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第13話 水着がいっぱい!学園騒動 前へ 次へ 目次へ
放送日時 1987年1月12日
裏番組 ●月曜ドラマランド「パンツの穴」(後藤久美子主演、カケフ君こと相良健治も出演)
監督 大川俊道
脚本 藤田保行
準レギュ 校長/藤岡重慶、教頭/中島はるみ、佐伯/安岡力也
ゲスト 速水典子/美咲涼子、三谷昇/悪田脳水、浅利俊博、出村達彦、田部井淳/化学クラブ部員
予告 黒鳥学園に美咲涼子と言う水泳コーチがやってきた。涼子の不審な行動を気にかけたミホとユミは一年前、涼子の妹が謎の博士(はくし)・悪田脳水の実験の犠牲になったことをつきとめた。脳水に捕まった涼子を助けようとするユミたちは……次回、「セーラー服反逆同盟」、「水着がいっぱい!学園騒動」、お楽しみに!
備考 タイトルの!は正確には45度に傾いて表記されたもの。
評価    シナリオ ★★★ 導入部は期待させるが、悪人たちのやってることがあまりに非現実で乗れない。
演出 ★★★ 悪田脳水の描き方はほとんどショッカーの怪人である。
映像 ★★★★  実験室の描写はトホホだが、何と言ってもユミたちの水着姿が眩しい。
キャスト ★★★★ 三谷昇、速水典子に加え、1〜2話に登場した生徒指導部員が化学クラブ員として復活。
アクション ★★ 全体的に淡白。杖から白いガスを出す三谷昇はまさに怪人。
総合 ★★★ ストーリー、アクションは平凡だが、反逆同盟メンバーの会話が多いのが良い。
アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 新年早々、水泳の授業がある黒鳥学園はかなりユニークなカリキュラムを組んでいるようだ。

 元々、10月スタートで1クールの予定だったドラマなので、こういうシチュエーションは全く想定されていなかっただろう。2クールになっても時季的に難しいのだが、一部視聴者のため、根性で仙道さんたちキャピキャピの女子高生の水着姿を実現させたスタッフに感謝、である。
 (追記・放送開始前のテレビジョンを見ると、予定回数は13回以上とある。ひょっとして2クール放送と言うのは最初から予定されていたのかもしれない。視聴率が良かったから延長されたと言う定説は検証する必要があるのではないか)

 しかし「学園騒動」と言うサブタイトルは内容と合ってない気がする。まあ確かに冒頭、2-Aの生徒たちが騒いでいるけどね。

 前置きはこれくらいにして、参る。
  
 不気味な音楽とともに、夜の黒鳥学園の外観が丁寧に映し出される。
 風も強くて、なかなか雰囲気があるのだ。

 続いて建物内部、いかにも特撮ヒーロー番組の秘密の地下基地のような雰囲気だ。
 わざわざプレートのかかっている秘密の研究室。
  
 モルモットの鳴き声、さらに気味の悪い笑い声が響く。
 松葉杖をついた悪田脳水(三谷昇)が、「ダブルペッキュルオー」などとわけのわからない呪文のような言葉をつぶやき、
 最後に日本語で「今度こそ、完成だ!」

 ちなみにこの松葉杖は、「獄門島」の復員兵から来てるのかなぁ。
 で、一転して屋内プールでの授業風景にスイッチ。
 佐伯が(これを書いている数日前に亡くなったのだが)「飛び込まんか、おらぁーっ」と生徒たちを次々とプールに叩き込んでいる。

 今回、最初にして最後に「水着がいっぱい」見られるのだが、揃いのスクール水着を用意する時間・予算がなかったのか全員てんでばらばらの水着だし、施設内の貼り紙などから明らかに学園外の有料プールだということが分かってしまう。
 最初に華麗な泳ぎを見せるのがユミ。はっきりとは言えないが、これは仙道さんではなく、スタントの人が泳いでいるような気がする。
 それに続けて、カットが変わり、
 今度は少しアップになり、仙道さん本人と分かるのだが、ここはどうも、実際には泳がずに瞬間的に水の中で手をばたばたさせているだけのようにも見える。ま、あくまでも管理人の憶測だけど。上と下では、顔を上げた時の息継ぎの勢いが全然違うんだよね。

 仙道さんが泳げたのかどうかは不明だが、運動抜群のユミとしてはやはり、上の画像のようにスイスイと泳いで見せないと様にならないと言うことで、あえて泳ぎの得意なスタントが演じたと言うことはありうる。

 その次に、ルリの泳ぎが映されるのだが、
 彼女の場合、明らかに山本理沙とは別人だ。水着は違うけど、最初のユミと同じ人かもしれない。
 とにかく、ユミの静かで流れるような泳ぎ方とは対照的に、泳ぎ方が荒々しい。
  
 今度もその直後に山本理沙本人による、水掻きがアップで映されるのだが、彼女の場合、明らかに泳いでいない。泳ぎは苦手だったのだろう。
 ただ、この白い生腕の映像は貴重である。
 最後はケイだが、彼女の場合、かなり紛らわしくて判断しかねるのだ。後藤さんのようなのだが……。

 上の二人に比べて、彼女のロングでの泳ぎは明らかに遅い。とすれば、逆に彼女だけは本人が泳いでいると言えるのではないか。
 ……まあ、どっちでもいいんだけど。
  
 懸命に息継ぎする後藤さん。彼女の場合もアップの時は、その場で水掻きして歩く程度で、実際には泳いでないと思うんだけどね。これは泳ぎの巧拙ではなく、撮影上の都合でそうしないとダメだったのかもしれない。
 ちなみにその後に続く女生徒、一切息継ぎをしない拙い泳ぎ方だが、結構美人なのだ。しかし誰なのかよく分からない。
 髪が濡れて化粧が落ちると別人になってしまう。アキコ(岡谷章子)かなぁ? 水着がはっきり映れば、手掛かりになるのだが。
 ちなみに彼女の後ろに来る相撲取りみたいなのは完全にアキなので、悩む必要がない。
 向かって右側が男子レーンだが、一番外側を泳ぐおデブさん(日下明夫)は、泳ぐと言うより完全に歩いている。
 カナヅチだったんだろうなぁ。管理人も泳ぎが苦手なので、気持ちが痛いほど分かる。
 佐伯「ほらほらぁーっ! どんどん泳げぇーっ、もたもたするなぁっ!」

 どんな指導やねん。
  
 最後尾の雄太はいかにもゆったりゆったりと泳いでいる。
 佐伯「合田ぁーっ、チンタラチンタラ泳いでんじゃねえ。ここは温泉じゃねえぞコラーッ」
 佐伯の怒声に対しても「すいませえーん」と、いつになく余裕の態度で無視。

 佐伯の背後の壁にはプール本来の注意書きと思われる「とびこむな」「もぐるな」と言うプレートの下に、一応黒鳥のマークが貼ってある。
 なお左の画像の、左端後ろのふたりの女の子、右側がアキコじゃないかと思うのだが、小さ過ぎてよく分からない。
  
 佐伯「雄太ぁ、こっちへ来んかぁ! 来いっ!」
  と、吠える佐伯だが、今までは「合田」って呼んでたのが「雄太」に変わってるね。
 その雄太は従わずにそのまま向こうまで泳いでしまう。
  
 端まで泳いだ(ふうの)三人。ケイは髪がほとんど濡れていないようだ。
 ルリ「雄太の奴、態度でかいの!」
  ユミ「バカねえ、またひどい目に遭ったらどうすんのよねえ」
 軽くスッピンをさらす三人だが、若いのでそれほど違いはないようだ。
      
 ケイ「心配ないって、佐伯の奴、カナヅチなんだよ、だから、水泳の授業の時にはこわかないの!」
  とのことだが、確かに授業中は安全だとしても、陸に上がったら、即座にぶっ殺されるのでは?
  また、転校生のユミが佐伯が泳げないことを知らないのは当然だが、ルリも知らない感じになってるのは変である。
 なお、この左の上がろうとしているのがアキコじゃないかと思う。やっぱり、三人の後ろを泳いでいたのは彼女かな。

 ケイの台詞の後、ユミが「へー」と言うように口を動かしているが、声は聞こえない。

 しかし、体育教師がカナヅチって、ありうるのか?
  佐伯「殺してやる……絶対殺してやる……ううっ……それどころじゃねえ……ピーッ(ホイッスル)」

 「殺してやる」って授業中に教師が口にする言葉じゃないと思うんですが……。
 佐伯の「よおーし、あがれえーっ」の声で、向かって左のプールサイドに上がっていく生徒たち。
 続く「せいれぇーつ!」の声で、色とりどりの水着が一列に並ぶ。
 この時、画面左側の女生徒数人が、手を左右に広げて、隣の生徒との距離をとって素早くポジショニングしているのが目を惹く。
 多分、実際の授業などでそういう風に指導されているから、自然にやってるんだろう。

