トミー「葉山さん、ボクは、あなたに推挙していただき、舞楽の楽人になることができました。その御恩は決して忘れません。ですが、お願いです。恭子さんとの婚約はなかったことにしていただけませんか?

 中条静夫に向かって、キッパリと婚約解消を申し出るトミー。ある意味、男らしい。
 岡田奈々「ガーン!」(註・言ってません)

 トミーはそれだけ言って対座する。しくしく泣く岡田奈々。

 さて、笙子は鑑別所での各種審査は優秀だが、かつては真面目だったのにどうして不良になったのか、その点について説明を求められていた。
  
 調査官との話で、彼女の過去にやってきたことなどが羅列される。
 暴行や窃盗、シンナー遊びなどである。

 もっとも、屋外でシンナー吸う(右)と言うのもなんか変だけど。
 彼女は5回補導され、3回保護観察処分になったらしい。
 うーん、だったら、とっくの昔に鑑別所〜少年院コースを辿ってる筈なんだが……
 誠意のありそうな調査官(?)は、彼女が非行に走った動機を知りたがるが、笙子は母親のことを悪く言いたくないので、その点については頑なに拒む。

 仮に彼女が打ち明けていれば、少年院送りにはならなかったかもしれない。
 うーん、でも、詳細に話さずとも、「親から、お前は産みたくなかったと言われました」とサラッと言えばいいのになぁ。むう。

 なお、笙子の回想として出てくる、小林哲子の「(笙子を)水に流してしまえばよかった」と言う台詞はかなり強烈である。

 理由はないと繰り返す笙子の頬には熱い涙が流れていた……調査官も察しろよ。
 その後、同室のイジワル女に、このままだと少年院行きだ、二十歳まで壁の中だ、ばーかばーかと言われ、動揺する笙子。彼女は自首したので少年院送りにはならないと、少しは計算していたようだ。

 笙子「やだっ、少年院に行くなんてやだっ」
 割と根性のない笙子であった。

 なんか、家を出るときは、「何年かかっても、どんなことをしても罪を償う」みたいな感じだったのだが……

 落ち込んでいた笙子に面会人が来る。それはなんとトミーであった。トミーは堂々と婚約者だと係官には言っていた。バカである。笙子にプロポーズもしてないのに、勝手に婚約者を名乗るんじゃない。

 笙子は喜び勇んで面会室の前まで来るが、結局、トミーの母親の言葉を思い返して、会わずに逃げてしまう。
 愛しい人に会いたいのに会えないと言う状況に、壁を拳で打ち付けて耐える笙子。

 面会できず、失意を抱いて外へ出たトミーの耳に、かすかに笙の音色が聞こえる。
  
 トミーは笙子が吹いているのかと耳を澄ますが、結局空耳だったかとそのまま立ち去る。

 が、中ではやはり笙子がトミーに渡された由緒ある笙を無心に吹いていたのだった……。

 芥川ナレは、「それは自らの恋の終わりを弔う葬送の曲であった」と言うが、大映ドラマのヒロインが「誰々との恋を諦める」と言って、ほんとに諦めたためしがないのである。

 そして最後、彼女が中等少年院に送致されることが決まる。ナレでは、「自ら望んだ」と言っているが、どうしてそう言う決定になったのか、正確なところは不明である。

 護送バスに乗る前、咲き零れる梅(桜?)を見て「さようなら哲也さん」と心につぶやく笙子であった。





  第03話「ビギン・ザ・ラブ」(1984年5月1日放送)

 前回の最後の続きで、護送車で「相模愛育女子学園」に連れて来られる笙子。
 ここが前半と言うか、ほぼ全ての舞台となるところです。
 最初の頃、あんなに長いことこの中で物語が推移するとは夢にも思わなかった。

 芥川ナレによれば、ここは中等少年院で、年齢制限は16から20までだそうです。
  
 で、何はともあれ、身体測定。
 そりゃ確かにそう言うことはするんだろうけど、わざわざ映像化する必要があったか?

