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第14話 フォーカスの罠! 前へ 次へ 目次へ
放送日時 1987年1月19日
裏番組 ●「クイズ100人に聞きました」400回記念(TBS) ●ドラマSP「新米ママとぼくたちの大戦争」(フジ)
監督 帶盛迪彦
脚本 日暮裕一
準レギュ 竹中直人/九条
ゲスト 堀田真三/上原三郎、若葉しおり/岩崎涼子、田中みお/ミドリ、大津美智子/ヨウコ、大村浩之、佐々木ひろ美
予告 ユミは高校選抜女子マラソン大会に出場するために上京していた後輩・岩崎涼子に出会った。そんな涼子が万引き事件に巻き込まれ、それがもとで飛び降り自殺をしてしまった。決定的証拠となったのはある写真誌であった。ユミは写真に疑いを持ち、乗り出した。
「セーラー服反逆同盟」、「フォーカスの罠!」、お楽しみに!
備考 タイトルの!は正確には45度に傾いて表記されたもの。
評価    シナリオ ★★★★★ 抜群に面白い。緩急の使い方が極めてうまい。
演出 ★★★★★ 飛び降り自殺や、ユミの強姦未遂など、ショッキングなシーンが多い。
映像 ★★★★ 冒頭の澄み切った秋の空が目にまぶしい。昼の公園でのミニ格闘シーンも楽しい。
キャスト ★★★★  堀田真三さんの一人舞台。田中みおの憂い顔も色っぽい。
アクション ★★★★ 最後のバトルはおとなしめだが、中盤のミニバトルは新鮮。
総合 ★★★★★ 個人的にはベスト3に入るエピソード。
アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 さて、いよいよ第14話である。何がいよいよかと言うと、個人的に、このエピソードが大好きだからである。
 コラムでも書いているが、ベスト3を選ぶとすれば、4話、9話、そしてこの14話ということになるだろう。

 毎度お馴染みの、悪だくみのテーマ(迫る魔手)に乗って、
  
 屋上から、向かい側のマンションをとらえるカメラ。
  
 寒さに震えながら、とある一室を望遠レンズで狙っているらしい、怪しい男。
 明らかにパパラッチであるが、演じるのは色んなジャンルで悪役を演じる堀田真三さん。
 吸ったタバコを足元に放り、踏み潰すが、そこはもう空き缶とかゴミとかが好き放題に捨ててある。
 ここに相当長いこと陣取っているようだが、管理人に見付かって追い出されそうである。
  
 と、折も折、望遠レンズの先に、ターゲットの部屋からベランダに出てくる女性の姿が映り、前のめりになる。
 女性はインコのカゴを外に吊るしに来たらしい。すかさずシャッターを押すパパラッチ。 
 さらにもう一人、男性がベランダに出てきて、女性と親しく話している様子。
 以降は、彼の撮影したスチールを並べると言う感じで表現される。
  
 こんな感じ。
 二人は望遠レンズの中でしっかり抱き合い、キスをし、やがて部屋の中に戻る。
 冷静に考えたら、かなり不自然な行動ではある。特にこの男性は、有名タレントらしいから。
 最後に、男性がこちらを見てる様子だが、撮られていることに気付いたと言うことなのだろうか。
 長い間の苦労が報われ、思わず顔がほころぶ堀田さん。

 今までにあまりない感じのオープニングで、新鮮である。

 で、次のシーンは我らがおケイちゃんのびっくり顔から。
 ケイ「やっだぁ〜」
  
 ケイ「うっそぉ〜」
 そして、おフグ状態になるケイ。この頬を膨らませる仕草は、「反逆同盟」の後半ではちょくちょく見られる。

 雄太「マジだ、マジ、証拠もあるんだから」
 雄太「ほらぁっ!」
 と言って、取り出したのは黄色い表紙の写真週刊誌「ウィークリーフォト」である。無論、架空。

 1981年のフライデー創刊以後、いわゆる写真週刊誌が次々と誕生し、この1986年には実に5誌を数える。
 ただし、86年の12月9日の「フライデー襲撃事件」を契機に、批判が高まり、87年には「エンマ」が廃刊になっている。
 今回のエピソード、放送は87年になってからだが、撮影そのものは「フライデー事件」の前じゃないかと思う。事件を受けて、内容的にお蔵入りするかどうか検討されたが、結局ある程度の冷却期間を置いてオンエアされたのではないだろうか?
 さて、雄太の開いて示したページには、先程の堀田さんがフォーカスしたであろう写真が掲載されていた。
 しかし、「モテモテロックシンガー」って……。また、見出しの「熟女と『×○△1、2、3』」と言う表現も意味不明である。
  