 佐伯「これから、模範の泳ぎを見せてやる……てめえら目ん玉でかく開けてよおく見とけ!」
 と、突然言い出す佐伯だが、そういうのは普通生徒たちが泳ぐ前に言わないか?
 雄太「何言ってんだよ、カナヅチが」
 ひとりで毒づく雄太。
  
 だが、佐伯は自分ではなくコーチを呼ぶのだった。
 佐伯「美咲コーチ、どーぞ」

 現れたのはハイレグ水着もまぶしいスレンダーな美女。演じるのは速水典子さんです。当時27歳。

 ちなみに速水さん、同じ日の夜10時放送の「スター爆笑Q&A」(日テレ)にもゲスト出演しているが、これは間近の1月17日に公開予定の映画「夜汽車」の宣伝のため、十朱幸代など他の出演者と一緒に出たもの。
 反応の鈍い女子たち。 
 雄太「わあっ、すっげえ美人!」
 必要以上に騒ぐ男子たち。

 なんか、雄太の股間が盛り上がってる気がするが。
 何故か赤フンの山口が自分の股間をちょっと確認する仕草をする。
 なお静止画では絶対分からないが、このシーンの左上、2階の通路になっているところを撮影スタッフか、施設スタッフか、移動するのが見える。
 黙って一礼する美咲、そこから画面がひくと、見覚えのある後頭部がプールを見下ろしていた。
 ちなみに、小さいが、赤フン山口の尻が見える。見たくねえ。
 授業中に何してるんでしょう、この人は。

 ほんと、これ、他の学校だったらサボタージュでとっくに退学だぞ。

 ちなみに多忙な中山美穂のことだから、上の画像の後頭部がほんとうに中山美穂のものかどうかは断言できない。
 ミホは美咲の顔を見て、何か思い出すような表情になる。
  
 んで、早速飛び込んで泳ぎを見せる美咲。
 ただ、これが実に微妙な速さで、凄いのか凄くないのかいまひとつはっきりしないのが難であった。ただし、彼女の場合は確実に女優本人が泳いでいるので、速水典子が水泳が得意なのは確かだろう。

 この前に、「反逆同盟」の三人、特にユミとルリがかなり速い泳ぎを見せている(スタントだが)のも、美咲が素晴らしいスイマーだと言う表現を邪魔している。三人の場合、並外れた身体能力を持っているという設定なので、そういう演出が必要だったんだろうけどね。
  
 なんとなく醒めた顔つきでそれを見ている女子たち。
 ユミの後ろの山口は、口を開けて見惚れているが。
  
 根が素直な雄太やチエミも感心しているが、左の三人はむしろ敵意を抱くような表情である。左端は椎名梢だろうか?
 ちなみにマリ(瓜生麻里)が割と巨乳だったことが判明。女子高生らしからぬ色っぽさだ。妙に機嫌が悪そうだが。
  
 佐伯「コーチ、どうぞ」
 ターンしてきた美咲を助けて引き揚げる佐伯。
 佐伯「ほらーっ、てめえら拍手せんか、拍手をーっ」
 相変わらず美人に弱い佐伯であった。
  
 生徒たち、最初はキョトンとしていたが、やがて手を叩きだす。叩いているうちにユミやケイは笑顔になるが、後方のマリなどは依然、反抗的な態度である。男子たちは「ひゅーひゅー」とはやしたてる。

 佐伯「こちらにおられるのは、特別コーチの美咲涼子さんだ。恐れ多くも、彼女はモスクワオリンピック日本代表に選ばれたお方だ。てめえらみてえな、ラリパッパーのパープリンが教えてもらうなんざ、まったくもってもったいねえ話なんだ」

 時代を感じさせる台詞(モスクワ五輪は1980年)だが、日本代表にしてはさすがにちょっと遅いのでは?
 美咲「皆さん……よろしくお願いします」
 改めて挨拶をする美咲。
 雄太「かっこいい〜」
 一目で彼女の虜になってしまった雄太。
 さらに「ふわーっ、鼻血が」と言って、顔を押さえながら後ろに倒れてしまう。
 美人を見て興奮して鼻血を出して倒れると言うのは、遥か太古に死に絶えた表現だよね。

 この時、後ろの生徒が雄太を優しく抱きかかえるのがちょっといやらしい。

 また、この時の背景に映っている貼り紙から、ここがどこかの学校の施設ではなく、商業用プールだということがはっきり分かる。
  
 佐伯「ほらぁっ、しっかりと挨拶せんかぁ、挨拶を」
 と、木刀を振り回していると、

 佐伯「おわわっおいっ」
 バランスを崩してプールに落ちてしまう。
  
 水の中でもがく佐伯を見て大笑いする生徒たち。ある意味ひどい光景だ。

 ケイがふり振り向いたルリと顔を見合わせた瞬間、顔をくしゃくしゃにして笑う姿がとても可愛い。
 お前は笑ってないで助けんか
 爆笑していたユミだが、徐々にシリアスな表情になる。
 お、まだいたのかミホ

 その険しい表情でOPへ。
 なお、クレジットのこの三人は、第1話と第2話で高沢先輩の手下として出演しているのと一緒の方たちです。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 嬉しいことに、OP後も、引き続きユミたちの水着姿が見られます。
  
 授業が終わり、妙に規模の小さい脱衣所にやってくるユミたち。それぞれのロッカーを開けるが……、
  
 アキ「ばっかみたい
 ヒロコ「佐伯がねえーっ」
 アキの腹が相当やばいことになってるぞ。

 がやがや喋りながらロッカーを開けるが、即座に異変に気付く。
 アキ「服ねえじゃん」
 マユミ「やだ、どうなってのー?」
 そう、いつの間にか彼女達の制服がすべてなくなっていたのだ。
  
 山口「あれー、おい、服がねえよ、服がよー」
 それは男子用のロッカーでも同様で、全員の制服がなくなっていた。

 アツシ「ふざけやがって、誰の仕業だよ!」
 アツシ(右端)は筋肉ムキムキだと言うことが分かる。
  
 しょうがないので、そのままの格好で自分達の教室へ戻る生徒たち。かなりうるさい。

 でも、わざわざユミたち三人を最後尾に立たせて、躍動するお尻や、肩甲骨などをきっちり視聴者に見せてくれるあたり、監督は分かってるなぁという感じである。ここは素直に監督の好意に甘えようじゃないか。 
  
 先頭を走っている山口やワタル、二人とも胸を抱くように隠しているのは恥ずかしいと言うより寒いからだろう。撮影は11月くらいか?

 と、何かを見て急に立ち止まる男子生徒たち。その視線の先には、
 汚れた白衣を着てやたら体格の良い三人組が黙ってこちらを見ていた。
 これが、クレジットされている三人ね。右から、浅利、出村、田部井さん。
 2-Aのワルたちも怯える彼らはいったい何者なのだろう。
 アツシはなんで舌を痙攣気味に出しているのだろう。
 ワタルはなんでおかまっぽいポーズを取っているのだろう。
 緊張の数瞬が流れるが、三人はやがて化学室と書かれた教室に戻って行く。多分、うるさかったんでしょうね。

 マユミ(鼻をつまんで)「くっさーい」
 山口「全く薄気味悪い連中だぜ!」
 男子生徒「行こうぜ、病気が移っちまうぞぉ」

 口々に言い立てながら、再び歩き出す生徒たち。しかしワタルの水着は単なるパンツにしか見えん。
 この画面のアキ子の水着を見ると、やはり、最初にケイのあとに泳いでいたのは彼女だったんだろうと思う。
  
 三人が一番後ろだったのは、別にお尻を見せるためではなく、このシーンの後に会話をさせて、先ほどの怪しい連中について情報を視聴者に与えるためだったのだ。
 ユミ「なんなの今の三人?」
  ルリ「化学クラブの連中よ。どういうわけか授業も受けない特別待遇」

 授業受けないのなら、生徒じゃないのでは?

