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赤い絆 1977〜78年 メニューへ戻る
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 「赤い絆」は、1977〜78年放送の連続ドラマ。TBS「赤い」シリーズの第6弾。

 色々と複雑な出生の秘密を持つ不良少女・恵子(山口百恵)と、外交官として将来を嘱望された志摩信夫(国広富之)の純愛を描いている。

 斉藤さんは、恵子の妹・明子として登場。序盤は結構出番があったが、途中からほとんど顔を出さなくなり、後半になると「最初からいなかった」ことにされていた……。

 2013/12/04追記

 このレビュー、キャラクター名を役名と俳優名などをごちゃまぜにして表記しており、我ながら分かりにくいと思っていたので、改めて主要キャラクターについて自分なりの紹介をさせてもらう。

 志摩信夫(国広富之)…英語が喋れないのに外交官になろうとしている猛者。偽善者。表記は「トミー」
 小島恵子(山口百恵)…自分の忌まわしい出生の秘密を知ったことから、ぐれて、「不良少女とよばれて」いたが、偶然トミーに出会い、一目惚れされたことから全ての物語が動き出す。表記は「恵子」「百恵さん」など

 小島明子(斉藤とも子)…レビューの原動力となったキャラクター。恵子の義理の妹。表記は「明子」「斉藤さん」など
 吉川真砂子(岡まゆみ)…吉川家の長女。トミーにふられる。表記は「まゆみさん」など
 吉川志津子(左幸子)…ファッションリーダー。元赤線の女で恵子の生母。表記は「幸子」など
 吉川総一郎(井川比佐志)…吉川海運社長。表記は「井川比佐志」「吉川社長」など
 吉川洋一(長谷川諭)…吉川家の長男。学習能力ゼロ。表記は「洋一」

 志摩邦夫(鈴木瑞穂)…トミーの父親。表記は「志摩局長」など
 志摩登喜(真屋順子)…トミーの母親。トミーを溺愛している。恵子の天敵。表記は「順子」など
 志摩佐智子(夏純子)…トミーの姉。このドラマでは珍しく話の分かる人。表記は「純子」など
 若杉(石橋正次)…吉川海運の航海士。正義の味方。表記は「パンチ若杉」など

 清川健夫(高橋昌也)…新日本海運専務。冷血無比の悪役。表記は「昌也」など
 大竹(阿部徹)…吉川海運の甲板長。表記は「ボースン」など

 小島泰三(小林昭二)…恵子の養父で、洋品店を経営。途中から家族揃って蒸発する。表記は「昭二」など
 小島よね(園佳也子)…恵子の養母。表記は「佳也子」など

 萩野克巳(石立鉄男)…元戦場カメラマンにして、現・幼稚園の園長。そんな奴いるかぁーっ! 恵子の良き理解者。ワカメとチー坊が好き。表記は「萩野」など
 高梨三郎(夏夕介)…哀愁漂うチンピラ。恵子につきまとう。何をやらしてもダメ。表記は「三郎」など
 ナレーター(城達也)…良い声で恵子さんの気持ちを代弁し、たまに変なことを口走る。表記は「城達也さん」など

  第08話「砂の上のしあわせ」(1978年1月20日放送)
 
 恵子の体がけだものじみた男の体で汚されようとしている……と、城達也さんが言ってます。

 しかし、左幸子が他人の赤ん坊を目にして、突然母親としての良心に目覚め、ぎりぎりで恵子を助けにやってくる。しかし、女ふたりでは三郎からは逃げられない。

 と、心強い正義の味方・パンチ若杉が登場する。
 だが、彼らがもみ合っているうちに、幸子が道路へよろけて、ダンプカーに轢き殺される。

 ……ま、死んでないんだけどね。

 三郎はトンズラし、幸子は救急車で運ばれ、恵子と若杉も付き添う。

 そんなトラブルのため、恵子はトミーとのワクワク初体験デートどころではなくなった。トミーは、ハチ公前の待ち合わせ場所でギャラリーに視姦されながら辛抱強く待っていたが、痺れを切らして萩野のところへやってくる。

 トミーは萩野に、恵子に会ったら先に行っていると伝えてくれと頼み、
 念の為、別荘の地図と伝言を書いたメモを、恵子の部屋のドアに貼っておく。
 今ではありえない迂遠な通信手段である。

 幸子は手術を受ける。
 恵子は、やがて駆けつける井川比佐志や岡まゆみと顔を合わせたくないので、若杉に任せて帰ろうとするが、輸血が必要だと看護婦さんから聞き、
 恵子「あたしの血を調べてみてください」
 と、申し出る。

 事故のことをまだ知らないまゆみさんは、いつまで経っても母親が帰らないので、恵子のアパートへ行ってみる。
 当然、トミーが貼ったばかりのメモを見付ける。
 咄嗟に彼女はメモを剥がし、自分が恵子の代わりに別荘へ行こうと決意する。乙女の蛮勇である。

 管理人がトミーなら、ちゃっちゃと彼女と結婚するんだけどなぁ。

 その後、例によってまゆみさんを見つけてちょっかいを出す三郎の手下のチンピラたち。この街にはこいつらしかおらんのか。
 チンピラたちに取り囲まれて怯えるまゆみさん。もっとも、すぐ三郎が現れて彼女に手を出すなと言う。
 手下たちは、三郎と恵子の首尾を知りたがる。
 手下「あそこまで行きゃもう兄貴のモンさ」
 福崎和広「恵子の奴、兄貴の腕に抱かれちゃって、悶えちゃって、うふーっあれーっ許してーっなんちゃってーっ」

 はしゃぐ福崎さん。「バカ」と三郎に頭をはたかれる。
 そんな福崎さんも、数年後にはすっかり更生し、不良少女たちを怒鳴りまくっていました。

 三郎、さすがにおっばいを揉むことさえ出来ずに恵子に逃げられたともいえず、ハメまくったと嘘をつく。横で聞いていたまゆみさんはそれを真に受ける。

 幸子の手術は、恵子の輸血のお陰で成功する。
 恵子はすっかり夜になっていたが、ハチ公前へ向かう。無論、トミーは既に静岡の別荘へ直行していた。
 洋一は、恵子の帰りしなにその姿をちらっと見ていたので、彼女こそが母親の命の恩人だと父と姉に話す。
 それはそれとして、まゆみはトミーのいる別荘へ行く決心を変えない。
 まゆみ「お母さん許して、今行って話さないと、信夫さんとダメになってしまうかもしれないの」

 もう、とっくにダメになってると思いますが……。

 それに、さすがに、こんな状態の母親を残して男のところへ行くか? ま、彼女にとっては継母なんだけどね。

 恵子は屋台のラーメン食ってる友達に会い、例のメモのことを知らされる。まゆみさんに剥がされる前に彼らが見ていたのだ。ただ、彼女達も漠然とした別荘の位置は分かっても、細かい住所までは覚えていない。
 そんな状況を知る由もない暢気なトミーは、別荘のテーブルに食事の支度も済ませ、恵子との楽しい一時を心待ちにしていた。