 ケイ「ショックぅ〜、フアンだったのよ、あたし、浅上博の〜」
 この浅上博というのは、三上博史のもじりだろうなぁ。

 三人の斜め後ろに座っていたユミは、そんなケイたちをにこやかに見守っていたが、ケイの台詞の途中で立ち上がり、石段を降りていく。
 画像が小さいので分かりにくいが、この時、後ろのルリが、妙に険しい表情をしている。恐らく日差しが眩しかったのだろう。
  
 雄太「ロック界のスターはオバン好みだったワケ」
 ルリ「ったく、ケイはミーハーなんだから、ねえユミ?」

 この台詞を言うまでの、山本理沙さんの表情がいかにも自分の台詞を待っていたという感じで、少し笑える。
 それと、背後のエキストラはいつもの2-Aの生徒たちです。よく注意してみると、背後を行ったり来たりしてる奴もいたりして……。
 話しかけるも、ユミがいないのでまごつくルリ。後ろで、マリさん大笑い。
  
 ユミが一番下まで降りて座ると、ケイが立ち上がり、降りながらユミに話し掛ける。
 ケイ「そっかぁ、ユミもマラソンやってたんだよねえ」
 こういう時でも、後藤さんの指先はピンと伸びているのだ。

 ちなみに今は放課後らしい。それにしては、2-Aの生徒がやけにたくさん居残っているのはおかしいが。あるいは昼の休み時間かもしれない。
 ユミの視線の先には当然グラウンドがあり、いましも、ひとりの女子選手がトラックを走っていて、それを他の生徒たちが応援しているところ。
 「もう少し、ラスト、ラスト」などと声をかけているが、彼らは陸上部なのだろうが、昼休みにさすがにこんなことはしないだろうから、やはり今は放課後か。
 ちなみに、併走している生徒たちの中にはちょくちょく見掛けるエキストラの女子生徒や、いがぐりボーイの姿が見える。
 ゴールした選手をみんなが讃える。
 陸上部員「よし、よくやったなぁ」

 その様子を見ているケイとユミ。
  
 ルリ「あーあ、大事にされてんねえ」
 立ち上がってふたりのところへ降りてくるルリ。この時の、バックの青空の澄んで綺麗なこと。
  
 ケイ「そりゃそうよ、彼女2週間後に開催される、高校選抜女子マラソンの優勝候補なんだから」
 この、ケイの久々の長台詞は聞いててハラハラしてしまう。

 ルリ「彼女が優勝すれば、黒鳥学園の名も全国的になる」雄太の方へ向かい、「いい宣伝になるモンね」
 小さく頷く雄太。

 しかし、女子高校生の全国規模でのマラソン大会なんてあったっけ?

 雄太もぶらぶらとおりてきて、右足を壁に押し付けて身体を支える。
 ケイ「ねえユミ、専門的に見てどお、彼女の優勝は?」
 専門的というのは、ユミが高校のマラソン記録保持者だからである。

 そのことは無論、みんなも知ってる筈で、彼女を陸上部がスカウトしないのが不思議である。
  
 ユミ「そうねえ、優勝は恐らく……」小首を傾げ、「福岡県立大隈高校の岩崎涼子じゃないかしら」
  
 ユミ「全国的にはまだ無名だけれども、タイム的には、あの木下良子を上回っているわ」
 少し誇らしげに、「私の後輩なの、福岡時代の」と、付け加える。

 このユミの台詞だが、まず、自分が通っていた高校ならば、「福岡県立大隈高校」と正式名で言うのはちょっと変な気もする。この場合は「私がいた大隈高校の」でいいんじゃないかな。
 それと、数値で比較できない競技(野球やテニス、格闘技とか)だったらともかく、マラソンのようにほぼ一律にタイムで比較できる場合、「全国的」「タイム的」というのは、実はほとんど同義なので、こういう言い方は少しおかしい。
 ついでに、彼女の後輩と言うことは、高校1年である。それだけ逸材と言うことなのだろう。
 ただし、この場合、ユミ自身は比較の対象にはなっていないので、本当に一番速いのはユミだということになるだろう。記録保持者だからね。
 ルリ「てことはぁ、名を売ろうって言う校長どもの目論みも大ハズレってわけか、いい気味!」

 相変わらず他人の不幸が嬉しくてしょうがないルリ
 しかし、「ども」はないだろう、「ども」は。一応、自分の学校の校長なんだからさ。

 それに、売名行為に利用されているとは言え、木下良子自身はあくまで真剣にマラソンに打ち込んでるんだろうし、同じ学校の選手の負けそうなのを喜ぶと言うのは、ちょっと不謹慎かもしれない。
 雄太「いっそのこと、ユミちゃんが走りゃあいいじゃんかぁ」
 いつまで経っても空気の読めない雄太が口走る。
  
