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第01話 悪の巣、黒鳥学園! 前へ 次へ 目次へ
放送日時 1986年10月13日
裏番組 ●大相撲パリ公演
監督 江崎実生
脚本 日暮裕一
準レギュ 藤岡重慶、中島はるみ、安岡力也、竹中直人、奈美悦子
ゲスト 森一馬/高沢先輩、山本紀彦/牧野先生、中條正美(子役)/幼少時のユミ、愛川欽也(特別出演)/ユミの叔父、岩田光央/生活指導部員
予告 厳しい管理に人間性を失った黒鳥学園の生徒たち、私利私欲に走る現・理事長以下教師たち、そんな中にあって、ミホ、ユミ、ルリ、ケイ、雄太の五人は密かに学園なおしに立ち上がった。「セーラー服反逆同盟」、10月13日夜7時30分スタート、お楽しみに!
備考 OPでのケイのチェーン攻撃に効果音は無し。プロデューサー補・安倍夏彦はプロデューサーと同じページに表示。中條正美の(子役)というカッコ書きは今回のみで以降の子役キャストの表示は普通の役者と同じ扱い。タイトルの!は正確には45度に傾いて表記されたもの。
評価    シナリオ ★★★★★ 設定、キャラを過不足なく紹介しつつ、波乱含みのラストが興味を惹く。
演出 ★★★★ 中山美穂のやる気のない演技が調和を乱している。
映像 ★★★★ やはり、ヘリで登校してくるユミのインパクトが大。
キャスト ★★★★★ 南原宏治を除くオールスターキャスト。
アクション ★★★★ ユミたち三人の私服での戦闘シーンはかなりしょっぱい。
総合 ★★★★ 導入としては申し分ないの内容。
アバンタイトル オープニング Aパート Bパート 戦闘シーン 予告編+まとめ
 
 記念すべき第一話である。ドキドキすんなぁ。

 いざ参る。

 悪の巣窟・黒鳥学園の2学期初日の朝。ウ〜と言うサイレンが鳴っている。
  これから何十回となく目にするであろう正門の登校シーンから始まる。前半の数話では、同じ映像が使われることがある(第21話もか?)。
 ロケ地は不明だが、雑草が生え放題のところを見ると、どこかの廃校で撮影していると思われる(追記・レトロな雑記帖さんによると、ここは明治製菓綜合センターだと言うことです。ただし、構内のシーンは別なところでロケしてるんじゃないかと思うが)。

 学園の設定上の所在地についても情報はほとんどないが、第9話では最寄り駅が「嘉見駅」ということになっているが、調べた限りではそういう駅名は実在しない。
 (筆者は小田急線の喜多見駅のもじりではないかと思うのだが……セット撮影を行っていた国際放映撮影所と極めて近い)
 同じく第9話では同校の生徒の家の周辺の電柱に世田谷区と書かれているものの、生徒の家と学園の距離が近いとは限らないので断定は出来ない。
 応接室にひとり佇む山縣ミホ(中山美穂)。

 同時期に撮られていたドラマのスケジュールと被っていたため、仙道敦子とのW主演という建前だが、実際は出たり出なかったりと甚だ中途半端な存在である。
 壁には歴代理事長の肖像がずらっと並んでいる。
 なお、どんどん左、つまり過去に遡るとお札の肖像画みたいな明治・大正っぽいジジイが出てくるので、黒鳥の歴史はかなり古いのだろう。
 既にアイドルとして人気を得ていた中山美穂。個人的なことを言わせて貰うと、全然好みのタイプではないので、普通に彼女が主導的にドラマで活躍するような作品だったら、まず見なかっただろう。過密スケジュールに感謝。Wikiによれば、不良っぽい生徒役に抵抗があり、ドラマ自体に乗り気がなかったらしい。それはやる気のない演技の端々に良く現れている。もっとも、単に最初から大根だったというだけかもしれない。おそらく、両方だろう。
  
 彼女が一心に何を見ていたかと言うと、前理事長……、彼女が子どもの頃に可愛がられていた人である。演じる(写真だけだが)のは、時代劇や特撮ドラマの脇役でかなりたくさん出演作のある中井啓輔氏、ただし、写真なのでキャスト表にも書かれない。彼は、別に死んだわけではないらしいが、ドラマでは出てこない。彼がいた頃は黒鳥学園もエリート校として有名だったらしいが、現在の理事長が来てからは、不良ばっかり集まるダメ学園になってしまったのだ。
  
 サイレンの音にせかされるように、構内を走る生徒たちのカットを挿入してから、再び応接室に。
 ミホの視線の先には、現在の理事長にして彼女の実父、山縣祐一郎の額縁入り写真がある。
     
 彼女はおもむろに灰皿を持ち上げて、あまり気持ちのこもっていない投げ方で、自分の父親の写真に向かって投げつける。
 この行為は、いわば彼女の父親に対する宣戦布告な訳で、ウソでも中山美穂、もうちょっと深刻な表情じゃないと……。
 灰皿で砕け散るガラス。どう見てもカツラだろうという黒い髪。これは10年前の就任時の写真と言う設定だからだろう。
 この額についてはその後、一切触れられていない。しかし、発見されたら結構問題になりそうだが……。

 しかし、どうしてこのタイミングで、突然父親に対する反抗をあらわにしたのだろう。2年の2学期の始業式の日である。入学式初日とかだったらまだ分かるけど。

 校内では、始業式の為に講堂へ向かう生徒たちを叱咤する佐伯(安岡力也)の獰猛な姿があった。
 佐伯「てめえらグズグズすんじゃねえオラ! 走れコラァッ!」
 佐伯「おらぁ、もさってんじゃねえぞ、こらぁっ!  気ぃ入れろ!」
 これは全話にわたって言えることだが、力也は台詞が明瞭でなく、何を言ってるのか分からないことが多々ある。ここの台詞も管理人の推察である。
 ミホも廊下を歩いてくるが、
 佐伯「おっ、お嬢さん、お早うございます。オラオラ、理事長のお嬢様のお通りだ! 開けろコラァ!」
 弱者には強く、権力には徹底して卑屈な佐伯の怒声に、ミホはくるりと回れ右し、
 佐伯「お嬢様!」
 無表情に元来た方向へ歩いて去る。

 サボり魔ミホの誕生の瞬間である。
 これ以降(実際は恐らくこれまでも)、ミホは黒鳥学園における一切の授業、催しに参加することを拒否するようになる。理事長の娘と言うだけでやりたい放題。だから、折に触れ、理事長の方針を批判し、学園の正常化を願っていると言う言葉が、非常に虚しくこだましてくるのである。もっとも、劇中で表現されていないだけで実際は授業にも出ているのかもしれないが。 
  
 一方、講堂では全校生徒を集めて始業式が行われていた。これだけたくさんのエキストラが並ぶのは今回が最初で最後である。100人以上いるよね。この講堂が出てくるのも、今回だけである。

 列の先頭で生徒たちに「整列!」「整列!」「いそげっ」「いそげっ」と繰り返し指導しているのは生徒会指導部員で、ひとりは2-Aの生徒でもある岡本アキコ(岡谷章子)、もうひとりは役名は無いが、岩田光央。
 生徒たちが揃ってから、ゆっくりと校長が袖から出てきて壇の真ん中に立つ。

 司会を務めるのは生活指導担当の九条(竹中直人)である。専門科目は不明だが、7話の授業内容からすれば、美術か?
 この時の教師の数は校長を含めて12人である。メチャクチャ少ないが、まあこれはしょうがない。
  
 生徒たちの様子が映し出されるが、ここに映っているのが今後の舞台の中心になる2-Aの主要メンバーである。マユミ(右端)の顔が面白い。

 九条が「これより黒鳥学園、第2学期始業式を始めるでざんがしょ。一堂、校旗に注目!」と言うと、
 壇上のトレードマークの入った旗がアップになる。しかしよくよく見たら間抜けな図柄だ。
 九条の「礼!」の号令で、それでも全員神妙に礼をする(校長以下の教師も)。
 しかし、彼らの後ろの方には跳び箱とかが剥き身で置いてあるのはちょっとどうかと思う。

 そして恒例、校長先生のお話。名前は馬場志津夫、演じるのは時代劇の悪役で有名な藤岡重慶。丹下段平の声でもお馴染み。
 校長「2学期を始めるに当たって、お前らにゆっておくことがある。どやつもこやつも、夏休みをとって人並みの気分になっておるようだが、忘れなるよ、
 
お前たちはクズだ!
 この黒鳥学園に拾われなければ少年院行きだった半端モノだ。ここ以外にお前たちの居場所はない」

 
と、のっけから身も蓋も無い説教をかます。
  
 校長の説教の流れる中、壇上の教師たち、下の生徒たちが映されていく。この時、良識派の牧野先生(山本紀彦)だけがわざとらしく舟を漕いでいる。

 校長「お前らは教師にも親にも見放されたんだ。当然だ。飲酒喫煙は言うに及ばず、シンナー、覚醒剤、不純異性行為、校内暴力及び家庭内暴力……そんなクズを引き取ってくれるところが何処にある? お前らがー、クズに育ったのは甘やかされたからだ、親にも世間にもな。元々お前らを人間扱いしたのが間違いの元だ。クズは生まれつきクズになるように出来ておる。2学期からはな、今まで以上に厳しく可愛がってやる。楽しみにしておけーい!」

 ただ、表現はむちゃくちゃだけど、部分的には正しいことも言っていたりする。もっとも、クズ発生についての説明が、先天的なものか後天的なものか、説教の中で自己撞着してるような気も。生まれつきなのか、甘やかされたからなのか。
  
 校長の説教をそれを白けた面で聞き流す生徒たち。ここ、左のルリ(山本理沙)にクローズするのは分かるのだが、次にケイ(後藤恭子)に行かず、その先のヒロコ(森口博子)たちを長いこと映しているのが、いささか理解に苦しむ。まあ、いかにも不良っぽい人を映したかったのだろう。
 最後の「おけーい」にかぶせて、合田雄太(南渕一輝)が後ろの扉からおそるおそる入ってくる。無論、バレバレ。
 壇上の佐伯は、木刀で床を一突きして隣の九条をびびらせてから、ゆっくりと雄太のそばに行き、
  
 佐伯「合田、初日から遅刻とはいい度胸じゃねえか」
 雄太「すいません、昨日から下痢気味で……」
 いまひとつ言い訳になってない言い訳をする雄太。

 佐伯「言い訳は通用せん……どうしますか?」と、校長の指示を仰ぐ。
  
 校長は、杖を目の前で動かして合図する。これはまあ、「殺れ」のブロックサインであろう。
 恐怖のあまりか、硬直して案山子のようになった雄太を佐伯は外へ連れ出す。
 すぐ、雄太を殴る音と雄太の呻き声が聞こえてくる。
  
