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新吾十番勝負 1981〜82年 メニューへ戻る
 
 「新吾十番勝負」は、1981年から1982年にかけてフジテレビの「時代劇スペシャル」枠で3回にわたって放送された時代劇。川口松太郎の小説が原作で、八代将軍吉宗のご落胤である葵新吾の活躍を描く。

 斉藤さんは第2回目に、ゲスト出演している。ここでは、その第2回目を中心に紹介する。
 ちなみに監督はまたしても斉藤光正氏である。

 第1話 1981年5月15日放送
 
 仰々しい幕開け。
 語りは乙羽信子。
 仰々しいタイトル。
 「レッドバロン」のOPと同じ、燃える溶鉱炉がバック。
 また、トミーか……。しかも相方は岡田奈々さん。やったー。
 ファーストカットから上半身ヌードを披露して、日本中の女子を悶絶させようと企むトミー。

 どうでもいいが、剣の達人の役なんだから、少しは体鍛えろよ。
  
 と、そこへ悪戯っぽく登場するのは眉毛のたくましい岡田奈々さん。
 岡田「えふふふっ、えいっ」
 トミーの背中を花でちょこちょこいじる。
 トミー「こぉらぁっ!」
 怒ったトミー、木刀で岡田奈々を打つふりをする。
 いいですねえ、この無邪気な笑顔。

 トミーはどっかの山奥で剣の修行に明け暮れており、通称・美女丸と言う若者だった。
 あっさり書くと、彼は将軍吉宗の落とし胤なのだ。後に、葵新吾と名乗るようになる。
 ただ、トミーがねえ、全然剣の達人に見えないと言うのが、このドラマの致命的な欠点である。
 その師匠が、トミーの100万倍は強そうな世界のミフネなので、なおさらである。

 師匠のトミーへの態度や、身に付けている由緒ありげなお守り袋などから、トミー本人も岡田奈々も、トミーが高貴な生まれなのではないかと薄々勘付いている様子。
 だが、トミーはそんなしがらみなど無用と告げる。
 トミー「それでいいんだーっ! 父は多聞せんせーい! 母はこの秩父の山ーっ!」

 あ、秩父にいたのか。
  
 なお、ひょんなことからトミーの仲間となる盗賊を、かたせ梨乃と田中浩がそれぞれ好演している。このドラマにおけるコメディリリーフ的な存在だ。
 かたせは、弁天小僧で、田中は、日本駄右衛門である。

 意外と彼らは長生きで、3話すべてに登場する(かたせは2話で死ぬが、3話で双子の妹として復活する)。

 で、いろいろあって、トミーは将軍に目通りするため、江戸へ向かうが、途中、刺客に狙われたりする。彼が世継ぎになること困っちゃう権力者とかがいるのだ。よくある話である。
 で、その黒幕を、「赤い絆」ではトミーの父親役だった鈴木瑞穂が演じている。
 その鈴木瑞穂を、サクッと殺すトミー。

 トミーは、将軍とは会えなかったが、将軍の息子だと言うお墨付きを貰い、諸国修行の旅へ出るのだった。

 第2話 1982年3月26日放送

 剣の道を窮めるため、大和国の柳生の庄へやってきたトミー。
 柳生宗春(?)と言う柳生但馬守の次男と試合をして、彼を再起不能なまでに叩きのめしてしまう。お陰で、柳生一族の恨みを買い、後々まで命を狙われることになる。

 その後、大坂で、武士に斬り殺されそうになっていた町人を助ける。彼は淀屋と言う材木問屋のもので、将軍への直訴状を携えていた。
 町人(ヨウスケ)は天神長屋へ直訴状を届けてくれと言い残して絶命する。
 トミーと、弁天小僧、日本駄右衛門たちは、ごみごみした天神長屋へやってくる。

 そこへ顔を出すのが斉藤さんであります。淀屋辰五郎の娘、須栄(すえ)役である。
 須栄「ヨウスケと、どこでお会いに?」
 トミー「ヨウスケさんは、淀の河原で斬られて亡くなった」
 須栄「ええっ」
 そう言えば、斉藤さん、「赤い絆」でトミーと共演してたんだよね。
 トミーが持ってきた髻(もとどり)を供養する斉藤さん。
 辰五郎「済まなんだなぁ、ヨウスケ」
 零落した辰五郎を演じるのは、内藤武敏。