 雄太の声「そうすりゃ優勝間違いなしだろう?」

 雄太の言葉に、急に思い詰めたような表情になるユミ。美人だ。
 今回、仙道さんがいつにもまして綺麗に見える。
  
 そして、無言のまま、三人を残して立ち去ってしまう。
 背後で、まだ木下良子をちやほやしている陸上部の連中。なにしとんじゃ。
 雄太「いったぁ〜、傷付けちゃったかなぁ?」
 と、このタイミングで、陸上部がこちらに移動してくる。雄太の「いったぁ〜」は「あいた〜」かな?
 ルリ「ったく、雄太はデリカシーないんだからぁー!」
 ポンと、得意のツッコミが雄太の肩に入る。この手の甲で肩を叩くのはルリのと言うか、山本さんの癖かな。
 ケイ「ほんとっ」

 この一連のシーンはとても好きだが、最後のこのやりとり、まず、雄太がユミが走ればいいと言っているが、それは黒鳥学園の売名に手を貸すことになるので意味がない(もっとも、ユミはそもそも母親を探すために来てるのだから、そうやって有名になるのが向こうから探して貰う手っ取り早い手段でもあるのだが)から却下。
 ただ、雄太の発言でユミが傷付くというのはいささか変である。ユミは別に転校してきても、マラソン自体は続けられるわけなので、「デリカシーない」というの当てはまらない気がする。ただ、後の台詞で言ってるように今度の転校を機会にマラソンをやめてしまったという可能性はあるし、走りたくても、走れば現在の黒鳥学園に利することになるから、ダメだ、ということなのかもしれないが。

 いずれにせよ、この辺は説明不足のように思える。

 なお、陸上部の中に、あの森口君が混じってる気がするが……。
  さて、ユミはひとりで校舎の方へ向かって歩いていたが、先程のカメラマンに呼び止められる。考えたら凄い偶然だけど。
 上原「あ、君、職員室はどこかな?」
 ユミ「あっ、この先を曲がってすぐです」
 と答えるのだが、校舎の外から説明するには、いささか漠然とした表現である。
  
 上原「そう」
 しかし、男はすぐ行こうとはせず、おもむろにユミの周りをぐるぐる回って、しきりに感嘆の声を放つ。
 ユミ「あの……、何か?」
  
 上原「君ぃ、モデルになってみない?」
 ユミ「ええっ?」
 上原「君なら絶対いいセン行くよ、僕が保証するから」
 唐突にそんなことを言われて、戸惑いつつ、なんとなく髪に手をやるユミ。満更でもなさそうだ。
 上原「いや、いいねえ、このプロフィールなんか最高だよ、いいねえ!」

 この時点では、相手の正体を知らないので、無表情でもなんとなくモデルっぽい感じになってしまうユミが可愛い。
 が、そこへ画面の外から九条の声が飛んでくる。
 九条「上原ちゃん、あいっし!」
 途端に険しくなるユミの顔。
 九条「ははぁーっ」
 上原「ああっ」
 1話でユミとミホが歩いていた砂利道だが、その柱の陰から九条がにゅっと顔を突き出す。
 その奥にもジャージに着替えてグラウンドに出る生徒がいるから、やはり今は放課後なんだろう。
 九条「待ってたでざんがしょう?」
 上原「あっ」
 全身を出して、変なポーズを取る九条。こういうのはやっぱり竹中直人ならでは、だね。
  
 上原「僕はあのー、こういうもんなんだよ、気が向いたら電話して頂戴……ね!」
 名刺を渡し、最後に似合わないウインクをしてユミの側を離れる上原。ユミはいかにも気の無さそうな顔である。
  
 上原を見送るユミの目付きがちょっとダークだ。
  
 上原「よお」(やあ?)
 九条は、少しだけユミのほうを凝視してから、上原と連れ立って向こうへ歩いていく。
 身体を密着させるようにして歩いていく二人がなんかいやらしい。って、腐女子か、ワシは!

 後で分かることだが、まさにこの時、九条と上原の間で、あるダーティな仕事の話がされたのだろう。ただ、実際に依頼して金を出しているのは校長で、九条は仲立ちをしているだけなのだが。なお、今回は九条以外に教師はひとりも登場しない。
  
 ユミは何気なく渡された名刺を見る。

 フリーカメラマン
 上原三郎

 しかし、肩書きが「フリーカメラマン」というのも、よく考えれば変かも? どこにも所属していないのなら「カメラマン」だけでいいんじゃないの?
 ちなみに住所は「渋谷区代々木上原」と読める。

 編集としては、ここでもうOPへいったほうがスッキリして良かったと思うけどね。
 その夜、ひとり勉強に励むユミ。
 いや、本を読んでいるだけかな。
 それに被さって、男性の声で「第5回全国女子1万メートル競走……」という実況中継のような声が入る。観客の声援も混じっている。
 これは実際に流れているのではなく、ユミの回想に流れる音声である。
  
