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山本理沙編 不良少女とよばれて
クリックすると該当部分へジャンプします。 第16話 第17話 第18話
 

  第16話「スケバン・ロック」(1984年7月31日放送)

 ここへ来て、

 山本理沙の魅力が爆発!

 と、まず言っておきたい。特にこの16話以降、少年院に来てからの山本理沙(八千代)の破壊力は、ドラマそのものの構図を変えてしまいかねないほど強烈である。簡単に言うと、いとうまい子から伊藤かずえまで、全員食われてしまいかねないのだ。いや、瞬間的には食っていると言っても良い。

 また、そのすらっとした容姿や垢抜けた雰囲気が、共演者をまとめて古臭く見せてしまうと言う副作用もある。
 とにかく、改めて山本理沙の怖さを知った管理人であった。

 今後は、山本さんの画像を多めに貼ることになるだろう……ま、そもそも山本理沙ありきのレビューなので、それが当たり前なのだが。
  
 前置きが長くなったが、その八千代と善子が鑑別所を経て、笙子たちのいる愛育女子学園へ移送されてくる。
 善子はしおらしくしているが、八千代はむしろ楽しそうにきょろきょろと周囲を見回しながら、目をキラキラさせて入っていく。
 園内の制服に着替え、園長室へ向かう際も、口笛でも吹き出しそうな雰囲気。
 章「大沢善子君に、二宮八千代君だね」
 善子「はい」
 八千代「はい!」
 章「今日から君たちは私たちとここで暮らすことになった。私は君たち二人の調書を読んで、残念でたまらない。君たちは非行の世界から足を洗って、善子君は美容師、八千代君は大学進学を目指していたんだね」
 章「そんな時に、大人たちの錯覚による宝石盗難事件が起こり、君たちは犯人扱いされてしまった。どんなに悔しかったか、十分私にも分かる。だが、君たちにはそこで耐えて欲しかった。何故なら社会の中で生きる君たちの最初に難関だったからである。人生の峠と言うのは(以下略)」

 のっけから長い説教を聞かされて、八千代は早速反抗的な顔になる。
 はい、大磯先生(真ん中)の虚ろな目に注目。明らかに園長の話を全く聞いてません。
 善子は素直に(盗難事件の暴行について)反省を口にするが、
 八千代「あたしはぜんーぜ反省なんかしてないよ先生、泥棒呼ばわりされて黙ってられるかってんだ!」
 八千代「パパもね、よくやったって、誉めてくれたよ先生」
 晃子「そんなことで誉める親がどこにいますか?」

 文字にすると伝わらないが、この台詞一つでもフレーズごとに調子を変え、抑揚をつけて喋っているので、実に心地よい響きなのだ。これはもう天性の才能だね。

 八千代「それがいるんだから先生ー、パパはね、若いときすげー不良でさ、港のろーどーしゃから、社長、倉庫会社の社長にのしあがったって男なモンでさ、男は多少、若いときにぐれるようでなきゃ、大物にはなれないってんだよ!」

 晃子「あなた男じゃないでしょ、女でしょ?」
 八千代「それがさ、先生、パパは本当は男の子が欲しかったモンで、多少勘違いしてるところもあるんだけどね」
 ここで、急に声を大きくして、「でもねえ、売春と、シャブさえやらなきゃ、あとはなにやってもいいってくれたんだよ」
  
 八千代「人生、一回こっきりだもん、好きなように生きないと後悔するもんねえ」
 大磯「何をバカなこと言ってるんだ。お前ひとりで生きてるんじゃないぞ」

 たまりかねて大磯がひょいと顔を出して偉そうに言うが、八千代の凄いところはそれに対し、真っ向から応じるところだ。
 八千代「そんなこと分かってるよっ!」
 この台詞なども、ドスが利いてて実に良い。
 直後に、指を絡ませながら、「あたしだってさ、時が来たらかっこいい男をお婿さんにして、社長夫人にバーッ(右腕を伸ばす)チリ収まっちまうんだから、安心してよ」

 この硬軟自在の台詞回し、とても15才(ほぼ16才だけど)のデビュー作とは思えない。

 その分、坂上亜樹が全く見せ場がないのがちょっと気の毒だ。
 親しげに二人の肩を叩きながら、これから十日独房に入るが、八千代には少し頭を冷やしたほうが良いと特に付け加える。

 これだけで、もう山本理沙ワールドにどっぷりはまった管理人だが、さらにトドメの一撃が用意されていた。
 大磯が二人を独房へ連れて行こうと肩を抱くと、

 八千代「ちょっと先生、気安く触らないでよ、あたしまだバージンなんだ」









 …………あ、思わず意識を失ってしまった。
  
 八千代「あ、先生、まさか役得で女の子の体を触って喜んでる変態だったりして?」
 大磯「ばっ、ばかものぉ!」

 なんと、あの大磯が初めて狼狽しているではないか。
 こういう、結構際どいことをさらっと言えるのが、八千代の才能と言うか、キャラクターなんだよね。

 また、笙子と言い、モナリザと言い、マリと言い、常に全力で生きていて、世界の終わりみたいな顔をしているキャラばっかりの中で、八千代のようなあっけらかんとした存在がなんと新鮮に映ることか。彼女の投入で、マンネリ気味だったドラマに喝が入れられたようにさえ感じる。

 もっとも、八千代、最初の頃はもう少し真面目(?)な不良だった気もするのだが……、途中で人格が変わってる。
 彼らが出て行った後、「ふっふふふふふっ、えっへへへへへっ」と、狂ったように笑い出す園長。

 晃子も、とうとう本当に狂ったのかと心配するが、
 章「失敬失敬、しかし、飛び切り元気の良い女の子が入ってきたもんだね、え、あれはまるで女石松……」
 晃子「園長、感心してる場合ですかぁ」

 彼女は、笙子のかつての仲間が加わることで、モナリザとの抗争が激化することを恐れていた。
 二人は独房へ入れられるが、その際も、体を触ろうとする大磯の手を払ってベッと舌を出す可愛らしさ。
 彼らの入園はすぐ白百合組の知るところとなる。
 女子「善子ってのは普段は大人しいが、怒ると手が付けられない暴れん坊なんだ。八千代ってのは、カミソリ・ヤチと異名をとっていたはねっかえりもんだよ」
 モナリザ「カミソリ・ヤチ?」

 以前、カミソリ・マコと呼ばれていたモナリザ、キャラも被っている(女優的に)強敵の出現に警戒する。
 他の女子も、笙子が兵隊を呼んだのだ、とヤクザ的な発想をしていた。

 ここでOP。

 二人が入園してから十日が経った。
  
 妊娠5ヶ月を過ぎた景子は、何か悩みがあるらしい。笙子が話を聞くと、景子はお腹の子供の父親ヒロシのことを愛していると打ち明ける。だが、ヒロシとやらは住み込みで働いていて、彼に迷惑はかけられないと、景子は妊娠はおろか、少年院にいることさえ知らせてないと言う。

 今後も知らせるつもりはないと断言する景子だが、「彼に会いたい、一度会いたい……」と涙をこぼす。優しくそれを慰める笙子だった。

 さて、十日目と言うことで、当然、二人が独房から出される日である。

 善子は真面目に正座していたが、
 八千代は、腕立てをしていた。

 いやぁ、とにかく、今回は山本さんの全ての出演シーンを貼ってしまいたいほど彼女の魅力が炸裂している。

 大磯「こら二宮、正座をせんか正座を!」
 八千代「はいはい」
  
 独房から出るときも、「ヤッホー! やっと出られるんだね先生」と、やりたい放題。

 あまつさえ、
 八千代「ありがとう〜、うーんうっ」
 と、キスのサービスまでしてしまうのだ。

 嗚呼、私は大磯先生になりた……くはないが、羨ましいことは確かだ。

 大磯「やめろ、やめろぉ!」
 慌てふためく大礒先生が少し可愛いのであった。いかにもこういうキャラが苦手そうだね。
 ずらりと生徒たちが並ぶ廊下へ、二人は連れて来られて、紹介される。
 やや、腫れぼったい目をしている山本さん。
 さすがに二人を笙子の3号室へ入れるのは安直なので、善子は1号、八千代は2号へ配属される。
 解散後、二人はすぐ笙子に駆け寄る。
 善子「笙子」
 八千代「姉貴!」
 笙子「ヨッコ、八千代……」

 八千代は笙子を「姉貴」と呼んでいるので、三人の中で一番年下なのだろう。
  
 笙子は、とりあえず「バカ、バカ」と言いながら軽くビンタする。

 笙子「どうして我慢できなかったんだ? 美容師はヨッコの夢だったじゃないか。八千代は女子大生になるんだって言ってたじゃないか。くだらない大人↓のために、大切な夢を捨ててもいいのかい?」
 「ああっ、あたしってくだらない大人だったのね!」
  
 ここでも、善子は真剣に、あるいは大映ドラマ的に半べそかきながら悔悟するが、
 八千代は「姉貴ぃ、今更そんなこと言ってもはじまらねえよ」と、極めてドライで、クールなのだ。

 また、「それよかさ、鑑別所で仕入れたネタなんだけど、ここは白百合組とか言う影番が仕切っていて、姉貴に冷たい仕打ちをしてるって言うじゃないか」と、周囲に聞こえるようなでかい声で、学園のタブーに言及する怖いもの知らずの八千代だった。