 辰五郎はトミーたちに事情を話す。

 彼は淀屋の三代目だが、商い下手で経営が苦しくなった。そこで、三年前、初代辰五郎が家康から永代所領権を認められた山城八幡の広大な山林の材木を切り出そうと言うことになった。

 山林を見に来た淀屋親子。
 須栄「お父さん、ほんまに見事や」
 辰五郎「ご先祖様のお宝、ほんまにありがたいありがたい」

 中途半端な大阪弁を話す斉藤さん。
 ところが、そこへ役人が現れて、ここは大坂城代の支配下にあると彼らを引っ立ててしまう。
 辰五郎の声「それからはもうめちゃくちゃどした」
 須栄の声「お店には借金取りが押しかけ、金目と名の付くものは全て持っていかれ、助けてくれる筈のお役人はご城代に楯突くかとお咎めがきつくなるばかり」
 辰五郎「お役人様!」
 須栄「お父さん!」
 取り潰しを申し渡される淀屋親子。
 トミー「一万石の永代所領の山林が、何故いつの間に大坂城代の物に?」
 須栄「大切に締まっていた筈のお墨付きを、知らないうちに盗み出されていたんです」
 トミー「ひどい話だ!」
  
 他人のことで憤るトミーを、不思議そうに見詰める須栄。
 そこへ、「お嬢さーん!」と呼ぶ声がする。
 材木を大八車に乗せた男たちへ労いの言葉をかける須栄。
 須栄「お帰り、大変やったねえ」
 トミー「あの人たちは?」
 須栄「淀屋で働いていた人たちです。みんなで力をあわせてお父さんとうちを助けてくれてはるんです」
 トミー「お須栄さん、城代であろうが、将軍であろうが、盗めば泥棒だ。盗みを認めればやっぱり泥棒だ」

 須栄「ちょっと何言ってるか分からないです」(註・言ってません)
 須栄「そんなこと嘘です。もう直訴しかあらへん。そない言うて、お父さんヨウスケに訴状持たせたんです。お咎めも覚悟の上でした。そやのにそのヨウスケも!」
 悔しさをぶつけるように、強く前掛けの紐を締め直す須栄。
 トミー「お須栄さん、泥棒を裁けないようなお上は、お上じゃない。分かってくれるよ、きっとお上だって」
 そこへ、気持ち悪い男が現れて「なんやとうはん、そんなとこへいはりましたんかいな」
 露骨に嫌そうな顔をする須栄。トミーは数歩離れる。
 それでもお辞儀をする須栄。
 男「あきまへんなぁ、だんさん、労咳だいぶすすんでまんが。いとはん、明日にでもわてのうちへおいでやす」
 馴れ馴れしく須栄の体を引っ張っていて、あれこれと話しかける。
 斉藤さんの控え目な胸に手を当てつつ、男「労咳にようく効く高麗人参手に入りましたから」
 男「とうはんに分けてあげまひょ」
 男「よろしおまんなぁ」
 さらに、着物の袖に手を入れて須栄の手を触る男。セクハラし放題である。ワシと代わってくれ。
 憂鬱そうな目で男を見送る須栄。
 須栄「材木商奈良屋の商三郎(以下商ちゃん)、山城八幡の山林の切り出しを大坂城代に任せられて、えらい勢いです」
 竹竿を艪のように動かしながら話している須栄。
 トミー「城代の子分か?」
 須栄「元々は淀屋の三番番頭だったんです。人のええお父さんを散々利用した挙句、淀屋を見捨てた男です!」
  
 それをほうり捨てて、
 須栄「せやけど、そないな男へでもうちは頭を下げます。笑顔も見せます」
 須栄「そないせな生きていかれへんのや、今のお父さんとうちは」
 何の苦労も無さそうなトミーの甘さに苛立ちをぶつける。

 トミーはその後、天神長屋に腰を据えて、お墨付きを取り戻してやろうと決意する。
 長屋に住み始めたトミーを、おかみさんたちが興味津々で覗く。
 「可愛い顔して……でもどっか凛々しいわぁ〜」
 勝手に上がりこんでなにかと世話をしてくれる。
  
