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スピンオフ企画 スピンオフトップへ戻る
仙道敦子編 湯殿山麓呪い村
(1984年)
クリックしたシーンに飛びます。

なお、06以降はネタバレがあります
のでご注意ください。
01 02 03
04 05 06
07 08 09
10

 山村正夫の同名小説の映像化。ただし、管理人は原作は読んでいないのでそれとの比較はしない。

 また、あくまで仙道さんの出演シーンを紹介するためなので、ストーリーについてはあまり詳しく触れない。
 なお素材はファミリー劇場です。

 以下、「シーン〜」とは仙道さんの出演シーンを中心に便宜上区切ったものです。

  シーン01

 観光客集めの為に無理矢理即身仏にされたと言う幽海上人のミイラ(即身仏)の発掘に邁進している考古学者の滝(永島敏行)が街を歩いていると、彼が不倫の恋をしている淡路慶子(永島暎子)の妹・淡路能理子に呼び止められる。

 その能理子(ノリコ)を演じているの仙道敦子さん。撮影時は14才くらいか?
 仙道「滝さーん!」
 滝「よぉあっ」
 バイクの後ろから降り、からかうように話しかける。
 仙道「お姉さん一緒じゃないの〜?」
 滝「いつも一緒にいるわけじゃないさ」
 仙道「タケシありがとっ」
 そう言って、自分のヘルメットをバイクの男に投げる。
 走り去るバイクを見送るふたり。
 カバンで、仙道さんのお尻を軽く小突いて、
 滝「能理子ちゃんのボーイフレンドか」
 仙道「みんなには黙っててね」
 仙道「道海(どうかい)おじさん迎えに来たの?」
 滝「そう」
 仙道「わたし信也君(を迎えに来た)」
 改札口の前で、それぞれ人を待つふたり。
 坊さんの格好をした老人と、小学生くらいの男の子(信也)が出てくる。

 子供に向けて、指でピストルを撃つ真似をする仙道さん。

  シーン02

 金持ちの淡路剛造(仙道さんのパパ)の豪邸。
 使用人の男性は、「反逆同盟」11話にも出ていた北見敏之さんである。他にも5話に出ていた清水宏さんも出ていたと思うが、何の役だったか思い出せない。
 剛造(織本順吉)、妻の謡子(岩崎加根子)、娘の慶子に滝、仙道さん、などが集う食事の席。

 仙道(右)「滝さん、トリ嫌いなの?」
 滝「ふっ、好き……」

 ここで、剛造が即身仏発掘の費用を援助するのしないの、慶子に滝の子供ができたのできないの、生臭い話になってきたので、母親の岩崎加根子が仙道さんに信也と一緒に二階の自分の部屋へ行くよう促す。
 仙道さんは素直に従って立ち上がるが、
 仙道「パパ、(発掘費用援助すると言う)約束破るなんてずるいよ、ねえ」
 剛造「うるさいっ子供はいいんだ」

 仙道(不満そうに)「いこっ」
 と、信也(親戚になるのかな?)に言って、部屋を出て行こうとするが、
 座ったままのガキ、いやお子様に「バン!」とおもちゃの銃をつきつけられる。呆れたような顔になる仙道さん。
 その拍子に背中で電灯のスイッチを切ってしまい、一瞬暗くなる。
 仙道「こらっ行くよ」
 スイッチを付け、信也を連れて出て行く。

 その後、大人は汚いなぁと言うやりとりをする一族。
 慶子は剛造の妾腹で、仙道さんとは異母姉妹と言うことになるらしい。道海と言うのは、母親の岩崎加根子の兄にあたる。つまり仙道さんの伯父だ。

 最後に、剛造に「娘と別れるなら金を出してやる」と言われ、滝が「ハイ喜んで!」と居酒屋の店員のように応じたものの、剛三「うそだよ〜ん」と軽くあしらわれ、滝と慶子との間に恐ろしく気まずい空気が流れると言う一幕がある。奇怪な殺人事件よりよっぽど怖い瞬間である。