 と、窓を叩く音がしたので、恵子だろうといそいそと窓に近付き、カーテンを引くと、
 トミー「ギャーッ!!」

 ……と、叫んでもおかしくない怖さ。下手なホラーよりよっぽど怖い。
 だが、(悪い意味で)鉄のハートを持つトミーは、冷静に窓を開けて、「きみ……一体どうして?」と、問い質す。
 黙ってメモを見せるまゆみさん。
 まゆみ「来ないわ恵子さん、あたし、今夜あなたを……」
 そして、コートを脱ぎながら、
 「もう帰れないわ……泊めて下さるわね」

 トミーに全てを捧げることを体で示すまゆみさん。うわーっ。

 男としたら、こんなコーフンするシチュエーションは滅多にないと思うが、
 トミーの心は小揺るぎもしないのだった。ある意味、変態だ。
 で、次の瞬間、いきなりその窓から逃げ出そうとする。

 いくらなんでも情けないだろう、その態度は。まゆみさんに童貞を奪われるのがイヤだったのかも知れない。

 それに、既に恵子さんと愛を誓った身で、まゆみさんとエッチするのはさすがに人間としてアレだし、それで、もしまゆみさんとヨリを戻すようなことになったら、それこそトミーの信用度がゼロになってしまうからなぁ。

 まあ、世間的には、それでもまゆみさんと再度結ばれた方が正解なのだろうが。
 まゆみ「信夫さん、いや、行かないで! そんなに、そんなにあの人が好きなの?」
 トミー「許してくれたまへ!」
 振り切って飛び出そうとするが、
 まゆみさんはここで切り札、三郎と恵子の一件を持ち出し、恵子のことを諦めさせようとする。

 トミー「嘘だ! 嘘だ!」
 まゆみ「好き、好きなんです!」

 ひたすらトミーにすがるまゆみさん。

 ……が、
 トミーに突き飛ばされる。
 さすがにカワイソ過ぎるだろ。
 海岸に立ち、「嘘だ! 嘘だ!」と、憑かれたようにつぶやくトミー。

 そんなに恵子の処女が欲しかったのか?
 まあ、でも、恋人がチンピラにレイプされたと聞かされたらショックだわな。

 ただ、まゆみさんの言い方では、無理矢理されたのか、合意の上でなのか、判断できないんだけどね。

 翌朝、とりあえず現地(修善寺)に電車でやってきた恵子。
 分かりにくいけど、恵子の背後の上り電車には、トミーが座っているのが映っているのだ。
 いかにもドラマと言う感じで、良いね。

 無論、互いに気付かず、あっという間に離れ離れになるふたり。
 別荘で、鳥のさえずりを聞いて目を覚ますまゆみ。コートをかぶって、ソファで眠っていたようだ。
 しかし、トミーはどうやって夜を明かしたのだろう? あの後、のこのこ別荘に戻ってベッドで寝ていたのだろうか。まあ、駅で夜明かししていたのかもしれない。
 トミーが用意していた食事が手付かずで残っている。それを見てますます悲しくなる。
 そこへ、分かりやすく姿を見せながら恵子が別荘へやってくる。多分、友達が根性で住所を思い出してくれたのだろう。

 ギョッとするまゆみだが、素早く頭を働かせ、余裕たっぷりのジェスチャーを用意して恋のライバルを待ち受ける。
 まゆみ「いらっしゃい。残念ですけど、信夫さんついさっき役所へ行きましたのよ。どうぞお入りになって、あなたがいらしたら、話をしておいてくれと信夫さんから頼まれていましたの」

 可憐な乙女が一瞬で悪女に変わる瞬間。誰でも考え付くことだが、トミーとハメまくったと言うふりをして、恵子に諦めさせようという作戦である。
 恵子はその場から動かない。
 まゆみ「信夫さんたら朝がとっても早いのよ。ここへ来たら日の出を見なくちゃ意味がない、なんて、ベッドの上の毛布剥いじゃったりするの」
 なおも、さも信夫と一緒に過ごしたようにあることないこと……、ないことばっかりだけど、まくしたてるまゆみさん。
 と、恵子の視界に、いかにも食事を摂った後のようなテーブルが入ってくる。つまり、あの短時間のうちに、まゆみさんが偽装したのだろう。マジシャンか!
 まゆみ「もうこれ以上お話しする必要はないわね。あたし、ほんとはお式を挙げるまでは人に後ろ指を指されるようなことはしたくなかった。でもあたしあなたに感謝しなければならないかも……」

 恵子は耐え切れなくなったように走り出す。
 彼女の言葉を真に受け、分かりやすく落ち込む恵子。

 しかしなぁ、ほんとにまゆみに対してそんな態度を見せたのなら、トミーは完全な二重人格者だぞ。ちょっとは疑え。

 彼女がアパートへ帰ると、トミーが待っていた。恵子はトミーにまゆみと幸せになってくれと言う。
 無論、トミーはまゆみとのエッチは否定する。
 トミー「君は僕が信じられないのか?」
 トミー「僕たちの愛はそんな薄っぺらなものだったのか」

 互いを信じないとダメだと、トミーは恵子を言いくるめることに成功。

 ふたりはアパートで乾杯のやり直しをするが、そこへトミーの母親・真屋順子が入ってきて、恵子にねちねちとイヤミを並べ立てて帰って行く。こんなのと同居するのかと思うと、今から痩せる思いの恵子だった。

 しかし、トミーは外交官と言う高給取りなんだから、さっさと独立してしまえばいいのに。まあ、1970年代の話だからね。

 意を決して、恵子はトミーと一緒に順子に挨拶に行く。

 だが、順子はあらかじめ私立探偵を雇い、恵子の出生の秘密をある程度つかんでおいたのだ。その席で、「売春婦の生んだ、父親が誰とも分からぬ女」だと、思いっきり彼女を侮辱する。最低だね。

 さすがの恵子もいたたまれず、屋敷を飛び出す。

 そのことはトミーも初耳で、ショックを隠しきれない。
 恵子「あたしには汚れた血が流れてるんです……生まれた時から……そんなあたしでももしかしたら、幸せになれるかも知れないと……」
 そのことを今まで隠してきたことを、ぼろぼろ涙をこぼしながら詫びる恵子。

 恵子「あたしのことは忘れて。それがあたしのたった一つの幸せなんです」
 眉間にシワ寄せてないで、お前も何か言え。

 「親が誰だろうが関係ない、君は君じゃないか」とか定番の台詞でもいいから。

 最後にトミーの手を握ってから、立ち去る恵子。トミーは無言のまま立ち尽くす。
 この時、「よしっ! 真砂子(岡まゆみ)さんとヨリを戻そう」と、考えていたかどうかは定かではない。

 恵子は、幸子の病室の前まで来るが、そこへ高橋昌也が現れて、一緒に中に入る。
 恵子は知らないが、彼こそ実の父親なのだ。
 はからずも親子三人水入らずの図。

 しかし、あまり関わりたくない家族だ。疲れそうで。

 

  第09話「私は母の愛の証」(1978年1月27日放送)