 須栄も、朝っぱらからやけにめかしこんで、食事を届けてくれる。

 須栄「おはようございますぅ」
 トミー「あ、おはよう。これ……」
 須栄「何の用意も出来ませんけど、どうぞあがっておくれやす」
 トミー「いただきます」
  
 言いながらふと見ると、須栄の目がなんとなく潤んでいた。
  
 その足で、悲愴な決心を秘めて、奈良屋へ向かう。奈良屋の店先で、心が残る風情で後ろを見る。



  
 商ちゃんにお茶をふるまわれている須栄。
 商ちゃん「もう一服どないだす?」
 須栄「いいえ、うちお薄いただきにきたんやおへん。お言葉に甘えて、お薬いただきに参りましたんや」
 商ちゃんは「ええ天気やこと」と、さりげなく(どこがだ)障子を閉める。
  
 商ちゃん「ほら、高麗人参」
 須栄の前で、箱から出した人参を見せびらかす。
  
 少し躊躇していた須栄だが、「おおきに、ほないただいて参ります」と、人参の入った箱を取ろうとする。

 商ちゃん、すかさずその伸ばした手を取り、「わての嫁はんになってくれやす」と、不粋なプロポーズをかましつつ、一気に手篭めにしようとのしかかる。
  
 須栄「待って! 待っておくれやす」
 商ちゃん「なんやねんな、そんな怖い顔してからに」
 須栄「ひとつだけ、ひとつだけお教えください……そしたら、うち、言うとおりになります」
 商ちゃん「わかってまんがな、銭もほしいんでっしゃろ、わかってま……どないしはりましたん?」
 須栄「お墨付き、蔵から盗んだんあんたやろ!」

 商ちゃん「な、な、何をあほなことを言うてまんねんや」
 須栄「やっぱりそうやったんやな。大坂城代のお殿様にお墨付き渡して、その代わり商いの後ろ盾なってもろたんやね……そうやね?」
 商ちゃん、それには返答せず、須栄に襲い掛かる。
 商ちゃん「四の五の言わんとワシの女になりなはれ!」
 須栄「きゃっ、いやっ、やめっやめておくれやす!」

 おおおっ、斉藤さんの汚れなき太腿がここまで白日の下にさらされたことが果たしてあっただろうか?
 ま、映像では一瞬だけどね。
 須栄「ほんまのことを教えてくれるまではいややっ」
 無論、このまま須栄が蹂躙されることは時代劇ではありえず、後ろから伸びたトミーの手が商ちゃんの体を引き戻す。
 トミーは商ちゃんをボコボコにし、高麗人参は貰って行くぞと、須栄を連れて素早く退散する。

 ……単なる高麗人参泥棒じゃねえか。

 トミーに手を引っ張られて長屋へ帰る途中、
  
 「放して、放して下さい!」
 須栄はその手を振り解く。
 トミー「余計なことだというのか?」
 須栄「そうです……そうです! うちはもうどないなったかてかましませんのや」
 須栄「お父さんさえ助かるんやったら、お墨付きさえ戻って、またみんな店で働けるようになるんやったらうち……」
 トミー「あの男の女房になっても構わないって言うのか?」
 そこへ長屋のおかみさんが飛んでくる。
 須栄「お父さんが? どないしたん!」
 おかみさん「殺された……!」
 ガーン!と言う効果音。

 辰五郎は須栄が奈良屋に行っている間に、何者かに殺されてしまったのだ。
 須栄「お父さん、お父さん……」
 手を握り、その目蓋を閉じさせる須栄。
  
 須栄は、必死で涙を堪える。
 そして、旦那様の命を守れなかったと嘆く人たちに、
 「力に逆ろうたのが間違いの元です。あんたがたの……せいではありません。わたしは、奈良屋商三郎の言いなりになります。もうお墨付きなんか戻らんでも良い。それでこないなことが終わるんやったら……みんなあの奈良屋さんで働けるようになるんやったら」

 全面降伏を宣言する須栄に、集まった人たちが抗議の声を上げる。
 あんまり関係ないけど、この人も。
 トミー「いかーん!」

 須栄「新吾さま、ご親切はありがたいと思っています。それでも新吾さまはまた旅に出られるお方。どうぞ黙ってお発ち下さい。淀屋のことなど、どうかお忘れなってください」
 トミー「嫌だ、私は」