 そしてそこそこ恐ろしい殺人の夜が更けて行く。
 仙道さんとは信也と自室で銃撃ゴッコをして遊んでいる。と言っても、ガキ、いやお子様は実際に弾の出るモデルガンを撃っているようだ。
 信也「バン! バン!」
 仙道「きゃーっ、だめよ!」
 撃たれたふりをしてベッドの上に勢い良く倒れる仙道さん。
 しかし、すぐ「えいっ」とヌイグルミをぶつけて反撃する。
 また、インターホンで仙道さんがお手伝いさんに連絡する。
 仙道さんの声「裏庭のあたり煙ってるみたいだけど、焼却炉じゃない? ミホさんゴミ燃やした時ちゃんと消したぁ?」

 おっとここでミホの名前が出てきますが、正しくは三保である。演じているのは中川梨絵さん。

 その後も、仙道さんの部屋からパンパンと言う音と、彼女の叫び声が聞こえている。

 やがて、剛造がなかなか風呂から上がってこないので心配した家族一同が浴室の前に立ち、ガラス戸が叩き割られる。
 浴槽には、変な刃物(独鈷杵・どっこしょ)で脳天をえぐられ、ミイラの手のオプション付き死体となった剛造の姿が!
 その瞬間の仙道さんのアップ。猫みたいな目が可愛いですね。

 浴室は小さな換気窓が空いている以外は、密室の状態であった。密室殺人じゃあ〜!

  シーン03

 翌日、早速警察による捜査が行われる。
 競馬新聞を手にした型破りの警部を演じているのが、「反逆同盟」13話でも仙道さんと共演している三谷昇である。
 もっとも、そのユニークなキャラが作品の中で十分生かされているとは言えない。
 剛造の通夜。セーラー服姿で座っている仙道さん。こうして見るといかにも野暮ったい、おぼこ娘と言う感じである。

 一方、滝は独自に事件を調べ始める。一応、彼がこの映画における探偵役と言うことになっている。

 そして、ミイラの手首を添えた次の殺人予告状が届いたり、剛造たちにまつわる過去の因縁話などが表層に出てきたり、ますます横溝ミステリーっぽくなってくる。
 葬式の後、焼き場にて。仙道さんの台詞はない。
 滝は、まだミイラ発掘の野望を捨てず、剛造の義兄・道海に働きかけていた。

  シーン04
 
 電車の中で、一心にあやとりをしている仙道さん。
 仙道「あれっ? とってこうやって……」

 この何気ないシーンが後の伏線になっているのだ。

 ところで、どこへ向かっているのだろう? (首吊り自殺をしようとした信也のところへ向かっている)

 その後、どんどん不幸指数の上がっていく永島暎子さんの様子。
 ちなみに、滝の奥さんを演じているのは田島令子さんである。
 滝は、そんなことよりミイラに夢中。そんなにミイラが好きか、ん?

 テレビ局からは、無理矢理ミイラにされた即身仏の話題は視聴率が取れるだろうと保証される。だが、肝心の発掘費用が捻出できず、行き詰まっている滝であった。

 しかし、庭で見つけた睡眠薬カプセルから殺人事件の裏に岩崎加根子が関わっているのではないかと鎌をかけ、それと引き換えに資金を引き出すことに成功。やな探偵だな。
 例のミイラの埋まっている町で、仙道さんは姉の慶子に出会う。
 道を横切って、

 仙道「姉さん! (車に)すみません」
 慶子「ノコちゃーん!」
 姉からはノコちゃんと呼ばれているらしい。仙道さん、「反逆同盟」では現場で後藤恭子さんからノンと呼ばれていた。