 恵子に対し他人行儀に、輸血して貰ったことへ感謝する幸子。しかし、
 昌也はあっさりとあなたたちは実の母子なんでしょうと切り込む。さらに幸子がかつて売春婦だったことまで喋りかけ、
 さすがに恵子が声を荒げる。
 恵子「ちょっと、あんた一体なんなんだい、あたしが何処で生まれようがあんたに関係ないだろ!」

 鉄のハートを持つ昌也は、さらに父親(自分のことだが)についてもべらべら喋りそうになるが、幸子が止める。
 城達也によれば、この時点で早くも恵子は昌也が自分の実父ではないかと疑い始めている。

 昌也「二人だけで話があるから引き取ってくれないか。渋谷あたりをうろついてるズベ公には聞かれたくない話なんでね」
 思わず昌也の首を絞めそうになる恵子だったが、幸子に嘆願され、仕方なく病室をあとにする。
 外で待ち構えていた三郎は、まだ恵子の体を諦めていない。
 いつかモノにして見せると言う三郎の言葉に、
 恵子「(あんたに抱かれるくらいなら)死んだ方がマシだわ」

 受けた瞬間は大したことはなくても、家に帰ってから、じわじわと腹に効いてくるようなハードパンチを放つ。


 病室に残った昌也は、昔のことで幸子を意のままに操り、吉川海運を乗っ取るつもりだと公言する。
 幸子は咄嗟に手鏡を割ってその破片で手首を切って自殺しようとするが、昌也に止められる。

 しかも、極悪非道の昌也は仮に幸子が自殺したら、即座に彼女の過去に関するスキャンダルが週刊誌に載るだろうと脅す。吉川海運や夫の名誉のため、自殺もままならない幸子。
 昌也が消えた後、何か用事があって恵子がまたやってくる。鏡の破片を手にしている幸子を見て、自殺なんかやめてと訴える。実の娘の優しい言葉に思わず抱き付いて嗚咽する幸子だった。

 幸子「なんでこうやって二人は生きてたの? あの時死ねば良かったのに……」
 ずしりと重い台詞。
  
 実の母の苦悩する姿に、例によって街をさまよう恵子。最後は、無人の競技場で物思いに耽る。
  
 幸子の痛切な言葉を胸に繰り返しながら、病室からそのまま持ってきた破片を握り締め、ボタボタと血が流れる。

 そこへわかめ好き好き萩野先生が飛んできて、
 「バカ、死ぬなんて、なんてこと考えるんだ!」と、思いっきり早とちりする。
 恵子は、自分の母親に死んだ方が良かったと言われたらどうすればいいんですかとストレートに感情をぶつけ、萩野の胸に顔を埋めて泣くのだった。
 萩野「恵子、俺が以前、ベトナムで写真を撮っていたことは知ってるな?」

 恵子「知りません」
 (正しくは「はい」)

 いきなりこんな台詞を石立鉄男に言わせるのが、大映ドラマのただものではないところ。
 彼はベトナム戦争で大勢の人が殺されるのを見て、空しくなり、キャメラを捨てたそうです。あらまあ。
 萩野「そして……」
 恵子「先生、その話、長いんですか?」

 無論、正しくは、「先生の仰ること、分かるような気がします」でした。ま、似たようなもんだな。

 恵子は続けて「母もベトナムの人のように必死で生きてきた。それをカメラのように外から見て絶望するなんて自分勝手……そう言うことですね」

 話の腰を折られた上、自分の言おうとしたことを理路整然と説明されて、悔しそうな萩野であった。

 トミーは恵子の出生の秘密を知り、うじうじと惑乱していた。
 萩野はトミーを呼び出し、そんな態度を非難する。

 萩野「君の愛情はそんないい加減だったのか! ……すまん、つい大きな声を出してしまった」

 トミー「もっと罵ってください。僕は卑怯な男です。罵られるどころか、殴られても蹴られても文句の言えるような人間じゃないんです」

 自分のことは良く分かっているトミー。

 トミーは恵子の母親が売春婦だと知り、親は親、子は子と割り切って考えられないと率直に話す。
 恵子は昔の赤線地帯を歩き回り、母親の昔のことを調べていた。

 山口百恵さんがソープ(トルコ)の看板と一緒に写っていると言うなかなか凄い映像である。
 ちなみに彼女が最初に声をかける風俗嬢のひとりは、謝秀容さん(だと思う……)で、同時期の横溝正史シリーズ「仮面舞踏会」では、三ツ木清隆と心中していた。

 しかし、20年前のことなので、そう簡単には分からない。
 幸子は程なく退院するが、娘の岡まゆみは、迎えにも来ず、京都へ傷心旅行へ来ていた。
 その後も、トルコの看板だらけの街を調べまわる恵子。

 これはドラマなので、ほどよいところで、恵子は昔の幸子のことを知るおばさんと出会う。彼女は恵子の父親については知らないと言うが、幸子がそんな商売をしながら子供を産んだのは、愛した男の証が欲しかったからだと諭す。

 雨が雪に変わる。

 恵子は踏み切りで、通り過ぎる電車を暗い目で見詰めていた。
 電車が通り過ぎた後、踏み切りの向こう側にトミーの姿が……。
 しかし、恵子はトミーの横を黙って歩いて行く。こういう場合、男も何も言わずにフェードアウトすると絵になるのだが、
 我らがトミーはすぐ走って追いかけて「恵子さん恵子さん」と話しかける。絵にならねえな。

 トミーは「やっぱり僕は君を愛してる」とか甘ったるいことを言うが、恵子は相手にしないで行き過ぎる。
 しかし、そこへ三郎たちの乗る車が現れて、恵子を拉致しようとする。

 トミーは無論、助けようとするが、
 ゴキブリのように踏み潰される。

 なおこの辺のアクションはJACが担当している模様。

 てっきり、また上からの指示で動いているのかと思ったら、三郎、単にこの間の続きがしたかっだけのようで、気を失った恵子をひとりで抱えて、例のアジトへまた連れ込むのだった。
 三郎「お客さん、だいぶ凝ってますね……」

 ではなく、恵子の靴を脱がしているところである。
 三郎には気の毒だが、今回も邪魔が入る。今度は昌也の部下になった松崎である。彼は三郎とは初対面のようだったが、「あの人」の命令で、恵子には手を出すなと伝える。三郎は従おうとしなかったが、二人が争っている隙に、まんまと恵子に逃げられる。三郎、松崎に二発殴られているので、意外と弱いことが判明する。

 恵子を探していたトミーは、三郎の姿を見かけ、飛び込んでくる。
 「あの人を返せ!」と、いきなり三郎の首を絞める。さすがの三郎も目を白黒させていたが、すぐよわっちいトミーをぶっ飛ばす。
 三郎は、恵子はもういないと正直に話し、
 彼女が残したブーツを、「記念に片方ずつ頂くか」と、ひとつをトミーに投げて寄越すのだった。割とフェチなのね。

 トミーはそのブーツを家宝にしたそうです。

 トミーは、母親に対し、海外研修には行かない、役所も辞めるかもしれないなどと駄々をこねる。とにかく恵子さんとの愛を成就することしか頭にない末期症状。

 そこへ、昌也の意を受けた幸子が訪れて、岡まゆみとトミーとの縁談はなかったことにしてくれと切り出す。
 昌也は、松崎に、トミーと恵子を結婚させるつもりだと意外な計画を話すのだった。

 それはいいけど、斉藤さんはいつになったら出るんじゃーっ!