 そこへ、奉行所の役人がどやどやとやってきて、トミーを狼藉の廉で引っ立てて行く。
 その指揮を執る与力こそ、ヨウスケを斬った武士だった。
 トミー「お須栄さん、私は淀屋再興を諦めんぞ。諦める時は私が死ぬ時だぁーッ」

 与力「訳の分からんこと言ってないで早く来んか」
 美しい斉藤さんの横顔。
 茫然自失していたが、やがて「新吾さまーっ」と叫んで彼の後を追おうとする。
  
 しかし、日本駄右衛門と(大門級の角刈りの)弁天小僧に止められる。

 弁天「それにしてもなんで新さんご身分名乗らないんだよ?」
 須栄「ご身分?」
 駄右衛門「おおっとそいつは後回しだ。おう弁天!」
 弁天小僧は心得たとばかり、トミーたちの後を追って走り出す。

 トミーは結局奉行所の牢へ入れられる。何故かちょうどそこへやってきた岡田奈々も一緒に捕まる。何しに来たんだ。
 駄右衛門の口から、トミーの素性を聞かされる須栄。
 須栄「葵新吾さま? 葵と名乗られるからには?」
 駄右衛門「そっ、ずばり将軍様のご落胤」
 須栄「けど、けど、それほどのご身分やのになんで?」
 駄右衛門「さぁてえ、そこんとこが俺にもわからねんだよなぁ。あの人はこの世にきたねえことがあると、もう我慢できねえ。あんなに胸の中が青空みたいな人、見たことねえよ」
 駄右衛門「淀屋再興、しっかり信じてねー」
 ひとりになった須栄、思わずその場にしゃがみこみ、さっきのトミーの言葉を思い起こしていた。
 須栄「恥ずかしい……」
 簡単に淀屋再興を諦めてしまった自分が恥ずかしいと嘆いているのだ。
 さて、大坂城代を演じるのは、「赤い絆」では斉藤さんの父親役だった小林昭二さんです。
 皮肉にも、斉藤さんにとって彼が親の仇にあたるわけだ。

 いろいろあって、
 お墨付きを奪い返すことに成功した弁天小僧だが、鉄砲隊の一斉射撃を浴び、巨乳を揺らしながら壮絶な死を遂げる。

 怒りに燃えるトミーたちは、商ちゃんを含めた悪党たちを皆殺し。吉宗にじかに訴えるため、岡田奈々はお墨付きを持って江戸へ向かう。
  
 弁天小僧の服や刀を船に乗せて海へ送り出す日本駄右衛門。後ろに立ってるのは斉藤さんです。

 自分達のために命を張ってくれたトミーたちのことを思い、泣き崩れる須栄。
 須栄「あたしたち淀屋のために、淀屋のために……」

 その後、いろいろあって、トミーは紀州藩に招かれる(幽閉される?)。
  
 それを聞いてびっくりする須栄。
 須栄「紀州藩に?」
 駄右衛門「案じることはありませんよお須栄さん。あっしが必ず探し出す……」
 須栄「あの、あの新吾さまが……ああ、新吾さま」
 心配のあまりしゃがみこんでトミーの無事を祈る。
  
 紀州藩で、トミーにまとわりつくように世話をしていた奥女中が、実は裏柳生の忍びで、トミーを襲う。
 どうでもいいが、そのひとりが一瞬斉藤さんに見えてしまう管理人であった。無論、斉藤さんの訳がないのだが。

 再び江戸へ向かうトミー。途中で襲い掛かる柳生の刺客も漏れなく斬り殺す。
 最後は、柳生但馬守と対面し、和解する。
 そして、トミーの尽力で念願の淀屋再興が許される。勿論、永代所領も彼らの手に戻る。
 喜ぶ長屋の人たちに担がれる須栄。
 須栄の声「おおきに、おおきに、お父さん、新吾さま、おおきに、新吾さま……」

 以上で、斉藤さんの出番は全て終わり。
 非公式ながら、父である将軍吉宗と対面したトミー、再びひとり旅に出るのだった。

 なお、一応第3話もあるのだが、面白くないので省略します。

 まあ、斉藤さんが出てるから見たまでで、正直、時代劇として出来が良いとは言いかねる。トミーに時代劇は似合わないのです。