 生徒たちは慣れているのかその方を向いているだけだが、ヒロコたちレギュラーはピョンピョン飛び上がるようにして興味津々の様子。が、他の生徒同様、感情のない顔で様子を窺う二人の少女がいた。言うまでもなく、このドラマのレギュラーである渋川ケイ(後藤恭子)と、弓削ルリ(山本理沙)である。
 
  
 記念すべき佐伯による雄太への初の攻撃が始まる。しかし、遅刻くらいで木刀でぼこぼこにされるとはハードである。

 なお、この時点では、雄太の前髪は暗い黄色で他の部分との差が目立たない。回を重ねると、いつの間にかモヒカンのように中央部だけ黄色に染めた部分が目立つようになる。「DUNK」87年1月号の記事によれば、これは監督(江崎?)の発案で、黄色の部分は付け毛だと言うことだ。
 ここでややしつこく佐伯の暴力描写が続く。背後のおしゃれな感じの建物は、このシーンくらいでしか出てこないと思うが。
 しかし、一、二発ならともかく、木刀でこれだけまともに殴ってたら、普通死ぬのでは? とも思うのだが。  
  
 佐伯「おらおら、愛のムチだ、ありがたく受けんかぁ!」
 牧野「やめてください!」
 なおも雄太を撲殺しそうな勢いの佐伯を見兼ねた牧野先生が止めに入る。彼は2-Aの担任だが、教壇に立つシーンはない。担当科目は不明。
  
 佐伯「ぬあんですか、牧野さん」
 牧野「もういいじゃないですか、佐伯先生」
 佐伯「なあに、悲鳴上げてる以上、まだまだこれからですよ」
 牧野「生徒たちはですねえ、牛や馬じゃありませんよ! 叩いて言うことを聞かせると言うのは賛成できませんねえ」
 佐伯「学園の教育方針に異論でもあるとおっしゃるんですか?」

 二人が睨み合っていると、頭上から騒音が響いてくる。二人が見上げた視線の先には、
  
 学園のグラウンド上空を飛ぶヘリコプターが!
 しかも垂らした縄ばしごに人がぶらさがっているではないか!

 カメラがズームするとそのお方こそ、このドラマのヒロイン、
                   高坂ユミ(仙道敦子)だった!

 この、ちょっと恥ずかしそうな笑顔がとても可愛い。
 無論、本当にヘリから垂らした縄梯子に彼女がぶら下がってるわけじゃなくて、低い位置から垂らした縄梯子につかまってるだけなんだけどね。

 ところで、管理人が、「セーラー服反逆同盟」と言うドラマに「魂を抜かれた」のは実にこの瞬間からだと言って良い。確かにリアリティ重視のスタンスではまず絶対ありえない発想だと思う。コメディタッチならばまだしも、一応本作はほんわかムードながらもシリアスな作風で統一されている。その中での、この、フィクションでしか起こりえない現象を、堂々と描いていること。これは制作サイドが、「これは嘘話です。でも本気で作った嘘話です」という誇り高き宣誓だったと自分は受け止めたい。無論、ヘリのチャーター費にかける意気込みも含めてだ。

 それはさておき、ドラマの中のキャラクターたちも当然呆気に取られて彼女の雄姿を見上げるのであった。
  
 制裁を受けていた雄太も、いがみあっていた佐伯と牧野も。
  
 講堂の生徒たちも飛び出してきて、一様に空を見上げる。ただ、ここでマユミの「やったぜ」という言葉のあとのマリの「せんぱい」と言う風に聞こえる台詞がなんと言っているのか何度聴いても判然としない。「てんさい」では意味が通じないし。当時の流行り言葉だったのかもしれない。台本が欲しい。
  
 一方、ミホは騒ぎをよそに今は使われていない旧理事長室に前理事長の額を持ってきて飾っていた。
 この右側のカット、どういう場所を映しているのか何回見てもわかりにくいのだ。ごたごたと備品が置かれていて、前理事長がないがしろにされていることを表現しているのだろうが。
 ここ、無言のミホを映す時間帯が妙に長くてイライラする。ミホもその音に気付いて窓の方を向く。

  
 かなり高度が下がってきたヘリとユミ。
 仙道さんのアップから、主題歌のひとつ「Don't Stop Lullaby」のインストが流れだす。
  
 ユミは校舎のすぐ横の荒れた芝生の上に無事着陸。さっさと帰っていくヘリに手を振るユミ。
  
 そして元気よく歩き出す。飛び去るヘリのカットを入れてから、
  ←  
 ユミが真っ直ぐな姿勢でずんずん進む先に、佐伯たちがぞろぞろと出てくる。しかし、明らかに彼女、カバンも何も持ってないなぁ(後述)。
  
 その颯爽とした登場の仕方に、感嘆の声を上げる女子生徒たち。
 マユミ(森田まゆみ)の「シ〜ンデレラ!」の一言が印象的だ。カメラは特にルリとケイの二人にズーム。
 ミホも、ブラインドをカチャッと開いて転入生を見詰める。
 注目を集めつつ、三人の目の前まで来るユミ。
 しかし、ここ、掲示板の並ぶ道には雑草がびっしり生えていて、とても管理されている学校とは思えない。まあ、撮影は9月あるいは8月にやってると思うので、季節的にしょうがないところもある。どこかの廃校か何かで撮影してるんだと思うが、できれば除草もしておいて欲しかったところだ。

 ユミは、深々と一礼してから、
  
 ユミ「高坂ユミ、福岡県立大隈高校から本日付で黒鳥学園に転入してきました。
 飛行機が遅れましたので、空港から新聞社のヘリに同乗させてもらいました。
 お騒がせして申し訳ありません」

 理路整然と状況を説明してから、もう一度頭を下げる。
 しかし、三人ともすぐには言葉も出ない様子。そりゃまあ、そうだな。
 もう一度ミホのアップを挟んでから、ユミのとびっきりの笑顔でOPへGO!

 しかし、新聞社のヘリに同乗って、どういうコネでそんなことができたのだろう。そもそも、垂らした縄梯子につかまるのは、同乗とは言わないだろう。
 育ての親である叔父(愛川欽也)の身分に秘密がありそうだ。

 しかし、飛行機が遅れたというちゃんとした理由があるわけで、何もそんなに急いで来なくても問題ないと思うし、第一、彼女の秘めた目的からすると初っ端からこんなに目立つようなことをするのは、方針から外れていると思うのだ。

 だいたい、結局遅刻してるしね!

アバンタイトル オープニング Aパート Bパート 戦闘シーン 予告編+まとめ
 
 今回は第1話と言うことで、オープニングタイトルバックも紹介したい。

 主題歌「Shadow of Love」/演奏A-JARIのイントロにかぶって、中村友美のナレーションが入る。(曲は一応「音楽室」で試聴できます)
  
 ナ「青春、それは悲しみと苦しみ」
 仏頂面の4人のレギュラーが使用武器とともにバストアップで映し出されていく。
 ミホ(中山美穂)はバラ。 
  
 ナ「この物語は悪の巣窟黒鳥学園を舞台に」
 ルリ(山本理沙)は鉄製の鉛筆。
    
 ナ「暗い過去と秘密を背負った少女たちが」
 ケイはチェーンとスカーフ。芸が細かいのだが、OPではこのように赤いスカーフだが、バトル時の白いセーラー服のときはそれにあわせて黒のスカーフになるのだ。
 ちなみにケイが劇中、赤いスカーフを武器として使うのはこの第1話のみである(後述)。
  
 ナ「勇敢にも悪と戦う……」
 トリのユミは、赤いナックルグローブで直接殴るだけなので、武器は登場せず、代わりにアップになって、暗転しつつメインタイトルへつなぐ。
 しかし、仙道さんのこの髪型はどうかと思う。プードルみたいだ。

 ナレーションの最後の「戦いのドラマである!」とともに、タイトル画面に移行。
 中心のミホとユミから、カメラがひいて、
  レギュラー4人を先頭に、2-Aの女性徒を中心に行進するセーラー服軍団と言う、とてもインパクトのある映像。

 (作詞 秋元康)
 (歌詞)高層ビルの街角に

 この絵面からすると、話が進むにつれて、同盟の加入者が増えていくような感じもするが、結局終盤にクラスメイトの結束が生れるくらいで、同盟のメンバーは最初から最後まで4人プラス雄太のみである。もっとも、ミホが正式に加入するのはだいぶ先(19話)のことだが。

 ちなみに足の踏み出しは、仙道さんだけが他の三人とはズレている。
 (歌詞)やまない雨を残して、ほら

 向かって左側からのアングルにサブタイトルがかぶさる。
 背景は学園のグラウンドであろう。いかにも天気が悪そうだ。
 (歌詞)東から

 次は、右側からのアングルに「キャスト」がかぶさる。こうして横並びになると後藤恭子さん(ケイ)の背の高さがはっきり分かる。一番年下なんだけどね。
 ちなみに、俳優の年齢は、仙道敦子が撮影時は恐らく16歳、第1話オンエア時点で17歳。
 山本理沙はほぼ確実に撮影時点から18歳。後藤恭子は15歳(途中から16歳)。
 中山美穂は16歳。学年で言えば、山本が高3、仙道と中山が高2、後藤が高1に該当すると思う。
 雄太役の南渕氏については誕生月が分からないのだが、早生まれでないとすれば16歳で高1である。

 それを踏まえて見ると、確かに、ミホを除く4人は一緒にいることが多いが、仙道と山本は明らかに他の二人より大人っぽいのだ。特に山本は、後藤とは第1クールでは3歳も離れているのだから。
 (歌詞)もう夜明けだね ツィードの

 学園の廊下を、同盟の白いセーラー服姿で闊歩する4人。ただし、ミホだけはド派手メイクなし。

 キャストの表示順には明確な法則があり、中山美穂がバンク映像ではなく実際に出演する際は最初が中山で、最後が仙道になる。
 逆に中山が不在のときは、最初が仙道で、最後が中山になる。
  
 (歌詞)古いコートの襟に顔にうずめながら

 カメラが引いて全員を映し、クレジットは他の三人のレギュラーを表示。これは最初から最後まで同じ。
 続いて、準レギュラーの教師役の俳優が表示。これは回によって表示方法は異なる。 
 再度、ミホのバラのカット。ただし最初とは飛ぶ方向が違う。最後に爆発する。
  