 しかし、鑑別所にそんな情報が転がっているだろうか?
 八千代の声に険しい目を向けるモナリザたち。

 あるいは、八千代の現代的なキャラを見て、「あたしたちって時代遅れじゃないのかしら」と不安になったのかもしれない。
 八千代「どいつなんだい、白百合組ってのは?」
 笙子「八千代、白百合組なんて(恥ずかしい名前の)組織、ここにはないよ。外の奴らが面白半分に噂を流してるだけなんだ」
 ことを荒立てまいと、頭から否定する笙子。
 しかし、こういう態度こそが、そういう闇の組織を生き長らえさせていることに気付くべきだろう。
 無論、八千代がそんな一言で納得するわけもなく、訳知り顔で、「姉貴、隠さなくてもいいよ」
  
 八千代「へーえ、懐かしい顔が並んでるじゃんかよ」
 目敏く、シャバで笙子と争っていたマリ、トキ子を見付け、話し掛ける。
 八千代「マリ、トキ子、白百合組ってのは、お前たちかい?」
 笙子「八千代、マリもトキ子も今ではあたしの 部下 友達なんだ。バカ言うんじゃないよ」
 八千代「なんだいなんだい、冗談じゃねえな、折角タイマン楽しみにしてきたのにさ……それじゃどいつなんだい、白百合組だか鬼百合組だか知らないが、あたいとヨッコが来たからにはもうでかい面させないよ!」

 とにかく、今回は山本理沙さんの独壇場なのだ。
  
 と、そこで八千代、もうひとり知った顔に気付く。以前、ジョーズで会ったことのあるモナリザである。
 八千代「あれ姉貴、あの人哲也さんの妹じゃない?」
 笙子「ええ、葉子さんよ」
 八千代「こないだはどうも、あたしさ、哲也さんには色々迷惑かけてんだ。よろしく」
 うってかわって愛想良く近付いて、手を差し伸べるが、

 モナリザ「あたしは哲也なんかの妹じゃないよ。ふんっ、噂どおりのはねっかえりもんだねえ。はねっかえりすぎて、天井に頭をぶっつけないようにするんだね」
 その場を立ち去ろうとするモナリザの胸を押さえ、「待ちなよ! 頭に来るじゃんか!」と、いきなりラスボスに歯向かうあたり、いかにも八千代らしい無鉄砲さだ。

 しかし、ダメケイたちがやってきて部屋へ戻れと号令し、この場は無事に終わる。

 あれ、でも、なんで八千代はモナリザが哲也の妹だって知ってたのだろう? 顔を合わしたのは、この前のジョーズが最初だったと思うし、その席では、モナリザの素性については特に誰も言ってなかったと思うが……? その前に、哲也が写真でも見せていたのだろうか? ま、いいけど。
 割り当てられた部屋へ行き、正座して挨拶する善子。
 しかし、ちょっと口ごたえしただけで、
 例によって日本の伝統文化「フクロ叩き」をご馳走される。
 だが、さすが悪竜会の親衛隊、さすが坂上二郎の娘(関係ない)、「あたし、怒るとつい馬鹿力が出ちゃうんですよねえ」と、殴られっぱなしではないところを見せる。

 各部屋の室長には、笙子以外は全員白百合組らしいので、こうなるのだ。
  
 一方、八千代は渡世人のような仁義を切ると言ういささかやり過ぎの挨拶をする。

 八千代「お控えなさいまし、早速のお控えありがとうございます。わたしく、生国と発しますは横浜伊勢崎町にございます。相模悪竜会に籍を置き、曽我笙子会長にはひとかたならぬお世話になりました。姓名の儀は二宮八千代、通称カミソリ・ヤチと申します。お見知り置かれまして、万端よろしゅうお願い申し上げます!」

 長いよ。

 こういう仁義の切り方は、ある程度フォーマットはあるけど、それほど厳密に言い方が決められているわけでもないようだ。

 ただ、最後にもう一度「早速のお控えありがとうございます」と付け加えるが、そのフレーズは最初にもう言ってると思うのだが。ま、そういうのに詳しくはないので迂闊なことは言えない。
 折角の宴会芸を披露したのに、生徒たちは無反応。
 八千代「なんだいなんだい、人がマジに仁義切ってるのに挨拶はないのかい?」
 室長「いきがるんじゃないよ。今頃影の総番長がお前の処置を考えてる頃さ」
 八千代「影の総番長? 面白いね。今夜にでもあたしの処置を決めてもらおうかぁ?」
 と、いきなり室長につかみかかるアグレッシブな八千代さん。

 だが、ダメケイが入ってきてやめさせる。
 さて、職員達は笙子とモナリザの対立が激化するのではないかと心配していた。

 ダメケイ「まずいことになりました。今までタブーだった白百合組と言う名前を二宮八千代が口に出してしまった」
 章「圭太郎、それはむしろ歓迎すべきことではないのかねえ」
 ダメケイ「おじさん、いや園長?」
 そういや、ダメケイは名古屋章の甥と言う設定だった。

 章「一度白百合組と言う名前が表面化すると、タブーはタブーでなくなり、闇の組織としての神通力も失せてしまう」
 そこで叩き潰すんですかと大磯が口を挟むが、

 章「誤解せんで欲しい。私は別に白百合組をぶっ潰そうと言う訳ではない。今、彼らに厳しい懲罰を加えれば、一時的にことは済むかも知れない。しかしそれでは少女たちに悪を憎み、打ち破る力は生まれて来ない。私は出来ることなら少女たちに自力で闇の組織に光を当て、これを打ち破って欲しいのだ(後略)」

 油断すると始まる章の説教。

 瀬戸先生「園長先生、それって要するに自分でやるのが面倒臭いだけなのでは?」
 章「犯されたいのか?」

 などと言うやりとりは、当然ありません。
 さて、いつものようにトミーが音楽の授業をしに来る。

 それもいいけど、そろそろ就職口を探したら?
  
 こんなところでトミーに再会して、善子は恥ずかしそうに顔を伏せるが、
 八千代は「哲也さん、あたし、あたし八千代よ!」と、自分からアピールする。
 トミー「君たちぃ……」
 驚くトミーだが、あれ、その前にジョーズで彼らのことを聞いてるんじゃないの? 事件を起こしてからだいぶ日数が経ってるから、知らない筈はないので、ここのトミーの表情はちょっと変である。
  
 八千代「哲也さん、そんな暗い顔しないでよ。あたいもヨッコも元気だよ。笙子姉貴を助けて、白百合組を捻り潰そうと張り切ってんだ!」
 笙子「八千代! 主役のあたしより可愛くてどうするの?
 トミーは、授業に出てこない白百合組の連中を呼びに行く。トミーが説得しても相手にしなかったが、ダメケイが「ボイコットすると懲罰房行きだぞ」と脅すと、そそくさと教室へ向かう。割と根性がない連中であった。
 その際、トミーは母親(岩本多代)の編んだパジャマだと言って、モナリザに渡すが、
 モナリザは即座に引き千切ろうとする。

 モナリザ「や、破れない?」
 トミー「ふふふ、そんなことだろうと思って超強化スチール繊維で編んで貰ったんだ」
 モナリザ「じゃあ、着れないじゃん!」


 実際は、簡単にやぶける。しかし、パジャマってそんなに簡単に裂けるか?

 トミー「何をするんだ葉子」
 モナリザ「あたしの母さんは海で死んだ母さんだけさ」
  
 モナリザ「笙子、あんたの母親になる女がね、このパジャマをあんたにとさ!」
 引き裂いた衣服を部屋の入り口まで見に来ていた笙子に投げ付ける。

 モナリザは、笙子とトミーが結婚すると決め付けているようだ。
 その後、トミーは晴子がジョーズで毎週土曜日、ライブをすることになったと知らせる。
  
 さて、とある銀行のATM、朝男の部下の女がカードで現金を引き出そうとすると、トラブルが起こる。
 行員がすぐやってくるが、女はすぐに飛び出す。
 外へ出るとすぐ警官が追ってくる。
 残高不足くらいで警官が素早く現れるのは変だが、事前に警察が朝男のカードが使われたらすぐ通報するように銀行へ通達していたのだろう。

 と言うか、なんでいつまで経っても朝男が捕まらないのか、それが最大の謎である。
 女は待っていた車に乗って警察から逃げる。
 カードが使えなかったと言われ、苛立つ朝男。
  
 朝男は公衆電話から父親に電話する。
 朝男「きたねえ真似をするんじゃねえ。あのビルは俺のものだ。家賃の振込みをストップさせるなんてきたねえじゃねえか」
 父親「警察の依頼なんだ。朝男、頼むから自首してくれ。あとのことは私がなんとでもする」
 朝男「ふざけんじゃねえ。あんたの世話にだけは金輪際ならねえ!