 ケイ「一体なにやってんのかしらねえ……」
 薄気味悪そうに腕をさするケイ。実際、寒かったのもあると思うが。
  
 その頃雄太は、ほんとに鼻血を出して保健室(ではないようだ……後述)で美咲コーチに介抱されていた。
 どんだけ虚弱やねん。

 美咲「冷やしてじっとしてれば大丈夫よ」
 と、水着のままタオルを濡らして絞り、雄太の顔を覆う。

 しかし、彼女って特別コーチであって、別に校医として赴任してるわけじゃないんじゃないの、とも思うが。

 雄太「す、すいません」
 美咲「ごめんね、ちょっと着替えるから」
 断りを言って、衝立の向こうへ行って、いきなり水着の肩紐を外すのだが、ここはちょっとドキッとするシーンだ。

 もっとも、速水典子さん、デビュー直後にヌード写真集を出しているらしく、この程度はへっちゃらだったのではないかな。

 無論、雄太が大人しく寝てるわけもなく、
 雄太「これじゃ大丈夫なわけないじゃん」
 と、しっかり目に焼き付けているのだった。
 一方、他の生徒たちが教室に帰ってくると、何故か、制服が全て机の上にちゃんと畳んで置かれていた。
 アツシ「あれ、なんだよ、俺たちの服あるじゃんかよ」
 山口「どうなってんだよ、これよー」
 アツシ「ふざけた真似しやがってーっ」
 ユミとルリも、不審そうに目を合わせる。

 先に書いておくと、これはとあるひとりの人物の仕業なのだが、たったの45分(実際はもっと短い筈)で、生徒全員の制服を盗み、一着一着についてある検査をし、さらに綺麗に畳んで戻しておくなんてことは、物理的にまず不可能だ。

 なお、季節外れの水泳の授業は、ストーリー上、生徒たちが制服を脱ぐというシーンが必要だったからかもしれない。

 校長「一時制服が消えたか、……うーん、なんとも気味の悪い事件だな」
 知らせを受けて驚く校長。これによって、彼らの仕業でもないことが分かり、謎がさらに深まる。
 佐伯「女生徒だけの服を盗むなら、どっかの変態の仕業ですが、野郎の服まで盗むとなると……」

 真下「筋金入りの変態ですねぇっ」

 この台詞は、見てて思わずふきだしてしまったほど、最高に笑える。
 言っている真下をはじめ、その場の全員がクソ真面目な表情を崩さないので、ますます爆笑のシーンになっている。
  
 さてその夜、黒鳥学園の校門をまたぎ越す怪しい影。まあ、体型から言って、美咲コーチ以外に無いんだけどね。
 ここは多少もたついているが、女優本人が演じている。
 で、こんな施設があったのかと驚くようなビニールハウスみたいなところを探索する美咲。無論、上とは全然違う場所でロケしてるんだろうけど。
  
 具体的に何を栽培しているのか不分明だが、アロエだけははっきり見える。

 しかし、ここは化学クラブとは無関係の単なる植物園みたいなところらしい。
  
 美咲はさらに校内を懐中電灯片手に探索するが、相変わらずセキュリティが甘い学校だ。鍵すらかけてないんじゃないか。
 と、背後の廊下の曲がり角から怪しい……って、彼女も怪しいけど、人影が現れる。
  
 振り向くと、幽霊より怖いミホが笑いながら登場。ほんとにあんた、いつも何やってんの?

  実はミホ、学校に棲み付いてる幽霊だったと言うオチだったら面白いかも。
 ミホ「水泳のコーチが、夜中に何かしらぁ」
 ミホ「あなた、奥村香織の姉さんね……やっぱり、香織の部屋で写真を見せてもらったことがあるの。両親が離婚して別々に暮らしてるけど、あたしには姉さんがいるんだって、彼女いっつも自慢してたわ」

 なるほど、だから水泳の授業の時にああいう表情で美咲のことを見詰めていたのか。それにしても偶然が過ぎる。
 美咲「そう、あなた理事長のお嬢さんね」
 ミホ「何を探ってるの?  香織が死んだ事件と関係あるのね」
 美咲「関係ないわ、あなたには」
 いきなり核心に切り込むミホだったが、美咲はあっさりかわしてその場を離れる。
 美咲が、理事長の娘に見られたのに特に警戒しないのは、妹からミホのことについてある程度聞かされていたからだろうか。

 翌日、ミホは早速そのことをユミに知らせる。 
 ユミ「美咲コーチが?」
  ミホ「そう、1年前に死んだ奥村香織の姉さんなの……香織は学校の近くで無免許運転の車にはねられたの……犯人はすぐ捕まったんだけど、三人の生徒が、瀕死の香織を運び出したまま行方をくらまして……、翌日、何者かによって病院に運ばれた時は、もう死んでたわ」
 ユミ「誰なのその三人?」
  ミホ「わからない……でも、美咲コーチは何かつかんでるはずだわ」
 事件の背景を台詞だけで説明していくミホ。

 ミホ「昨日みんなの制服盗んだの彼女よ」
  
 ユミ「コーチが?」
  ミホ「きっと制服に何か手掛かりが残されてるんだわ」
 しかし、手掛かりと言っても、1年前の事故の手掛かりはさすがに制服には残ってないだろう……。洗濯したらなくなっちゃうよ。

 ミホは、美咲が制服を盗むか、あるいは戻すのを目撃していたのだろう。
 その頃、「ほにゃらら来たら〜」などと鼻歌まじりで保健室(?)の床をモップがけしている雄太。平和でいいなお前は。
 ジャージ姿の美咲コーチが入ってくる。
 雄太「あっ、お疲れ様でした」
 美咲「お疲れ様」

 この時、美咲の背中にはっきりと「BERGE」のロゴが見えるが、これは全編通して衣装協力として出ているブランドである。
 雄太「殺風景な部屋ですね。花でも持ってきますよ」
 美咲「ありがとう」
 雄太「でも先生と一緒だと、花がかすんじゃうかもしんないな」
 美咲「あらー、どこで覚えたのそんな台詞ぅ?」

 いつの間にか、こんな馴れ馴れしい会話を交わせる仲にまでなっていた雄太。
 雄太って、ユミに惚れてたんじゃないの? まあ、いいけど。
 雄太「それじゃ失礼します」
 美咲「あ、合田くん」
 雄太「はいっ」
 部屋を出かけて呼び止められ、喜色満面で振り返る雄太。
 ……あれ、向かい側の部屋に「保健室」ってあるな。じゃここは何の部屋なんだ。コーチの詰め所か? ベッドがあるのはおかしいけど。

 美咲「わたし花なら、ジキタリスの花が好きなの」
 雄太「ジキタリス?」
 美咲「この学園のどこかで珍しいネオ・ジキタリスって花を栽培してるって聞いたんだけど」
 雄太「あっそれならお安い御用っすよ、俺に任せといてください!」
 安請け合いして、意気揚々と出て行く雄太。

 ドラマでは「ジタリス」と発音しているが、正確には「ジタリス」だろう。
 しかし、架空の植物を作るのに、頭にネオをつけただけというのは、あまりに安直と言うか、雑と言うか、幼稚と言うか。
 もっとも、ジギタリスには強心作用があるので、ストーリー的にはそれなりにマッチしているんだけどね(後述)。

 で、雄太は早速教室に戻って、ルリにそのことを尋ねるのだが、 
 ルリ「キリギリス? ぅ、そんな花知らないよっ」
 と、いささか無理があるけど、可愛いから許されるボケをかます。
 雄太「キリギリスじゃないよ」

 ちなみに背後で、アツシたちが思いっきりシンナーを吸っている。
 雄太「ジキタリスだよ、ネオ・ジキタリス!」
 笑いを含んだ声で訂正する雄太。いつにもましてアホに見える。
  
 台詞の途中で、後ろからケイがわざとらしく割り込んでくる。この辺はいかにもドラマだ。
 ケイ「ジキタリス、ジキタリスとー、どっかで聞いたことがあるわねえーっ」
 さすが情報通のケイである。
 雄太「ほんと? 頼む、教えてくれよ、出前のピザ、食わしてやるからさ!」

 ちなみに、1985年にドミノ・ピザが渋谷区恵比寿で1号店を開店している。また、1986年10月、つまり今回の撮影の前後(推定)に、シカゴピザファクトリーが同じく渋谷に1号店を出している。
 恐らく、雄太はピザをしばしば昼飯がわりにしていたのだろう。当時はまだ宅配ピザと言う言葉は一般的ではなかったのだろうか?