 

  第10話「開かれる謎の扉」(1978年2月3日放送)

 げっ、今回も斉藤さんが出ないのか。飛ばしちゃおうかな……。

 自分の一存で縁談をなかったことにしてくれと申し出る幸子に、当然、トミーの母親は気分を害し、追い立てるように幸子を帰らせる。
  
 この前、女性としてひどい仕打ちを受けたのに、まだ懲りない岡まゆみは、トミーを呼び出す。

 まゆみ「はいこれお土産、西陣織のネクタイなの。開けてみて、一生懸命選んだのよ」
 トミー「真砂子さん」
  
 まゆみ「早く開けてみて。あたしの趣味も満更じゃないと思うんだけどナ」
 トミー「真砂子さん」

 どっちも人の話を聞いてない。
 まゆみ「ねえ、あたし変わったと思わない?」
 トミー「変わった?」
 まゆみ「昔の泣き虫真砂子は捨ててきたの」
 おどけてみせるまゆみさん。
  
 しかし、すぐ悲しそうな表情になる。
 トミー「真砂子さん、君には済まないと思ってる。しかしボク……」
 まゆみ「負けないわ、負けないわ私……あの人なんかに、絶対負けない」
 トミー「話聞けよ」

 この辺から昌也が、トミーの父親にも接触したりして、全面的に策謀を巡らすようになるが、あんまり面白くない。
 相変わらず優雅に商売している夏純子。相変わらず暇なトミーが訪れている。

 純子「そう、海外研修ロンドンに決まったの。第一志望だったんでしょう。だったらもう少し嬉しそうな顔したらどうなの」
 トミー「実はボク、英語が話せないんだ……」
 純子「知らないわよそんなこと」

 そこへパンチ若杉がふらっと入ってくる。トミーは気を利かせて座を外す。

 若杉「ついでがあったから寄ったまでです」
 純子「ついでにお茶でも飲んでいけば? ね、どうしてそんなにあたしに興味を持つの?」
 若杉「好きになっちゃいけないですか?」

 中学生のような初々しいカップル、このどろどろしたドラマの中ではペプシのような爽やかさである。

 その後、井川比佐志は、幸子がトミーとまゆみの縁談を独断で破棄しようとしたと聞いて、激怒する。彼女自身、昌也に強要されている幸子は、トミーの心は恵子に移っているからまゆみが不幸せになるなどと苦しい言い抜けをする。
 二人の会話を聞いていたまゆみも、当然怒る。
 まゆみ「お母さんだと思ってないわ! あなたが本当のお母さんならこんなひどい仕打ちをするはずがないわ!」

 きつい言葉を投げるまゆみ。
 裏面の事情を知らない洋一にも批判されて、幸子の苦境、きわまれり。

 正直、ドラマとは言えこの辺は見てられないつらさ。
 幸子は、切羽詰り、自分で運転する車に昌也を乗せ、そのまま猛スピードで走って激突死しようとする。だが、ちょうど警察の検問があり、結局果たせないまま終わる。
 その後色々あり、トミーのロンドン行きを知った恵子は、自分の為に外交官の道すら捨てかねないトミーのため、三郎に親しげに声をかけて、一緒にご飯でも食べようと誘う。

 しかし、二回もレイプまがいのことをされかけた相手にそんな態度を見せる女がいるとしたら、それは頭がおかしいか、何か企みがあってのことだと警戒するのが常人だが、三郎は少し驚きながら、仲良く恵子と歩き出す。バカなのかな。

 恵子は、そんな様子をわざとトミーに見せて、諦めさせようとする。
 別れ際に三郎がトミーに掛ける「しつこいんだよ」と言う言葉があまりにピッタリし過ぎて笑ってしまう。

 もっとも、実際その後、ふたりはディスコみたいなところへ行き、恵子はヤケ気味に酒とタバコを飲み、
 ノリノリで踊る。三郎、至福の瞬間であった(by城達也)

 しかし、恵子は踊りながら、頬を伝う涙を拭うのだった。
 三郎は、踊った後、恵子のアパートにまでつい来る。
 恵子は捨て鉢になったのか、三郎に部屋の鍵を渡すが、
 彼らを監視していた松崎が現れ、「あの人の命令だ」と、幾許かの金を渡し、三郎を帰らせる。
 それだけであっさり帰っちゃう三郎、かなり情けない。

 松崎に連れられて昌也に会った恵子は、昌也の養女になってトミーと結婚しないかと持ちかけられる。即座に断る恵子だが、昌也は萩野が幼稚園として借りている土地を密かに手に入れ、即刻立ち退いてくれと搦め手から攻めてくる。恵子は再び、昌也に会いに行くのだった。

 

  第11話「その人の名は言えない」(1978年2月10日放送)

 ムギーッ、今回も斉藤さんはお休み。ここは確か斉藤とも子さんファンページだったよな。
 斉藤さんの最後の出番が終わったら、レビューは打ち切ります。このドラマ、後半はめちゃくちゃになるし。

 昌也にもう一度会った恵子だが、敢えて強気の姿勢を貫き、また萩野とも喧嘩別れしたと嘘を言い、養女になる話はきっぱり断る。立ち去る際に、「しゃれた洋モク吸ってんじゃん」と、昌也のタバコを失敬していく細かい芝居も織り交ぜて。
 幼稚園に戻った恵子は、萩野に報告する。萩野に対しても、トミーのことは忘れようと努力していると明言する。

 萩野「恵子、まさかお前ここを辞めるんじゃないだろうな」
 恵子「……」
 萩野「バカなことを言うんじゃない!」
 恵子「まだ何も言ってませんけど……」

 恵子「でも」
 萩野「でもも、ヘチマもない!」
 恵子「なんでそこでヘチマが出てくるんですか?」

 トミーとの恋愛は別として、萩野はどうしても恵子と一緒に幼稚園をやって行きたい所存。結局惚れてるんだろうな。
 萩野「俺がやろうとしている新しい幼児教育に力を貸すと言う約束を忘れたのか?」
 熱い口調で恵子に訴える萩野。

 そこへ別の保母さんがやってきて「先生、和美ちゃんがブランコから落ちて……すぐ来てください!」

 萩野「今それどころじゃない!」
 恵子「ひでえ」

 無論、正しくは「分かった、すぐ行く」です。
 恵子はしばらく一人になりたいと、友人二人に別れを告げる。
 真ん中の女の子、名前忘れたけど、なかなか可愛いね。

 恵子は、仕事を探そうと色んなところを廻って見るが、ちゃんとした保証人がいないからとことごとく断られる。

 岡まゆみは、トミーの研修行きを祝いに、志摩家へ行こうとする。
 幸子は止めようとするが、あなたの顔を見ているよりよっぽどいいなどときついことを言われ、凹む。
 それにしてもどんな苦境にあってもオシャレに手を抜かない幸子さん、ステキです。