 最初に学園長の丹波に会うのだが、
 案の定、名古屋章だった。

 いつものあの飛び跳ねるようなカツゼツで、笙子にあれこれ話しかけるが、自分が陰で「山猿」と言われているとぼやくが、笙子の表情は硬い。
 教官もここで紹介されるが、これは大磯先生(福崎和弘)で悪い人。
 別に悪人と言うことではなく、ドラマの中では笙子につらくあたる人である。
 瀬戸先生(高橋恵子)は良い人。
 江田先生(中村晃子)は悪い人。
 後に出てくる丹波の甥は、良い人と、実に見事にバランスが取れている。
 名古屋章は、まあ、善悪定かならぬ感じかな。

 この施設の決まりで、新しい入所者は、一週間独房で過ごさねばならないという。反省させるためである。
 一方、トミーは婚約までしていたのに笙子に惚れてしまい、岡田奈々を捨てたことを詫びていた。
 岡田奈々は婚約指輪を返し、去って行く。
 表面的には綺麗さっぱりトミーのことを忘れているようだったが、無論そんなことはない。

 その様子を見兼ねた中条静夫パパはトミーの家を訪れ、トミーは一時的に笙子に入れ揚げているだけで、そのうち目を覚ますだろうから、婚約は解消しないと明言する。
 また、東京流星会の松村はジョーズを訪れていた。当然、警戒する相模悪竜会の面々だが、
 松村「なぁに、ちょっと笙子の香りを嗅ぎに来ただけよ」
 と、フェチっぽい台詞を残し、また後々恋仇になるトミーにも一瞥を投げて、去って行く。

 しかし、トミーは何でここにいるんだ?
 さて、少年院では早くも一週間が過ぎ、笙子が独房から解放され、大部屋に移ることとなる。
 彼女を連れて行くのが、出張に行っていて笙子と会えなかった丹波の甥でもある、圭太郎先生である。演じるのは若き阿部祐二。
  
 彼は「あんな山猿にこんな良い男の甥がいるなんて思わなかっただろう……いってっ!」と、後ろ向きで歩いて背中をしたたか打ち、おっちょこちょいなところを見せる。それを見て、やっと笙子が笑顔を見せるが、こんな素敵な笑顔の不良少女はいません。
 で、大部屋の3号室に案内されて、ここで運命の出会いが発生。
 室長(?)を務める長沢真琴(伊藤かずえ)である。

 彼女こそトミーの生き別れの妹なのだが、ここで問題です。少年院に入ったら、恋人の生き別れの妹と同じ部屋になる確率を求めなさい。答えは無論、100パーセントである。これはリアルではなく、大映ドラマと言う一種の異次元空間なのである。

 ちなみに彼女の通称はモナリザである(笑)。
 その中には、「反逆同盟」にも出ている立原ちえみ演じる中川景子や、中盤で圭太郎と感動的な別れを演じる戸塚五月(森美香)の姿も見える。

 五月「ハウドゥードゥー」
 色っぽい仕草を見せる五月。個人的には、このメンバーの中では一番好きだ。

 で、圭太郎が出て行った後、
 一瞬、彼女たちが緊張した表情を見せる。前回の鑑別所のことを思い返して、笙子は襲撃を予想するが、
  
 意外にも、彼らは揃ってクラッカーを鳴らして、笙子を歓迎するのだった。

 モナリザ「ビックリさせてごめんなさいね。これがあたしたちの歓迎の儀式なの」
 さらに、輪になってチェッカーズの「ギザギザハートの子守唄」を歌い狂う少女たち。

 15で不良と呼ばれたよ〜♪ と言う歌詞があるからだろう。

 笙子さん、これはこれでめんどくせえなとか思っていたのではないだろうか。

 こうして仲間に恵まれて笙子さんの楽しい学園生活がスタート。授業としては普通の学校よりも、手に職を付けるような内容が多いようだ。
 だが、かつて笙子がいためつけたトキ子(仁乃慶子)と再会し、暗転する。
 彼女は笙子に対し激しい憎しみを抱いていて、早速襲い掛かるが、暴力沙汰を起こして出所が遅れるのを恐れる笙子は手出しができない。
 また、瀬戸先生の裁縫の授業中には、
  