 (歌詞)その濡れた髪ただ震えてた

 中島はるみは準レギュラーだが、何故か今回はゲストと同じページに表示されている。
 初回は登場人物が多いので、2-Aの女生徒も一画面にまとめて表示される。 バックの戦闘シーンは第2話のもの。
  
 (歌詞)悲しみの(such a lonely face)青い影

 同じく2-Aの男子生徒もまとめて表示。岩田光央は第3話にも出ているが、レギュラーではない。
 当初の予定ではレギュラーとして出演するはずだったのだろうか。彼と対になっている岡谷章子はこのままずーっと出ているからな。
  ナレーターやアクション監督などはまとめて表示。ただし、表記は回によって微妙に異なる。
 バックは第4話の戦闘シーン。
 (歌詞)君の背中今ここで抱き締めたら

 鉛筆を太腿のフォルダーから抜いて投げるルリ。これも第4話から。
 奈美悦子は厳密に言えば、準レギュラーなのだろうが、特に前半は出番が極めて少ない。
 宙を飛ぶ鉄製鉛筆。これも最初とは飛ぶ方向が逆である。
 ケイのチェーンとスカーフのカット、今度は黒バージョン。
 (歌詞)崩れそう 俺たちの終わらない

 植え込みの横から現れてバラを投げるミホ。こちらは攻撃のためと言うより賑やかしのためのような優雅な投げ方。
 後半から、投げ方が戦闘的になり、表情も厳しくなる。個人的には、むしろ似つかわしくない最初の投げ方の方が良かったと思う。

 なお、映画秘宝の「夕焼けテレビ番長」の当番組の項では、嘲笑的に、このカットで中山美穂がバラを投げるのを失敗して苦笑いしているNGテイクを使っていると書かれているが、このカットでは中山美穂は最初からずーっとにこやかな笑みを浮かべているので、完全な勘違いである。最初からそう言う演出で撮影しているのだ。……と思う。
  
 (歌詞)ロマンス

 これも第2話の戦闘シーンから、ホッケーマスクの敵をしばくユミ。愛川欽也のキャスト表示は全話を通じてこれだけ。以後、バンク映像で出演する時も表示はされない。
 一度くらい、ちゃんと出演する回があっても良かったかなと思う。上京してくるとかね。
  
 (歌詞)Shadow of love  瞳の涙 Shadow of love 二人の若さを

 噴水の縁に座り、2匹の子猫と遊んでいるミホ。管理人はこの時の中山美穂だけは可愛いと思う。
 (歌詞)責めるのはやめて

 それに対抗してか、タバコ屋の前の子犬。
 (歌詞)Shadow of love 君がなくした

 それを雄太が抱え上げ、少し遅れてユミ、ルリ、ケイの三人が傘を差して走り寄って来る。無心に犬を見ているおケイがめっちゃ可愛い。
 使用曲の表示は最初は上記の二つだけで、やがて山本理沙の「Lonley Lion」が加わる。三つともレコード会社が異なるのが面白い。
 大谷和夫の音楽はこのドラマの成功に大きく寄与している素晴らしいものだ。
 スタッフ表その一。
 (歌詞)Shadow of love 夢のかけらが

 スタッフ表その二。助監督の藤田保行はのちに監督をつとめる。

 この後、バイクが転倒するが、素材となった6話の本編では、その前にユミと対決し、胸板を蹴られたと言う段取りがあるので自然なのだが、ここではそれが省略されているので勝手にバイクが走って横転してるようにしか見えない。
 見得を切る三人。かっこいいです。
 (歌詞)胸の奥に刺さっていても

 炎上バイクを背景にスタッフその三。以上は第6話の戦闘シーンより。つまり初回放送の時点で、既に6話まで撮影していたと言うことだろう。
 (歌詞)微笑みながら

 再度バラを投げるミホ。今度はさっきとは明らかに違い、攻撃的な投げ方である。
 協力各社が一覧表示される。基本的にだいたい同じだが、エピソードによっては追加の会社名が登場する。
 少々くどいが、もう一度バラのカット。今度は左側から。最後に火花が飛んで花弁が散る。
 ジャージ姿の2-A生徒を(ワタルとアツシ)チェーンで攻撃するケイ。ただし、第11話までは打撃の効果音はない。
 撮影そのものは第3話の撮影時に行われたのだろうが、このカット自体はオープニングだけで使われている。
 (歌詞)Say good-bye

 同じく第3話の戦闘シーンでのスタイルで、巨大な石を振り上げて攻撃する雄太。もっとも雄太は戦闘シーンに加わることすら稀で、実際に戦う映像はこのオープニングのカットくらいである。最初は彼も戦いに参加する設定だったのではないかと思うが。
 ただし、戦闘シーン以外では、第4話、第8話では自分から戦いを挑むこともあるが、どちらも負けている。
 一番かっこいいのは、実はこの第1話で後述するが、佐伯を死に物狂いで止めるところだろう。
 教室の奥に向かって走る5人。
 こちらに振り向いてポーズを決めたところで監督の表示。
 ミホ単独のショットにユニオン映画のロゴがかぶさって終わり。

 曲も良いし、バックの構成もテンポが良くて素晴らしいオープニングだと思う。

アバンタイトル オープニング Aパート Bパート 戦闘シーン 予告編+まとめ
 
 さて、ありえない方法で登場した高坂ユミだが、何事もなかったように職員室で転入手続きを行っている。
 時刻は9時20分くらい、左奥の窓がブラインドが開いていて、風景が直接見えているのはかなり珍しいケースである。
 牧野「はい、在学証明書、成績証明書、転入許可願いか……」
 しかしよく考えたら、ユミは明らかに手ぶらでやってきているのに、それらの書類はどうやって持ち込んだのだろう。あらかじめ学校に郵送しておいた?
 牧野先生が書類をチェックしている間に、ユミは初めて見る黒鳥学園の職員室の様子を観察している。

 2学期初日の朝っぱらからだらだらした感じの教師たち。 
  
 愛用の木刀を磨いてから、ビール瓶の栓を歯で抜いてラッパ飲みする佐伯。学園の雰囲気を強調するためだろうが、以後、飲酒シーンはほとんどない。第2話で高沢先輩とその一味がブランデーやビールを飲むくらいだ。その横の席で、ネイルの手入れに余念のない教頭真下豊子(中島はるみ)。彼女は生徒たちと絡むこともあまりないが、校長の話し相手としてかなり登場回数は多い。序盤では、校長の愛人風の演技がつけてあるが、中盤以降はそういう描写はなくなる。彼女中心のエピソードがあっても良かったかなとも思う。超スレンダーで美人だしね。 
  
 最後は、エキストラ教師の髪をいじっている九条栄(竹中直人)。この、人の後ろであれこれやるというのはこのドラマでちょくちょく見られる彼の持ちネタである。ここでは、髪を触った指先をそっと嗅いでいる。
 基本的には、真下教頭に仕えるような態度なのだが、第9話では逆に竹中の方が上司のように見えるのが可笑しい。佐伯の武闘派に対し、知能派と見られるが、実際、様々な悪巧みに加担してきたせいか、第4話では彼と話しているだけでケーシー・片岡が悪人だと決め付けられるほど評判が悪い。一方で、7話では物分りの良いユニークな教師の一面も見せている。
  
 牧野「高坂君」
 ユミ「はい」
 牧野「福岡県立大隈高校と言えば、名門校じゃないか。それに君の成績はトップクラスだし……どうしてまた黒鳥学園に?」
 至極もっともな牧野の質問だが、
 ユミは「はい、生まれは東京なんです、それで」と、あまり説明になっていない説明をする。
 もう少し何かもっともらしい言い訳を用意していればいいのに……。
 しかし牧野はそれ以上突っ込むことはなく、「はっ……ま、いいでしょう。それじゃ2年A組に編入して貰うよ」と手続きを終わらせる。
 ユミ「はいっ」
 これが2-Bだったらその後のドラマが成立しないところだが、この学園にはどうも2-Aしか教室がなさそうなので、その心配は無用である。
 その足で、2-Aへ向かうユミ。しかし、普通は、担任の牧野が一緒に連れて行って紹介するのが由緒正しい転校生のお披露目の作法だと思うのだが、時間的にもホームルームのために、牧野も教室に行かないとまずいのでは? それに、不良やスケバンがいっぱいいることは承知しているのだから、そういう意味でも真面目な牧野先生がひとりでユミに行かせるというのは解せない。

 ま、すべては山本紀彦さんのスケジュールの都合だろう。なお、彼女が階段を登っていることから、2-Aは2階にあると見て良いだろう。
  
 雄太「ちわっす」
 と、ユミの出現によって佐伯のリンチからなんとなく助かった雄太が、階段を降りながら話しかけて来る。
 雄太「すっげぇかっこよったよなぁ。空から転校してくるなんてさぁ。先公どもぼーっとしちゃって、お陰でおいらも助かったよ。礼と言っちゃなんだけど、困ったことがあったらなんでもおいらに相談してくれよ、ユミちゃん」
 ユミ「ユミちゃん……?」
 初対面でいきなり下の名前をちゃん付けにする雄太に、ユミは少し戸惑う。
 雄太「おいら合田雄太ってんだ、よろしく!」
 ユミはちょっと訝しげな顔をするが、すぐ百万ドルの笑顔で握手に応じる。この愛嬌がもてる秘訣なんだろうと思う。
 ユミ「よろしく!」

 これ以降、第2話まではユミは彼のことを合田くんと呼び、第3話以降は雄太と呼び捨てになるが、雄太は最後までユミちゃんと呼ぶようになる。
 雄太「ここだよ、ここ」
 ユミは雄太の案内で教室にやってきたが、先に入った雄太が扉の上に仕掛けられたバケツの水を浴びてしまう。実に古典的な悪戯だ。
  
 雄太「うわっうわわ、わーわー」
 いささか大袈裟に叫びつつ、たっぷりと水を被る雄太。
  
  それを見て、大受けする「悪の巣窟」の生徒たち。

 どこが悪の巣窟やねん。まあ、やられているほうにすれば笑い事じゃないだろうけど。
 ちなみに真ん中の画像の後ろでは、3話で学園の管理体制に反旗を翻すマジメ少年のはずの森口君も大笑いしている。
 雄太「なにすんだよ、チンケな悪戯しやがってよお!」
 ユミが後ろで、物珍しそうにバケツを見上げているのがひそかにツボ。
 勢いで怒りを爆発させる雄太だが、武闘派の二人に逆にキレられる。