 実況「ゴールまでいよいよあと200メートルです。トップは依然として、静岡女子高の阿部さと子……あ、いま、福岡県立大隈高校の高坂ユミ、ぐーんと出て来ました!」
 ユミは本を置き、机の抽斗から藍色のケースを取り出す。
 実況「高坂、阿部と並びました、高坂強い、高坂強い、あと30メートル、あと20メートル、高坂完全に独走です、あと10メートル、5メートル、ゴーーール! 高坂ユミ優勝です、高坂ユミの完勝ですー」

 蓋を開けると、でかいメダルが入っていた。プレートには、

 優勝 第5回全国女子1万メートルとある。
 メダルを持ち上げて、じっと見詰めるユミ。
 やはり、まだ、陸上競技に未練があるのだろう。

 もっとも、なんで、ここ、1万メートル走の思い出なのか、いまひとつ分からない。

 ちなみに実況では、あと200メートルから30メートルのスパン、つまり170メートル走るのに、約12秒しかかかっていないが、そうすると100メートルを7秒で走ったことになり、さすがにこれは速過ぎるだろう。ま、あくまでユミの頭の中の実況なのだが。

 それと、1万メートル走で、ラスト200メートルで逆転して勝っておいて、独走・完勝という表現は不適当だ。

 ここで、やっとオープニングへ。
 さて今回、他のキャストは同定できたのだが、この大村浩之と、佐々木ひろ美の二人については、未だにわからない。フォーカスされていた浅上博と恋人だったらピッタリするが、台詞もないあれだけの出番でクレジットされるだろうか。一方で、スーパーの店員はちゃんと台詞があるから、そちらが大村浩之じゃないかと思うのだが、そうすると、佐々木ひろ美が残ってしまう。フォーカスされていた女性だけがクレジットされるのは変だしな。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
  今までにない軽いアレンジの「Don't Stop Lullaby」インストが流れる中を、
 木々に囲まれた道を一心に走るユミ。

 無論、昔のことを思い出してのことだろうが、実際は習慣としてずっと走りこんでいたとしても不思議ではない。戦闘能力を維持するためにも、鍛錬はしているだろうからね。衣装は、4話でケイが着ていたようなドルマンスリーブのトレーナーである。
 ここは公園の敷地内のようだが、靄がかかっていて構造がわかりにくい。
  
 岩崎涼子「せんぱーい!」
 擦れ違った女子ランナーに呼び止められる。
 ユミ「岩崎さーん」
 最初はやや怪訝な顔をするが、すぐ気付いて笑顔を見せる。
 ユミ「どうしてここに?」
 岩崎「大会が近いんで合宿してるんです」
 先程、優勝するだろうと言っていた岩崎涼子そのひとだった。
 この女優さん、若葉しおり(正確には、しをり)と言うのだが、とにかく眉が凛々しい。
 すぐ舞台が変わって、どこかの建物の前で話しているふたり。
 このシークエンスでは、朝靄のような画面効果が常にかかっている。はっきりいって見難い。
 「Don't Stop Lullaby」のバラード調のインストが流れる。

 岩崎「先輩がいなくなってショックでした、私の目標だったから」
 ユミ「でも一段とピッチが上がってるみたいね……今の調子なら、優勝間違いナシよ」
 岩崎「黒鳥学園って言ったら、木下良子さんのいる学校でしょ。どうして先輩が代表じゃないんですか?」
 素朴な質問に、一つ息をついて、
 ユミ「やめたの……マラソン」
 岩崎「どうして? あたし、先輩と走りたい! 先輩のいないレースで優勝したってちっとも嬉しくなんかない!」
 悲痛な訴えだが、ユミは直接それには答えず、
 ユミ「頑張って! わたしの分まで……応援してるわ」
 と、当たり障りのない言葉を口にする。
 なおも寂しそうな表情の岩崎だったが、ユミは身を翻して走り去ってしまう。 
 岩崎「先輩!」
 そして、これがユミと岩崎涼子の最後の会話となった。
 と、木陰から彼女を撮っている怪しい男が……無論、仕事熱心な上原カメラマンです。
 このカット、なくても良さそうだが、この時点で、彼はユミが岩崎の知り合いだと知っていたことになり、後々のストーリーのある意味伏線になっていたとしたら、必要だったのだろう。

 その岩崎さん、ひとり、スーパーで買出し。
  
 そこへスケバン風の女子高生が行く手を塞ぐようにして声をかけてくる。
 ミドリ「ねえ、岩崎涼子さんでしょ」
 左がミドリで、右がヨウコであるが、ミドリを演じているのは田中みおさん、ヨウコは大津美智子さん。大津さんは「スケバン刑事」の終盤で、サキに間違われてパイクに轢かれていた。
  
 岩崎「えっ? ええ……」
 やや戸惑いながら答える涼子。こうして見ると、なかなか可愛いね。
 ミドリ「やっぱりぃ、わたしファンなの、サインくれないかなぁ」
 さっきユミも言っていたように、全国的にまだ無名の彼女にそんなことを言うのは、いかにも不自然であるが。

 岩崎「でもぉ……」
 ヨウコ「お願い! 持っててあげる」
 と言いながら、強引に彼女のバックを引っ張り、ミドリの方は素早くカバンから色紙を取り出す。そんなもん持ち歩くか、普通?
  