 真後ろに座ったトキ子が、針で背中をブスッと刺すと言う陰険なことをされる。しかも何度も。
 ここでも声を立てずに痛みを堪える笙子だが、俺だったらとりあえずドロップキックするけどね。

 仲間に教えられてモナリザもそれに気付くが、ほっておけと何故か冷たいお言葉。
  
 それやこれやで、入所10日目にして辛さのあまり、夜、ひとり涙をこぼす笙子さんでした。
 300人と言う大組織のトップだった人間にしてはあまりにひ弱いメンタルで、いささか幻滅してしまう。ま、愛するトミーと会えない辛さも加わってのことだろうが。
 そして、それを静かに見ているモナリザ。
 そんな日々が続く中、トミーが少年院を訪れ、笙子と面会を希望する。
 彼が名古屋章に差し出した名刺で、彼の正式な肩書きが分かる。「総務府技官 楽師」だそうな。
 しかし、名古屋章は肉親以外とは会えない決まりだとつっぱねる。それを聞いて、
 トミー「あなたもやはり悪人だ」
 と言う台詞、妙に浮世離れしていて、印象に残る。それにちゃんとそういう規則があるんだから、それで断ったからって怒るというのも筋違いだ。
 もっとも、名古屋章の真意は別にあり、

 章「この学園ににいるものは家庭に見捨てられ、男に裏切られた可哀想な娘が大半です。利用するだけ利用され、骨までしゃぶられて捨てられて、誰も面会に来てくれる恋人などいません。そう言う娘たちがですよ、もしあなたと笙子くんが会ったということを知ったら、どうすると思いますか?」
 章「嫉妬するなと言うほうが無理だ!」

 トミー「確かに、彼女の婚約者が僕のようなイケメンだと分かれば……」
 章「だぁーっとれ!」

 章「必ず陰湿ないびりとなって彼女に跳ね返ってくる、それでもあなたは笙子くんに会うと仰るんですか?」
 彼が面会を許可しない理由はそこにあったのだ。

 さらに、トミーに笙子の何を知ってるのかと厳しい口調で尋ねる。彼は、笙子が鑑別所でも話そうとしなかった非行の原因を知っているかと訊き、相手がどんな風に生きてきたのかを知るのも愛じゃないかと説く。トミーは話が長くなりそうなので大人しく引き下がるしかなかった。
 一方、流星会の松村は、軽快な音楽の流れる事務所で、女性の太腿の間から顔を出していた。太腿の主は、比企理恵さんです。彼は、本気で笙子さんに惚れてしまったらしく、彼女が少年院に入ってしまったのでとても寂しいのだった。
 やる気なさそうに踊る下っ端の皆さん。
 松村は立ち上がって音楽を切り、
 松村「麻里、お前俺の命令なら何でも聞くといったな?」
 比企「物を考えないで済むからね、好きだよ命令は」
 松村「じゃお前、死ねって言ったら?」

 比企さん、リーダーの過激な発言にも動じることなく、
 比企「いいよ〜、今ここでかい?」
 と、松村の持つナイフをかざしてみせると、口の割に常識人の松村は慌て気味にナイフを奪い、
 松村「死ぬよりも先にやってもらうことがある」と、誤魔化す。

 そして、
 松村「お前、相模愛育女子学園に入れ」
 と、冷たく命じる。
 比企「なんだってえ?」
 松村「笙子と2年も会えないなんて我慢できねえ、どんなことしてもいい、笙子を外へ出せ」