 山口「なんだよ、パシリの癖に文句あんのかよ。しめるぞコラァッ!」
 タケシ「てめえの歓迎式じゃねえんだよ! そっちのカワイコちゃんに用意したってのによ、てめえのお陰で台無しだってんだよ」
 左が山口(山本義明)で、右がタケシ(JACの真矢武)。
 タケシのJAC仕込みの切れのあるパンチを受け、教室の後ろのロッカーまで吹っ飛ぶ雄太。
 雄太、この時点では完全ないじめられっ子、パシリとして扱われている。
 (もっとも、後の第17話ではタケシと同じ机で弁当を食べるくらい仲良くなっているのだが)

 ちなみにこの時雄太よりかかるロッカー、二つほどネームラベルが見えるが、これは何故か弓削ルリと、渋川ケイのものである。
 また、フリスビーが置いてあるが、これは第10話でみんながミス・オードリーと遊ぶときに使われたもののだろうか。
  
 雄太が吹っ飛ばされたのを見てちょっと驚くユミだが、この段階ではまだ雄太に仲間意識を抱くほどではないので、それ以上の反応は示さない。ただ、雄太もやられっぱなしではなく、このように反抗的な表情になるのが意外とかっこいいのだった。
 山口「さあさあお嬢様の席はこちらです、どうぞ」
 雄太など眼中にない山口のからかうような言葉に、ユミは黙って生徒たちの間を進む。
  
 で、今度は、足を出して、ユミを転ばそうとするアキ(ジェリー藤尾の娘・亜樹)。
  
 これも古典的なやり口だがユミはあっさりと飛び越す。
  なんてことはないアクションだが、運動神経が鈍かったらしい仙道さんにしてみれば、かなり緊張のシーンだったんじゃないだろうか。
  アキ「あいたっ」
 逆にアキが(わざとらしく)バランスを崩して尻餅をつくが、ユミは涼しい顔で空いた席に座る。
 たちまちスケバンふう女子生徒たちに囲まれてしまうユミ。

 ヒロコ(森口博子)「てめえ〜」
 アキ(藤尾亜樹)「やるじゃん、シャバい顔してよぉ」
 マリ(瓜生麻理)「○○○(聞き取れない)かっこつけやがってさぁ、挨拶はどうしたんだよ、挨拶は」
 この様に、脇役キャラのネーミングはほとんど全員、芸名がそのまま使われている。

 まあ、彼らは名前があってもなくても似たようなものなので、撮影時の利便性を重視して、こうなってるんだろう。ただ、主役の一人、中山美穂までミホと言う安直な名前になっているが、これは逆に中山美穂と言うネームバリューを人気につなげたかったからだろう。
 ユミ「挨拶?」
 ユミはすっ呆けた上目遣いで聞き返す。
 マリ「とぼけんじゃねえよ! 前の学校じゃ番張ってたんだろう、この学校に来たからにはメンタンぐらい切ってもらおうか!」
 彼女の言う「メンタン」でどういうものか正確には分からないのだが、まあヤクザの仁義みたいなものかな。
 ユミは少し躊躇していたが、意を決して立ち上がる。
 たちまちびびって距離をとる皆さん。

 しかし、
 ユミ「高坂ユミです、よろしくお願いします」
 と、礼儀正しく「挨拶」するユミちゃんでした。ユミの左のチエミ(立原ちえみ)の戸惑った顔が笑える。
 もっとも、これは相手を怒らせようとしているわけじゃなく、恐らく金持ちのおじさんのもとでエリートのお嬢様として品よく育ってきたユミには、彼らのスケバン用語が理解できなかっただけだろう。
 アキ「調子くれやがってよぉ〜」
 と、激昂したアキによって襟をつかまれるが、その際、早くも胸の傷を周囲に見せ付けることになる。
 後に出てくるが、これは幼い頃に母親に殺されそうになったときにできた傷跡である。
  急に厳しい表情になるユミ。
  
 ユミを取り囲んでいたスケバンたちはみな一様に驚いて息を飲む。しかし、そんなにびっくりするような傷でもないと思うのだが……。
 ちなみにこの時、右端の立原ちえみだけは割と普通の顔をしている。
 なお、このクラスのスケバンたち、この初回では大体大人しい髪の色だが、回が進むに連れ、奇抜な色が増えて行く。 
 そこで初めてルリとケイのカットが入る。
  
 ユミは、やんわりとアキのごつい手をどける。
 胸の傷を隠すように、襟を整えるユミ。

 なお、コミック版では、ここで相手(大男)は手首を外された際に骨折してしまうのだが、ドラマでは単に手をはずしただけである。彼女が強力の持ち主であることは結局他の生徒たちには一切披露されることはないままだ。
  なお、第15話では、金属バットを素手で折ってしまう最強の敵と、互角以上にわたりあえるユミである。その気になれば、この場の全員たたきのめすことも可能であったろう。

 一触即発のムードになるが、

 高沢「何をやっとる?」
 と、教室の後ろの出入り口から男の声が飛んできて、みんな一斉にそちらを振り向く。
  生徒指導部の高沢先輩がかっこよく登場。ただし、正確な役職名は不明である。指導部の部屋で一番いい席にいるので、指導部の部長という所か。

 高沢「教室を汚したものは減点1がつくことを忘れたわけじゃないだろうな」
 バケツを竹刀でつついて、床にぶちまけられた水について注意する高沢。高沢の配下がゾロゾロと入ってくる。
 山口「ああ、はい、それは雄太が、いや合田が!」
 山口の言葉にタケシがロッカーの前の雄太を引っ張り出して、罪を被せようとする。せこいなぁ。
 タケシ「は、こいつです」
 高沢「君は今朝の遅刻も合わせると減点7だ。もう3点で反省房行きだな」
 合田「……」

 しかしまあ、どいつもこいつも老けとるな。
 なお、後ろの三人の部下はのちに第13話で化学クラブのメンバーとして再登場することになる。全員JACである。
  
 と、それを聞いて、正義感の強いユミが抗議する。
 ユミ「待って下さい、なんのことだかよく分かりませんが、その水は……」
 高沢「新入生は黙っていたまえ。もうすぐ授業のチャイムが鳴る。先生をお迎えする支度をしたまえ」
 生徒たちがだらだらしていると、即座に竹刀で床を叩き付けて、「早くしろーっ!」とぶちぎれる高沢先輩。器が小さい。
 生徒たちは席にすわり、高沢たちは教室を出て行く。
  
 席に着いたユミだが、この時、初めてルリとケイの険しい視線に気づく。ルリとケイはさっと視線を外して教科書を取り出す。
 ただ、始業式の日に、授業ってあったっけ? 管理人の高校時代を思い起こしてみるが、何しろはるか太古のことなので全然覚えてない。まあ、学校によってその辺は違うだろうけどね。

 さて、高沢先輩の台詞にあったこの減点システム、簡単に言うと生徒の不始末で減点され、累積して10点になると反省房に入れられることになっているらしい。上記の、教室を汚損するとか、遅刻するとかね。作中では、ほかに所持品検査で恣意的に減点されるシーンがある(第3話)。

 で、ユミの抗弁も虚しく、ここでは累計で減点7を宣告される雄太だった。だとすれば、遅刻の場合マイナス6点となり、高過ぎる気もするが、それ以前にあれこれやらかして累積していたとすれば、遅刻が6点以下でも成り立つ。ただ、高沢先輩が平凡な一生徒に過ぎない雄太の減点を把握していると言うのも変なので、やはり、遅刻は6点か? 遅刻2回で反省房行きはいささか厳しい気もするが。

 もっとも、遅刻は厳罰なのに、雄太の金髪はまったく問題にされないアンバランスもあり、厳しいの緩いのか、よくわからない校則なのだった。
 なお、この減点システムがはっきり機能するのは第3話までで、以降は面倒になったのか、ほとんど触れられることはなくなるが、反省房自体はなくなったわけではない。
 転入早々ややこしいことになりそうでちょっとユーウツなユミちゃんでした。

 場面変わって、
 荒れ放題のグラウンドの斜面に座って、おしゃべりする二人。これは昼休みの時間だろうか。
 この、ちょっと霧雨でも降っているように霞んだ空気の感じは、個人的には好きである。
 雄太「ドツボだな……」
 嘆息する雄太。
 続けて、「おいら、ほんとは中学の時いじめられててさ、そんでツッパリになってやつらを見返してやろうと思って、ここに入ったんだ。黒鳥学園て奴は関東で知らないものがいない超ド悪の集まりじゃん。なんたって、ほとんどのもんが、中学ン時番張ってたやつばっかりだもんな」
 と、さりげなく自分のことを紹介しつつ、学園についての基礎的なデータをユミ(と視聴者)に提供する雄太。
 ユミ「そうなの?」
 普通に驚くユミ。
 雄太「アンタ、何も知んないでここに入ったの?」
 ユミ(頷いて)「私が聞いた話だと、超エリート校だって……」
 雄太がユミに対してアンタというよそよそしい二人称使っているのは、ここだけである。
  雄太「そいつは10年以上も前の話……今の理事長になってからはどこの高校でも引き取って貰えない連中ばっか、高い入学金で集めてさ……ヤクザみたいな先公使って、従順なロボットにしちまうんだ」
 しかし、高2の雄太がなんでそんなことを知ってるんだろう。ま、誰か大人に聞いたのだろう。
 ユミにしても、母親を探すためにやってきたわけだから、事前にある程度リサーチしている筈で、ここで10年以上前の評判を持ち出すのも間が抜けているが……。

 ここで、雄太の台詞は継続したまま、画面が前理事長室、つまりのちのユミたちのアジトの内部に切り替わる。
  
 雄太の声「噂だけど、かなり汚い手使って前の理事長を追い出して乗っ取ったって話だな」
 カメラはさきほどミホが掲げた前理事長の写真に寄ってから、雄太たちの所に戻る。
 雄太が得意になって喋っていると、彼らの背後の茂みにミホが現れる。こわっ。
 雄太の声「もと理事長の部屋なんて物置になっちゃってさ、ま、おれっちのアジトとして使わせてもらっちゃってるけどね……」
 雄太「ははっはっ……」
 雄太、うしろ、うしろーっ!
  