 そう言えば、このドラマでは学校の昼食の描写がほとんどないのだ。基本的には弁当持参か、売店でパンでも買ってるのだろうが、第18話で雄太たちが弁当を食べているところくらいしか見られない。

 雄太のなりふりかまわぬ嘆願に、
  
 ルリ「ばーか」
 チラッとお腹を見せつつ、雄太の肩を叩くルリ。
  
 雄太は振り向いて不満そうな表情を浮かべるが、その時、ケイがいかにも今思い出したという初々しい演技で、

 ケイ「そうだぁ! 例の化学クラブの連中が、栽培してた花だわ!」
  
  しかし雄太は「化学クラブかぁ」と露骨に顔をしかめる。
 ルリ「雄太ぁ、そのキリギリスがどうかしたの?」
  ルリはもっともな質問を投げる。続けてケイも、
  
 ケイ「やけに熱心ねえ」
 ルリの横に移動し、
 ケイ「ははぁーん、あの美人コーチに、何か頼まれたかなぁ?」
 と、一番年下なのにお姉さんぶって雄太の顔を覗き込む仕草がめっちゃ可愛いのだ。

 雄太は「そんなんじゃねえよ! じゃあなっ」とあっさりかわしてその場を離れる。
 それはそうと、出前のピザの件はどうなったんだろう。
  
 その後、顔を見合わせて笑ってから、雄太の立ち去った方をニヤニヤしながら見送る二人。

 このシーン、ケイの後藤恭子さんは芯から楽しんでやってる感じなのだが、ルリの山本理沙さんのほうが、既にこの頃、女優と言う仕事にそれほど情熱が持てなくなっていたのか、気のせいか義務的な感じがするんだけどね。若いけど結構キャリアを積んでいる山本さんに比べ、後藤さんはデビューから間もなく、女優としてはこれが初体験だろうから、仕事と言うよりは遊びの延長みたいな感じだったろうし……と言うのは勝手な憶測に過ぎないが。

 追記……雑誌「DUNK」87年1月号によればこの時山本さんは風邪気味だったそうで、体調が悪かったせいかもしれない。
  
 で、次の場面では早くも雄太が化学クラブの教室の近くで様子を窺っている。
 言うだけのことが多い雄太にしては、なかなかの実行力を発揮しているが、恋の力は偉大だと言うことだろう。

 折り良く化学室から三人の部員が出てきて、どこかへ行ってしまう。
 化学室と言っても、彼ら専用の実験室のようなもので、授業が行われるわけではない。別に一般の化学室があるんだろう。
 さて、どう見ても職員室の一角を改造しただけの説得力のない化学室に忍び込んだ雄太、「うわっくっさあ」といきなり叫ぶ。
 今回、やたらと臭いと発言する者が多いのだが、何に由来するにおいなのだろうか。死臭だったらかなり嫌である。

 化学室には、ビーカーとか試験管とかフラスコとか、ワシの剥製とか、はては地球儀だとかが無秩序に置いてある。

 剥製はともかく、地球儀はさすがにないだろう。

 で、雄太の調べた方がまた雑なのだ。
 「ネオ・ジキタリス、ネオ・ジキタリスと……」
 呪文のように唱えつつ、目に付いた本を開いてざっと調べるだけである。これじゃ情報があったとしても見付かりそうにない。
 ところがあっさり見付かる奇蹟が発生
  
 雄太「ネオ・ジキタリス、生命体への強力な強心作用を持つ……」

 しかも、それが載っているのが本屋で980円で売ってそうなハンディ植物図鑑としか見えない薄っぺらな本であった。
 この辺の小道具の適当さ加減は、ちょっと幻滅である。

 上の写真が実際にはなんなのか、要調査。少なくともジキタリスではない。
 一瞬だけ映る、写真の左右の文章だが、「毒ガスを発生」「死に」「−ニア文明書記(初期?)」「ホルメン(ホルモン?)」などの文章が断片的に見える。断定は出来ないが、一応画面に映るかもしれないと言うのでそれらしい文章を用意しておいたのだろう。ただ、はっきりと見えるようには撮らないせいか、その内容は雑である。
 けぶったような空気の校庭を歩く雄太の姿に、本の続きを被せる。

 雄太の声「……戦時中、ナチスドイツが生命体蘇生実験に使用した記録がある……」

 すげえ胡散臭い内容だ。

 今回はまあSF的な話なので、いいんだけどね、別に。
 ただ、まだしもナチスじゃなくて、日本の旧陸軍あたりにしとけばもうちょっと雰囲気が出たと思う。

 で、雄太はその足で美咲コーチに報告に行く。

 なお雄太が、こうやって歩いているとすれば、化学室は別棟の建物にあったのかもしれない。プール施設も普段の校舎とは別のところにあり、だからその帰途、化学室の前を通ったのではないだろうか。
  
 美咲「化学クラブがネオ・ジキタリスを栽培……?」
  雄太「連中は何かの得体の知れない実験をやってるらしいんです。それに使うんじゃないかなぁ」
 物凄く漠然とした推論を話す雄太。

 雄太「ねえ、どうしてもネオ・ジキタリスじゃなきゃいけませんか、もっと綺麗な花はたくさんあるのに」
 あくまで平和な雄太であったが、美咲は完全に無視。

 で、今度はさっきの化学クラブの三人が向かった先、つまり校長室に移る。この辺の辻褄はちゃんとあっているのだ。
 校長「また予算をくれと言うのかぁ……」
 ご機嫌斜めの校長。
 浅利「博士の要望です」
 と、ここでマスクを外した三人の素顔が明かされるのだが、特に浅利さん(真ん中)の牛乳瓶の底メガネはちょっとまずいだろう。
 わざとらしい汚れの付着した白衣も嘘っぽい。
 校長「うーん、しかしなぁ」
 浅利「博士の実験が成功すれば、理事長だってお喜びになる筈です。黒鳥学園の名が、世界中に響き渡ることになるんですからね」
 真下「事件を起こして日本中に響き渡らなければいいんですけど……1年前のようにね」

 ここで、(前回と同じゼブラ模様の服の)真下が皮肉っぽく指摘する。
 この辺で、ミホの言っていた奥村香織の拉致事件が彼らの仕業だと言うことはほぼ明白になったし、学園サイドもある程度それを承知していることが分かる。ちょっと話のネタバレが早い気がする。

 それにしても山縣理事長も酔狂なお人だ。
  
 ミホ「1年前って、なんなの?」
 と、いきなり横から口を出して登場のミホ。相変わらず神出鬼没である。
 校長「お嬢様!」
  ミホ「一体何の実験をやってるのかしら」
 校長「いやぁ、我々は何も知らんのですよ、はい!」
 ミホ「あなたがたに聞いているんです!」
 ミホは舌鋒鋭く化学クラブの三人に問い掛ける。
  
 浅利「我々は理事長の許可を受けて研究を行ってるんですよ、お嬢さん」

 このカットだが、背中だけ映っているミホ(左)、巻き毛が、なんとなく中山美穂とは別人のようにも見えるのだ。このシーンでは、中山美穂の顔が他の俳優と同じ画面に映るカットはないので、ここでも別撮りしているのかもしれない。

 さっきの中山美穂の後ろ姿(右)と並べて見ると、やっぱり髪質が全然違うようだ。気のせいかもしれないけど。
 父親のことを持ち出されて黙り込むミホ。

 しかし、そもそも彼らはどういう身分でこの学校にいるんだろう。授業を受けない特別待遇ってあるが、そんな待遇だったら生徒とは呼べないだろう。
 年齢的にも、嘱託の研究者と言う方が合っていると思う。

  
 久しぶりに(1話以来か?)登場した砂利の敷かれた歩廊を行く美咲に、柱の陰で待ち構えていたユミが進み出て話しかける。
 ユミ「2-Aの高坂ユミです。コーチ、お話が……」
 しかし、「ごめんなさい急いでる(ん?)の」とつれない返事。
 ユミ「1年前の事件、調べさせて貰いました」
 ユミの言葉に立ち止まる美咲。しかしなんちゅう服で学校に来とるんだ。
 ユミ「妹さんの死体にはネオ・ジキタリスの花粉がついていた。妹さんを連れ去った三人組の制服からはその花粉の成分が検出される筈……だからみんなの制服を盗んだんですね……コーチ、もうこれ以上危険な真似はや……」
 美咲(食い気味に)「失礼!」
 美咲は全く耳を貸そうとせずにその場を離れる。
  忠告を聞いてもらえず、残念そうなユミ。

 しかし、ネオ・ジキタリスを蘇生に使うとしても、別に花をそのまま使うわけじゃなくて、抽出した成分を使うと思うので、花粉はつかないと思うんだけどね。それに、犯人がこの学園にいたとしても、制服に花粉をつけているとは限るまい。実際、化学クラブの連中はいつも白衣を着ているから、制服を調べても無意味だろう。それに、さっきも書いたが、あの短時間であれだけの数の制服を調べるのは物理的に不可能である。
 さて、その夜、美咲は再び黒タイツ姿で黒鳥の敷地内に侵入していた。
 雄太から得た情報を元に、化学クラブの三人を尾行する。
 冒頭に登場した怪しい地下施設の中を進む美咲。