 仙道「どおしたのよ? ミイラ掘り返すの見に来たの?」
 慶子「……お墓参り」
 仙道「誰のぉ?」
 慶子「お母さんの……」
 仙道「ああ、ほんとのお母さんのね」
 慶子「あなたは何してるの?」
 仙道「信也君のお見舞い」
 慶子「信也君?」
 仙道「うーん、信也君、精神科のお医者さんに入院させられちゃったの」
 慶子「入院?」
 仙道「ねえ、あたしもお墓参り行っていい?」
 慶子「えっ?」
 仙道「パパがいじめた人なんでしょ?」
 慶子「ありがとう、でもお墓何処にあるのか分からないのよ」

 俳優名と役名をちゃんぽんにして書くなよ。

 雪深い山の中で、即身仏の発掘は着々と行われていた……。
 再び電車内であやとりをしている仙道さん。

 仙道「できた……!」

 ほっとしたようにシートに身を委ねる。これが実は後の伏線に……さっきも書いたか。
 このあやとりのシーン、ふたつも要らないと思うのだが。全く同じアングルだし。
 その後、道海が(予告どおり)山中の深い井戸のような穴に落ちて死亡しているのが発見される。チーン。
 ほぼ時を同じくして、遂に幽海上人の即身仏が発掘され、人々の前にそのおぞましい姿をあらわにする。

 うーむ、何回見ても、凄いビジュアルだ。これだけで百点満点。

 アップになると眼窩の中でウジがうごめいている。……しかし、そんなカラカラのミイラにそんなもんが湧くかぁ?

 その幽海上人にまつわる逸話が滝の言葉で語られる。

 即身仏になるための修行中、女といい感じになって逃亡を図るが、捕まってしまう幽ちゃん。
 罰として、さっきの井戸のような穴へ落とされ、上からたくさんの石を落とされる。

 管理人はこのシーンを子供の頃テレビで見て、軽いトラウマになりました。

 もっとも、記憶ではこのまま潰して殺されたと思っていたが、実際は、
 信者集めのための即身仏にするため、生きたまま箱詰めにされ、地中深く埋められてしまうと言う、それよりもっと恐ろしい死に方をしていた。
 また、相手の女の人も絶望して首を吊って死亡と言う嫌なおまけもつく。
 最後は、死体を煙であぶって、即身仏の一丁上がり、と言うことになる。ひえーっ。

 しかも、その形相があまりにひどいので、即身仏として公開することもできなかったというひどい話。その事実を隠すため、それ以来、「ご開帳を禁ず」と言う言い伝えがされてきたのだろうと、滝はしめくくる。

 テレビ番組の為に滝の話を収録していたのだ。

  シーン05

 その後、剛造の服を着て、同じ睡眠薬を飲んで凍死していた浮浪者の死体が発見され、それが伏原欣作と言う、なんだかよくわからないが、剛造たちに恨みを持つ男だと判明する。多分、そうである。

 一方、不安そうな表情でベッドに横たわっている仙道さん。

 カットが切り替わると、
 こおゆう凄いことになっていた。

 看護婦「もう下着つけていいですよ」

 そう言えば、仙道さん、「反逆同盟」の開始直前の「京都かるがも病院」と言うドラマで、同じく未婚の母親役をやっていたそうだ。

 ひとりになった仙道さん、激しく泣き叫ぶ。14才とは思えない演技力です。……が、ちょっとオーバーかな。
 これは、妊娠したことを知ったからか、即座に堕胎手術を受けたからなのか、これだけでは良く分からない。
 病院から出てくる仙道さん。「優生保護法指定医院」と言う看板が右側に見える。
 その前で待っていた男……最初に出てきたタケシだろうが、「当たりか?」と声をかけ、彼女が頷くと、「やったね!」と、歓声を上げてバイクにまたがる。芯からアホである。

 タケシを無視して歩き出す仙道さん。
 タケシは「俺高校辞めて働くからよ、産めよ!」と、暢気なことを言う。

 避妊しろ、このバカチンがぁっ!


 以下、ネタバレあります。注意!