 ミホに気付き、雄太は慌てて立ち上がる。
 雄太「あっ、こちら転校生の、高坂ユミさん、こちら理事長のお嬢さん」
 ミホ「あたし山縣ミホ、学園はアタシが案内するわ」
 雄太「えっ……」
 と、仲良く喋っていた二人を引き裂き、ユミを連れて行ってしまう。雄太かわいそう。

 しかし、雄太の態度はあまりに卑屈で、いくら理事長の娘と言っても、オーバーなのでは、とも思うが……。
 実のところ、ミホは他の生徒とほとんど絡むことがないので、比較のしようがないのだ。学園の方針に反対しているルリとケイなんかは逆に敵意剥き出しで対応しているが。

 で、二人は次の場面ではいきなり反省房の入り口に続く廊下に立っている。真っ直ぐここに来たのか、他の場所を案内してからここに来たのか、不明である。
 ミホ「反省房よ。怖い?」
 最初この台詞聴いた時、率直に下手だなぁと思ってしまった管理人でした。ま、16歳のアイドルが演技が下手なのは当然だが、横の仙道さんがうまいので、余計に目立つのだ。ま、仙道さんは子役の頃からやってるからね。
 ミホ「先生に反抗したり、減点が10点になったものが放り込まれるの」
 複数の呻き声が聞こえている。

 ミホの説明にあわせて、主観映像的なカメラが反省房に通じる「地下室」と書かれたドアを越え、階段の下で見張りをしている生徒の姿をとらえる。
  
 ミホ「さっき合田君が言ってたようにこの学園はひどいところよ。先生たちの下には生徒会があって、生徒を監視して、ナチスの親衛隊みたいなことをさせている。こんなひどい学校はないわ」
 だとすれば、生徒会と言うのが生徒たちを監視しているのだが、直接生徒たちを取り締まるのが、その中の生徒指導部と言う部署なのだろう。
  
 ユミ「でも、あなたは理事長のお嬢さんでしょ……どうしてそんな言い方するの?」
 ミホはユミの質問に意味ありげに微笑むとその場を離れる。

 どうでもいいが、ミホは親衛隊と表現しているが、ゲシュタポのほうが適切な比喩ではないだろうか。意味は伝わるけどね。
 二人は連れ立って校舎から出てくる。この場所は今後、何度も登場する。ここは学園正門のロケ地とは異なるような気もするが、第14話の感じからすると、同じ場所かもしれない。これはまだ案内の途中なのだろう。あるいはもう放課後になっているのかもしれない。昼休みにしては長過ぎるからね。
 と、そこへ、いきなり金属製の鉛筆が飛んでくる。
  
 ユミより先に気付いたミホが「危ない」とユミの身体を押すが、それにも拘らず、鉛筆はユミが叩いて地面に落とさねばならなかった。意味ないだろ。
 ちょっと変な顔になってしまった仙道さん。この時のジャンッと言うジングルはのちのち、ミホが戦闘シーンで薔薇を投げるときなどに使用されるものだ。
 砕石の間に落ちる鉛筆。しかし、さきほどの宙を飛ぶ鉛筆と、この鉛筆、明らかに別物のような……。
  
  この時、ミホは鉛筆の襲撃より、ユミの体術のほうに驚き、ユミは顔を上げて誰が投げたのかと周囲を警戒している。
 無論、ルリの仕業であるが、 しかし、普通この距離だったらバレバレだろう。
 しかし、ユミだったからいいようなものの、これが普通の生徒だったら、大怪我してるかもしれないわけで、いささか乱暴過ぎる。

 もっとも、いかにも「不良少女と呼ばれて」いた雰囲気のルリにはふさわしい行動かもしれない。
 ルリが怪しいと睨んだ相手にちょくちょく鉛筆を投げていたとすれば、ミホがそちらに驚かないのは当然かも知れない。ミホ自身、似たような目に遭ってたりして。
 ルリ「あの身のこなし、ただもんじゃないね」
 投げてから言うな。ただもんじゃなかったら、警察沙汰だぞ。

 ケイ「高坂ユミ……どこかで聞いたことのある名前だと思ったの」
 これが記念すべきケイの、後藤恭子さんの最初の台詞である。もっとも、撮影の順番も最初だったかどうかは分からないが。
 ルリ「おケイ知ってんの?」 
 そして、これが記念すべき初の「おケイ」である。
 ケイ「うん、確かマラソンの高校記録保持者よ」…………………………尋常じゃない間(約2秒)を置いてから、
 「2年後のオリンピック代表は確実だって」
 このいかにも演技初心者っぽいところがたまらなく可愛いのだ(なんでもええんか)。

 ルリ「なんか目的がありそうね、こんな学校に転校してくるなんて」
 山本さんのほうはさすがに経験があるだけに、安定した演技である。

 なお、ここでのオリンピックとは無論、ソウル五輪のこと。しかし、2年前の時点で代表確実と言うのはちょっと気が早い。それだけずば抜けたランナーだったと言うことか。 
 その後、ミホから解放されたユミと一緒に帰る雄太。黒鳥学園の生徒たちの通学方法はほとんど徒歩である(ミホはセレブらしく車で通学していたらしい)。ただし、最寄の駅や停留所から歩いて来ているのかもしれない。少なくとも、自転車通学は禁止されているようだ。

 雄太「ま、心配すんなって、おれっちがついてる限り、ユミちゃんにそうドジは踏ませねえーって」
 と、頼もしいことを言う雄太。
 説得力ゼロだけどな。

 それと、ここの雄太の台詞、ユミちゃんなのか、ユミさんなのか、はっきりしない。
  
 と、そこへ、いかにも(頭と)柄の悪そうな他校の高校生たちがやってくるのにでくわす雄太だったが、
 慌てず、誇らしげに襟の校章を見せ付けると、
  高校生たちは小さくなって、隠れるようにすごすごと違う道に逸れて行ってしまうのである。さすがにちょっと大袈裟だ。
 絵に描いたような、「虎の威を借る狐」なんだけどね。
  しかし、いつの間にか、ユミはカバンを提げてるなぁ。学校で購入したのだろうか。
  
 ユミ「合田君って、顔なのねえ!」
 雄太「学園のバッチ見たからさ、こいつをつけてりゃ、おいらだって強く見えるんだろう」
 雄太の台詞に合わせて、雄太の襟の校章が映し出される。
 もっとも、これ以降、黒鳥のマークをつけた制服で街を歩くユミたちが、何らかのリアクションを受けることはない。
 もしかして雄太って、こういうことを考えてわざわざ黒鳥に入学したのだろうか。ある意味知能犯である。
 自宅のマンションに帰ってきたユミ。部屋番号は最後まで不明であるが、部屋の位置は2階もしくは3階の右端か、右から2番目の部屋だろうと推測される。ただし、回によって微妙に異なる表現がされるので、確定は不可能に近い。瑣末なことだが。
 で、いきなり制服を脱いで、下着姿になるユミ。サービスカットではないのだが、彼女が下着姿を披露するのはこれが最初で最後である。貴重なカットなので目に焼き付けておくように。ただし、スカートまでは脱いでくれない。残念。
 制服をハンガーにかけたとき、胸にでっかくついたステッカーのような校章が目に入る。
  
 険しい顔つきになるユミだが、男性視聴者の頬は逆に緩むのだった。そして鏡台の前に座る。
 しかし、空港からヘリで飛んできたということは、今日、福岡から東京に来たわけで、じゃあ、この既に何ヶ月も住んでいるような部屋の様子はなんなんだろう。もっとも、昨日まで夏休みだったので、その間に東京の生活に慣れるため、もっと前から上京していたのかもしれない……じゃあ、なんで始業式の前日に福岡に戻っていたのだろう?

 それはさておき、聖子ちゃんカット風の頭をブラッシング。だが、
  
 すぐその手が止まり、鏡に映った例の傷跡を見詰め、物思いにふける。
 下着姿になったのは、別に監督のスケベ心からではなく、傷跡をはっきりと見せるためだろう。

 ここから回想モード。 
 「やめておかあさんやめておかあさんやめておかあさん」のエンドレスで叫ぶ子供時代(4歳)のユミ(演じるのは中條正美)。

 この子役がまあ、下手で下手で……まあ当時はだいたいこんなもんだったろうけどね。

 そして、奈美悦子演ずるユミの母親(葉室加寿子)が刃物を持って登場。怖い。
 しかし、設定上、この当時は苗字が葉室だが、これはユミの父親の姓だろうか。現在のユミの姓、高坂は、どこから来たのか。叔父のキンキンとは正式に養子縁組は結んでないようだから、キンキンの苗字ではないだろう。
 ただ、現時点では、加寿子は理事長と結婚しているのだから、苗字は山縣になってるんだと思うが。
 彼女の振り下ろしたナイフ(包丁?)が胸を傷つけ、血が足元に飛び散る。相手が幼女だと思えばなかなか過激な演出だ。

 胸の傷はこの時ついたものであった。
 大胆な嘘泣きをする子役。

 ちなみに、母親のこの時の行動については最終回でも、ほとんど説明はないままだったのが残念だ。シナリオライターはこの時点で何も考えていなかったのだろう。最終話で彼女が言うところでは、無理心中するつもりだったらしい。しかし彼女、どう見ても、殺る気マンマンで、心中という感じはしない。
 さらに刃物を振り上げる加寿子だったが、両サイドから現れた謎の男たちに止められて、連れて行かれる。考えれば、彼らがいなければユミも死んでいたわけで、命の恩人なわけだ。彼らはまあ、黒鳥学園の関係者、というか、山縣理事長の部下と見るのが適当だろう。この時、右の黄色いスタンドの傘に部下の顔が当たるのがちょっと間抜けである。

 ここへどうして彼らがやってくるのかも一切説明はない。当時の彼女と山縣との関係がちゃんと説明されていないのでなんとも言えないのがもどかしい。無論、この出来事はユミが九州の叔父のところに引き取られる前のことなので、東京で起きたのであろう。
 母親が連れて行かれると、たちまち顔を上げて見送るユミ。なんか馬場みたいだ。
 贅沢かもしれないが、もう少し仙道さんに似た子役を連れてこようよ。 
 その際、幼いユミの視界にひとつだけとどまったもの、それが黒鳥のマークだったのだ。
 傷を触る現在のユミのカットを挟んでから、回想は続く。
 道場で、道着をまとい、正座して陸上の雑誌を読んでいる成長したユミさん。彼女は遂に、母親の唯一の手掛かりであるそのマークを見付けたのだ。
  
 それはフルマラソンで高校新記録を出した黒鳥学園という高校の生徒の胸についていたのだ。

 しかし、この記事では写真の彼女(女性だろうと思うが)が高校記録を出しているわけで、さきほどのケイの言葉(ユミ=高校記録保持者)と矛盾するのではないか。ユミはこのあと間もなく上京しているはずで、マラソンで新記録を出している余裕などなかったはずだ。もっとも、この雑誌自体、数年前のものだとすれば辻褄は合うが……。あるいは、男子生徒なのかもしれないが、しかし、左のレースの写真の選手は明らかに女子なんだけどなぁ。

 あと、「優勝」が「優賞」になってるぞ。

 この時のユミは柔道着っぽい格好をしているが、具体的にどんな格闘技をやっていたのか説明はない。恐らく空手だろう。「Dunk」1987年1月号の記事によれば、仙道さんは空手の型を練習をしているとあるから、この説を補強してくれる。 
 幼少時の記憶と、この写真だけを頼りに、母親を探す決意を固めたユミ。