 若杉がその後、幸子と昌也の関係を怪しんで幸子に接触してくる。幸子はどこか別の場所で話そうと場所を指定する。
 だが、若杉は待ち合わせ場所で資材の下敷きになって負傷する。昌也の指示で、幸子がわざと資材を崩したらしい。
 そこへ、埠頭でウロウロしていた恵子が駆けつける。偶然にも程があるだろ。

 若杉は一時的に失明する。
 恵子の友人に会って恵子の不在を知ったトミーが失意を抱いて帰宅すると、彼の海外研修を祝うパーティーの準備に、岡まゆみが新妻然として加わっていた。
 まゆみ「おかえりなさい」

 あからさまに迷惑顔をするトミー。
 若杉から、夏純子へ電話するよう頼まれた恵子だが、運悪くその電話をトミーが取ってしまう。
 トミーはすぐ相手が誰か察して、「恵子さん恵子さん恵子さん恵子さん恵子さん恵子さん恵子さん恵子さん……」と、マシンガンのように呼びかける。

 恵子「うざい……」(註・本音だと思います)
 恵子は仕方なく、他人行儀の話し方で夏純子を出してくれと頼むが、トミーは依然「ボク、信夫だよ」などとコーフンするばかりで、全く取り次ごうとしない。ダメだこりゃ。

 横から現れた夏純子が受話器を奪い、やっと連絡が取れる。
 若杉の奇禍を知り、当然すぐ病院へ行こうとする純子に、トミーはなおも「恵子さんはどこ? ねえどこなの?」と、ひたすら恵子の居場所を知りたがる。

 たまりかねた姉に、「信夫さん! あたしあなたみたいな人は嫌いよ!」と、珍しく大喝される。
 純子に「真砂子さんを御覧なさい」と言われ、振り向くと、岡まゆみの涙ぐんだ顔があった。

 純子はさらに「あなたには優しさとか思いやりとかはカケラもないんですか?」と、トドメの一撃。

 主人公なのに散々な言われたようだが、ここまでがむしゃらに作ってきたスタッフも、「よく考えたら信夫って、最低な奴じゃない?」と気付いて、こんなシーンが生まれたのではないだろうか。
 トミーは、取って付けたように、帰ろうとする岡まゆみを送ろうとする。
 まゆみ「いいんです、哀れみなど頂かなくても」
 トミー「いや、さっき取り乱したお詫びだ」
 トミー「君にはなんといってお詫びすれば良いか……」
 まゆみ「幸せな人、恵子さんて……だって、あなたにあんなに愛されてるんですもの」
 トミー「ほんとにそうですね」
 まゆみ「やかましいわっ」
 まゆみ「あたしは、あなたが好き! どんなに冷たくあしらわれてもあたし、あなたが好き」

 うーん、納得いかない。彼女にその台詞を言わせるのなら、もっとトミーの魅力をしっかり描いて欲しい。
 まゆみはさらに、ただトミーと一緒に歩いているだけで幸せとさえ言い放つ。
 そういうこと言うから、トミーがますます勘違いしてしまうのだ。
 トミー「すまない」

 例によって適当に謝るトミーだが、まゆみは政略結婚でも良いからとにかくトミーと結婚し、その上でトミーの愛を勝ち得るつもりだと健気な宣言をする。

 だが、何故かそこへ三郎が立ち塞がり、トミーに喧嘩を売る。
 よわっちいトミーは、実は大して強くない三郎にも一方的に殴られるが、まゆみが三郎の足に取り縋ってまで、止めようとする。三郎が「あんたこいつのなんなんだよ?」と聞くと、
 まゆみ「妻です!」
 トミー「え゛っ?」

 そろそろまゆみさんが怖くなってきたトミー。
 三郎は、トミーの顔をぶにゅっとしながら、二度と恵子には手を出すなと言い捨ててフェードアウト。

 その後、幸子はあれやこれや悩み事が多いので、
 偶然出会った(偶然会うなよ)恵子を絞め殺そうとする。しかし、偶然通り掛かった(偶然通り掛かるな)トミーに阻止される。ショックを受けた恵子は、思わず電車に飛び込もうとするが、
 再びトミーに止められる。

 何故死なせてくれなかったのか責める恵子に、トミーは「二人で一緒に死ぬために出会ったんだ」と、運命のせいにして、またもとの鞘に戻ることに成功。策士よのう。

 

  第12話「ふたりだけの結婚」(1978年2月10日放送)

 全国16億4千万の斉藤とも子さんファンの皆様、お待たせしました、漸く、漸く、斉藤さんがお出になられます。
 トミーと恵子は、二人でどこぞの山奥にやってくる。
 ふたりは、現世に絶望して心中しに来たらしい。その割に、なかなか決行しようとしない。
  
 二人が尚も山道を歩いていると、突然、山崩れが起こる。
 ここでは、珍しく特撮が使われている。

 トミーは、直前に擦れ違ったおばあさんを落石から助けるために身を挺して飛び出し、その為、崖から落ちてしまう。

 トミーはそのまま川に飲まれ、恵子も落石が当たって、そのおばあさんの家で介抱される。
 と、いきなり斉藤さんが小林昭二と並んでも猛ダッシュ!
  
 明子「お姉ちゃん!」

 恵子の姿を見つけ、思わず駆け寄って抱き付く明子。
 明子「無事なのね、だいじょぶなのね」

 医者から連絡を受けて駆けつけたのだろうが、実に7話ぶり(げっ)の登場なので、なんか恵子のほうも戸惑ってるように見えてしまう。
 明子にしても、2ヶ月近く寄り付きもしなかったのに、唐突に現れて恵子の身を気遣うのが嘘っぽく響く。これは、長いこと彼ら養父チームを遠ざけていたスタッフの責任である。
 小林昭二「恵子、そうか、良かった……保母学校から連絡が入ったときは驚いて心臓がひっくり返ったよ」
 久しぶりに出番で小林昭二の演技にも熱が入ります。
 明子は、慕うように恵子に眼差しを送るが、なんか恵子はよそよそしい態度だ。
 医者によると、恵子の持っていた保母学校の学生証(?)を見て、そちらに連絡したようだ。
 あまりに久しぶりなので、バンバン大きめの画像を貼ってしまう管理人であった。
 昭二は恵子を家に連れて帰ろうとするが、恵子は、離れがたくその手を握り続ける明子にも言葉をかけず、「どうもお世話になりました」と頭を下げ、ひとりでそこを飛び出してしまう。
 昭二「おい、恵子、どこへ行くんだ?」
 明子「お姉ちゃん!」
 明子「お姉ちゃん!」
 だが、すぐに捕獲される恵子。全力で走るあまり、斉藤さんの膝小僧までばっちり見えてます。
 しかし、斉藤さん、明らかに百恵さんより背が高く、妹役としては不適当だったかもしれない。撮影中にもぐんぐん背が伸びる年頃だからね。
 トミーのことは地元の人たちに任せなさいなどと言われ、無理矢理止められる恵子。
 なんか、「わーったから、あんまり顔近付けんな」と、斉藤さんに言ってるようにも見える。
 明子「ねえ、帰ろう! お願い!」
 しかし、愛に燃える恵子は、そんな説得などに耳を貸さず、くるりと斉藤さんの体を回して、
 それでも彼女に「ごめんねアコ」と謝ってから、全員振り切って走り去ってしまうのだ。