 だが、
 化学クラブの三人が後方の角から、その様子を窺っていた。そう、とっくにバレていたのだ。

 うーん、しかし、彼らが美咲コーチの動きを怪しいと睨むシーンがないので、こうやって待ち受けているのはちょっと不自然と言うか、唐突な感じも受ける。この時点では、雄太が化学室を調べていたことにも気付いてない筈だしね。
 さて、美咲は化学室と同様、いかにも嘘っぽいアイテムの無秩序に並ぶ最奥の実験室に侵入する。

 手前の電光が走っている球体は、そういう玩具があったような……。
 と、扉が開いて、やっと三谷昇登場。
 昔の不良って、なんかこういうマスクしてる奴いたよなぁという感じの悪田脳水。つくづく、なんちゅう名前じゃ。
 驚く美咲のアップでCMへ。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 嬉しいことに、もう一度、水泳の授業のシーンがある。
  
 佐伯「残念ながら、美咲コーチは本日はお見えになっとらん……てめえらが、あまりにもパープリンだから教えるのが嫌になったんかもしれんぞぉ……ああっ」
 それを聞いて険しい表情になるユミ。

 言うまでもないが、ここは最初のシーンと同時に撮ってるのだが、髪の濡れていない、こちらを先に撮ってる筈だ。
 ユミがすぐ後ろを見ると、雄太も心配そうな表情を浮かべていた。
 佐伯「従って、本日の水泳訓練は、プールサイド100周だぁ!」

 と、むちゃくちゃを言い出す佐伯。しかし、最初のシーンでは、美咲がいないのにガンガン泳がせていたのだが……。
 本人が泳げなくても、生徒たちに泳がせればいいのだし、だったらわざわざ水着着てこんなところまで来る必要もないだろう。

 とにかく、佐伯の理不尽な命令に生徒たちはぶーぶー不満を口にするが、
  
 佐伯「とっとと走れぇーっ! 行け!」
 と、木刀で床を叩いて叫ぶ。ちょうど拡声器の前に立っていたマユミ、思わず耳に栓をする。
 佐伯「わっしょい、わっしょい」
 と、佐伯のいつもの掛け声でぐるぐると走り出す生徒たち。しかし、普通プールサイドを走るといったら、プールの周りをぐるっと一周するのだと思うが、何故か、最初に立っているスペースの中を小さく走るだけだった。ま、施設使用上の都合だろう。
 この時、マリさん(右端の不貞腐れた人)だけ、胸を両手で支えるように腕組みをして走っている。これは、巨乳なので、手を振って走ると胸がポロリしてしまうのを恐れてるんじゃないかと思う。なんかいやらしいね(お前がな)。
 ← 
 しかし、ユミたちは走りながらさっさと列から離れ、
 なんとなくむかつく水着の雄太を押し出して、物陰に連れて行く。
 ユミ「雄太、コーチに何かあったんじゃない?」
 雄太「いや、俺にもなんだか……」
 水着姿の美少女達に囲まれた雄太、羨ましい……。
  
 ユミ「こうしちゃいられない」
 と、実に堂々とその場からエスケープしてしまう四人。
 佐伯を始め、生徒たち誰一人として気にしないと言うのがかなり不自然だけどね。
 で、次のシーンは既に屋外で、制服に戻っているユミの爪先から入る。
 ユミ「化学クラブ?」

 今回、気候のせいか、屋外の空気がなんとなく霞んでる感じなのが、雰囲気があって良い。
 雄太「ううん、コーチが探してたネオ・ジキタリスは化学クラブの連中が栽培してるらしいってこと教えてやったんだ」

 ちなみにこのカットこそが、雑誌「DUNK」87年1月号に掲載されている唯一の撮影風景のスチールに該当すると思われる。ただしそこではリハーサルなので、仙道さんだけ制服の上にジャンパーを着てるんだけどね。彼女は特に寒いのが苦手だったのだろうか?
  
 雄太の台詞の途中でルリがニヤニヤ笑いながら雄太の肩を突っ込むように手の甲でポンポンポンと叩き、
  
 ルリ「お前さぁ、やっぱり美咲コーチに頼まれたんじゃないのっ?」
 と、最後は雄太の耳を引っ張って難詰する。しかし、そんなことされなきゃいけないほど、雄太は悪いことしてないと思うんだけどね。

 ところで、改まって言っておくと、「反逆同盟」の面白さのエッセンスって、こういうところに尽きるんじゃないかと思う。つまり、それぞれのキャラクターが個性を明確にしてシナリオ上で生きているという、それが大事なのであって、アクションやストーリーなどは二の次なのではないか、と。
 ユミ「化学教室よ」
 一人合点して走り出すユミ。
  
 だが、ケイがユミを追いかけて、その腕を取りながら「ユミ、一体どういうことなの? あのコーチ、何かあるの?」と問い質す。
 ユミ「……うん、実はね……」
 微かにためらいつつ、ユミは美咲コーチのことを話し出す。が、劇中では省略。

 ここは、例によってミホから情報を得たとは告げずに、美咲コーチの素性や目的について説明したのだろうが、今年の2学期から転入してきたユミが、1年前の事故と美咲コーチとを結び付けて推理したと合理的な説明がでっちあげられるとは思えない。
  
  で、その頃、地下の秘密の実験室では、美咲がベッドに縛り付けられていた。
 しかし、どう考えても三谷昇より、速水典子の方が強そうだが、変な煙(後述)でも使ったのだろう。

 悪田「そうかぁ、お前があの1年前の女生徒の姉かぁ」
 美咲「やっぱりアンタが殺したのね」
 悪田「ははははは……」
 美咲「どうしてあんな狂った…ふっ…実験を?」
 悪田「死人を生き返らせるためだ。はぁはははっ、これはー世界中の人類のためなのだ」

 美咲コーチは台詞の間で一度「ふっ」と咳き込むのだが、これは息苦しさを表現した演出なのか、単なるトチリなのか、はっきりしない。
 しかし、悪田博士っていったいどういう素性の人なんでしょう。理事長に雇われていると言うのはまあ分かるのだが、ちゃんとした実業家の理事長がどうやったら、こんな漫画から抜け出てきたような、いかがわしいキャラと知り合うというのだろう。また、彼の存在自体、生徒は何も知らないようで、じゃあ普段はずーっとここにこもって研究しているのだろうか。かなりつらい人生だ。 
 悪田「さあ、死ねーっ、お前は一度死んで蘇るのだ! えいっえいっ!」
 無茶を言いながら、松葉杖で美咲の体を叩く。
  
 悪田「いえっへへへ、ぬー、このやろうっ、はははっ」
 美咲「ああっ」
 うめき声を上げ、悶える美咲コーチが、ちょっとエロティックだ。

 しかし、こんな悠長な方法じゃ、なかなか死なないだろう。毒薬とかいっぱい持ってそうなのに。

 ここでちょっと美咲コーチについて考えると、何故彼女は1年も経ってからここに調べに来たのだろうと言う疑問が湧く。妹の死について、ミホが噂で知ってたくらいだから、調べればすぐこの学園が怪しいと分かった筈だ。もっとも、学園の正式なコーチとして雇われるために色んな手を尽くす必要があり、それで1年もかかったという仮説はありうる。
 そのかわり、犯罪の証拠もだいぶ薄れてしまいそうだが。

 一方、化学クラブの実験室は、扉が板で打ち付けられ、廊下には机で即席のバリケードが築かれ、立入禁止と言うか、通行禁止になっていた。

 一般生徒にとっては物凄い迷惑だ。

 実験を秘密にしたかったら、ちゃんと施錠すれば済む話だろうし、最初から地下の秘密実験室でやればいいだけなのでは?
 授業を受ける必要はないということなので、別に校舎内で仕事をすることはないだろう。

 あと、扉を板で打ち付けたら、自分達も出られないのでは?
 ユミ「随分厳重になっちゃったわねえ」
 ルリ「おめえが忍び込んだのがバレたんだよ、きっとー」

 相変わらず口の悪いルリだが、この警戒態勢は、彼女の言うとおり雄太の侵入に気付いたためなのか、美咲コーチのスパイ活動を受けてのものなのか、はっきりしない。まあ、化学クラブからすれば、部屋に忍び込んだのも美咲だと考えるのが自然だろう。
  