 しかし、そんな曖昧なものに頼るより、とりあえず金持ちの叔父さんに頼んで私立探偵を雇って探して貰った方が確実だと思う。

 と、ユミの後ろから、その叔父が近付いてきて、「ユミ、東京へ行きたいというのは本当か」と声をかける。演じるのは特別出演の愛川欽也氏。
 ユミ「お願いします、おじさんおばさんには育てていただいたこと、ほんとに感謝しています! でも……」
 叔父に頭を下げて、母を探しに黒鳥への転校を嘆願するユミ。
 上半身の動きにあわせて微妙に動くお尻が可愛い。

 牧野先生の言葉によれば彼女が在籍していた大隈高校はエリート高らしい。それをやめて三流学園に転校しようという姪に対し、キンキンはいさめるどころか、
 キンキン「母さんのことか? うん、隠さんでも良い。お前が小さい時、私たちのところに来たときから、いつも母さんのことを考えていた。だからいつかはきっとこうなる日があるだろうと覚悟していたよ」

 あっさり了承。
 物分りが良いんだか、無責任なんだか……。
  
 ユミ「叔父さん……!」
 神妙な顔のユミ。
 キンキン「これは叔父さんからの餞別だ。母さんのことを探すのは危険かもしれないよ」
  
  力強く頷くユミ。
 キンキン「でも、もしもの時には、これを開けるのだ。きっと、役に立つだろう」
 困った時はこれを開けと、赤壁の戦いの後に曹仁に訓示する曹操のような真似をするキンキンであった。
 最初見た時、管理人は、お金か、水戸黄門の印籠のようなオールマイティパスのようなものかと思っていたのだが……。

 回想シーン終わり。
 ちなみにコミック版ではちゃんと叔母も登場する。

 キンキンはユミの願いをあっさり認めているが、ユミは最終回で元の学校に帰ると言っているから、退学ではなくあくまで休学していただけかもしれない。もっともそう簡単に休学が認められるはずがないが、あるいはこの叔父自身が大隈高校の有力者だという可能性もある。それならば問題はない。ただ、県立となっているから、私立のような自由は利かないんじゃないかとも思う。

 それより、キンキンがそもそもどういう素性の人なのか、ユミの母親の兄弟なのか、一切登場しないユミの父親の兄弟なのか、あるいは妻が奈美悦子の姉妹なのか、姻戚関係もはっきりしない。この辺は、一言でいいからユミの口から説明が欲しかったところだ。再び「Dunk」1月号によれば、ユミが豪華なマンションに住んでいるので、親元が裕福なんだろうと茶化して書いてあるが、少なくともキンキンが金持ちなのは確かだろう。

 なお、キンキンはここだけの出演で、以後、回想シーンの使いまわしでたまに出るだけだ。
  
 その、何が入ってるのか楽しみな箱を見詰めるユミのカットでCMヘ。

アバンタイトル オープニング Aパート Bパート 戦闘シーン 予告編+まとめ
 
  夜の黒鳥学園の外観が映し出される。
  
 職員室にひとり残ってテストの採点をしている牧野先生。時刻は8時。
 そこへ高沢先輩が入ってくる。
 牧野「あ、遅くまでご苦労さん」と優しく声をかける。高沢も一礼して、横を通り過ぎ、隣接する部屋に通じるドアを開けるのだが、 
  
 そのドアは校長室に直通しているらしい。しかし、ドラマでは今回以降、校長室が何度も登場するが、すべて廊下側の入り口から出入りが行われていて、これはいささかおかしい。ノックもしないでいきなり開けていることから、画面上には出てこないが、校長室との間に控えの間があるんじゃないかとも考えたが……、
 このように、悪役たちが集合するところで、当の牧野先生を始末する相談を割と大きな声でしているのだから、扉一枚隔てた職員室にその牧野先生がいるというのは、常識的に考えて明らかに変だし、控えの間があるという仮定も、他方に廊下と直接つながっている入り口があることを考えると、やっぱりありえない。そもそも高沢先輩はどうして、職員室に入るときに校長室へのドアのすぐ横の、上の画面にも映っているが、そちらの戸から入らず、わざわざ牧野先生に鉢合わせする反対側の戸から入ってきたのだろうか。
 すげー雑だけど、一応略図を描いておく。高沢先輩の行動が不自然なのがお分かりだろうか。


 それはともかく、みなさんご精勤である。やってることはともかく、黒鳥学園の教師って、割と勤勉なのだ。
 校長「なにぃ、ワシに反逆する同盟だとぉ?」
 なんとなく作為的な台詞だ。

 これは高沢および佐伯の報告を受けての発言である。
 内容は、牧野先生がひそかに反抗組織を作っているということだった。ずばり、「セーラー服反逆同盟」の母体である。もっとも、この時点ではルリとケイしかいないわけで、組織というには微力過ぎる。しかし、どうやって彼らがそれを感知しえたのか、謎である。

 高沢「はい」
 九条「ねえ、佐伯ちゃん、ほんとに間違いないんでざんがしょう?」
 佐伯「はい、牧野の奴が学園の正常化とか抜かして、一部のムチャ(無知?)な生徒を扇動してるようです」
 校長「牧野か……」
 佐伯「はい」
 校長「奴は以前からことあるごとにワシに逆らいよる」
 真下「ふっ、バカな男ね。こんな学校でいきがったって仕方ないのに、ふっ」
 彼女は優雅に佐伯たちの背後をぐるっと回りながら言う。
 ただ、「こんな学校で」という言い草はいささか問題あるのでは? とも思うが。自分たちを貶めるような表現だ。ルリもさっき言ってたけど。
 九条「でもほっとけないでざんがしょう、生徒たちを引っ張り込んでるんでざんがしょう!」
  
 真下「ね、どうするの〜」
 彼女、タバコの煙を吐きながら、校長のそばに戻り、机の上にもたれて、校長の顔を撫でる仕草や、馴れ馴れしいタメ口からすると、明らかに校長と愛人関係にあることをにおわせている。ただし、回が進むに連れてそういう態度は見られなくなり、中盤以降は完全に普通の校長と教頭(と言うか秘書)の関係に変わるのだった。
 こういう時でも、中島はるみの髪の毛をいじる竹中直人。
 校長は、彼女の指をナデナデしながら、
 校長「毒というものはな、一度回るとなかなか完治せん、根も小さいうちなら摘み易い」
 後半の台詞にあわせてそんな会話がすぐ近くで交わされているとは露知らず採点をしている牧野先生の様子が映し出される。
 校長は調子に乗って、最後は教頭の手に口をつけている。
  
 高沢「この件は自分に任せてもらえませんか。何かのときのためにと思いましてスパイを潜り込ませてあります」
 と、自信たっぷりに請け負う高沢先輩。しかし、彼の言ったスパイだが、今回も次回も、そういう人物がいた形跡は全くない。ただ、反逆同盟設立の計画が漏れていたことを考えると、秘密の情報収集員がいたのかもしれない。だからして、第2話では雄太の救出作戦もばれてしまったのか。

 敵の内部に身分を隠して潜り込んでいると言う意味でのスパイだったとすれば、牧野先生やルリ、ケイたちに近付いて信任を得るということだと常識的に考えればなるのだが、この後のルリとケイの言動にもそれはまったく見られない。では、結局スパイとはなんだったのか、少し検証してみる。

 仮定1
 スパイは、牧野先生の周囲ではなく、反省房に潜り込ませていた。つまり、反乱分子の中で情報を得るためである。しかし、第2話の描写では、反省房は完全個室制なので、あまり効果はなさそうである。

 仮定2
 もともと高沢先輩のホラで、スパイなんて最初からいなかった。この場で牧野の処置を一任されるためにそういうことを言った訳である。

 正解は、シナリオライターがそのことをすっかり忘れていた、だろう。

 で、高沢先輩の名乗りに対する校長の返事は描かれていないが、その後の展開から、彼の望みどおり一任されたのだろう。

  さて、翌朝、
  
 平和な登校及び下足箱のシーン。
  男子生徒「おはよっ」
 ユミ「おはよう」
 なんてことのないシーンだが、このドラマで、下駄箱が出るのはかなり珍しいのだ。他では4話くらいしか思いつかない。
 また、ここで、ユミが男子の一人(この画像の男の子)と仲良く挨拶しているのも注目すべきだろう。転校二日目(二日目と言う証拠はないんだけど)にして、もうそういう男子生徒がいるというのは、ユミのひとあたりの良さを示しているように思える。最初のシーンでは妙にギスギスした雰囲気だったが、「悪の巣窟」でも、そう言う極悪不良生徒は一部で、大半は普通の高校生なのだろうか。だったら、それ、普通の高校だよな。
  雄太「オッス」と馴れ馴れしく肩を叩く。
 ユミ「おはよう」
 ユミが自分の下足箱を開けると上履きの上に折り畳まれた紙が乗っていた。
 普通、こういう場合、まずその手紙を取ると思うのだが、ユミは何故か下の上履きだけつかんで引っ張り出そうとする。

 さっと見るだけなら特に気にならないが、繰り返してみているとかなり不自然な動作である。無論、これは、横から雄太に取らせて、雄太にもその手紙の内容を見せるための細かな仕掛けである。

 で、今言ったようにそれを横から取って見てしまう雄太。割と失礼な男である。果たし状だったからいいようなものの、ラブレターとかだったらどうすんだ。ユミはおっとりしているので何も言わないが、ルリやケイだったら殴られているところだ。
 手紙はシンプルな呼び出し状。これはやはりルリが書いたんだろうか。
  
 雄太「(文面を読み上げてから)こいつは果たし状じゃんか。ヤバイ、ばっくれたほうがいいぜ」
 と、相手の承諾も得ずに手紙を丸めて抛ってしまう。おいおいおい。

 ま、これも手紙を丸めて捨てたのを、“偶然にも”ミホが拾い上げて中身を読むというカットにつなげるためのやむをえない措置であった。普通、そういうものはゴミ箱に捨てるだろうしね。
 ただ、その短い間に、ユミがしっかりと手紙の「八時」と言う部分を見詰めているカットが挿入されている。伏線と言うほどじゃないが、これによってユミがその後、果たし状が手元に無いのに正確な時刻に呼び出し場所に赴くことに説得力をもたらしている。

 ユミは終始無言だが、その表情から、果たし状に応じる気なのが分かる。
  
 で、足元に投げ捨てられた手紙を拾って読むミホ。これはのちのち、現場に彼女が居合わせている伏線というか説明になっているが、後半になってくると、そういう丁寧な描写はなく、ほとんどストーカーのように彼女たちのバトルシーンなどについてまわるようになる。
  