  シーン06

 滝は、人工的に作られた即身仏を発掘してセンセーションを巻き起こしたのはいいが、そのことで勤務する宗教系大学をクビにされてしまう。
 滝は、夫をなくし酒ばっかり飲んでいる岩崎加根子の元を訪れ、また金の無心をする。彼女は自暴自棄になっていて、簡単に応じてくれる。

 ここで彼女は、津島カンジとか言う男を自分が殺したこと、14年前、彼とセックスして仙道さんが生まれたことなどを打ち明ける。津島も、剛造たちに恨みを持っている人だっけ? この辺、人間関係が複雑でよく分からない。どうでもいい(註・いくない)。

 仙道さんは、伏原と言う男から、自分の実の父親が津島カンジだと言うことを教えられていたらしい。

 ……だから、伏原って誰だ? 剛造、道海と三人で、津島カンジの母親と妹を死に追いやった人らしいです。
 ガンガン酒を呷っていた滝。

 岩崎加根子は「あなたが死ねば能理子は無事だわ」と言う、意味ありげな言葉を漏らす。
 滝は、体の異変に気付く。

 岩崎「その睡眠薬良く利くでしょう? 剛造も欣作もそれで死んだ……あなたと私もこれで死ぬ……」

 ここの岩崎加根子の鬼気迫る演技は見物です。
 あらかじめ家に火をつけておいた岩崎。体の動かない滝を道連れにして死のうとする。
 滝は死に物狂いでひとり逃げ出し、岩崎加根子は屋敷と共に灰になる。
 滝は、能理子と慶子が住んでいる(?)アパートへ転げ込む。
 部屋を仕切ってあるカーテンの奥から顔を出し、
 仙道「タケシ? 滝さぁん!」
 滝「姉さんは? うち焼けたよ。ママも死んだ。君のママ、俺を殺して自分も死のうとして火ぃつけたんだよ。君を助けようとしたんだよ」
 仙道「あたし?」

 締まらない感じだが、実はここからミステリーの謎解きに入るのだ。
 滝「分かってんだ、だいたいはなぁ」

 かつてこれほどみっともない格好で事件の謎解きを始める探偵がいただろうか?

 仙道「ママ、死んだの? あたしをかばったの?」
 テーブルに座って、
 仙道「滝さん、いつあたしが犯人だと気付いたの?」

 と、そう、意外にも真犯人は14才の仙道さんだったのだ!

 滝は、剛造が殺された時、庭に睡眠薬のカプセルが散乱していたこと、それがモデルガンの弾の代用品だと気付いたことなどを話す。
 滝を見る仙道さん。

 滝は、浴室の換気窓は大人は入れなかったと話す。ここでは省略したが、調査中、滝がその穴にはまって騒ぎになると言う一幕があったのだ。
 それを思い出して笑う仙道さん。
 滝もニヤリとし、「でも、信也君ならできる」
 核心を衝く言葉に、真顔になって立ち上がる仙道さん。ここから犯人視点の回想モードに入る。
 彼女の部屋。信也ではなく仙道さんがモデルガンをひたすら撃ちまくる。
 信也はバッグを持って、窓から外へ出る。
 その真下に、浴室がある。信也は木を伝って下に降り、小さな換気窓に入り込む。
 その間、仙道さんが「きゃーっやめてよもう」などと、あたかも信也に撃たれてるような演技をしている。
  
 剛造はあらかじめ睡眠薬を飲まされて、熟睡していた。信也は、野球のピッチャーのような構えで例の凶器を投げて、剛造の脳天に突き刺す。

 恐ろしいシーンなんだろうけど、なんかここ、笑っちゃうのよね。
 滝の話を聞いている仙道さんのローアングルショット。
 ちょっとわかりづらいが、下の浴槽と、上の仙道さんの部屋を同じ画面に映したショット。親切設計である。
 言うまでもないが、仙道さんが銃を撃ち続けたのは、信也のアリバイ工作のためである。
 その際、(高い)弾の代わりに使っていた睡眠薬のカプセルが窓から飛び出し、滝の目に触れたわけだ。つまり、その時間、窓が開いていたことになる。
 大役を果たして部屋に戻ってきた信也を、腕を広げて迎える仙道さん。
 信也をしっかりと抱き締める仙道さん。
 さらに幽海上人を思わせる鈴を鳴らすと言う細かいこともしている。
 滝の推理を認めるように、抽斗からその鈴を出して鳴らしてみせる。
 また、剛造に睡眠薬を飲ますための段取りを自ら話す仙道さん。