 で、次のシーンでは素早く行動に移っている四人。

 化学室の隣の空き教室に入り、机を積み上げ、それを登ってダクトに入り、天井から化学室の様子を窺おうという作戦だ。
 ユミが一番上に登り、雄太が下から机の脚を支えている。で、当然、雄太はスカートの中が気になるお年頃だったが、

 雄太「かあ、はーっ」
 ケイ「こらっ雄太ったら!」
 と、おケイちゃんに叱られる。更に、

 ルリ「覗いたらねえ、目玉潰すからね」
 と、恐ろしい脅し文句を浴びて俯く。なお、ユミがダクトのパネルを体で押し上げる際、お腹がかなり露出する。

 しかし、こういう場合、男の雄太が行くのが普通じゃないかと思うが、このドラマはあくまで女子が主役なのでこうなるのだ。22話では雄太自身がダクトに入って行ったけどね。
 次は当然ダクト内の映像。

 最初にスケボーを入れて、……しかしどこからそんなもの持ってきたのだろう?
 ユミ「うんふっ」
 続いてユミがはいあがり、
 スカーフが車輪に巻き込まれないように体に押し付けてから、
  
 ……と言っても、ボードに体を乗せる際に、結局からまっちゃうんだけどね。特に支障はないようで、そのまま撮影は続行。
  
  
 薄い胸をボードにピッタリ押し付け、手を動かして前進する。なんか、この動作が妙に可愛いのだ。浮き上がった鎖骨と肋骨もセクシーである。

 それにしても、でかいダクトだ。それに人間一人乗ったら、ベコベコと物凄い音がしそうだが。
 突き当たりに、下を見るのに都合の良い換気パネルが設置されている。
 適当な操作をしている化学クラブの三人。

 ユミの声(コーチがいない……ここじゃないとすると……)
 このシーン、カメラの前に枠だけつけて撮影しているのかと思ったが、このカットではちゃんとユミのシルエットが映るので、やっぱりカチッとしたセットを組んで撮影しているようだ。

 ユミの体重でミシッと音がする。ただ、こういう金属のダクトだと、もっと派手な音が出そうだけどね。
 浅利「誰だ?」
 と、見上げた時点で、バッチリユミの姿が見えそうなのだが、
 ……と言うか、見えてるんですけど。

 ま、とにかく咄嗟に身を引いて隠れたユミは、
  
 後ろを向いて親指をくるっと下げるような合図を送る。
 反対側の換気口にスタンバイしていたルリがそれを確認し、
 ルリ「おケイっ」
 声を出しつつ、同じく手の合図を送る。
 しかし、先に声を出してるなら、合図は要らないのでは?

 と言うより、声で彼らに悟られないための合図なので、ルリが声を出しているのが変なんだけどね。

 下で待機していたケイはそれに頷いて、素早く廊下へ出る。
  
 ケイは廊下の角から半身を出し、左腕を伸ばして親指を立て、
  
 やや反動をつけてから、それを下に降ろす。このケイのポーズと表情、妙に凛々しくて好きなのだ。
 で、それを見ているのは無論雄太なのだが、化学室はこの画面の左側に入り口があるので、この場合、ユミたちが机を積んだ部屋は向かって右側の位置にあることになる。少なくとも、化学室と同じ側にはない。すると、ダクトの伸びている方角や、長さが絶対的に矛盾することになるのだが、まあ、細かいことなのであまり気にしないでおこう。……いや、あるいは、ユミたちはバリケードの向こう側にある部屋に机を積んだのかもしれない。で、合図を受けたケイは、ぐるっと廊下を巡って……いや、だったら、向こうのバリケードの隙間から雄太に合図すれば済む話か……。

  それに、これはユミが見付からないように化学クラブの三人の注意を反らすための連係プレーなのだが、ユミが合図を出してから、雄太が実際に、下の行動に移るまで割と時間がかかっているので、陽動作戦としてはあまり意味がない。
  
 とにかく、雄太は箱にいっぱいピンポン玉を入れて、化学室の前にばらまく。

 凄く細かいことだが、こちらからのショット、雄太の後ろにほんの一瞬だがケイの姿が見える。
 芸もなく上を見上げていた三人は、その音に驚いて一斉に廊下へ出る。……のだが、板付けされた扉から堂々と出て行っているのはどういうことだ? 板付けの意味が全くないではないか。それに、猫じゃないんだから、それしきの陽動で天井のことをすっかり忘れるのもどうかと思う。
 その隙に、ユミは悠々と反転して戻ってくる。
 化学クラブの三人が外へ出てくる、と、
 ピンポン玉のひとつがうまい具合に部屋の中に転がっていく。これは、偶然そうなったのか、雄太が狙って投げたのか、はっきりしない。
  
 雄太「お騒がせしてすいません、ちょっと、そこでころんじゃって、ホームルームの時間、みんなでピンポンでもやろうってことになっちゃってねえ」
 ピンポンを拾い集めながら、早口でまくしたてる雄太だった。
  
 雄太「はは、はっ、どうも、お邪魔しました……はあ、忙しい、忙しい」
 軽口を叩きつつ、そこから離れようとする。
 雄太「ピンポン(貧乏)暇なし、なんてね!」

 だが、その行動を怪しまれたのか、去り際のダジャレがまずかったのか、
 浅利「オイ待て、おかしな奴だな、ちょっと部屋に来い!」
 と言う、かなりまずい展開になってしまう。

 もっとも、浅利さんたち、一度は部屋に戻ろうとしてるんだけどね。やっぱりダジャレが原因だろうか。
 
 ルリ「やばいよ、つかまっちまうよぉ」
 ケイ「どうする? ユミ」
 顔を覗かせ、心配そうに雄太を見る三人。
 と、そこへ反対側の角から現れたのはサボり魔にして神出鬼没のミホであった。
 それを見て、三人は雄太の体を放す。さっきの校長室のやりとりからして、自然な反応だ。
 ミホ「合田君、先生がお呼びよ」
 雄太「あ、ハイ!」
 「地獄に仏」を絵に描いたようなシーンだが、雄太は心底ホッとした様子で元来た方向へ逃げていく。
 それを見て笑みを浮かべるユミ。ただ、相変わらずミホに反感を抱いているせいか、ケイとルリの表情は硬いままだ。
  
 で、すぐ合流して無事を喜ぶ。

 ルリ「雄太!」
 雄太「やったぜ、成功だよ」
 ルリ「ラッキー、ついてるじゃん」
 ケイ「危ないトコだったね、雄太!」

 ユミは三人のやや後ろを無言で歩きながら、 
 ユミ(ミホさん、ありがとう)
 考えたら割と久々のユミの感謝の言葉だったのかな。

 ここでは、ユミ以外は偶然に助けられたと思っている。それはいいが、だったら、先生のところへ雄太は行かなきゃいけないのではないか。まあ、そんなこといちいち忠実に守るような連中ではないが、雄太が職員室に行けば、ミホが嘘をついたことが分かり、ミホが彼らを助けてくれたことが分かって、ストーリー上、いろいろと問題なのではないだろうか。
 ま、雄太はそんなことはすぐ忘れてしまい、職員室には行かなかったのだろう。

 そもそも、「先生」だけじゃ、どの教師のところへ行けば良いのか分からないけど……。
  
 ミホはまだその場に残って、化学クラブと睨み合っていた。

 しかし、やがてミホがその場を離れると、三人も部屋に戻っていく。

 ところで、死んだ奥村香織は、ミホの友人だったわけで、彼女の死をミホはどう思っていたのか、描写はないが、無論、悲しむことは悲しんだのだろうが、ユミとの会話でも、あまりそういう生の感情はうかがえない。別姓の姉がいることを知っており、香織の部屋でその写真を見ていることから、かなり親しい間柄だったのではないかと思うのだが……。
 三人は、部屋に戻って早速実験再開。さきほどの天井の物音のことは綺麗さっぱり忘れているようだ。単純だな。
 浅利「いよいよ今夜は、一年ぶりの実験だ」
 カメラは先ほどひとつだけ中に飛び込んだピンポン玉をクローズアップ。
 そう、雄太の十八番である、盗聴マイクが埋め込んであったのだ。さっきのピンポン玉全部にこれを仕込むのは不可能なので、やはりこれは雄太が狙って投げ入れたのだろう。