 さらにマジックペンまで渡されて、普通だったら手回しのよさに怪しむところだが、根が純粋な岩崎さんは、素直にサインをする。もっとも、サインなんてしたことないだろうから、名前書くだけだろうけど。
 で、彼女が書いてる間に、ヨウコが岩崎さんのバッグを持ってさりげなくその場を離れる。
 よくよく考えたら、その時点で岩崎さんに「ドロポー!」とか叫ばれそうだ。
 ミドリ「マユミさんへって書いてくれるかなぁ……意外と字、上手ねえ」
 ミドリは、時間稼ぎのためにタメ書きまで指定。違う名前なのは無論、本名を出したくないからである。

 しかし、「意外と」ってどういう意味だ。
 その頃、ヨウコは岩崎のバッグに手当たり次第に商品を入れていた。
 しかし、これだけ盛大に万引きしてたら、まずこいつが捕まりそうだが……。

 ちなみに入れているのは健康茶とか、そういう渋いものばっかりのようだ。
 その後、二人はレジの店員のところへ行き、岩崎が万引きしていると身振りで教える。
 しかし、ここの撮影はどうやってしているのか、気になる。営業中に撮影しているとすれば、他の客が無反応なのは変だから、店ごと借りて撮影しているのだろうか?
 で、振り向く店員の顔で吹く人が続出。
 「あんにゃろ〜」と言うような顔をする。ミドリたちは即座に店を出て行く。 
 店員は、別の男性店員、店長だろうか、彼にそのことを伝える。自分で行けばいいのに。 
 で、「マ・マー」スパゲティソースの陰からにゅっと出てくる上原さん。どう見ても盗撮魔である。
 で、岩崎さんの元へ駆けつけた店員は、

 「ちょっと……、万引きしたろ?」
 と、剛速球を投げてくる。

 さすがに、それはないだろう。普通はもう少し穏当な言い方をするだろうし、仮に違っていたら大問題になる。
 第一、まだレジを抜けてないのだから、バッグに入れていても犯罪成立とは行かないだろう。
 なお、こうしてちゃんと台詞があるから、この人が大村浩之さんかな、と思うのだが、よくわからない。
  
 岩崎「してません」
 店員「ちょっと来て」
 岩崎「ちょっと待って下さい、ほんとに万引きなんてしてません!」
 抵抗する岩崎だったが、むんずとバッグの中を開けられて、万事休す。
 店員「これなに? 言いたいことがあるんだったら警察で言うんだね」
 有無を言わさず犯罪者扱いされて、引っ立てられる岩崎さん。かわいそ。
 岩崎「ちょっと待って下さい、ほんとにあたし万引きなんてしてないんです」
 店員「早く来なさい!」

 この時、背後でいかにもエキストラ風にこちらを見てひそひそ話している主婦が何人かいるので、やっぱり店ごと借りて撮影しているんだろうか。
 ただ、さらに奥の厨房みたいなところでは、普通に店員が働いてるから、店側に協力してもらってるだけか。スーパーの始業前にちゃちゃっと撮影しているとか。
 無論、そのシャッターチャンスを逃すような上原さんではない。

 ただ、今回のケース、警察に行き、商品の指紋を調べたら、すぐ無罪が証明できるんじゃないかと思う。
 それに岩崎さんはバッグが一時ヨウコの手にあったことは分かってるはずなので、そのことも申し立てるべきだろう。
 とにかく、万引き犯にされてしまった涼子。上原の撮った写真が写真週刊誌に載っている。

 それを見ているのは、アジトに集っている四人。
 ユミ「信じられない、何かの間違いよ」
 ケイ「(記事を読む)この事件を受けて福岡県立大隈高校はA子さんの出場辞退を決定した……」

 相変わらず後藤さんの指は長い。
 ユミ「彼女は、岩崎さんは、こんなことするような人じゃないわ!」
 ユミは鼻の穴を膨らませながら、後輩の無実を主張するが、
  
 ルリ「そりゃあ、ユミの気持ちもわかるけどさぁ……こうやって写真まであるんだから、ねえ?」
 同意を求めるように、雄太に向かって首を振る。
 雄太「そう! 写真は、嘘つかないし」
 岩崎さんのことを知らない彼らの反応は冷たい。
 ケイ「ユミの後輩が出場しないとなると、うちの木下良子の楽勝ね」

 楽勝……は、ないと思うが。

 それにしても、後藤さんのぽってりした唇はたまりませんね。
 ルリ「面白くないねえ、これで校長たちの思うとおりになったわけか」
 ルリは、ユミの後輩のことより、そっちの方が気になっている様子。
 ユミの憂い顔のアップで次のシーンへ。