 仙道「確実にパパを殺すためには、パパを眠らせておく必要があったの。で、水差しにママの部屋から盗み出した睡眠薬を混ぜるためには、ミホを台所から外へ出さなきゃいけないでしょう。だからわざと焼却炉でゴミを燃やそうとしたら、不思議ね、ミイラの手首が残っていたの」

  シーン07

 そして道海も、彼女が殺害したのだった。

 滝「道海上人はどうやって?」
 滝の言葉に仙道さんは今度は抽斗からあやとりを出し、劇中で出ていた例のあれをやってみせる。
 それに、雪山での彼女の様子がオーバーラップする。

 彼女は、伯父である道海上人を呼び出していたのだ。
 仙道「伯父さん、信也君のほんとのこと教えてあげようか」
 仙道「信也君、伯父さんと一緒にいると吐き気がするって言ってたわ」
 仙道さんらしからぬ過激な発言。

 道海「ノリコ!」
 仙道「信也君、伯父さんが一番嫌いだったのよ……だから自殺したのよ」

 この道海は、信也の祖父に当たるのか?
 彼が思わず仙道さんにつかみかかろうとするが、彼女の足元にはロープで巧妙な落とし穴が作ってあったのだ。
 それは、一定以上の重さで底が抜けるようにできていたのだ。つまり、仙道さん一人なら大丈夫だが、道海が加わると落ちてしまう。
 悲鳴を上げて落ちる伯父と一緒に、彼女も井戸に落ちる。
 しかし、あらかじめ彼女はそばの木に命綱をくくりつけていたので、井戸の中で宙吊りになる。
 彼女を真下から見上げたショットでは、彼女のスカートの中がはっきり見える。(嬉しいか?)
 当然、伯父の方はそのまま下まで落ちる。あたかもかつて幽海上人がされたように……。

 そのままでも、いずれ凍死するだろうが、
 仙道「伯父さん、さようならっ」
 彼女はさらに干草を運ぶ時に使うようなフォークを落とし、
 一思いに殺してしまう。もっとも、このまま放置されるよりマシかもしれない。
 その上から、雪を蹴落としていく仙道さん。
 仙道さんの声「逃げ出そうとしたミイラ修行の行者たちが生き埋めにされた古井戸なの。弥勒寺の和尚さんにとってはぴったりの死に場所よね」
 無心に雪を落とし続ける仙道さん。

  シーン08

 再び部屋。
 滝「伏原も君が殺したんだろう?」
 仙道さんはお湯を沸かし、滝と自分にお茶を入れ、カップを持って、
 仙道「睡眠薬入りのウィスキーをプレゼントしただけ」
 と、平然と話す。
 その言葉に、口に含んだお茶を吐き出す滝。きたねえな。
 無論、こういう時にそんな小細工はしない仙道さんは笑みを浮かべる。
 仙道さんの声「あたしボランティアで(浮浪者の)おじさんたちにパパの洋服をプレゼントしてたの」
 仙道さんの声「ある時、上着の縫い取りのパパの名前を見て凄い顔で追いかけてきた人がいた」
  
 その男から逃げる仙道さん。男に追い付かれて激しく問い詰められる。
 仙道さんの声「それが伏原欣作だった」
 定食屋で男にご飯をおごっている仙道さん。
 仙道「滝さん、あたしのおばあさんとおばさんの話、知ってる?」
 つまり、実父・津島カンジの母と妹のことだ。
 棺桶に一緒にぶちこまれているその二人の映像。やだなぁ。
 仙道さんの声「三人はただ村八分にしただけじゃなかったんだわ」
 仙道さんの声「食べるものを持ってきては、三人でいやらしいことしたんだって」

 三人の男にさんざんな目に合わされる二人の女性。鬱になる映像だぎゃ。
 仙道「飼ってたのよねえ。食べなければ死んじゃう。食べれば犯されるで……二人は食べないことを選んだんだわ」
 そのふたりが首吊ってる様子まできっちり見せてくれる親切設計。もうええっちゅんじゃ!