 ……しかし、ユミが物音を立てたのは偶然によるものなので、それをきっかけにしてこの作戦を実行したのは、よく考えればなんか変である。最初からこれが目的ならば、ユミの合図を待たずに雄太がアクションを起こせば済む話である。
 浅利の声「思わぬところで実験材料が手に入ったからな」
 懐かしい、ダブルデッキのラジカセで受信中の反逆同盟の皆さん。
 ここは、第5話で雄太が盗聴していたのと同じ場所かな。
 雄太「コーチ……」
 実験材料=美咲コーチだとすぐ悟り、心配そうな雄太。
 浅利「世紀の大実験が学園裏のあんな廃屋の地下で行われようとしているんだ」
 わざわざその場所を教えてくれる浅利さん。
 浅利の声「素晴らしい一瞬に立ち会えるぞ」
 あえて言うことでもないが、化学クラブの三人の中では浅利さんしかまともな台詞がないのだ。ちゃんと演技が出来るのが彼だけだからであろう。他の二人はアクション専門。もっとも、浅利さんもJAC出身なので、アクションもこなせるんだけどね。

 ユミのアップで次のシーンへ。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 今回も戦闘シーンの区切りが曖昧なのだが、一応ここからとさせてもらう。
 再び地下実験室。ただし、時間は夜である。
 うーん、はぁはぁ……、と、ちょっと色っぽく悶える美咲コーチ。後ろではマウスがチューチュー鳴いている。
  
 悪田「これほど痛め付けたのに……さすが水泳で鍛えただけのことはある……」
 美咲「ううっ」
 悪田「へへへへ、そろそろネオ・ジキタリスのガスがいっぱいになる……実験開始だ……ふへへ、へへ、へへへへ……」

 どうやら延々、松葉杖で殴っていたらしい。悠長だなオイ。
 台詞から、ネオ・ジキタリスの抽出ガスが一定量になるまで待つ必要があったらしい。だったらそれができてから殴ればいいのに。
 で、そのタイミングでノックのような物音が響く。風の唸り声や、犬の鳴き声もする。
 悪田「なんだ、気が散るなぁ」

 悪田はひょいひょいと部屋から出て行ってしまう。
 それくらいで大事な実験を延期するなよと思うけどね。

 後の展開からすると、この音を立てていたのは雄太だと思われる。
 怪訝な顔をしつつ、悪田は音のするほうへ向かっていく。この時、
 「全く変なとこへ閉じ込められたもんだっ」
 と、ぼやくのだが、そう言われれば、今まで一切地上には姿を出していないので、理事長の命令か何かで、地下から出ないように定められていたのだろうか。だとすれば、生徒たちにも存在を一切知られていないのも当然だが、随分きつい生活ではないだろうか。よほどの高給を支払われているのか、彼自身、表には出られない事情があるのでその境遇に甘んじているのか、ドラマでは彼の素性については全く言及されていないので、分からない。
 1月の放送だが、木枯らしの吹く中、屋外に出てきた博士。

 ……しかし、そもそもユミたちは博士の存在自体、知らなかったんじゃないかと言う気もするのだが。
 盗聴していた化学クラブの会話にも、博士の名前は出てないしね。
 ともかく、博士の視線の先には、
 そう、あの方達のシルエットが!
 山本さんは風邪が治ってなかったら、この撮影は大変だったろうな。
 ルリ「闇の中でのさばり続ける悪党ども!」
 今回は、いつもよりやや力を込めて「悪党ども」を発している。
 ケイ「てめえらのようなワルは許せねえ!」
 今回はいつもよりやや早口。
 目に見える相手はひとりだが、化学クラブ三人のことを念頭に入れての「てめえら」だろう。
 ユミはいつもと同じ、腰のあたりで拳をクロスさせ、
 そのままの状態で、「天に代わって」
 拳を構えてから「成敗する!」
 悪田「なにもんだぁ」
 今回は斜にカメラが来て、
 三人「セーラー服反逆同盟!」

 ケイちゃんの口の動きは明らかに一拍遅れている。
 このドラマでは、台詞とかは基本的にアフレコなんだろうか。場面場面で使い分けてるんだろうか。

 「なにっ」と言って、三人の方へ向かってくる悪田。
 三人はやや気取ったポーズを決めてから、
 互いに近付いてバトル開始。

 悪田が数回松葉杖を振り回して威嚇するが、
 ケイがチェーンを投げる。
 悪田の右腕に巻きつき、
 松葉杖を奪おうとするが、悪田も抵抗して引っ張り合いになる。
 そこをルリが攻撃しようとするが、
  
 横合いから化学クラブのひとり(田部井淳)に腕をつかまれ、思いっきり殴られる。全然当たってないけどね。
  
 同じくユミは出村達彦に組みかかられ、頭突きされる。
  
 当然、残るケイも、浅利に背後から襲われ、
  
 これまた殴られる。
  
 一旦ユミたちを地面に這わせてから、化学クラブの三人は「博士!」「博士(力のない声で)」と言いながら悪田のサイドに戻ってくる。
 浅利「こんなザコどもは我々が」
 と、言いつつ眼鏡を外す。
 しかし、これじゃ、研究者と言うより単なる悪の組織の戦闘員である。
 出村(左から二番目)「この場は我々に任せてください」
 おっ、台詞があるのか。浅利に比べるとたどたどしいけど。

 さらに右端の田部井も、
 「実験材料三つ、お届けします!」
 と言って、眼鏡を外す。

 それを受けて、悪田が「成功を祈る!」と芝居がかった言い方で後ろに下がる。

 一斉に飛び出す三人。
 ここから本格的なバトル開始である。
 まずは軽く乱闘があり、その後、個々の戦闘に移る。
  
 ルリは浅利と組み合い、ガンガン殴られ、低い石段の上から投げ飛ばされる。

 ちなみにこの背景に映ってるのが、秘密実験室の上にある廃屋なんだろうか。第4話の戦闘シーンでも出てきた気がする。
 ここは昔の特撮ヒーロー番組でも、ちょくちょく出てくる建物だ。
  
 一旦倒れながらも、ルリは浅利と互角に戦い続ける。
  
 その手前で、ケイが田部井をぶん殴る。
  
 田部井を退けた後、ケイはルリと戦っている浅利にチェーンを投げつける。援護ですな。
  
 ケイがチェーンで浅利の動きを封じ、そこをルリが腹に蹴りを入れると言う、卑怯な見事な連係プレー。
 が、今度は横から田部井がケイに再度襲い掛かってくる。
  
 ルリは、身動きの取れない浅利を、いいように殴りまくる。ちょっとかわいそ。
 で、今度はケイへの援護射撃。
 ケイを攻めていた田部井の指の間に刺さる鉄の鉛筆。
 田部井「ぐあっ」
  
 その隙にケイにぶん殴られて、チェーンをまたぐようにしてダウン。
 このシーンのように交互に相手を助け合うのはかなり珍しい。
  
 ユミ「えいっ」
 一方、ユミは、ひとり出村に対し、飛び蹴りを喰らわして倒し、
  
 (スタントから仙道さんにスイッチした上で)無理矢理起こしてから、
  
 ユミ「えいっ」
 渾身の右ストレート。ちょっと嬉しそうに殴る仙道さん。

 実は、今回、化学クラブの三人はこれだけでお役御免なのだ。体が大きく、自信たっぷりの割には、あまりに弱く、第11話のチンピラたちより遥かに短時間でやられているのは納得いかないのだが、今回は、その後に悪田というボスが控えているため、どうしても前座、引き立て役、ザコとしての扱いになってしまったのだろう。それにしても、もう少し健闘して欲しかったところだ。浅利さんなんて、この後、アクション大作「激突!」で大活躍してるんだしね。関係ないけど。

 さて一方、彼らが戦っている間に、
 鉢巻を巻いた雄太が地下実験室に侵入していた。美咲を助けに来たのだ。
 雄太「コーチ、コーチ、コーチ!」

 しかし、後ろの壁にかけてあるワニの剥製があまりに間抜けだ。
 ゆっくり顔を向ける美咲。うつろな表情だが、悪田に松葉杖でツンツンされていただけなので特に負傷はしていない様子。
 雄太「もうだいじょぶです」

 この状況を利用して、なにかいやらしいことをしそうな表情だが……。

 ちなみに雄太が戦場に登場するのは、何度も指摘したように極めて珍しいのだ。
 1話、3話、4話、5話と、前半は比較的多いのだが、後半は、この13話くらいしかないだろう。
 もっとも、今回は極めて安全な任務なので、「戦場」と言っていいのかどうかも怪しい。それでもひとつの役割を果たしているのは確かだ。

 やはり1話で、佐伯に単身つかみかかっていたところが一番かっこよかったなぁ。
 さて、地上では、化学クラブは姿を消し、再び悪田と三人の戦いになっていた。
 三谷昇、どう考えでもすぐやられそうなのだが、松葉杖で威嚇しつつ、石段を登って柱を背にし、
 「へっ、はははははっ」
 「宇宙刑事ギャバン」の魔女キバみたいに不気味な笑いを漏らし、余裕たっぷり。
 三人も、ベテラン三谷昇に敬意を表してか、容易には攻撃せず、下で身構える。
 悪田は、松葉杖をライフルのように持ち直して、石突をユミたちに向ける。
  