 父親「朝男、もうすぐお前は二十歳だ。いつまでも子供じゃないんだぞ。お前がもしその気になってくれれば、私はお前に会社を任せるつもりなんだ」

 朝男パパは、大会社の社長なのだ。

 朝男「寝とぼけたこと言ってんじゃねえ!」
 このドラマで、ちょくちょく出てくる表現である。

 朝男「いいか、大至急500万円を俺の口座に振り込め。その金で俺は外国へ飛ぶ。親父、もしその金を振り込まなかったら、俺は強盗でも何でもするぜ」

 父親「朝男、お前、自分で自分が言ってることヘンだと思わんか?」
 朝男「いや、別に……」
 父親「朝男、今の会社を任せると言う話、なかったことにしてくれ」

 などと妄想したくなるほど、この朝男の要求は情けない。
 ま、朝男としては家賃収入は正当な自分の取り分だという意識があるんだろうが、そのビルだって、元々手切れ金として父親から貰ったものなんだよね。

 朝男はその後、部下に仲間を出来るだけ集めろと指示し、少年院を襲撃して笙子を奪い去るつもりだと告げる。
  
 さて、少年院の夜、会議を開いている白百合組の皆さん。
 明日は、教師たちが昼間不在なので、その隙に八千代を襲えと指示するモナリザ。よほど八千代の存在が目障りらしい。
 ただし、それによって笙子を逆上させて、そこを叩きのめすのが真の狙いだとも。

 モナリザ「笙子の本性は私と同じ荒野の獣さ、そいつを十分に分からせてから再び悪の道に引き摺り込む……」



 ジョーズで、相変わらずしょうもない歌を歌っている晴子さん。
 おアキの台詞で、実際にライブをする予定らしいことが分かる。要するにインディーズで地道に活動しようと言う訳だ。

 そこへ男谷がやってきて、トミーが来るのを今か今かと待っている。
 他に行くところのないトミー、ほどなく店に来る。八千代たちのことを聞きたがる女の子達から引き剥がして、男谷は強引に外へ連れ出す。よほど重要な話があるようだ。
 だが、おアキが店の外まで追いかけて、トミーに「マコ(モナリザ)のことを見捨てないでくれ」と嘆願する。

 おアキ「あたしの知ってるマコは、星の国から来た女だったんだ。凛としたものを心にしっかり持ってる女だったんだ」
  
 で、男谷がいそいそとトミーを引っ張って来たのは、なんと保育園。

 トミー「おいおい、さすがにそこまで僕はロリ(以下、自主規制)」
 タツ「ちゃうわ!」
 無論、タツが見せたかったのは、恭子さんの姿。なんと、いつの間にか保母さんになっていた。
 さすがにこんな短期間で保母の資格を取るのは無理だろうという視聴者のツッコミを予想してか、

 トミー「君が紹介してくれたのか?」
 男谷「恭子さんは学生時代に保母の資格を取っていたんだ」
 と言う台詞を用意しているのだが……。

 タツはトミーに恭子に会って行けと勧めるが、トミーはもう恭子さんに何の欲情も感じないので、固辞してさっさと帰る。
 タツは建物に入り、恭子に話す。
  
 タツ「恭子さんのことを哲也に話しました。あいつ、そこまで来ています」
 恭子「哲也さんが?」

 まーだ、トミーのことが忘れられない様子の恭子さん。いい加減にせい。
 タツも、なんで自分の気持ちを殺して、トミーと恭子を結び付けようとするのか、こちらもいい加減にしろと言いたい。
 さて、少年院の農場。
 八千代「笙子おネエ、あたしこんなに働いたの生まれて初めてだよ! 働くって結構楽しいじゃん! よいしょっ、うん、よっこらしょお!」
 八千代、収穫した野菜をリヤカーに乗せ、自分で引っ張って行く。

 良いですねえ、このお尻(言うと思った)
  
 元気にリヤカーを引っ張る八千代だが、モナリザの指示を受けた白百合組たちもリヤカーを曳いてついてきていた。
 先ほど言ったように、今日は教師たちは不在であり、代わりに年中暇なトミーが手伝いに来る。

 ……今更だけど、笙子、「もう哲也さんとは会わない」とか言ってなかったっけ?
 別に会ってもいいんだけど、こうしょっちゅう顔を合わすのも、なんかありがたみがないような……。
 八千代「ランラランランララララーララランランラー」
 と、あるメロディーに乗せて口ずさみながら、元気良くリヤカーを曳いている。くぅー、可愛い。
 しかし、上の道から、白百合組の連中が二台のリヤカーを彼女目掛けて落とす。
 だが、ちょうど、景子が現れて「○○(聞き取れない)、これ、乗せてってーっ」と、野菜のカゴをリヤカーに積もうとする。
 八千代「なんだぁ、景子か」

 結果的に、景子の出現で、八千代は直撃を免れる。
  
 八千代「景子!」
 それでも、二人ともリヤカーの下敷きになり、負傷する。
  
 トミーや笙子たちが駆けつける。
 マリ「ちくしょう、誰がこんなことを」
 見上げるが、既に白百合組の姿は見えない。
 八千代より身重の景子のほうが重傷で、救急車で搬送される。その際、笙子にヒロシのフルネームや勤務先を教える。トミーはそれを聞いて、自分がヒロシに知らせに行くとすぐに少年院を飛び出す。
  
 その様子を見て、モナリザはなおも小気味良さそうに笑っている……が、さすがにこの場面でニヤリとするのは頭がおかしいのでは?
 笙子も、さすがに怒りを込めてモナリザを睨む。
  
 景子が搬送された後、八千代をビンタする笙子。
 笙子「ばかやろう、だからあたしが大人しくしてろといったじゃないか! 景子まで巻き添えにしちまって、どうするつもりなんだ?」

 笙子さん、怒る相手が違います!

 それに今までだって、笙子、散々白百合組に襲われてたじゃないか。
 それはともかく、さすがの八千代もマジ泣きする。
 八千代「ごめん、ごめんよ〜あたしだってあいつらがあんな汚い真似するなんて思っても見なかったんだ」
 他の仲間は、口々に白百合組と戦うべきだと主張する。

 笙子「景子の体が無事でなかったら、その時はあたしはやるよ。みんな、今は景子の無事を祈ろうじゃないか」
 笙子は正座して、手を合わせて景子の為に祈る。

 「無事」じゃなくて「冥福」を祈ってるように見えるが……。
  
 さて、トミーはヒロシの元を訪れ、景子のことを話す。
 ヒロシを演じるのは、長谷川諭さんで、トミーとは「赤い絆」で共演し、乳首をいじられた仲である。

 トミーはヒロシとともに、景子の収容された病院へ向かう。
 医者によれば、母体は安全だが、胎児については予断を許さないと言う。
 ヒロシは景子のそばに座り、手を握る。
 ヒロシ「お前をもう一生離さねえよぉ」
 その夜、ひとりで未だに祈り続けている笙子。

 また、モナリザのところへ決闘状が届く。差出人は笙子。
 しかし、笙子は見ての通りそんなことをする余裕はないようだが……。
 橋の下でひとり待っていた朝男のところへバイクが数台やってくるが、少年院を襲うには数が少ないと、
 朝男「ここに百万ある、この金でもう少し人数集めて来い」
 と、更に命令する。

 もう少し有意義なことにお金使おうよ。
 明け方になってもまだ祈っている笙子。さすがにわざとらしい。
 この辺から「NEVER」開始。
 その頃、景子は意識を取り戻すが、すぐに激しい痛みを訴える。
 早朝、庭の掃除をしている笙子。
 「景子、あんたに万が一のことがあったら、あたしはやるよ」
  
 で、たちまちその日の夜になり、庭で勢揃いして笙子の来るのを待っている白百合組のみんな。

 そこへ、同じく赤い頭巾を被った生徒が現れる。
 モナリザ「タイマン勝負、受けて立とうじゃないか!」
 相手が笙子だと疑わないモナリザだが、その目は明らかに笙子とは別人だった。

 ええっと、マリなんだっけ? ま、次回すぐ分かるだろう。
 朝男も、改めて仲間を集めた上で、少年院へまっしぐら。
 百万ポンと渡しても、部下が持ち逃げすることなくちゃんと命令どおり仲間を集めてくるのだから、朝男の指導力もなかなかのものである。

 芥川ナレ「(前略)事態はまさに風雲急を告げていた」

 ……って、そんな大袈裟な。
 対峙するモナリザと笙子(?)の姿を映しつつ、「つづく」のである。



 

  第17話「デッド・ヒート」(1984年8月7日放送)

 前回から引き続き、睨み合う白百合組と赤頭巾、そして少年院へ向かう朝男たちという緊迫した状況。
 と、ここで、善子の「ヤチが白百合組と戦争へ行ったよ」と言う台詞で、意外にも、それが我らが山本理沙さんであることが分かる。自分もすっかり忘れていたが、そう言われれば、頭巾の間に見える目は、やや茶色ががっていて、山本さんっぽかった。

 山本さん、大活躍ですね。

 八千代にすれば、景子のことで責任も感じていたための、無鉄砲な行動だろう。
 と、八千代の赤頭巾、紫頭巾と睨み合っていたが不意に飛び掛り、山本さんの胸がきゅんと張るのです。ぐふふ。
 えー、で、カミソリヤチと言う異名のとおり、カミソリで相手の頭巾を切り裂く。
  
 はらりと頭巾が落ち、モナリザの素顔が晒される。……って、他にいないってば。

 八千代「なんだいなんだい、影の大番長なんて言うから、誰だと思ったらサ、4号室室長、長沢真琴じゃないか。実は久樹葉子、哲也さんの妹だね!」

 かなり説明的な台詞を吐く八千代。
 が、相手もカミソリマコと恐れられたツワモノである。勝ち誇る八千代に飛び掛り、お返しにその頭巾を切り裂く。
  
 モナリザ「お前はカミソリヤチだね」
 八千代「ああ、そうだよ、あたいはカミソリヤチさ、あんたも昔はカミソリマコと呼ばれていたそうじゃないか、ふうん、そうかいそうかい、これで分かったよ。笙子姉貴はあんたをやっつけると哲也さんを悲しませることになるから、それで手が出せなかったんだ。だがあたしはそうはいかないよ。あんたが哲也さんの妹であろうとなかろうと、そんなことは知っちゃあいねえよー」