 それはシリーズ中でも最も衝撃的なシーンとなる。

 悲愴なBGMをバックに、建物の屋上の端に、
  
 靴を揃えて置き、さらに腕時計も外して並べ、
 交差点を背景に、すっと立つのは岩崎涼子。
  
 カメラが引くと、これが結構怖いところに立っている。ただ、顔立ちなどから、スタントの女性が立っているものと思われる。
  
 思い詰めた表情で目をつぶり、カメラに向かってボディプレスを仕掛けてくる岩崎さん。
  
 で、例によって輪転機のイメージ映像に被さる新聞の見出し。
 第2話でも同様の演出で牧野先生の死が説明されている。
 で、実際の新聞の紙面もはっきりと映る。
 牧野先生の場合、見出しと書き出しだけは正確だったが、それ以外の記事本文はでたらめであった。 
 が、今回は写真をズームにしたときの周辺の記事は、ちゃんと今回の飛び降り事件に沿った内容である。芸が細かい。
 しかもこれによって、「オオクマ」が「大隈」だと確定できると言う貴重なデータとなっている。
 カメラのズーム速度が速いのでびっしり書かれた記事を全部読むことは出来ないのだが、彼女がしたとされる万引きで、どういったものを盗んだのかまで克明に記してあるようだが、普通、単なる万引きでそんな細かいことは書かないだろうし、そもそも5段分も書くほどの内容はないだろう。確かにマラソン界のホープとは言え、世間的にはただの女子高生だしね。

 ちなみに、当然新聞は読売で、4コママンガは「コボちゃん」である。
 「コボちゃん」の全話データがあれば、素材の新聞の日付も特定できるのだが、さすがにそこまではしない。

 今度はユミの部屋でそれを読むメンバー。
 ユミ「涼子さん……」
 雄太「万引きを見付かったのがよっぽとショックだったんだなぁ」

 ただ、ユミが彼女の死を知ったことの驚きが、このやり方だといまひとつ表現しきれていないと思う。
 色々と方法はあるだろうが、朝、ひとりで新聞を開くとか、テレビのニュースを見るとか、それで初めて知って「涼子さん!」と愕然とするとかね。
 第一、制服姿の彼らが集まっていると言うことは、この新聞の出た日の放課後だろう。とすれば、朝の時点でユミは彼女の自殺を知っていた可能性が高く、ここで改めて記事を全員で見詰めると言うのは、ちょっと変に感じる。細かいことだけどね。

 ちなみに言うまでもないが、1986年の4月8日に岡田有希子さんが同様に飛び降り自殺をしている。この回の放送は1987年だが、撮影は確実に1986年だろうから、それから数ヶ月しか経ってないわけで、当時の視聴者にそれを思い起こさせたのは間違いない。
 雄太の不用意な一言に、キッと睨み、
 ユミ「彼女は万引きなんてしてない!! 絶対に……」
  
 ケイ「ユミ……」
 ユミ「ごめんなさい、怒鳴ったりして……」

 ルリ「信じるよ、あたしもその子のこと」
 ルリが優しい声で援護射撃をする。

 雄太「でもな、写真は嘘つかないからなぁ」
 ルリがまたポンと雄太の腕を叩く。
 ルリ「ちょっとぉ〜、写真とユミの言うことどっち信用するんだよ?」

 威勢の良いルリだが、ちょっと前に「こうやって写真まであるんじゃ、ねえ」って、言ってなかったか?

 雄太の声「そりゃまあ……」
 と、雄太の言葉にヒントを得て、ユミが何事か閃く。
 ユミ「写真は嘘をつかない……でも、撮った人が嘘をついてるとしたら?」
 ユミの言を受けて、
 ケイ「そういやぁ、タイミングが良過ぎるわね、カメラマンが偶然現場にいたなんて」
 ユミ「カメラマンの名前、わか(巻舌気味)かしら?」
 雄太「ああ、確か載ってる筈だよ」
 こんな時、ドラマで「さあ……」などと言うことは絶対無いので安心。ちゃんと雄太は週刊誌をカバンに入れていた。
  
 該当ページも折り目がついているくらいに素早く検索。しかも、万引き現場を激写したページの下に、親切に名前が書いてある。
 雄太の声「フォト・バイ・ウエハラ」
 ユミ「上原……」
 ここで、序盤に、彼女が偶然上原と会っていたことが役に立つ。

 そんな偶然ねえよと突っ込みたいところだが、シナリオとしてはよくできている。
  
 ここで、そのシーンの回想が入る。
 上原「君……、モデルになって見ない? 君なら絶対いいセンいくと思うよ、僕が保証するから。気が向いたらね、電話くれる?」
 ただ、ぼけっと見ていると単にここはさっきのシーンの使い回しのようだが、実際は、ここだけ回想用に別に撮ってるのだ。台詞も微妙に違う。