 明子「お姉ちゃん!」
 だが、恵子はまだ完全に回復しておらず、途中でへばってしまう。明子を先頭に、みんなが追いつく。
 斉藤さんの若々しい足の動きに注目。
  
 明子「お姉ちゃん! しっかりして、お姉ちゃん」
 昭二「恵子、無理だよ、これ以上皆さんに迷惑かけるんじゃない」
 恵子は喋る気力もなく、昭二と明子に抱かれたままぐったりしてしまう。
 明子「お姉ちゃん!」



 恵子は久しぶりに育った家で体を休める。久しぶりに佳也子も登場するが、店の経営が苦しいのなんのと早速愚痴を言う。
 明子「ねっ、今、向こうの役場に電話してみたんだけど、暗くなったから今夜は捜索を打ち切るって……」

 佳也子はひたすら自分たちが被った迷惑について恵子へイヤミを並べる。
 急に起き上がる恵子。
 明子「どうしたのお姉ちゃん?」
 恵子「すいませんでした。もうご迷惑お掛けしません」
 そう言って、すぐに出て行こうとする。

 明子「お姉ちゃん……」
 恵子は明子の手をしっかり握ってから、しかし何も言わず、出て行く。
 昭二「恵子!」
 佳也子「明子、行くんじゃないよ!」
 明子は母親の言葉を無視して後を追う。
 明子、夜の通りに出てきょろきょろあたりを見渡すが、既に恵子の姿はない。
 やがて、恵子のいる方とは逆の方へ走って行ってしまう。
 恵子「アコ、ごめんね……」
 物陰から妹を見詰める恵子。前にも似たようなシーンがあったなぁ。

 ただ、ストーリー的には、恵子にとっては最早彼らは過去の人たちのように映っているようだ。
 それに、あの口うるさい佳也子と一緒に住むのは、正直しんどいのだろう。

 尚、今までの埋め合わせか、今回はやたら彼らの出番が多い。
 両親が金策の話をしていると明子がしょんぼり帰ってくる。
 明子「ただいま、お姉ちゃんいなかった……」

 しかし、トミーの災難については志摩家は何も知らないわけで、恵子もどうしようか迷う。結局、若杉の病院にいる夏純子に電話をして、そのことを知らせる。
 ところが、恵子がふらふら歩いていると、そのトミーがお寺の境内に座っているではないか。

 ここは、ある程度の期間行方不明になるとか、出てきても記憶喪失になってるとか、そういう展開が欲しかった。

 トミーは、釣り人に助けられそうです。つまんねえオチ。

 なんだかんだで、二人は結婚しよう!ということになる。
 トミーの決断を誉めた純子は、彼に代わってまゆみにそのことを知らせる役を引き受ける。
 これで完全にふられたことを知り、めちゃくちゃ落ち込むまゆみさんであった。
 二人だけの結婚式に備え、ささやかな花嫁衣裳を用意する恵子。

 トミーは幸子に、恵子は井川比佐志にそれぞれ結婚を諦めてくれと嘆願されるが、頑として応じない。
 トミーの強い気持ちを知った幸子は、ホテルに缶詰にされている恵子を連れ出して、トミーのところへ行かせる。

 こうして、たった二人だけの愛の誓いが交わされるのだ。たぶん、そうである。

 

  第13話「引き裂かれた二人の夜」(1978年2月24日放送)

 今週も斉藤さんは出ない……。ちゃっちゃと済まそう。
 困難を乗り越え、遂に二人だけの結婚式を挙げるトミーと恵子。

 トミー「僕は君に誓う。君を一生愛し続ける。きっと幸せにしてみせる」
 恵子「一生懸命努力して、きっといい奥さんになります」
 さらにしっかりとキスを交わす。

 トミー「妻だ、君は今から僕の妻なんだ!」
 だからどんなエッチなことも出来るンだと妄想し、コーフンするトミー。
 恵子をお姫様抱っこして、あらかじめ用意してあったアパートへ連れ込むトミー。
 ただ、百恵さんは結構大柄なので、トミーのような人がお姫様抱っこしても様にならない。
 気の早いトミーは婚姻届を書き上げる。「不良少女とよばれて」にも何度か登場したアイテムである。

 だが、彼らの行動をマークしていた昌也から知らされたトミーの母、真屋順子が押し掛けて来る。無論、彼らの結婚には猛反対。しかし、トミーの決意は固い。

 で、彼女の取った行動は、
 カミソリで手首をぶしゅーっ! だった。

 さすがにこれは引く。
 無論、トミーを思いとどまらせるための芝居のような傷なので、入院するまでもなく、自宅で治療される順子。

 夏純子は「倒れながら病院へは連れて行かないでなんて叫んで、世間体を気にするところなんかやっぱり元華族のおひいさまは違うわね」と、半ば本気で感心していた。

 トミー「ふざけないでくれよ」
 純子「元気になるまでそばにいてあげるのね」
 魂の抜けたようなトミー。
 (今夜やれると思ってたのに……)
 最初の仕事が、義母の飛び散った血を拭くことだと言う、最低の新婚生活を送るハメになった恵子さん。

 それでも萩野のところへ行き、婚姻届の証人になってくれるよう頼む。
 萩野は快く引き受けた上、以前から彼女名義で預金していたと言う通帳を結婚祝にくれる。

 さらに、めでたい歌を歌ってやると、訳の分からない歌を歌いだす。

 恵子、「通帳だけでいいんですけど」と言いたいのを我慢して聞いている。

 野暮なことだが、こんな展開、現実には絶対ないよな。
 しかもギャラリーつき。見てんじゃねえ!
 トミーはアパートへ戻り、新居に家具を取り付けていたが、
 いきなりドアが開いて、元カノが現れる。

 ギャーッ!!

 ……と叫んでもおかしくない怖さ。心臓に悪い。
 まゆみ「あたしもあなたとの生活をこんなところから始めたかった。信夫さん、絶対にどんなことがあってももう引き返せないのでしょうか?」

 トミー「君には済まないと思ってる」

 トミーのマジックワードが発動。これさえ言っとけば大抵のことは大目に見てもらえる。そのうち、恵子にも言いそうだ。
 さらに、「君は僕なんかよりもっと幸せを掴んでください……許してください」と、心のこもっていない台詞を並べる。要するに、「早く帰れ」ってことだね。
 呆れたことにまだトミーのことが諦め切れなかったらしいまゆみさん。しかし、さすがにもう望みはないと見て部屋を出て行く。
 心の底から安堵するトミー。
 (良かったぁ、刺されなくて)

 その後、昌也は順子に接触し、恵子を自分の養女と言うことしてトミーと結婚させた方がいいんじゃないかと持ちかける。つまり、順子としては何より、恵子が赤線の女の娘だと点が気に入らないので、表面的でも昌也の養女となれば、それで気が済むのではないかと言うことだ。