 とても15才とは思えない存在感である。あるいは、撮影時はもう16才になっていたかな。どっちにしても大人っぽい。

 モナリザはそれを受けて一言。
 「フクロにしてやりな」
 八千代「え゛、まぢで?」

 などと情けない台詞を彼女が言う筈もなく、本当は「なにぃ、きったねえぞ」でした。

 ま、八千代は笙子を名乗ったといっても、タイマンで、と果たし状に書いてあったからね。
 モナリザの部下に囲まれる八千代。多少は抵抗するが、
  
 棒でしこたま背中を殴られ、「ああ〜ん」と可愛らしい喘ぎ声を発して膝をつく。
  
 間髪入れず、棒を脇に差し込まれて、無理矢理立たされる。早くも涙目になる八千代。意外と弱虫であった。
 モナリザ「八千代、二度と世間に出られない顔にしてやるよ」

 ひー、怖い。カミソリで、八千代の綺麗な顔をずたずたにするつもりなのだ。
 もっとも、ほんとうにそんなことしたら、モナリザもただでは済まず、この少年院にもいられなくなっていただろうが。
 八千代「やめろ、やめろ、やめてぇ〜」

 さすがに女の子、身悶えして絶叫する。
  
 無論、そこに笙子たちが助けにやってきて、八千代の綺麗な顔が傷付けられることはない。

 ここの乱闘シーンは、しかしかなりもたもたしていて見苦しい。
  
 笙子、八千代を敵の手から救い出すが、直後に「ばかっ」とまたビンタする。「主役のあたしより目立つんじゃないわよ」と。

 八千代「だってさ姉貴、かつては300人も部下がいた相模悪竜会の会長だった曽我笙子が、こんな奴らのいびりに泣きを見せるなんて悲しいよ!」
 笙子「八千代、あたしは別に泣きなんて見せてないよ。あたしはどんなことがあっても耐えて見せるって、哲也さんに約束したんだ」
 八千代「なんでそこで哲也さんが出てくんの?」

 しかし実際、笙子の哲也の思いが、「愛してる」「諦めよう」「やっぱり好き」「忘れよう」など、コロコロ変わるので、見てる方は時々混乱してしまう。
  
 笙子「それに今、景子がお腹の赤ちゃんの為に戦ってるんだ。あたしたちがバカやってられるわけがないじゃないか!」
 モナリザ「笙子、バカってもしかしてあたしたちのこと?」

 じゃなくて、
 モナリザ「笙子、お前からの決闘状を、あたしはここに持ってるよ」
 八千代「それはあたいが書いたんだ」
 モナリザ「誰が書こうと関係ないね。あたしはこれを笙子からの決闘状として受け取ったんだ。言い訳は利かないよ」
 強引に、話を進めるモナリザ。

 無論、いつもの如く、笙子は戦いを拒否する。モナリザは彼女たちを病院送りにしろと命じるが、
 突っ込んできたひとりを、ボコボコにしてから、善子が「笙子の代わりにあたいが受けようじゃねえか!」と吠える。
 それに続いて、マリやトキ子も闘志を見せる。
 笙子は止めようとするが、
 八千代「もう止まらないよ姉貴、この際、白百合組と綺麗にカタを付けようじゃないか」
 笙子「だから、あたしより目立つなと……」

 一触即発の状態となる。
 で、よく考えたら弥生たちは来ていないのだった。「どうしようどうしよう」とおろおろする残留組。
 結局、みんなで職員室へ走る。
 「なんだって?」
 ネクタイを解いて帰り支度をしているダメケイがセクシーだ。
 と言うか、これは寝るために着替えているのかな。
 「ほんとうか」
 画面に大磯が割り込んでくる。見苦しい。
 彼は歯を磨いているから、これから寝るところだったのだろう。彼らはここに泊まり込んでいるのだろうか?

 大磯は、即座にダメケイに緊急呼集をかけてくれと頼む。
 ちょうどその頃、朝男率いるバイク軍団が少年院の塀のそばまでやってくる。
 笙子は乱闘をやめさせようと割って入るが、白百合の部下に後頭部をどつかれる。
 八千代「姉貴!」

 凄い目になった笙子、ずずいと前に出て、
 笙子「どうしてもバカをやらなきゃおさまらないのなら、受けて立とうじゃないか!
 モナリザ「さっきと言うてることが違う!」
  
 よほど頭が痛かったのか、急に好戦的になる笙子。モナリザと凄い目付きで睨み合う。

 そこへ、学園にいた教師たち全員が懐中電灯を持ってやってくる。
 笙子やモナリザたちも驚いたが、それ以上に驚いたのが、この方たち。
 マコ「会長、これじゃ手が出せねえよ」
 朝男「ちっくしょう、どういうこったい」
 山崎「会長、どうする?」

 朝男「今日は引き揚げる!」
 二人「ええーっ、帰っちゃうのぉ?」

 と、ここまで頑張ってきたのにそりゃないだろと言う決断を下す朝男であった。
 仲間を集めるのに100万もばらまいてるのに。

 笙子たちも、逃げる暇がなく、どうしようかと焦っていたが、教師たちがやってくると、
 全員で合掌していた。

 これは、景子の無事を願って天に祈っているんですと、もっともらしい言い訳をして、敵味方で協力して教師たちを誤魔化そうと言う、後々青春の思い出として笑い話になりそうな作戦であった。

 ただ、何度も言うように、これだと「無事」じゃなく「冥福」を祈っているようにしか見えない。
 江田「あなたたちの気持ちは大変嬉しく思います。しかしこんな夜中に宿舎を抜け出すことは規則で許されておりませんよ」
 大磯「気持ちは分かるが、全員、ただちに宿舎に戻れ」
 エキストラ職員「……」

 意外なことに、これにあっさりと騙されてしまうふたり。意外とお人好しなのかも。
 ただ、弥生たちは「笙子とモナリザたちが乱闘している」と、教師たちに知らせに行ってる筈なんだけどね。
 しれっとした顔で立ち去るモナリザたちだが、最後に笙子だけ呼び止められ、大磯が前髪を持ち上げて、血が流れているのを見られてしまう。笙子は誤魔化そうとするが、
 江田「私たちが何も知らないと思ったら大きな間違いですよ! 何が景子さんの無事を祈っていたですか……」

 結局、ばれていたらしい。なんで騙されたふりをしたのか、よく分からないが。
 さらに、二人は、白百合組の存在も、その番長がモナリザであることも掴んでいると話し、笙子が彼らと戦いモナリザが誰かを負傷させたら今度こそモナリザは少年刑務所行きだと脅す。

 また大磯の台詞で、モナリザは既に20を越えていると判明する。うーん、だったら、既に別の施設に移されるんじゃないの? その辺、良く知らないけど。
 二人の意図はやや不明瞭だが、そうやって笙子を脅し、乱闘騒ぎなどを起こさせないようにしたかったのかもしれない。彼らにしてみれば、むしろモナリザにはもっと暴れてもらい、別の施設に移って欲しいところなんだろうけど。

 いずれにしても、笙子とすればどうしてもモナリザと戦えなくなってしまったわけだ。めんどくせえなぁ。

 ここでOP。
 何か作業をした後か、流しに素足を乗せて洗っている女の子たち。フェチだなぁ江崎監督。
 そこへダメケイが足取りも軽くやってきて、景子が母子ともども無事だったこと、恋人のヒロシの勤める酒屋に住めることになったこと、既に学園に戻って園長室へ来ていることなどを知らせる。歓声を上げる笙子たち。
 (画面に割り込んできて)マリ「父親と一緒に住めるのが子供にとって一番幸せなんだ」
 自身の境遇をかえりみて、そうつぶやくマリだった。
 その園長室。景子の保護者を買って出た酒屋の主人を演じるのは、神山卓三。管理人としては俳優としてより、声優として馴染みが深い。「怪物くん」のオオカミ男とかね。このおやじさんは良い人なのだが、その女房が面倒臭い人で、後々、またトラブルに発展するのだ。
 と、再び、少女たちの素足の映像。一番手前は比企理恵さんです。
 で、景子、何故か知らないが、仮退院の日を迎えるのだった。
 ま、出産も間近だし、落ち着く先も決まったので、そういう配慮がされたのだろう。

 笙子「幸せになるのよ。今までに不幸だった分だけ幸せになるよ」
 景子「うん」
 教師たちも挨拶に来るが、その中にちゃっかりトミーも混じっている。
 はなむけに「産着」を手渡す瀬戸先生。
 また、江田は、みんなからの気持ちだといっていくばくかのお金を通帳にして手渡す。
 景子「江田先生……!」

 後ろの弥生がとても可愛いのじゃい。
 江田「頑張るのよ!」

 いやぁ、コクのある顔してますねえ。

 ちなみにこの台詞に「せいぜい」を付けると、全く違った雰囲気になる。

 江田「せいぜい頑張るのよ!」
 大磯もぶっきらぼうに、「二度とここへ来るな」と彼らしい励まし。

 これも、「二度と来るな」とアレンジすると、ちょっと違った雰囲気になる。
 景子「園長先生、あたし、今まで園長先生はあたしの本当のお父さんだと思ってきました。これからもそう思って良いでしょうか」
 と言う台詞が泣ける。

 さらに、園長先生の長い説教、いや教えは決して忘れませんと、
 景子「ネバーギブアップ」

 それを受けて、
 笙子「ネバークライ!」
 景子「ネバーギブアップ!」
 一同「ネバークライ、ネバーギブアップ! ネバークライ、ネバーギブアップ! ネバークライ……」

 などと、みんなで繰り返し唱和するのである。こういうのはちょっと胃にもたれる。
 章(ふっ、止めるタイミングが難しいぞ)
 最後は、感極まってぼろぼろ涙を流した景子が、章に抱き付く。
 章(ほう、その手で来たか)

 その様子に、大磯や江田さえ涙ぐむのだった。
 その景子を玄関のところで待っているヒロシだが、景子の姿を見た途端、スーッと涙を流すが、このタイミングで涙が出るか?