 あまりに理不尽な松村の言葉にさすがの比企さんも血相を変えて詰め寄る。
 比企「朝男〜、あたいはあんたに惚れてんだよ! そのあたいに!」
 松村「これは俺の命令だ!」
 言い捨ててフレームアウトする松村。
 しかし、流星会、幹部らしい人たち以外は、なんかみんな大人しそうな人ばっかりだ。

 比企さんは会長命令なら仕方ないと言い、また「笙子を生きて出そうが死体で出そうがあたいの勝手だ」などと物騒なことを口走る。

 さて、トミーは名古屋章に言われたことを素直に受けて、笙子の両親の元を訪れ、笙子が何故不良少女になったのか、その理由を教えて欲しいと頼む。

 父親の山本学は、静かに語りだす。

 彼の神社は経済的に苦しいけれど、彼は神社としての外聞を盾に、境内を駐車場にするなど収入増をはかろうとはしなかった。そのため、妻の小林哲子は不満を募らせ、夫婦喧嘩が絶えなかった。
 そのため、笙子は様々なバイトをして家計を支えていた。
  
 魚屋や、うどん屋でロードーする笙子。いかにもわざとらしいイメージ映像。
  
 稼いだお金を誇らしげに持って、神社の石段を登る笙子さん。ここ、階段を駆け上がる伊藤さんの姿勢が妙に綺麗で、なんか笑っちゃうんだけどね。
 しかし、帰ってくると、またも激烈な夫婦喧嘩の真っ最中。

 妻「働け!」
 夫「いやじゃっ!」

 と言うやりとりは、山本学がニートみたいで切ない。

 遂に小林哲子は最終兵器「実家に帰らせていただきます!」砲を発射する。

 笙子は母親が飛び出してからは、バイトに加えて家事の一切を取り仕切り、幼い弟妹たちの世話を見ていた。
 ある日、弟から給食費が要ると聞かれ、なんとかしてやりたいと思っていたところ、親戚(?)のおじさんがやってきて、大量の利尻昆布が手に入ったが、引き取ってくれないかと持ちかける。笙子はこれ幸いとその昆布の行商をする。
 蕎麦屋などに売り込んだり、街頭で主婦たちに直売りしたりして、全部捌いてしまう商売人・笙子であった。
 だが、好事魔多し、二人のヤクザが昆布は借金のかたに俺たちが押さえたとかなんとか言って、笙子の売り上げをネコババしようとする。
 せこいにもほどがある大人の図。

 だが、笙子にも弟の給食費がどうしても必要なので、
 そのまま海に飛び込み、それから猛烈なスピードで泳いで逃げるという離れ業を見せる。
 これはこれで、ちょっとやり過ぎの観も……。
 彼女はずぶ濡れになって帰ってきて、弟うに誇らしげに給食費を渡すが、ちょうどその時、母親が戻ってきていた。

 例によって激しい夫婦喧嘩が演じられ、遂に山本学は妻に手を挙げてしまう。興奮した母親は笙子を見ると、

 「お前なんか産みたくなかった!」と、きつい一言を投げる。
 笙子「お母さん……」
 小林「お前さえ産まなければ、あの人と離婚できていたのに……結婚して、約束が違うってすぐに分かった……あたし離婚しようと思ったの、そしたらあんたを身篭っていたわ。あんたさえ水に流していればこんな苦労はしないで済んだのよ! 笙子なんて産みたくなかったのよ!」

 母親として最低の発言をする哲子さん。約束が違うというのは、彼女は夫がもっと稼ぎが良く、経済的な苦労はさせないと言われていたことを指す。要するに、楽な生活がしたかったのにそれがダメだったので、怒ってるわけだ。つくづく最低だね。
  
 深く傷付いた笙子は土砂降りの中、線路の上をさまよい歩き、そして(色々あって)相模悪竜会の会長にまで上り詰めてしまうのであった。
 山本学はトミーに笙子のことは忘れて下さいというが、トミーは「それを聞いて僕の気持ちはますます強くなりました」と、マニアックな性癖をあらわにするのだった。
 その思いを早速手紙にしたためて出すトミー。