 次のシーンでは、一気にワープして、その日の夜になっている。
 自分の部屋で黙々と勉強するユミ。科目は英語。このシーンは第5話でも使われている。

 しかし、やはり手紙のことが気になっていたのか、ふと手を休めて時計を見る。
  
 すげー時刻がわかりにくい時計。しかしユミは気に入っているのか、以降もこの時計はしばしば登場する。
  
  そして覚悟を込めた表情になり、教科書を勢いよく閉じて、椅子から立ち上がる。
 右の画像は彼女の貧乳を貼りたいためではなく、奥の温度計の目盛を見て欲しいからである。夜8時前で30度。撮影時期を知る手掛かりになる。

 で、次のカットではいきなり校舎内に移っているので、彼女の住まいから学園まで5分ということになるが、感じとしては徒歩のようだ。だとすれば、学校に相当近いところにあるマンションを選んだようだ。まあ、その方が便利だから、当然だけどね。
  
 夜の校舎、屋上への階段を登るユミ。侵入の様子は省略されているが、基本的にセキュリティの甘い学校なのである。
 すぐあとで出るが、佐伯や生徒指導部などが夜中でも見回りをしていると思われるので、先に来て待っているルリやケイ、雄太を含めて、四人もの人間が易々と入り込めるというのは、さすがにどうかと思う。いや、ミホも含めれば五人である。
 その一方で、第2話ではユミは泥棒のような真似をして侵入しているが、これはこの時の騒動で警戒が厳重になっていたからかもしれない。

 ちなみに学園の屋上は、今後もしばしば登場する彼女たちのコミュニケーションスポットである。何故か、他の生徒がいることはない(第15話の逆刀くらいか)。第1話は他の回と違い、明確な戦闘(仕置き)シーンがないのだが、便宜上、これ以降を戦闘シーンとしてレビューする。

アバンタイトル オープニング Aパート Bパート 戦闘シーン 予告編+まとめ
 
 このドラマで初めての本格的なアクションシーンであります。
 指示通り、屋上に出るユミ。
 こういう時でもついついブラのラインが薄っすら透けて見えるのが嬉しいのがみっともない男のサガである。
 ユミの前に、棒立ちして待ち構えている二人の影が映る。この直立しているのが妙に可笑しいのであった。

 しかし、ユミが素直で来てくれたから良いものの、もし無視されていたら相当間抜けである。
 ところで、屋上へ出て来たユミの影と、下のルリたちの影の方向、矛盾してないか?

  相手の正体が見えず、闇を透かし見るようにするユミ。
  
 やがて、不自然なほどゆっくりとこちらに向かって踏み出す二人。シルエットがいささか不恰好だ。
 無論、その正体はルリとケイであった。
 ケイのスタイルは、私服に、制服のスカーフをつけた変則的なもの。
 こうして並ぶとやはりケイは背が高い。山本理沙さんは156pと当時の女性としては平均的なんだけどね。後藤さんは168だが、これは成年後の数字で、当時はもっと低かっただろう。
  
 そして彼女たちを給水塔か機械室の陰から見詰めるミホ。制服ということは、学校にずーっといたのか。暇なんだね(一旦帰宅して制服のまままた来たとも考えられるけど)。
  
 ユミ「やっぱりあなたたちね」
 ルリ「ばっくれずに来るなんていい根性してるねえ」
 ユミ「どういうつもりなの?」
 ケイ「それは私たちが訊きたいわ。どうしてこの学園に来たのか? マラソンのオリンピック代表をふってまでね」

 ユミは差出人が誰かわかっていたようだが、鉛筆を投げられた時は二人を見ていないはずだし、教室での二人の意味ありげな視線だけで、察知するのはほぼ不可能だろう。そもそも「タイマン」と書いてあるのだから、普通相手はひとりだと思うだろうし。それと、ケイは、ユミがマラソンの日本代表うんぬんと言っているが、転校したからって、代表選手になるのを諦めたことにはならないだろう。オリンピックだって、2年先の話だし。

 ケイの問いに、ユミは無言である。
  
 ルリ「どうしても言わないって言うなら、勝負するまでさ!」 
 ルリの言葉を合図に、ファイティングポーズをとる二人。

  「あの……、タイマンじゃないの?」と突っ込みたくてしょうがないユミだった。
 
  
 さらにそこで、ミホと反対側から雄太が顔を覗かせ、建物の陰から様子を窺う。
 雄太「あ、弓削ルリと渋川ケイじゃんかどうしてあいつらが……」

 結局みんな来てるのだった。

 もっとも、雄太はユミに行かないように忠告していたわけで、文面だってちゃんと覚えていたわけじゃないだろうから、律儀に見物に来てるというのも変である。ひとつ言えることは、みんな暇だなぁということだった。

  
 間合いをはかりつつ、左に右に移動するルリとケイ。
  
 そして、二人が縦に並んだ瞬間、ルリの背後からケイがジャンプするという連携技を見せる。
 このカット、ルリは役者本人だが、ジャンプしながらわざとらしく手を顔の前にかざしているケイはスタントである。僅かに見える眉の感じでは、JACの恩田真美さんっぽいが、これだけでは断定できない。

 最初に書いておくと、正直、今回のアクションはかなりしょぼい。スタントではなく女優本人がやってるんじゃないかと思えるくらいスローだ。やはり、初回ということで、アクション指導の横山稔氏にしても、JACの女性スタントたちにしても慣れていないこともあるだろうし、地面が硬いコンクリートだという撮影上の事情も関係しているのかもしれない。
  
 ジャンプして攻撃してきたケイを、コンクリート面を転がってかわすユミ。ここは、仙道さんだけ本人で、他の二人はスタントのようだ。
 大股開きと言う、女の子としていささか恥ずかしい格好だが、ユミがキュロットスタイルでやってきたのは、こういう場面を想定しての選択であった。その割に、ルリだけ長いスカートなのは迂闊だけどね。
  
  続けて攻撃してきたルリも投げ飛ばすユミ。ここ、ユミは仙道さん本人がやっているのだが、ルリとケイはスタントという変則的な組み合わせである。だから、動きがぎこちないのかもしれない。それにしても、ルリのスタントは、服がぶかぶかで髪型も全然違う。
  
 あまり意味もなく前転するケイだが、ユミに背中を踏み台にされるだけだった。
 仙道さん、初回にしてはかなり頑張っていると思う。

 ここでは、影は左から右へ伸びていて、これも最初の二つのシーンと異なる。
 なおこのとき、ケイのスタントの顔がはっきり見えるコマがあって、やはり恩田さんだろうと思う。
  
  そしてここでユミが大ジャンプ。給水塔か何かの上に、4メートルくらいありそうだが、そこまで一気に跳んでしまう。
 ここまでは無音だったが、ユミの大跳躍と共にBGM(激闘のテーマ)がスタート。
 はっきり言って人間業じゃないが、ユミの桁外れの身体能力を端的に表現している。
 もっとも、後には、ルリやケイも似たような凄い跳躍を見せてるんだけどね。 
  
 すぐ起き上がって、構える二人。カットが切り替わると、俳優に戻っている。後藤さんはともかく、山本さんはスタントと雰囲気が違い過ぎるね。
 ユミはそこからジャンプ、
 見事な蹴りがケイに炸裂。ここは全員スタント。
  この辺とか、やっぱりルリが明らかに山本さんと別人なのがちょっと悲しい。
 この反省を踏まえてか、2話での職員室のバトルシーンはかなり照明が暗くなっていた。
  
 ユミ、背後から接近したルリを転ばしたあと、ケイの攻撃を防いで足払い。綺麗に回転するケイ。
  
 再びユミの背後から攻撃しようとしたルリも、あっさり投げ飛ばされる。パンツがはっきり見えてしまうが、山本さんのじゃないのであまり嬉しくない。 
 ミホの心の声「困ったことになったわ」
 相変わらずやる気の感じられない言い方である。真面目にやれ。
 雄太「すっげえ……」
 雄太は感嘆しているが、2話以降の華麗なアクションと比べると、ここのアクションは正直、もさっとしていて迫力に欠けるので、雄太のリアクションもいまひとつ説得力がない。それでも、下のユミの回し蹴りは確かに「すっげえ」んだけどね。

 その後も、ユミは一方的に蹴って蹴って蹴りまくる。
  
 最後はユミの得意技、空中回し蹴りで二人仲良くバンザイしながらふっ飛ぶ。

 そう、ユミは二人を相手にしても全く問題にならないほど強いのであった。もっとも、二人は得意の武器を持ってない状態だけどね。

 漫画版でも、作者がバトルシーンを書きたくなかったのか、書けなかったのか、全て省略しているが、最初の勝負はユミが圧勝したことになっている。ドラマでも、少なくとも素手においてはユミが格上だと言うことだろう。
 よろよろと起き上がるふたりに、
 ユミ「もういいわ、やめましょ」
 と、余裕の停戦勧告をする。
  
 ルリ「ちっくしょう〜」
 ここで皆さんお待ちかね、ルリの生足サービスカットだが、2話以降のバトルシーンでは黒いタイツのようなものを履いているので、実はかなり貴重だったりする。他では、第6話くらいでしか拝めない。しっかり目に焼き付けておくように。
 ユミも思わず見惚れてしまう(違うわっ)。
  
 いきなり1本抜いて金属製の鉛筆を投げつけるルリ。危ないなぁ。目に刺さったらどうするんだ。
 しかし、ルリの必殺の武器も、
  
 あっさりはたき落とされる。落としたあとの仙道さんの顔が凛々しい。

 ルリは懲りずにもう一回投げるが、
  
 同じように手で払われる。
  
 ルリはさらに残りの二本を同時に投げるものの、これまたあっさりと叩き落される。

 この時点で、ルリの鉛筆命中率、5回投げて5回失敗しているので、ゼロである。

 これで見ると、ルリは素手でも武器でもユミには全く歯が立たないと言うことが分かる。とほほ。

 ユミの反応の速さに驚くミホと雄太の顔を挟んでから、
 ルリ「ちくしょう、おケイ!」
 初回から口の悪さが炸裂しているルリでした。
  
 ケイはルリの声に応じ、スカーフを外し、空中で数回振り回してから、
  
 ユミに向かって投げる。
 この赤いスカーフ版は、OPでは毎回見られるが、本編ではここだけでしか見られない。他は黒である。
 しかし、チェーンは一体どこに仕込まれているのだろう。チェーン付のスカーフ巻いてたら、かなり重たいぞ。

 で、
 普通、鉛筆よりチェーンの方がかわしやすいと思うのだが、
  
 何故かピッタリとユミの首に巻きつく。
    
 さらにそこからのチェーンの引っ張り合いでも、両者は互角である。ケイが意外と強いのだった。
 と、その頃、校舎内を巡回する佐伯の姿が……。考えたら、彼、かなり仕事熱心な教師なのではないかと思われるシーンである。8時を過ぎているというのに。 あるいはそんなによく学校に入り込む不届きものがいるのだろうか。
  
 屋上に通じるドアが開いているのを見て、ニヤリと笑う佐伯。
 ただ、こういうドアって、障害物がない限り、自然に閉まると思うんだけどね。
 現に、
 最初にユミが来たときは、これくらいの開き具合なのだが、
 数分後には、明らかにさっきより角度が大きくなっている。

 この辺で戦闘BGMが終わる。
 ケイ「ルリ、今よ」
 ルリ「サンキュウ」
 今がチャンスとばかり、再び鉛筆を投げるルリ……しかし、太腿にまきつけてあるホルダーには4本しか差してないので、既に使い切っていると思うのだが。地面に落ちたのを拾ったのかな。 
 鉛筆は今度はユミの綺麗なお顔をかすめる。
 これだけで十分だろうに、ルリはひたすら好戦的で、
 ルリ「今度は外さないよ」

 っておい、殺す気か!