 景子は「一足先に出て待ってるよ。あたしの友達はみんなだけだもん!」と、笙子たちに言い、ヒロシの乗ってきた軽トラに乗って去って行く。

 それを追って、マリたちも走り出す。
 そのどさくさ紛れに、笙子の肩に手をやるトミー。どんな小さなチャンスも見逃さないのだ。
 で、そのまま酒屋に行く二人の姿をカメラは映すのだが、そこのおかみさん、今気付いたけど、佐々木梨里さんじゃないか。
 管理人的には、「男はつらいよ フーテンの寅」の可愛い仲居役が印象的なのだが、
 ここでは、いきなり、景子を引き取るのは反対だったの、少年院にいたことは口外するな、などと言って、ふたりの前途の多難を予感させる悪玉キャラを演じている。

 おやっさんは二人に「気にするな、根は良い奴なんだから」ととりなすが、「根が良くったって、実や花が腐ってたんじゃしょうがないだろ」と、管理は思うのである。そんなこといったら、どんな極悪人でも、「根は良い奴」になっちゃうしな。

 一方、相変わらずいがみあう白百合組と笙子たち。
  
 八千代がトイレに入っていると、部下がガンガンとドアを叩く。
 八千代「うっせえなー、オシッコくらいゆっくりさせたらどうなんだ、はったおすよ!」
 別のひとりに押し飛ばされるが、「なんだよこのヤロー」と、相変わらず元気一杯の八千代でありました。
 小気味の良いビンタを食らわす八千代。叩かれた方は、なんか体がねじれちゃってますが。
 なお、この時、八千代の背中、汗でびっしょり濡れている。撮影は多分7月だろうから、相当暑かったのだろう。
 そこへマリがやってきて、ぐだぐだした乱闘になる。
 山本さん、ちょっとグロッキーのようにも見える。

 残念なことに、ここでは全員ジャージ姿なので、間違ってもパンチラとかは発生しないのだ(真顔で何を言うとるんだお前は)。
 トイレの床に背中をつけて熱演する山本さん。
  
 八千代「何だよ、このヤロー!」
 体勢を入れ替えて、馬乗りになって相手を叩く八千代。良いお尻してますね。

 こうして見ると、相手の女優さんはさほど汗をかいていないので、山本さん、特に汗っかきだったのかもしれない。
 マリもヒートアップして、延々と相手を攻撃していたが、笙子たちも来て、やめさせようとする。
 最後に来た弥生たちが「先生が来るよー」と警告する。
 意外と、弥生たちは穏健派なのだ。何をしてここに入れられたのか、気になる。
  
 ほとんど同時に、景子先生が「笙子さん……」と手紙を手にやってくるが、次の瞬間にはもう敵味方協力して、何事もないふりをするのだった。さっきの合掌と言い、だんだんコントみたいになってきたなぁ。

 単に混んでいるだけだけと、彼らは誤魔化すが、景子先生はあっさり信じてしまう。
 それはさておき、景子先生は、景子からの手紙を……って、ややこしいなぁ、とにかく、景子から手紙が来たわよと告げる。笙子たちは即座に歓声を上げて集まってくる。
  
 部屋に落ち着いて、みんなでその手紙を読む笙子たち。代表して、弥生が表情豊かに読み上げる。他のメンツが派手なのであまり目立たないけど、弥生(百瀬まなみ)ってほんと可愛い。

 それには、社長も奥さんも優しいひとで、楽しく働いているなどとしたためてあったが、無論、みんなを心配させまいと言う彼女の気遣いである。
  
 弥生「社長さんが私とヒロシの結婚式を出来るだけ早く挙げてくれるって約束してくれたのよ……」
 結婚と聞いて、さと子たちが口々に羨ましがる。

 八千代「あたいたちがここを出る頃はさ、景子とヒロシは店を一軒任せられてるかもしれないよ、どーんと一軒構えてさ」

 残念ですが、八千代さんは最後までここから出られません。

 トキ子はみんなで店に行こうなどと言うが、マリは「少年院帰りのあたいたちが行ったら迷惑だ」と、シビアな意見を吐く。

 手紙には続きがあり、結婚式はどうせなら、笙子の実家の相模みまくり(?)神社でやりたいので、笙子からそのことを山本学に頼んでくれないかと書かれてあった。

 笙子は早速実家に手紙を出す。無論、笙子の父親は快諾し、結婚式の日取りもすぐ決まる。
 それを景子から知らされたダメケイが、裁縫の授業を受けていた笙子たちに伝えに来る。で、よしゃあいいのに、笙子は自分たちで景子のウェディングドレスを作ろうと提案する。
 その手の話は、この人のいないところでした方が良いと思うぞ。

 もう、見え見えの展開になりそうだ。
 その後、腹心の生徒となにやら話しているモナリザ。

 ただ、彼女が憎いのは笙子やトミーであって、景子はむしろ昔の友人なんだから、この件についてまで笙子たちの邪魔をしようと言うのは、いささか狭量に過ぎる気もする。モナリザ、笙子と仲の良かった頃は、かなり器の大きなキャラだったんだけどね。

 ……と思ったけど、ウェディングドレスはあっさりと完成して、景子のもとへ届けられる。あれ、それを作るのをてっきり妨害するのかと思っていたが……?
 もっと陰険なことだったっけ。
 朝男は懲りずに、橋の下に仲間を集めるが、前回より少ない数しか揃わない。
 それにしても、なんでこいつらはいつまで経っても野放しなんだ?

 朝男は笙子を連れ出したら、東京流星会は解散すると宣言する。また、自分は笙子と二人で外国へ逃亡する、などと非現実的な計画を発表する。どう考えても、笙子がそんなこと承諾するわけないだろうが。

 そして朝男は、分厚い札束を取り出し、
 「ここに500万ある。親父を脅かして口座に振り込ませた金だ。300万は俺が取る。山崎、残りの200万をみんなで分けてくれ」
 と、相変わらず豪快な金の使い方を示す。
 山崎「会長、俺は一銭だっていらねえよ!」
 マコ「あたいだっていらねえよ!」

 二人は金の為に今まで従ってきたわけじゃないと、かっこいいところを見せる。ま、そうじゃなかったら、とっくに朝男を見限ってる筈だしね。
 朝男「山崎、マコ、俺の好きにさせてくれ」
 と、強引に山崎の手に金を握らせる。

 朝男「みんなにも苦労かけた。最後まで俺に付き合ってくれたことに感謝するぜ!」
 そして全員にねぎらいの言葉を掛ける。
  
 一方、恐らくモナリザの指示を受けたであろう不良っぽい女が、バカっぽい男に耳打ちする。
 男は、酒屋の前からスクーターで集金に出発するヒロシを見る。

 ちなみに結婚式は明日の予定である。
 男はヒロシの昔の仲間らしく、いくつかの場所で集金してきたヒロシに絡み、それを奪い取ってしまう。しめて50万円。

 しかし、ちょうどそんなうまいタイミングで、ヒロシが集金を任されたと言うのも、都合の良い話ではある。
 うーん、さっきも言ったけど、モナリザ、直接恨みのない景子にまでこんなことをするかなぁ?

 店では、ヒロシがいつまで経っても帰らないので不審に思う。おかみさんなどは、即座にヒロシが持ち逃げしたんだと決め付け、警察に通報しようとする。
 景子はヒロシを捜してくると店を飛び出す。
 ヒロシは、金を取られたと頭を抱えていた。警察にも訴えたが、相手にしてくれなかったと絶望しているヒロシ。
 と、ナイフを取り出し、彼らを殺してでも金を取り返すと物騒なことを言い出す。ヒロシも、元はグレていたのだろう。
 景子はヒロシを説得し、おかみさんたちに正直に話すことにする。

 と言う訳で、正直に話してみた。
 おかみさん「腎臓売ってでも弁済しろや!」

 こうなった。(註・なりません)

 ま、おかみさんが激怒したのは確かである。
 そんな佐々木梨里さんも、昔は気立ての良い女の子だったのダス。

 おかみさん、ヒロシに即座にクビを宣言する。景子はお腹の子供をおろしてまで、懸命に働いて金を返すと言うが、おかみさんは取り合わない。
 突然降りかかった不幸に、涙を流す景子。
 そんなことは知らない笙子たち、明日は結婚式だとはしゃいでいた。
 色とりどりのパジャマを着ているので、まるっきり修学旅行の夜である。

 ただ、最初はみんなジャージで寝ていたような気もするが……。
 マリ「今度は笙子の番だね。笙子には哲也さんと幸せになってもらわなくちゃ」
 マリも、以前とは別人のように可愛らしい笑顔を見せる。
 布団に入った笙子は、「結婚式……」と、トミーとの結婚式を妄想、いや想像していた。
 だがその頃、塀の外に、再び朝男たちのバイクの爆音が響いていた……。
 あ、すっかり忘れていたけど、恭子さんもいたんだ。夜遅くまで保育園で働いている。

 ところが……、
 ひとりの幼児の様子がおかしい。呼びかけても応じない。
 即座に救急車が呼ばれ、恭子さんもそれに乗って付き添う。

 だが、無情にも子供は死んでしまう。
 子供を死なせてしまったと青くなる恭子さん。そこへ両親が飛んできて、
 母親「パカヤロウ、あたしの子供を殺したのはお前かい!」
 と、ビンタする。

 話が早いなぁ。
 お父さんの顔が面白いなぁ。
 土下座して詫びる恭子さん。

 それにしても、この上なく深刻な状況の筈なのに、笑いが込み上げてくるのは何故だろう?
  