 トミーの声「笙子さん元気ですか? 君の心は今何を見詰めていますか? 君と別れて以来、僕の心はずっと君を見詰めています。僕は君の過去を知ってしまいました。非行を重ねながら、君の心は泣いていた。一目会いたい、会って力の限り未来を抱きしめてやりたい……それが叶わぬ今、君にしてあげられることはただひとつしかない……正式に君と結婚することです

 笙子「結婚……」

 今だったら完全なストーカーで、恋愛ドラマじゃなくてサイコサスペンスになるところだが、笙子は逆に「哲也さんあたし耐え抜きます、耐え抜いて見せます」と、感動する始末だった。こええよ。
  
 さて、少年院の娯楽室で歌番組を見ている不良少女たち。無論、アーティストはチェッカーズ、曲は「涙のリクエスト」である。
 テレビを見ながら踊り狂う不良少女たちであった。なんか腹立つけど。
  
 と、そこへ名古屋章がやってきて園長室のテレビが映らないのでちょっと見せてくれとチャンネルを変える。それは雅楽の演奏の様子で、なんと、その中に笙を吹くトミーの姿が!  これが偶然だったらさすがにアレだが、実はとミーが名古屋章に談判した時、この番組のパンフをわざとらくし落とし、それを名古屋章が拾って見ていたと言う伏線があったのだ。
 画面の中に愛するトミーの姿を見、さりげなく名古屋章に謝意を示す笙子だった。このシーン、いいよね。
 しかし、名古屋章が中座すると、いじわるトキ子がテレビを消す。牛乳瓶片手に持って。

 しかも、彼女は異様に勘が鋭く、今のを見ただけでトミーが笙子の想い人であることまで見抜いてしまう。エスパーかお前は。
 笙子はまたテレビをつけようとするが、トキ子に腹を蹴られる。今まで我慢してきた笙子だが、ここへ来て怒りが爆発。
 笙子「半端モンがふざけた真似すんじゃねえよ!」
 と、相模悪竜会会長の顔を見せる。
 トキ子も牛乳瓶を砕いて、構えるが、所詮彼女は二流の不良少女で、笙子に「殺してやる」と睨まれると、
  
 じりじりと後退し、遂には「よ、よしなよ、冗談だよ」と降参してしまう。だが、笙子はそれで済まそうとせず「おらっ」と胸倉を掴み、拳を振り上げる。

 が、
 その手をモナリザが掴み、「あなたがいけないわ。今週のチャンネル権は娯楽部長のトキ子にあるのよ」とやんわりと笙子を制する。
 笙子はトキ子を解放し、モナリザにガンを飛ばすのだった。

 しかし、考えたらこの時、モナリザも実兄のトミーの顔を見てるはずなのだが、兄だと気付いていたのだろうか。その割には落ち着いているが、まあ、トミーはああやってテレビに顔を出すこともあるだろうから、モナリザも過去に見たことがあるのかもしれないが……。
 その頃、比企さんが警察に乗り込んで独演会を開いていた。

 比企「暴行傷害恐喝で手配中の山吹麻里が自首してきたんだよぉっ……おらぁっお茶ぐらい出せバカヤロー」

 刑事さんたち、係わり合いを恐れてみんな見て見ぬふりをしている。それが賢明です。
 それを、ジョーズにいる仲間に知らせに来るのは山本さん。
 「大変だよ、山吹麻里が横浜北署に自首したんだってさ!」
 辻村「麻里の生まれは横浜だよ。送られる先は相模愛育学園だ……笙子を殺る気だよ!」
 坂上「刺客だよ!」

 いつもいつも入念なメイク、ご苦労様です。


 最後、少年院で対峙する二人。
 笙子「モナリザ、あなたわたしの味方なの? 敵なの?」
 謎の微笑を浮かべるモナリザ。

 芥川ナレ「それにしても笙子、お前はいつまで不良少女と呼ばれるのか?」

 多分、番組が終わるまでです。