 ほんと、どうするつもりだったんだろう。
 そもそもこの時点で、ユミの正体、真意などについては全く不明なわけで、ここまで徹底してやるのはさすがにちょっと変である。
 こんなところで死ぬわけには行かないユミはチェーンを懸命に振りほどこうとするが、外せない。力だけ比べれば、実はケイが一番強いのかも。
 と、ユミのピンチにミホがバラを投げようとする。そう、最初のバラ投げはルリに対して行われるはずだったのだ。

 このタイミングで、もう一つの主題歌、仙道敦子さんの歌う「Don't Stop Lullaby」が流れ始める。名曲です。
  が、ミホがバラを投げるより先に、ここでは時の氏神のように佐伯が屋上に現れる。

 そのため、ミホは投げる機を逸する。……佐伯に投げればよかったんじゃないの?
 (歌詞)特別愛してたわけじゃないの 今日まで

 もっとも、この場合、夜中、学校の屋上で変な武器で戦っている三人の方が悪いに決まっているのだが。
 ゆっくりと三人に近寄る佐伯。ただ、さっきの画面と比べると、ユミの立ち位置が明らかに違うけど。

 ここ、不思議なのは、かなりの至近距離で三人を見ているのに、佐伯がそれが自分のクラス(第2話の途中から担任になる)の生徒だと気付かないことである。2話からはド派手メイクで戦うので気付かないという言い訳が可能だが、ここでは素顔をさらしているのだしね。理由はひとつしか考えられない、つまり佐伯は目が悪かったのである。夜盲症だった可能性もある。

 三人はどうやら戦いに夢中で佐伯に気付かない。雄太は佐伯を見て一旦引っ込んでいたが、「くっそぉー」と言いながら飛び出して、果敢にも佐伯に後ろからつかみかかる。佐伯の眼を覆いながら、「先公だ、逃げろーっ」とユミたちに叫ぶ。このドラマで雄太が一番かっこいいシーンかもしれない。
  
 (歌詞)あなたのGuitarに少し 感じてただけよ

 雄太の声に、振り向く三人。あれ、ケイのチェーン、意外と短くない?
 (歌詞)幾つの哀しみで 人は強くなれるの

 ケイ「佐伯よ」
 ルリ「邪魔が入った、勝負はお預けだよ」
 と言い捨てて、さっさと逃げ出す薄情な二人。ケイはチェーンもスカーフもその場に残してしまう。それを見て、ミホも微笑みながら建物の陰に引っ込んでしまう。これは屋上から出たわけではなく、佐伯たちから隠れるためだろう。

 ついでに雄太を助けてやれと思うのだが。
 (歌詞)そんなにCOOLでいられるの

 雄太「逃げろ、逃げるんだ! 早く逃げろ、逃げろっ」
 必死に叫び続ける雄太。2話以降の雄太のヘタレぶりからは想像もつかない行動であるが、これが愛の力である。
 しかし、雄太が猛獣に抱きついているように見えて、とても怖い絵だ。

 ユミはスカーフとチェーンを外し、
  
 ちょっとだけ胸を強調してから、 「合田くん……!」と、躊躇する。
 (歌詞)淋しさの足音 打ち消す程抱きしめて

 佐伯は「つーかー」などという聞き取れない台詞とともに、雄太を地面に叩きつけて、蹴りを入れ、ユミの方へやってくる。
 ユミは結局逃げ出す。しかし、たぶんユミだったら佐伯にも勝てただろう。もっとも、すぐあとから生徒会指導部の連中もやってきたので、逃げたのは正解だったが。それに、逃げたのは正体をばれることを恐れてのことだしね。

 ちなみにケイのチェーンとスカーフもそのまま残っているし、当然ルリの投げた鉛筆も転がっているはずで、後々有力な証拠になったはずなのに、彼らがそれを手掛かりとして調査したり、保存したりしていた形跡は無い。
  
 (歌詞)一人じめしないから もっとDing Dong Dance Ding Dong Dance 優しくして

 ユミは心を残しつつ、非常階段へ向かう。それと同時に佐伯の後から生徒指導部員たちが大挙して追ってくる。
 先頭で「待てーっ」と叫んでいるのは高沢先輩らしいのだが、声は森一馬さんっぽいが、映像では別人のようでもある。
 ユミは反対側にあった非常階段を雄太のことを気遣いながら降りる。
 しかし、この非常階段、屋上のどこにあるのか不明。そもそも屋上から降りられる非常階段って必要か? 恐らく、これは全然別の建物の階段だろうと思うが。劇中でも、この非常階段が出るのはこのシーンだけである。ルリたちは、こちらから屋上に上がったのだろうか。
 (歌詞)Thrillだね 青い夜の I miss you so

 取り残された雄太は生徒指導部員たちから殴る蹴るの暴行を受けるのだが、よく考えたらなんで袋にされないといけないのだろう。彼らはこの時点では、雄太が佐伯につかみかかったことは知らない筈なのだが。とりあえず弱そうだったのでやっつけたのだろうか。
  
 一方、先に逃げた二人は、早くも正門のところまで来ていた。分かりにくいが、右側の門柱の左下に黒い棒のような影がある。何かなと思っていたら、
ルリが走ってきて、 そいっ!とフェンスをひとっ跳び。

 このアクションの為に置いてある(筈の)トランポリンの支柱でした。
 続いてケイも跳ぶ。無論、どちらもスタントだ。
 今気付いたけど、
 先に跳んだルリ、思いっきり着地で失敗してコケてるなぁ。ちょっとかっこ悪い。
 (歌詞)人恋しさ理屈じゃないわ

 俳優本人に切り替わると、ルリは何事も無かったかのように普通にしゃがんでいるけど。
 フェンスを越えてから、顔を見合わせ、頷いてからトンズラするふたり。
  
 ケイの走り方がちょっと女の子走りっぽくて可愛い。それにしても二人とも歩きで来てたのか?
 三人とも自転車に乗るシーンは全編通してないんだよね。雄太は二、三回あるけど。
 続いてユミも軽々と門を飛び越える。三人を比べると、トランポリンを使ってのことだが、ユミが一番跳躍力があるようだ。
  
 (歌詞)泣かせるね そのフレーズ 眠れそうよ

 綺麗に仙道さんが着地(だけ)し、一瞬内側に対して構えるが、
  
 フレームからはみ出しそうな勢いで、反対側へ体を動かすが、そこでまた動きを止めて、校舎の方を見遣り、
 「合田くん……ごめん」と、心の中で小さくつぶやいて詫びる。
 で、全力で逃走。

 躍動感のあるお尻が可愛い。仙道さんは、意外とお尻が大きいのだった。 
 (歌詞)無口な指先で 唄って 子守唄(ララバイ)

 建物の陰に隠れていたミホも、屋上から心配そうに見詰める。しかしこの場合、リンチを受けている雄太のことを心配すべきだろう。
 ミホの憂い顔で「つづく」。それにあわせて「Don't Stop Lullaby」も綺麗に終わる。

 と言う訳で、第1話が終了。ただし、初回エピソードは第2話との前後篇と見るべきだろう。多少異なるが、第22話と最終回の第23話も、まとめてひとつのエピソードになっている。

アバンタイトル オープニング Aパート Bパート 戦闘シーン 予告編+まとめ
 
 予告編

 DVDの6巻には、番組開始前の色んなバージョンのテレビスポットが網羅されているが、使用されているのはごく限られたカットなので、あまり比較するところがない。

 下の画像は全て左がPRスポット、右が本編だ。
  
 まず、OPのタイトル画面。最初は文字が白抜きだった。テイクそのものはは同じだと思うが。
 スポットでは、「闇の中で〜」と言う三人による決め台詞や、ナレーションによる予告(トップページ参照)がかぶさる。ケイの言い方が、ほんとにヘタクソなので、聞いててニンマリしてしまう。
  
 バラ投げの映像も、かなり違う感じのものが使われている。この二枚、一見、反対向きに飛んでいるようだが、実はどちらも進行方向は右なのだ。つまり、最初は根本の方を前にして飛ばしていたのが、結局NGで、本編のように花弁を前にして飛ぶように変更された模様。葉っぱの色も枯れてるようで、これは確かにまずいだろう。
  
 オープニングで、中山美穂が子猫二匹と戯れるところも、PRスポットでは、実際のOPでは使われていないカットが一瞬だけ見られる。
  
 これはスポットの最後に出る画像。色調は異なるが、そのまま実際のOPの最後に使われているものだ。……と思ったが、ビミョーに異なるテイクのようだ。


 まとめ

 「セーラー服反逆同盟」の、と言うか、黒鳥学園の世界観を短い尺でうまくまとめていると思う。悪の巣窟「黒鳥学園」と言う雰囲気も、少なくとも初回についてはばっちり表現されていると思う。

 初回なので、金をかけたインパクト映像(ヘリや多くのエキストラ)を作っているのは大正解。また、ミホの立場も、ルリやケイの思惑も、大事なことはほとんど伏せたままで、次回に続くと言うヒキのシナリオとしても、見事だ。

 ただ、屋上でのバトルシーンが、初回とはいえちょっともっさりした感じになっているのが惜しまれる。ま、女性同士だし、下はコンクリだし、初めてだからね。
 それさえクリアしていれば、評価も満点だった。