 一方、昌也は三郎たちに恵子のアパートを監視させて、婚姻届を役所に提出させられないようにする。プリミティブな手段だけど、効果はある。

 また、沈没した吉川海運の甲板長(ボースン)が生きていて、その口から事故の真相が漏れるのを恐れた井川比佐志は、彼を自宅にかくまうことにする。

 この、大竹甲板長(阿部徹)に関するエピソードが、中盤以降のストーリーをつまらなくさせている一因だと思う。
 視聴者は吉川海運の経営とか事故とかには興味がないからだ。私もない。
 いきなり変なおっちゃんが同居するようになり、ますますブルーになるまゆみさん。可愛いなぁ。
 まだ、幸子は入院しているのだ。
 母親のことで、まだ家から完全に抜けられないトミー。
 調子に乗った順子は、息子に、お粥を食べさせて欲しいのぉと、気持ち悪く甘える。トミーはやれやれと言った風情だが、それでも根が優しいので大人しく従う。

 ただ、トミーがお粥をすくった匙をそのまま順子の口元に持って行こうとして、順子が目で訴えて、その気持ちを察したトミーがふーふー吹いてお粥を冷ますシーンは、ドラマとはいえちょっと引く。

 純子はわざと順子(ややこしいなぁ)の気を引くため、生け花を習う。それに熱中している隙にトミーをアパートへ行かそうと言う純子の気遣いだった。
 やっと再会した二人は、ぶっちゅうと言う感じで、唇を重ねる。
 なんかワイセツだなぁ。

 昌也は、方針を変え、とりあえず婚姻届を出せることにして、三郎に見張りをやめさせる。
 で、意外と簡単に届けが済んでしまう。

 以下、しょうもないギャグを思いついて書いたが、あまりに寒いので削除。
 やっと正式な夫婦になれたと、嬉しさのあまり発狂しそうなトミー。頭の中はもうあのことだけ。


 しかし、昌也に説き伏せられた順子がアパートへ来て、恵子に昌也の養女になってくれと懇願する。トミーが自分との結婚のために外交官になる夢を捨てると聞かされ、恵子の心も揺れる。

 トミーは外務省を辞めて翻訳の仕事をするつもりだと言い、強く恵子を抱き締めるが……。

 

  第14話「あなたのために耐えぬきます」(1978年3月3日放送)

 恵子は昌也(清川)の養女になることを決意し、トミーに話す。トミーは、母・順子が強要したのだと思い、反発する。順子は恵子自身の意志だと言うことをトミーに納得させろと、恵子に命じる。
 トミーは、志摩と言う苗字さえ捨てて、小島信夫、いや渋谷信夫で構わないと断言する。

 しかし、小島信夫は分かるけど、渋谷信夫って……渋谷は恵子が勝手に名乗ってた姓だからなぁ。

 恵子は「あたし、外交官の奥さんになりたいのぉ」と、心にもないことを言って、トミーを説得しようとする。
 つまり、恵子が一旦清川の養女として入籍し直せば、トミーも外務省を辞めなくていいだろうと言うことである。

 恵子「貧乏はもうたくさん」
 トミー「そんな話、信じられるものか!」

 愛さえあれば何も要らないと言うのは、いかにも非現実的な発想だと、いい加減気付け。
 恵子「信夫さん、通訳の仕事がうまく行くと思ってるの? と言うか、あなた英語喋れるの?
 恵子の本心ではないのだが、これからの生活のことを心配する。ただ、仮に彼らがこのまま結婚生活を送っていても、必ず直面していた問題だったろう。
 特に、トミーはなんだかんだいって裕福な生活をしてきたお坊ちゃんだしね。

 トミーはショックを受けて、部屋を飛び出す。
  
 完全にふられたまゆみさんは、結婚式で着る筈だったきらびやかな着物をまとってにっこり微笑む。
 まゆみ「どう、お父さん、綺麗?」

 井川比佐志「真砂子、お前……」
 遂に狂ったのかとドキッとする。
 嘆き悲しむ娘の姿に欲情、じゃなかった憤激した父親は、婚約不履行で志摩家を訴えてやると鼻息を荒くする。

 恵子は、昌也のところへ行き、養女になる件を承諾する。表向きそういうことにすればいいと考えていた恵子だが、昌也に一旦トミーと離婚し、正式に昌也の養女にならなければダメだと言われる。
 昌也「どうした? (大映ドラマが)嫌になったのか?」

 恵子の浮かない顔を見て尋ねる昌也。ちなみに、嫌になったのかどうかは知らないが、百恵さんにとって、これが「赤い」シリーズ最後のレギュラー出演となった。

 恵子の真意を知らないトミーは、母・順子に(恵子から預った)離婚届を見せられ、混乱する。
 トミー「彼女、何を考えてるんだ?」
 順子「決まってるじゃないですか。この志摩家が狙いなのよ。汚れた生まれの人間に限って、名のある家に憧れるものなんですよ」

 ひでー言い草。

 井川パパ、娘のためならえんやこらと、トミーの父親に婚約不履行で訴えてやる! と迫る。トミーの父親に相談された昌也は、井川パパのところへ来て、そんなことはやめなさいと諭す。もし訴えるのなら、恵子が洋一に代わって傷害罪を引き受けたことを問題にするぞと脅す。
 さすがにカッと来た井川パパ、遂に昌也の顔をぶん殴る。
 おやじにも殴られたことのなかった昌也、相当ショックだったらしい。
 錯乱したのか、起き上がって一言、「うーんマンダム!」

 井川パパ「何を言うとるんだお前は?」

 (註・どうやら、管理人はだいぶこのドラマに飽きてきたようです)
 そこへ、まゆみさん、父親に何か重要なことを知らせに来るが、ここではブレザーの制服みたいなのを着ていて、これもなかなか可愛い。

 重要なこととは、彼が匿っている沈没した吉川丸のボースン(甲板長)のことがマスコミに漏れて、取材陣が家に押しかけてきたことだった。
 海難審判で不利になることを恐れた井川が、ボースンを匿っているのではないかと新聞にもでかでか載る。


 久々登場の幸子さん。山奥の温泉旅館でひとり静養していたらしい。
  
 なお、そこに出てくる仲居は、自分はすぐ分かったけど、「男はつらいよ フーテンの寅」(1970)に、同じく旅館の仲居として出ていた佐々木梨里さんだった。年を重ねたこともあり、「フーテンの寅」でのユニークなキャラクターは見られなかったけど、ちょっと嬉しかった。また、彼女、「不良少女〜」にもチョイ役で出てるんだよね。
  
 萩野は、恵子の変心を咎める。恵子は萩野に対してもあくまで自分の意志で決めたことだと言い張る。もっとも、外交官の奥さんになって外国に行って見たいとも付け加えているが。

 じっと見詰めあうふたり。深い信頼で結ばれた師弟なので、萩野には恵子の秘めた思いが伝わった……筈だったが、

 萩野「そうか。自分で選んだ茨の道だ。自分の力で切り開くんだな!」

 突き放すように言って恵子の前から消える。伝わってないのかよ。

 昌也は幸子を呼び出し、ボースンを我々に引き渡して欲しいと無理な頼みをする。拒む幸子に、息子の洋一に彼女の前身について話そうかとほのめかす、悪魔のような昌也であった。