 少年院に侵入した朝男たちは、ナイフで笙子を脅し、静かに廊下へ連れ出す。

 同じ日に、景子の災難&恭子の不幸&朝男の乱入と言う、三つの大きなイベントが起きるんだよなぁ。
 マリひとり、その気配に気付いて朝男を呼び止める。
 マリ「朝男、笙子はあんたに渡さないよ。笙子は哲也さんと幸せになるんだ」
 朝男(マリを突き飛ばして)「邪魔するな、ぶっ殺すぞ」
 マリ「殺すなら殺せ、笙子を渡してたまるか」

 かつてない迫力で朝男に食い下がるマリ。さすがにもう朝男に対する愛は醒めたようだ。
  
 マリに対しては妙に大人気ない朝男、棒のようなもので思いっきり殴る。
 派手にぶっ飛ぶマリ。相変わらず、比企さんの体当たり演技は素晴らしい。
 笙子「朝男! やめて」
 最初の頃と比べると、伊藤さんも髪が伸びたね。
 その騒ぎに、他の生徒たちがどどっと集まってくる。
 この辺は、いかにもスタッフからの合図で動いている感じだ。

 女の子ばかりと言っても、そこは少年院なので、勇敢に朝男たちと戦う。
  
 八千代などは、山崎とがっぷり抱き合って、そのまま床に倒れこんでいる。
 モナリザは、そんな様子を見て意味もなく笑っていた。

 でも、パジャマ姿の女の子が戦ってる姿と言うのはなかなか萌えますな。
  
 騒ぎを聞きつけた大磯やダメケイがやってくるが、朝男に簡単に倒される。弱い!
  
 朝男たちは笙子を拉致して、敷地へ出る。
 八千代たちもしつこく後を追うが、最後尾の朝男にことごとくぶちのめされる。
 八千代や善子は、この後の「スクールウォーズ」では、朝男と仲良く共演してるんだけどね。
 しつこく追いすがるマリも、思いっきり殴り倒す朝男。
 女子だろうが、ここまで本気で殴れる朝男、ある意味、かっこ……良くないか。
 そのまま、朝男たちは行ってしまいそうだったが、意外な伏兵が現れる。名古屋章である。

 ザコを華麗に投げ飛ばし、朝男の前に立ちはだかる。
 名古屋章、柔道とかやってたのかもしれないな。
  
 朝男「誰だ、貴様?」
 章「東京流星会の西村君か。当学園の園長、丹波だ。通称山ザル……こうして君たちと一緒にいると楽しいねえ! へっははははははっ」

 突然笑い出すものだから、朝男がびびる。

 章「わしゃあ昔、ゴリラと呼ばれて恐れられていた不良なんだよぉ!」
 朝男「やれーっ」

 放置しておくと、昔の武勇伝を語り出しそうだったので、朝男は慌てて部下に攻撃を命じる。
 群がるザコをちぎっては投げる章。
 しかも、そこへダメケイたちも駆けつけ、俄然、朝男たちが不利になる。
 章は、体落としのような技で、朝男も地面に叩きつける。
 章「西村君、年貢の納め時だ!」
 このまま行けば、朝男の計画も失敗に終わるところだったが、
  
 闇の中から、突如白百合組が現れ、粉の入った卵(?)を教師目掛けて投げて来る。
 この辺から、「NEVER」が流れ出す。
  
 朝男はその隙を衝いて、笙子に当身を食らわせ、肩に担いで連れて行く。
 章「笙子君を追え、どんなことがあっても笙子君を助け出すんだぁ、追えーっ」
 バラエティ的な顔になりつつ、怒鳴る章。
 そのことは、直ちにトミーにも知らされる。

 朝男は逃げたが、山崎たち部下は警察に連行される。
 朝男にボコボコにされ、再び包帯姿のマリ。
 江田「園長先生、曽我笙子はもう戻らないかもしれませんよ」
 章、勢い良く振り向く。思わず怯む江田。
 章「いやそんなことはない! 笙子君は必ず戻る!」

 そして、病院では恭子さんが面倒を見ていた子供の死が告げられる。……あ、まだ死んでなかったのか。死因は突発性の心臓発作とのこと。ショックで崩れ落ちる恭子さん。

 しかし、恭子さんに関する後半のエピソードは不要だったと思うけどね。



 

  第18話「グッバイ・ラブ」(1984年8月14日放送)

 朝男は気を失った笙子を助手席に乗せ、嬉しそうに夜のドライブ。検問も突破し、追跡する白バイも華麗なドライビングテクニックで転ばす。
 少年院では、包帯を巻いたマリたちが凄い形相でモナリザの部屋にやってくる。
  
 マリ「起きろ! 狸寝入りもいい加減にしろよ! モナリザ、あたいたちは先生方にチクリはしないが、この決着は必ずつけるよ」
 モナリザ「負け犬マリ、お前は何を吠えているの? さっぱりわからないねえ」
 マリ「笙子が戻ってきたらカタつけようじゃねえか」
 モナリザ「笙子は戻ってこないよ。朝男は命懸けさ、笙子が逃げようとすれば笙子を殺して自分も死ぬ腹さ」

 断言するモナリザ。だけど……、モナリザって朝男とは特に面識もなくて、どういう人間かは知らない筈なんだけどね。まあ、少年院から笙子を強奪するくらいだから、まともな神経の持ち主ではないことは誰でも分かることだが。
 真夜中にも関わらず、駆け付けてくるトミー。女の子たちの色とりどりのパジャマ姿が見れたので「来て良かったぁ」と思うのだった。
 トミー「君たち!」
 女の子「先生……」

 トミーはちょうどドアが開いていたので、妹のモナリザに、朝男の逃走を助けたのかと詰問するが、無論、いつものようにモナリザは知らぬ存ぜぬ。
 代わりに、八千代が「哲也さん、笙子を朝男に渡したのは、あんたの妹だよ!」と、ドスの利いた声で断じる。
 ここでは、何故か、「笙子おネエ」ではなく、「笙子」と呼び捨てになっている。
 トミーは何か言おうとするが、モナリザの目配せで部下がドアを閉める。
 翌朝、川を見下ろす道の上に停まっている朝男の車。笙子は依然として眠っている。
 パッと目が覚めて、3秒で自分の状況を把握する。
 普通は、「うーん、むにゃむにゃ……へ、へ、どこ、ここどこ? あれ、あたし、寝惚けて……って、なんであんたが横にいんのよ?」などと、ぐたぐだした覚醒になるのだが、それではサマにならないので、ドラマでは笙子は「朝男?」と、一言だけ。

 朝男「笙子、俺はもうお前をはなしゃしないぜ」
 笙子「朝男、冷静になるんだ。もう逃げられやしない、一体どうするつもりなの?」
 朝男「ハマで知り合った船長と既に話はつけてある。俺はお前を連れて南米に飛ぶつもりだ

 笙子「……」(←あまりにアホな答えに、返す言葉がない)

 多分、その船長とやらに会いに行ったとしても、「いや、あれ冗談だよ、本気にするなよ……そもそも俺、船長じゃねえし」などと言われ、凹んでいただけだろう。
 笙子「いやだっ、あたしは、あたしは哲也さんが好きなんだ」
 自分の正直な気持ちを口にする笙子。

 ……あれ、以前、モナリザの為に、自分は身を引くとか言ってなかったっけ? ま、好きと言ってるだけで、結婚しようなどとは思っていないのかもしれないが。
 男と言ったら、トミーのことしか頭にない笙子に、朝男の苛立ちが爆発、ナイフを首に当てる。
 朝男「笙子、俺は哲也からお前を奪う。どうしてもイヤと言うのなら、お前を殺して俺も死ぬ」

 周囲の人間にとってはひたすら迷惑な存在の朝男だけど、考えたらこういうバカと同義の直情径行型の熱い男、最近はドラマでも現実でも少なくなったね。

 今更遅いけど、朝男に笙子のことを諦めさせるマジックワードがあります。それは、
 笙子「はいはい、分かりました。あなたと結婚します。南米でも南極でも何処へでも行きます」
 と、一転、即諾することだ。

 そうすると、朝男は(バカなので)「命惜しさに愛を売る女なんて俺の知ってる笙子じゃねえ!」とかなんとか言って、川に飛び込むことでしょう。
 実際は、「朝男……」と、つぶやくのが精一杯だったが。