 ハッとするユミのアップ。仕込み銃なのかと思ったが、出てきたのは、怪しい白いガスだった。ショッカーの怪人かお前は。
 いや、最初に書いたように、今回はほとんど特撮ヒーローのノリで作ってあるので、こういう隠し武器の登場は極めて正しい。

 これは、やっぱり消火器か何かを噴射しているのだろうか……いや、だったらこんなに長時間噴射できるわけがない。単なる水を噴霧しているようにも見えるが……。
 まともに浴びて、しかめっ面で固まって後退する三人。実際、水がかかって冷たかったのかもしれない。
 しかし、ロングだと、アップの時とは明らかに異なる方法で霧状のものを撒いてるように見えるんだけどね。使い分けているのかもしれない。
  
 ナチスドイツの科学者をイメージしたような悪田なので、当然これは毒ガスという設定であろう。鼻と口を押さえて避けるユミたち。
 しかし、既にいくらかは吸ってしまったのか、三人は倒れ込むようにしてその場から動けなくなる……。
 ……まあ、その直後、元気にピョンピョンと飛び跳ねてるんだけどね。
 とにかく毒が利いてきたのか、一箇所に集まって動けなくなる三人。
 悪田「諦めるんじゃな、小娘ども……ははははっ、お前達に、俺を倒すことは出来んわ、はははははっ……」
 表情豊かに語りかける悪田。
 植え込みを背に、苦しそうに身構える三人。
 しかし、ルリなんか鉛筆投げて松葉杖を落とすとか、そういう攻撃が十分考えられるところなんだけどね。
 「にゃははは」と言う感じで嬉しそうにガスを撒き散らす悪田。しかし、いつの間にかマスク取ってるが、それだと自分も吸うんじゃないか?

 反逆同盟のピンチ、と思ったとき、案の定、例のジャンッと言う短い効果音とともに、あのお方が登場する。
  
 明らかにセットと思しい木立の中から、無表情でバラを投げるミホ。
 これはバンク映像ではなく、今回の為に新しく撮られたショットのようである。

 そう、彼女の見せ場のために、ルリは鉛筆を投げたくても投げられなかったのだ。
 この辺から「Don't Stop Lullaby」がスタート。
 あとはまあ書かなくてもいいんだけど、やっぱり書く。
 バラを顔面に受け、目が見えなくなる悪田。
 で、それを見てからやっとルリが鉛筆を投げるのだ。うーむ。ま、切れ目なくガスを噴射されていたから、その隙がなかったと言うことか。
 でも、三人がバラバラに動いて敵を撹乱してその隙に……という戦い方も出来たと思うんだけどね。いや、あまり深く突っ込むの不毛なのでやめる。
 悪田「うえっ、い……」
 いつものように、指の間に刺さる鉛筆。
 が、それだけでは武器を落とさないので、
 ケイもチェーンを投じ、……ってこれだと完全に手放してるように見えるんだが、まあ、いいか。
  
 チェーンを松葉杖に巻き付け、思いっきり引っ張る。
 が、ひきつけたチェーンが自分の顔に迫ってきて、思わず目をつぶってしまう恭子ちゃん。ま、いつものことだ。
 悪田「ああっ」
 あえなく奪い取られる松葉杖。

 あとはもう、老人虐待が待っているだけだ。
  
 ユミ「えいっ」
 スタントにスイッチしたユミが接近し、まともに蹴りを2発入れる。
 さらに倒れた悪田を無理矢理立たせて、
 ここでまた仙道さん自身に戻り、
  
 トドメの一撃!

 ここで漏れる息が白い。
 悪田「うう〜ん」
 ひっくり返る悪田。

 ま、全体として、今回の敵はあまり強くなかったな、と。
 戦いが済んでも、顔を見合わせるだけで台詞はない。また現場に来てるはずの雄太も顔は見せない。
 しかし、その後の悪田たちの「処刑」は、雄太もというか、雄太がやってるんだろうけど。
 最後のユミのミホへの感謝の呼びかけも、今回はその前に雄太が助けられた時にしているので省略。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 仙道さんのボーカルはまだ続いたまま、エンディングへ。今更だが、エピローグと言うべきかな。
 そして最後は無論、ハングマンタイム。
 悪田たちが正門の柱に縛り付けられている。

 ただ、今回は性質上警察などが介入するとも思えないので、これは完全なるお仕置きに過ぎない。
 この後、また平気な顔して実験してそうだが……。
 逆にちゃんと司法の手に委ねられたのだとしたら、実験室のある学園そのものが捜索されてるだろうしね。

 現に、

 悪田「ちくしょうっ、ネオ・ジキタリス、また挑戦するからなぁ、ひいいい」
 などと口走っているのだ。
 しかし例によって暇を持て余している2-Aの生徒たちによって、当時流行っていたスプレーでねばねばした糸状のものを吐き出すやつを一斉に浴びせられる。こいつら事情を知らずにやってるんじゃないかな。今回は罪状を書いた立て看板もないしね。
 ちなみに、手前の化学クラブの人、ちょっと笑ってるんだけどね。
 悪田「お許しくだせい、うううっ、おかあちゃあ〜ん」
 悶える悪田。三谷さん、若い子たちと仕事するのが楽しそうだ。 
 あ、よく見たら看板あった。

 一応用意はされていたけど、ちゃんと使われてなかったのか。
 映るのは一瞬なので文面はほとんど読めない。書き出しが「私たち」というのと、「化学クラブ」と言う単語が見えるくらい。
 で、背後に立つユミたちにカメラがズーム。
 こうやって並ぶと、四人の背の高さが一目瞭然である。

 ルリ「まったく! 許せないよ理事長の奴、とんでもない研究させやがって」
 ケイ「校長だって脳水の仕業と知ってたくせにさ……ちくしょう、一気にやっつけてやればよかったね」

 そう、今気付いたけど、本編で悪田脳水の名前が出るのはこのケイの台詞の箇所だけなのだね。
 急にケイが乱暴な言葉遣いをするのもなんかおかしい。

 しかし、一気にやっつける、と言うのもあまりに強引だろう。具体的に何やるんだ。
 ユミ「焦ることないわ、時機を待つの……連中の悪事を暴ききるまでね」
 ユミのアップで「つづく」。
 戦闘後半から鳴っていた「Don't Stop Lullaby」も、ラストカットにあわせて締め括られる。

 しかし、「悪事を暴ききるまで」やってたら、きりがないと思うのだが……。

 そういや、美咲コーチはどうなったんだろう。ま、目的は達したのだから、学校からは去ったんだろう。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 予告編

  今回もほとんど本編との違いはない。
 強いて挙げれば、ダクトの中のシーン。
  
                     予告編                                     本編

 予告編では、スケボーの上にしっかりとスカーフが乗っている感じだが、本編では、はみだして車輪に巻き込まれそうである。
 ついでに、予告編のユミ。なんとなくJホラーに出てくるお化けキャラみたいである。本編も似たようなものだが。



 まとめ

 最初に書いたように、今回は極めて特撮ヒーロー的なシナリオ・演出が使われていて、シリーズ中の異色作になっている。
 また全体的に普通の青春ドラマっぽいエッチなテイストが盛り込まれているのも、それまで助監督だった、つまり比較的若い藤田保行氏が起用された影響ではないだろうか。彼が担当したのは11話から13話だが、どれもコミカルな演出が目立っている。

 壮絶に季節外れながら、レギュラーたちの水着姿が堪能できるのもありがたい。水着がバラバラなのは風情がないが。
 また、化学クラブの様子を探ろうとする段階で、サスペンスミステリー的な雰囲気も味わえるのも良い。それに意外と「反逆同盟」間の会話が多いので、プロットの弱さに比べてドラマは面白く感じられる。

 文中でも触れたが、雑誌「DUNK」の87年1月号の取材は、恐らくこの回の収録時に行われたようだ。

 なお、このストーリーの元ネタは、1968年の「怪奇大作戦」第9話「散歩する首」ではないだろうか。ジギタリスの成分を使って死者を蘇らせる実験のために、わざと事故を起こして死体を調達するあたりは妙に似通っている。単なる偶然かもしれないが。
 余談ながら、「散歩する首」には、黒鳥学園の前理事長として写真でだけ登場する中井啓輔氏が、ゲスト出演しているのだ。