 昌也が恵子を養女にしたのも、それによって志摩家と繋がりを持ち、最終的に吉川海運を乗っ取ってしまおうという野望のためであった。

 昌也は既に娘として同居している恵子に、「ひゃっはーっ、私は鬼だ!」などと自慢げに話していたが、
 女中「お嬢様にお客様です」
 昌也「誰だ」
 女中「小島明子さんて方が、お姉ちゃんに会いたいって見えたんです」

 おおっ、まさに斉藤さんではないか。こんなタイミングで登場するとは意表を衝かれた。

 恵子は思わず飛び出そうとするが、昌也に制止される。
 昌也「その人にお伝えしなさい。その人の姉さんなどと言う人はもうここにはいないってな」
 女中「わかりました」
 恵子「あうっ」
 昌也「この際だからはっきり言っておく、お前はもう小島家とは何のかかわりもない人間なんだ」
 念を押していると、
 明子の声「お姉ちゃん! お姉ちゃん! お姉ちゃぁーん!」

 聞くもの全ての魂を骨抜きにしてしまう、あの可憐なボイスが……。

 昌也は結局、斉藤さんとは一度も絡まない訳だ。もし直かに明子に会っていたら、その可愛さにメロメロになって、たちまち良心に目覚めていただろうに(やかましいわ)。

 ただ、実際、この局面まで来ると恵子の養親や明子の存在が一日遅れの新聞のようなものに思えるのも事実だ。恵子の悩みは、既にそんな次元を超越しているのだから。養父母はともかく、明子ちゃんと言うキャラに関しては、シナリオライターが後先考えずに適当に作ったが、途中から持て余しているような印象を受ける。
 後半になると、最初からいなかったかの如く無視されてしまうのはリアリティの面から言えば重大な欠陥だろうが、ストーリー上は、それが正しい判断だったのかもしれない。

 あれ、ここでは、明子は顔出さないのか。

 一方、幸子は二度と帰らないと誓っていた実家へ戻る。ボースンを連れ出して昌也に引き渡すためだ。
 で、早速話があるといって、ボースンの大竹を家の外へ誘い出し、待っていた三郎たちに拉致させる。
 ただ、その現場をまゆみさんに目撃されていたのが、後の深刻な家庭争議の原因になる。
 どうでもいいけど、まゆみさん、いつも何してるんだろう? そろばん教室かな。
 恵子は、養父となった昌也に命じられ、トミーのところを訪れる。トミーがサインしてくれないと離婚届を提出できないのだ。
 それにしても、襟が尖ってるねえ。油断してると首に刺さりそうだ(刺さるかっ)。

 トミーは無論、そんなものにサインする気は毛頭ない。


 間の悪いことに、大竹を別の場所へ移すために井川比佐志が帰宅する。幸子は、姿が見えないとしらばっくれるが、まゆみにさっきのことを暴露され、遂に夫にぶん殴られる。

 理由を話せといわれても、それは言えない女の涙。
  
 激怒した井川パパは、妻の首根っこをつかんで、「お前の面など二度と見たくない出て行け」と、玄関に放り投げる。
 さらに、力尽くで玄関先に叩き出してしまう。ひでー。

 後でそのことを知った洋一は、当然母親を探しに家を飛び出す。

 洋一、
 5秒で、
 恵子の友人と出会う。だから、この町にはこいつらしかおらんのか。

 さらに、その直後、
 友人たちは、恵子と出会う。だから、この町には……(以下略)

 恵子は、友人経由で、母・幸子のことを知る。

 その後、母を捜して繁華街を堂々と歩く百恵さん。無論、みんなガン見する。



 アパートで、ぽつねんとしているトミー。ドアをノックする音がしたので、開けると、
 斉藤とも子さんの姿がありました。やったー。
 一目見て、(おっ、好みのタイプ)と思うトミー……って、よく考えたら前に一度会ってるな。

 明子「あたし、おねえ……小島恵子の妹の明子です」
 トミー「なんだい?」

 むむむ。この場合、一度会ったことを思い出して、「ああ、君か」と応じるのが自然のような気がする。それに、血が繋がっていないとは言え、明子は妻の義理の妹だった訳で、トミーのこの反応は素っ気無さ過ぎる。
 明子「お姉ちゃんを返して下さい! あれじゃお姉ちゃんがあんまり可哀相だわ」
 トミー「どういうことだい?」
 明子「お母ちゃんに聞いたわ。あなたたちが、自分の体面を守ろうとして、お姉ちゃんを人の養女にして、うちから取り上げて……!」
  
 トミー「明子ちゃん、そのことはね、君の姉さんが言い出したことなんだ。僕だってね」
 明子「うそっ! そんなの嘘だわ。みんなはよってたかってお姉ちゃんを悪者にするんだわ!」

 そしてここで、明子ちゃん会心の一撃、トミーにとっては痛恨の一撃が放たれます。
 明子「偽善者! もういいわよ!」
 バタン!



 ぎ、偽善者…偽善者…偽善者…偽善者…偽善者…偽善者………

 番組始まって以来のショックを受けた模様のトミー。

 明子の「お母ちゃんに〜とりあげた〜悪者にするんだわ」の台詞が、トミーの頭の中で響く。

 それにしても、明子はどうやってこのアパートの住所を知ったのだろう? お母ちゃんに聞いたと言っていたから、恵子がさすがに結婚したことなどを元の実家には通知していたのだろうか?


 家を追い出された幸子は、恵子を呼び出し、最後の別れのような言葉を残して去る。
 何故かその直後、恵子の前に現れる石立鉄男。妙に怒っている。
 萩野「俺は今無性に腹が立っている。さっき競馬で有り金全部すったからだ!」

 間違えた。

 萩野「俺は今無性に腹が立っているんだ。そんな風に自分を殺してまで信夫君や信夫君のお母さんの幸せを考えている、お前のその優しさにだ! 養女になるなんて言いだしやがって、こんなことだろうと思ってた。お前はバカヤロウだ! 大バカヤロウだ!」

 恵子のことを愛するが故の叱声であった。
 萩野「もういい……先にシャワー浴びて来い」

 恵子のことを愛するが故の命令であった。

 (註・管理人は、もう斉藤さんが出てこないと知ったので、すっかりやる気をなくしているようです)


 正しくは、「もういい、行け」でした。
 涙を流しつつ、一礼して立ち去る恵子。

 その後、恵子が「あんたは鬼だ悪魔だ」と昌也を罵っていると、母親のことで激昂した洋一が現れ、昌也をナイフで刺し殺そうとする。
 だが、昌也を、と言うより洋一自身を救うため、恵子がそのナイフを腹に受ける。

 ベタベタな展開やねえ。
 苦しい息のもと、恵子は昌也の計画に従うから、異父弟である洋一を見逃してくれと頼む。

 で、何故かそこへ偶然ぶらぶら歩いていたトミーも駆けつけるのである。