 ユミ「間違いないわ」
 ケイ「どうしたの?」
 ユミ「九条の知り合いよ、この上原って言うカメラマン」
 雄太「ええっ?」

 と、決め付けちゃうのだが、上原なんて苗字は珍しくないので、ちょっと速断のような気もする。
 ここで、ユミの言葉にケイ、ルリ、雄太が短く目を合わせる演技をするのがちょっと笑える。笑うシーンじゃないんだけどね。
 ユミ「10日ほど前に学校に訪ねて来たの、あたし名刺貰ったわ」

 で、次のシーンでは、
 早くもその上原を探し出して偵察していると言うスピーディーな展開。「反逆同盟」の調査追跡能力は警察並みである。
 しかも、万引き事件の際の二人のスケバンと同席しているところを捉えると言うタイミングの良さ。

 ユミの声「あれがカメラマンの上原よ」
 雄太の声「わっかんねえなぁ、どういうこと? あいつと九条がつるんでるって……」
 カメラは、三人を見張っているユミたちの背後まで後退する。
 雄太のほうを振り向いて、ルリ「バーカッ」

 この頃のルリは、初期に比べて丸くなった感じがするのだが、雄太に対してだけは相変わらずの手厳しさ。
  
 ルリ「ユミの後輩が出場停止になってぇ一番得するのは誰よ?」
 (この台詞の後、ユミがちょっと口を動かして何か言ってるように見えるが、声は聞こえない)
 雄太「……あっ!」
 ケイ「やっとわかった? 九条イコール黒鳥学園ってこと!」

 実年齢では年下のケイにまでバカにされる雄太。ただ、ここでことさらに馬鹿っぽいのは、その構図を視聴者にはっきり説明するためなんだけどね。
 それにしても、ケイの断定はいささか乱暴な気もする。まあ、そう考えれば全部辻褄が合うとは言え、これじゃ、九条と話してる奴は全部黒鳥の回し者、みたいになってしまうぞ。

 雄太「校長たちが木下を優勝させるためにユミちゃんの後輩を罠にかけたんだ」
 ケイ「それくらいのことはやりかねないわね、あいつらなら」
 ユミは会話には加わらず、ひたすら彼らを凝視する。

 で、カメラは店内に入る。
 ミドリ「まずいよ〜、まさか自殺するなんて」
 ヨウコ「そうよ、あのくらいのことでさぁ」
 上原「純情だったんだろう、お前らと違って」

 スケバンの割に可愛い飲み物を注文している二人。上原は大人らしくブラック(って中身は見えないけど)。
 背後では、エキストラの男性が待ち合わせに遅れたのか女性に謝っている。
 身体を乗り出して、
 上原「おたつくなっ、何も直接手を下したわけじゃないんだ」
    
 ミドリ「ねえ、もう、いいでしょう、写真返して」
 ヨウコ「お願い!」
 しかしこの二人、身なりはスケバン風だが、表情とか喋り方とか、ほんとにただの女子高生だよなぁ。
 まあ、ネオ・ショッカーの大幹部まで務めた堀田真三さんのド迫力の前なので余計そうなのかもしれないが。
 上原「そのうちにな」
 不気味な笑い。写真とはなんだろう?
 上原と別れて店から出てくる二人。
 ルリの声「あいつら……」
 ケイの声「知ってんの?」
 ルリの声「ミドリとヨウコ、日の丸女子高の番格だよ」
 安直な高校名だが、ルリはさすがにそういうことには詳しいようだ。
 看板に隠れて二人を見送る四人の様子がなんかかわいい。
 ちなみに喫茶店の名前は「グルメドール」。深夜4時まで営業している。知るか。
 ユミ「あの二人探ってみて」
 ルリ「ユミは?」
 それに対する返答がしゃれている。
 ユミ「モデルになるわ!」

 つまり、上原の誘いに応じて懐に飛び込むと言うことで、こういう展開はこのドラマでは珍しい。
 もっとも、ほんとにこの後モデルになるのはおケイちゃん(後藤恭子)なんだけどね。
 取り残されていささか唖然とする三人。
 上原が車に乗ろうとしていたところへユミがやってきて、
 「センセッ!」と軽い調子で話しかける。

 ここで、「君、誰?」とか言われてたらユミの面目丸潰れだったが、上原はちゃんと覚えていてくれた。
 上原「ああー、あの時の」
 ユミ「こんにちは」
 とびきりの営業スマイルを披露するユミ。

 その後、特に説明もなく、
 上原の車に乗っているユミ。テンポが良い。
 ただ、細かいことだが、この時、堀田さんは本人っぽいが、助手席のユミは仙道さんじゃないような気がする。顔ははっきり見えないのだから、エキストラでも構わないんだろうけどね。
 で、マンションと言うか、ビルに入っていく。
  
 プレートが映し出される。しかし、これだと、建物全体がスタジオみたいだ。
  
 親しくユミの肩を抱いてスタジオに入ってくる上原。
 上原「君がモデルになる決心をしてくれて良かった」
 ユミ「はい」
 ディレクターズチェアみたいなのに座らせて、
 上原「素敵だよ……待っていたまえ、飲み物でも持ってこよう」
  
 小さく頷くユミ。が、上原が画面奥のドアから出て行った途端、
  
 室内を全力で物色しだす。

 さすがに、気が早くないか?