 ここでOP。

 芥川ナレの「民間舞楽会で活躍されている……」と言う決まり文句が、とても虚しく響く。
 あと、「立ち直った貴重な体験」じゃなくて、「少年院での熾烈な抗争を生き延びた貴重な体験」じゃないの?
 さて、山本学たちは、笙子に頼まれたケイコとマナブじゃなくて、景子とヒロシの結婚式の準備をしていたが、当日になってヒロシの勤める酒屋から中止の知らせを受ける。山本学が電話すると、店主は売掛金の件を話し、女房にせっつかれて二人を解雇したこと、二人は既に店にいないことなどを話す。
 山本学たちは、二人の無事を念じる。
 学「二人がここへ顔を見せてくれれば、笙子もきっと無事保護されるよ」

 哲子「えっ……、なんで?」(……と言いたそうな表情)
 その二人、何故か、山深い川の側を歩いていた。先を行く景子を必死に呼び止めるヒロシ。

 ……あれ、何か嫌な予感がするぞ。
  
 山中で、地元消防団の協力を得て、朝男たちの捜索を始めるトミー、ダメケイたち。
 しかし、遭難者を捜す訳じゃないんだから、朝男がそのまま車で遠くへ行っていたとしたら何の意味もないだろう。
 ただ、地元の人は、車ではそれ以上行けないうんぬんと話しているから、彼らの行く先はある程度目星がついているのだろう。一方、朝男は、目立つ車を崖から落としてしまう。
 そんなことしたら、密航するために横浜へ行くことも出来なくなると思うが?
 恐ろしいことに、その車が落ちた下に、景子たちがいるのである。

 さすがに、この偶然は度が過ぎる。

 朝男が車を落としたのは、それによって捜索隊をひきつける狙いもあったらしい。消防団員たちは即座にその車を発見するが、トミーは「西村がそんなヘマをするとは思えない」と、ひとり別の方向へ探しに行く。
 一方、園児を死なせてしまった、うなじがセクシーな恭子さん、また全力で土下座している。ただし、今度は勤めている保育園で、他の保母さんたちに対して詫びている。そばにいるタツこと男谷弁護士(いつも暇だなコイツも)が、あなたの責任じゃないと庇う。実際、子供の死は突然死によるもので、彼女にはお咎めはなかったらしい。
 しかしどうしても責任を背負い込んで悲劇のヒロインになりたい恭子さん、
 「あたしの目が十分に行き届いていたら、助かったかもしれない……」

 タツ「いや、突然死だから無理だってば……」

 そこへ久しぶりに登場の中条静夫と三ツ矢歌子の夫婦が恭子さんを迎えに来る。だが、両親の説得にも頑として応じない。
 恭子「お父様のお力を借りて償いをしてもあたしの心は晴れません! どうぞあたしの気の済むようにさせてください」
 歌子「あんたの気持ちの問題なの?」

 トミーに振られて自殺未遂をするわ、家出するわ、大酒を飲むわ、ツケを男谷に払わすわ、被らなくてもいい責任を被ろうとするわ……、いつの間に、こんな面倒臭い娘になっちゃったんだろうと悩む両親であった。
 怒って出て行く静夫パパ。ここで何故か、怒りの矛先が笙子さんに向けられる。
 静夫「あの笙子と言う女が、娘を不幸にしているんだ。憎んでも憎みきれん!」

 少なくとも、今回の事件とは何の関係もないのだが、まあ、元々の原因は笙子……じゃなくて、トミーでは?

 ただ、この悪感情は、後に笙子さんが退院したあとの展開に影響すると言う意味で、伏線と言っていいかも知れない。
 いわれなき憎しみを浴びせられているも知らず、笙子は、朝男と一緒に道なき山中を進んでいた。
 少し広い道の上に出て、一息つく二人。
 笙子「南米に逃げて、何かアテでもあるのかい?」
 一応、聞いてみる笙子。

 朝男「アテなんてあるもんか、ただ何かがある筈だ」
 (少しでも期待した自分がバカでした……笙子談)

 笙子「何か、何かって、子供みたいだよ朝男は」
 結構さらりときついことを言う。

 朝男「俺はもうガキなんかじゃねえ !」
 笙子「朝男は焦り過ぎだよ、いつも焦ってばかりいるんだから」
 朝男「確かに俺は焦り過ぎだぁ。だけどなぁ、何をやったって心が満たされるってことがねえんだ!」
 笙子「朝男、それはあんたが決して手に入らないものを求めているからじゃないのかい?」
 朝男「決して手に入らないもの?」

 笙子は、かつて朝男が彼女に話した、幼い彼を助けるために川に流されて死んだ母親のことを言い、「あんたはあの日の少年のままなんだ」と、言い切る。

 笙子「あんたはあの日失ったものを全て取り戻そうとしてるんじゃないの? 純粋だったあなたを、亡くなったお母さんを、優しかったお父さんを……」
 朝男「笙子ぉ、やめてくれ」
 笙子「あんたもうすぐ二十歳になるのよ、あなたのお母さんは死んだのよ」
 デリケートな心を容赦なく抉る言葉に、
 朝男「やめろ、やめてくれーっ!」
 思わず絶叫する朝男だった。
 川の中では、ヒロシも「やめてくれーっ」と、景子に叫んでいた。
 どうやら、景子は人生に絶望し、ヒロシと一緒に心中するつもりで来たらしい。

 ヒロシの制止の言葉も聞かず、どんどん深い方へ突き進む景子。
 その声が、上にいる二人に届いてしまうのだ。
 笙子は、朝男に少し時間をくれと頼み、朝男の側を離れて、下に降りて行く。
 笙子がサンダル履きで苦心して岩場を降りる頃には、景子の体が見えなくなるほど深みに進んでいた。
 ヒロシ「景子ーっ、やめろぉーっ」

 ヒロシ、何故叫ぶばっかりじゃなくて、腕ずくで止めようとしないのだろう?
 ヤクザから昆布の売り上げを守るために海に飛び込んだこともある笙子、ここでもすぐに飛び込む。
 無論、これはスタントの女性。顔が全然違う。
 見事な泳ぎで、見る見る景子に近付く笙子。
 アップになると、いとうまい子さんになる。
 さらに、ひとりで捜索していたトミーが、それを発見する奇跡が起こる。
  
 笙子は、そのまま景子を捕まえて、岸へ泳いで行く。

 うーん、こういう場所で、しかもお互い着衣で、こんなライフセーバーみたいな芸当ができるとは、さすがにちょっと無理があるなぁ。
 今気付いたけど、景子役のスタント(?)、青色の水着を履いてますね。
 朝男は、上からその様子を見ていて、かつて自分を助けようと川に飛び込んだ母親の姿と重ね合わせていた。

 朝男「母さん、母さーん!」
 思わず叫んでしまう。
 笙子「なにやってんのよもうーっ」
 叱りながら、景子を川から上がらせる笙子。ここは、女優本人が演じている。
 笙子「二人とも何やってんだい?」
 景子「だって笙子〜」
 笙子「だってもヘチマもないよ」
 景子「だからなんでそこにヘチマがやってくるの?」

 笙子はテキパキと二人に説教した上で、ジョーズのおアキを頼り、父親(山本学)に神社で結婚式を挙げて貰えと半ば命令する。笙子の台詞で、ジョーズが、伊勢崎町にあることが分かる。

 説教名人の笙子に言われ、あっさりと心中をやめる景子。簡単な奴だ。
 考えたら、景子はまずなんでここに笙子がいるのか、激しく疑問に思うべきだろうが、自分から尋ねることはしないのだ。

 笙子は、訊かれもしないのに朝男は子供のように純なアソコいや、心を持っているんだ、朝男を立ち直らせたいんだ、とか宣言し、景子たちと別れ、その場に残る。
 トミー、朝男の前に現れる。朝男は別に驚かない。大映ドラマだからだ。

 トミー「笙子さんを返してくれ」
 朝男「断る。あんたを殴り殺してでも、笙子は連れて行く」

 第1話で3回もフクロ叩きにされながら平気な顔してたトミーを、殴り殺すのは無理だと思います。

 でもとりあえず一発殴る朝男。
 振り向くと、はや、口の端から血を流しているトミー。

 ……さすがにこれ、変じゃないか? 滲んでるだけならともかく、血がそこまで流れる時間はなかった筈だ。
  
 トミー、ここではいつになく好戦的で、朝男に対しても果敢に攻撃する。
 しかも、これが結構ヒットするのだ。
 「朝男、実は弱っちい」説を裏付ける証拠写真。
 トミー「来いっ」
 朝男「ふふふっ、嬉しいぜ哲也さんよーっ」