 その後、伏原は、津島カンジと一緒に復讐しようとする。あれ? 伏原は三人のうちのひとりじゃないの? あれ?

 仙道さんの声「14年前欣作は、自分ひとりではパパたちに復讐できないもんだから、カンジに近付いたんだわ。でも欣作に誘われたカンジは」
 仙道「直接、人殺しはしなかったの」
 仙道「まずママを誘惑して、あたしを産ませて!」
 カゴから取り出した小鳥を、滝の前で放り出す。鳥を避けようと椅子からずっこける滝。

 仙道「淡路剛造を苦しめようとしたんだわ。それにあたしがいればママからお金を引き出せるしね。でもカンジはあたしが生まれてすぐ死んじゃったんだって」
 その言葉に、彼女に見えないよう「ママが殺したんだよ」と口を動かす滝。

 仙道「あたしは淡路剛造と相良道海と伏原欣作を許せないと思った」
 滝「伏原に利用されただけだろ」
 仙道「計画は私。脅かしたのは欣作、実行はあたしになついていた信也……信也は道海おじさんをいやらしいことするって憎んでた。だから交換殺人持ちかけたらすぐOKしたわ」

 弥勒寺から「とっこしょ」を盗む信也の映像。

 それにしても今度は坊主による少年へのイタズラかよ。さすがにゲップが出る。
 仙道さんの声「淡路剛造を殺すには三人がチームを組まなきゃいけなかったの」

 仙道さんと信也の見ている前で、伏原が剛造邸に送りつけるためのミイラの手首を切断している。

 滝「わかんねえなぁ。おばあさんとおばさんの敵討ちだけで三人も人殺しちゃったの?」
 仙道「滝さん、あたしのボーイフレンド覚えてる?」

 冒頭のバイクの若者を思い浮かべる滝。
 振り返って、
 仙道「彼、タケシって言うの。剛田タケシ
 滝「ジャ、ジャイアン?」

 などとしょうもないギャグでも書かないと暗くてやってられねえ。
 本当は、
 仙道「彼、タケシって言うの。津島タケシ」
 滝「ノコちゃんまさか……」
 仙道「遅かったのよ! 初めて会ったとき、あたしあげちゃったんだもん、兄ちゃんに」

 色んな意味で衝撃の発言。
 なんか、頭丸めて仏門に入りたくなってきた。

 それにしても仙道さんの台詞が多い。ヒロインの筈の慶子よりよっぽど多いぞ。

  シーン09

 タケシと初めて会ったときの回想シーン。
 ディスコで踊りまくる仙道さん。ここは、照明のせいか、時々別人のようにブスに見えてしまう。
 こちらが死んだ魚のような目のタケシ。なんでこんなのと?
 即座にベッドイン。だから、なんでこんなのと?
 やったあとで、タケシ「親父なんて死んじゃっていねえよ、名前? 津島カンジってんだよ」
 さすがに仙道さん肌の露出は少ない。14才のふくよかな肉付きが想像できる程度だ。

 定食屋で伏原と話している仙道さん。
 伏原「おめえのほんとの父ちゃんはな、津島カンジっつう、ヤクザだ」

 すなわち、そのセックスした相手こそ、異母兄だったのだ。
 その後も、不自然なほど仙道さんの映像が続く。脇まで見せて踊る仙道さん。

 池田敏春監督も、途中で彼女に惹かれていたのではないだろうか。
 仙道「どうしてなの? 大人たちが勝手な真似をしてどうしてその結果をあたしたちが背負わなきゃいけないの」