 何か勘違いをしている朝男。
 朝男「澄ました顔して良いパンチ持ってるよ。あんた、俺を本気にしちまったぜ
                                   →(「朝男、実は弱いっちい」説を裏付ける台詞)
 もっとも、その言葉どおり、以降は一方的にトミーを攻める。まあ、元々弱いトミーに勝っても強いことにはならないけど。
 トミーをレイプしようとしているようにも見える(註・見えません)
 やがて、揉みあっているうちにトミーが足を踏み外し、川底へ転落しそうになる。
 顔を歪めて耐えるトミー、若干、森進一になる。
 視聴者は当然、一時戦いをやめて朝男が彼を引き上げるのを期待するところだが、とんでもないことに、朝男、「死ね、死んじまえよ」と、トミーの手を踏ん付けて、落とそうとするのである。
 えいえいと、トミーの手を踏み続ける朝男。最低ですね。
 トミーはしかし、「お願いだ、笙子さんを自由にしてやってくれ」と、自分の命も顧みず、愛する笙子さんのことを訴える。
 それを聞いた途端、朝男は滑り落ちそうなトミーの腕を掴んで、一気に道の上まで助け上げるのである。
 朝男「負けたよ、あんた本物のバカだよ」
 トミー「西村君……」
 朝男「俺も本物のワルにはなれねえようだなぁ……哲也さんよぉ、笙子に伝えてくれ、夏の河原に別れを告げに言ったと」

 これが事実上の、朝男の敗北宣言になる。哲也の恋のライバルとしても、流星会会長としても。
 ちょっとあっさりし過ぎている気もするが、案外、さっき笙子に的確に精神分析されたのが利いているのかも知れない。笙子と一緒になったら、毎日あんなことをズケズケ言われるかも知れない訳で、傷付きやすい朝男としてはうまいタイミングで身を退くチャンスだったのではないだろうか。

 朝男は元気にどこかへ走って行く。
 笙子はすぐ、トミーと再会する。
 朝男の言葉を笙子に伝えると、笙子にはそれがどういう意味か分かったようだった。
 笙子は保護されるが、その場で倒れてしまう。病院のベッドで眠る笙子の手を握りながら、「笙子さん、今はぐっすり眠りたまえ……」と、延々と笙子や妹への思いをぶつぶつと語るトミーであった。そんな奴いねえよ。普通は心の中で言いますよね。
 朝男は、実家、たぶん、以前笙子を連れてきた家だと思うが、そこへ来ていた。
 朝男の声「母さん、帰ってきたよ。ほんの一時、あんたの胸で俺を休ませてくれ」
  
 朝男の声「母さん、あんたはほんとに美しい人だった。あんたが俺の母さんであることが少年の俺にはどんなにも誇らしかったことだろう……母さん、夏の光が一杯だね……ほら、母さん、ちっちゃな魚が一杯いるよ」

 母親との思い出に浸る朝男。
 こいつこのまま、服毒自殺でもするんじゃないかと思ったが、
 朝男「母さん、俺のために死んでくれた母さん、笙子の言うとおり、俺はあの日の夏の河原に閉じこもったまま、ここまできちまったような気がするよ……俺は笙子に母さんの面影を求めていたのかもしれない……いや、母さんそのものを笙子に求めていたんだ………母さん、今日、俺は別れを告げに来たんだよ。あの日の夏の河原に別れを告げに来た。俺ももうすぐ二十歳だ。母さんの思い出を胸に刻みつけて、そろそろ前を向いて歩かないとな」

 だから、そんなこと声に出して言う奴いねえよ。
 しかも、警察の人とかいる前でだよ。

 とにかく、変な顔の刑事に手錠をかけられる朝男。後ろには父親の姿も見える。

 父親「朝男っ」
 朝男「親父、ちょっくら牙を磨きに行って来るぜ」
 父親「えっ、どーいうこと?」

 どんな時も朝男は朝男なので安心した。
 ただ、実は朝男ってそんなに悪いことはしてないんだよね。最初に笙子が脱走した時も、朝男が手引きした訳じゃないし、今回の笙子の拉致事件も立件されるとは思えないし、他は公務執行妨害とか、暴走行為とか、そのくらいなんだよね。しかも未成年だし、少年院にすら行かせてもらえない気もする。鑑別所で、「お母さんが恋しかったんですぅ」とか言って、家に帰されそうだ。

 朝男「ただいまーっ」
 父親「おっ、もう牙磨いたのか?」
 などと言う会話を妄想するのも楽しい。



 舞台はジョーズ。毎週のようにしょうもない歌を披露しに来る晴子。
 ノリノリのおアキたち。彼ら外回りの連中、笙子たちと比べて格段に出番が少ないのが不憫である。
 そこへ笙子の話を真に受けた景子とヒロシがやってくる。無論、彼らとは初対面だ。

 笙子は目を覚まし、ダメケイから朝男が逮捕されたことを知らされる。
 その短いシーンを挟んでから、二人に相談を受けたあとのおアキたちのシーンになる。
 おアキは、出入りの酒屋でヒロシを雇って貰い、景子はこの店で働いて貰おうと、あっさり当面の問題を解決する。
  
 で、とんとん拍子に話が進み、その日のうちに二人は、笙子の実家の神社で神式の結婚式を挙げることになる。この辺はいくら予定されていたとは言え、いかにもドラマ的な展開の早さだ。

 列席者は、おアキや笙子の仲間たち、笙子の家族だけのささやかなものであった。
 晴子のバンドメンバーたちの演奏を受け、参道を歩くふたり。
 記念写真をポラで撮るヨシ坊。
 おアキが、その写真を笙子に届けろと剛に言うと、剛は気軽に引き受けて走り出す。

 どいつもこいつも暇だなぁ。

 笙子は、少年院に戻り、園長室で先生たちに挨拶をする。その場で、剛が持ってきたであろ写真を章が見せる。
 心霊写真みたいだった。特に左上がガチで怖い。

 章は、景子から電話があり笙子に助けられことを聞かされたと言って、「苦境の君と景子君が出会ったことに、何か運命的なもの、神の配慮と言うものを感じざるを得ない。君たちの深い友情が奇跡を生んだのかもしれないね」と、ご都合主義の脚本を、神とか奇跡とかで片付けようとするのだった。
 その後、仲間たちと再会する笙子。
 マリ「無事でよかったよ。朝男の奴がヤケを起こして、笙子を殺しちまうんじゃないかとハラハラしちまった」
 笙子「マリ、朝男は突っ張ってるけどさ、ほんとは純な男なんだよ」

 マザコンと言いたいのを必死に堪える笙子であった。
  
 笙子は珍しくおどけた感じで、結婚写真をみんなに見せる。
 相変わらず表情豊かな弥生が、愛くるしいのだ。

 だが、そこへ、トミーと一対一で話し合うために別室へ向かうモナリザの姿が。
  
 はしゃいでいた笙子たちが真顔になる。
 ここでも、後ろの弥生の表情の豊かさが分かって貰えるだろう。
  
 と、ここでまたショッキングな映像。
 恭子さんの例の事件が、新聞にでかでかと載っている。

 しかし、事件性もないのに、新聞でこんなに大きく扱われるなんてことはまずないと思うけどね。しかも、恭子さんの実名まで掲載されている。
 ちなみに、左側の本文、火事の話になってるぞ。アップになるんだから、それらしい記事を書かないと。
 男谷あたりが読んでいるのかと思ったら、実は、モナリザの来るのを待っているトミーが読んでいたのです。

 その記事を読んだのかどうか、歌子は娘のことを案じるが、静夫パパは人を介して既に子供の親に百万円の見舞金を払ったと話す。
 だが、無駄に責任感の強い恭子さん、タツを引き連れてその親(ダメ人間)のアパートへ赴く。
 何となく怖い遺影。

 昼間から酒飲んでる二人。父親は、恭子さんが出した香典をその場で開いて、「こんなはした金(5万円くらい)で誤魔化されるかーっ」と、激怒する。

 こんな奴らに誠意を見せてもろくなことがないと言う良い見本である。
 あくまで平身低頭の恭子さん、親父は図に乗って「2000万出せ」とか言い出す。お前も一緒に死んでしまえ。
 ナイフをブスッと(自分ちの)畳に刺して、
 「それが嫌なら、子供の命、けえしてもらおうかぁーっ!」

 やたらテンションが高いのであった。
 見ててウンザリするのだが、あくまで恭子さんは「出来る限りのことはさせていただきます」と謝罪し続ける。

 この辺から「NEVER」スタート。
 音楽室で、暗い瞳をしてトミーを待っているモナリザ。
 トミー、ズカズカ入ってくるなり、妹をビンタする。
 今までの煮え切らないトミーからは想像もつかない行動だが、朝男との乱闘でちょっと自信がついたのかもしれない。
 モナリザ「何の真似だい?」
 トミー「葉子、笙子さんは何も話さないが、僕は君が笙子さんどんな仕打ちをしているか全て知っている」
 モナリザ「だったらなん……」
 トミー「口答えは許さん!」

 スパルタトミーの誕生……ではなくて、正解は「ばかーっ」でした。あんまり変わらなかったね。

 トミー「僕は今まで、君の心を和らげ、償いをすることだけを考えてきた。だが今日からは違う。僕は君と戦う!」
  
 トミー、いや兄の意外な言葉に、驚くモナリザ。

 トミー「君は昔と同じ過ちを犯してるんだ。かつて君は養女であることを知り、僕との結婚を望んだ。しかしそれが叶わないと知った時、非行に走った。非行で走ることで、僕や両親の関心を向けようとしていたんだ。今君は笙子さんに憎しみを向けることで、僕たちの関心を集めようとしているんだ。葉子、お前は甘ったれているだけだ。僕はもうそんな甘えは許さん! 僕が憎いなら憎むが良い、僕も君を許さない! お前はもう僕の妹の葉子じゃない! 憎しみと恨みに生きる長沢真琴だっ!」

 笙子「哲也さん……」

 トミーの突然の宣戦布告であった。果たしていつになったら舞楽の話になるのだろう?