 悲しそうに腹部に手を当てる仙道さん。
 ただ、中出しして妊娠しちゃったのは、大人がどーのこーのじゃなくて、彼らの責任だと思うのだが……

 結局、お腹の子供はどうなったんだろう?
 カーテンを引き、ベランダへ出る仙道さん。
 仙道「滝さん、何故あたしが信也を協力させ、タケシを巻き込まなかったか分かる? タケシ17才だからよ。滝さん刑法第41条って知ってる? 14才に満たざるものの行為はこれを罰せず
 滝「ノコちゃん君はそこまで……」

 と言うことは、仙道さん、いや、ノリコはまだ13か。
 ベランダからまた室内に戻る仙道さん、何事もなかったようにカーテンを開いて行く。
 仙道「さあ、ご飯作らなくちゃ帰ってきちゃう。タケシ、道路工事のアルバイトしてるんだ。着替えるから帰って」
 滝は無言で部屋の鍵を渡す。と言うことは、えー、どういうこと? ここは元々滝の部屋で、仙道さんとタケシのふたりに貸していたのか? あれ?
 仙道「今日あたしの誕生日なの、14才の」
 ふらふらと出て行こうとする滝に、
 「お姉ちゃんお母さんのとこ帰ったよ。本当のお母さん……」

 滝は黙って部屋を出て行く。帰ってきたタケシと擦れ違う。

 そして滝はヤケクソになってあちこちさまよい、同じくヤケクソで売春婦になってしまった慶子のところへ辿り着く。
 滝は、剛造邸の放火犯として警察に目されていた。

 永島暎子さん、おっぱいまでほりだしての熱演をされるが、滝に突き飛ばされた拍子に角に頭を打ってあっさりと死亡する。
 最低の死に方ですね。

 ここまで不幸のどん底に落ちると、むしろ笑うしかない。

  シーン10
 一方、例によってタケシのバイクに二人乗りしてる仙道さん。
 仙道「好き?」
 タケシ「ええっ?」
 仙道「愛してるう?」
 タケシ「ええっ? なにゆってんだよ? 全然聞こえねえよ」
 仙道さん、いきなりタケシの目を塞ぐ。
 そしてこの映画でももっとも印象的な台詞を放つ。

 仙道「お兄ちゃん……」

 ちなみに私は、旧友のZが、このシーンを見て「二人は兄弟なんじゃろう? 何で愛しあっとんじゃ」などとイノセントな質問をしてきたのを今でも覚えている。
 そして私は、最近までこの映画をちゃんと見たことがなかったので、この囁きで映画が終わったものだと勘違いしていた。つまり、「兄と知りながら、これからも一緒に逞しく生きていく」みたいな。

 だが、今回改めてちゃんと見たら、全然違う結末だった。

 ま、冷静に考えれば、バイクで走行中、こんなことをしたら……



  
 当然、こうなるわな。

 こうして、仙道さんは愛する兄と共に自分の罪を清算したのであった。
 もっとも、実際はこれくらいじゃあ死にそうもないが……ちゃんとヘルメットしてるし。

 それに、タケシには何の罪もないわけで、なんか可愛そうだ。まあ、仙道さんを孕ませた罰じゃ。
 さらに、完全に切羽詰った滝は、ひとり雪山を歩き、幽海上人のような幻影を見ながら、静かに死んでいくのだった。

 そしてエンドロールとなる。

 つまり、事件の関係者はほぼ全員死亡すると言うめちゃくちゃな映画であった。信也はおかしくなって精神病院に入れられただけだが……。

 結局、三谷昇はほとんど何の役にも立っていなかったと言うのも悲しい。

 それと最後まで、伏原の立ち位置が分からなかった。あの二人の女のどちらかと恋仲だったのか?

 まとめると、伝奇ミステリーとしては割と良く出来ているが、面白いかと聞かれると首を傾げてしまう。感情移入しにくいキャラばっかりなので、誰が殺されようが誰が犯人だろうが特に気にならないと言うのが最大の欠陥だろう。