 こういうことは、嘘でもちゃんと写真でも撮らせて、ある程度仲良くなってからするべきだろう。
 もっとも、30分番組でそんな悠長なことはやってられないし、飲み物を持ってくる僅かな時間だから一刻の猶予もならなかったのだろうが。
  
 13話では雄太があっさりと化学クラブの部屋で目指すものを探し出していたが、今回はちょっと時間がかかる。
 この時、背後に映っている装飾的な鏡がポイント。
 当然、必死に何かを探しているユミの背中が写っているが……。
  
 実はこれがマジックミラーで、彼女の行動は向こうの部屋にいる上原にバレバレだったのだ。
 これはなかなかうまい演出で、感心する。これは臨時に壁を作って、ガラスを嵌め込んでいるのかな?

 ちなみにこの笑いからすると、彼はユミの目的をある程度予想していたようで、これは、最初の方で岩崎涼子と彼女が話しているのを隠し撮りしていることと関係があるのだろうか。あるいは、危ない仕事ばっかりしてるから、常にこういう警戒を怠っていないだけだったのかもしれない。
  
 そうとは露知らず、3番目の捜索場所から再び2番目の位置に戻ってしつこく家捜しするユミちゃん。
 ただ、確実な悪事の証拠があると分かって調べてるわけじゃないし、いつ上原が戻ってきてもおかしくない状況なので、こうやって腰を据えて調べているのも、変といえば変である。
 しかしまあそこはドラマなので、さほど時間もかからず、とあるものが出てくる。ただし、これは岩崎涼子事件とは直接関係ないものなんだけどね。
 さきほどのスケバンのひとり、ミドリの顔を発見して、
 思わず鼻の穴が膨らむ仙道さん。可愛い。
 写真を繰っていくと、微妙にいかがわしい写真が何枚も出てくる。
 
 最後はヨウコの写真も出てくるが、これでは単にびっくりしてる顔である。ま、子供向けドラマであまり過激な写真はNGだからね。

 つまり、彼女たちはこういう(色んな意味で)恥ずかしい写真を撮られていて、それで上原に脅迫されているらしいのだ。
 思い掛けないものを見付けて険しい表情になるユミ。
 もっともこれだけでは、上原の捏造スクープを解明することにはならない。ユミは万引き現場に彼女たちがいたことは知らないからね。
 が、次の瞬間、
 ユミ「うっ、くふっ」
 いつの間にか戻っていた上原に、ごつごつした野性的な手でクロロフォルムを含んだハンカチを嗅がされる。
 ま、クロロフォルムかどうかは分からないけど。
  
 はかなく抵抗するユミだが、すぐにぐったりとして意識を失い、床に寝かされる。
 全くの無防備になるユミ。
 いまだかつてない種類のピンチに、当時の視聴者もワクワク、いや、ハラハラしたことだろう。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 ユミの貞操が心配だが、とりあえず、カメラは別行動のルリたちを追う。
 公園の横の狭い道を、テレテレ歩いていた二人の前に、ルリたちが立ち塞がる。

 相手より多い人数で交渉するのはこういう場合の基本である。雄太はあくまでも頭数ね。
 ヨウコ「なぁーんだよー、てめーらー」
 と、外では急に態度が悪くなる。
 ルリ「ちょっと話があるんだ、ツラ貸してくれる?」
 「不良少女と呼ばれて」以来、スケバンとして年季の入ったルリが口火を切る。

 ミドリ「あたいらにジョウトウ(?)切ろうってのかい?」
 この「ジョウトウ」、どういう字なのか分からないが、そういう専門用語があるんでしょうね。ここはまあ喧嘩を売る、みたいなことか。

 ケイ「場合によってはね、ちょっと上原のこと聞きたいんだ」
 後藤さんも一生懸命ガンを飛ばして演技している。雄太はいかにも不安そう。
  
 上原の名前が出た途端、二人はカミソリを指に挟んで構える。いまひとつ攻撃力無さそうだが。ショートレンジ過ぎ。
  
  ルリ「おケイ、どうやら当たりだね」
 ルリの言葉にケイも頷いて、戦闘ムードが一挙に高まる。

 そして、
 逸早く安全な場所に避難する雄太でした

 ま、いつものことなので、今更驚かない。
 そんな雄太は敵も味方もほっといて、みんなで公園の中に入り、石段のところで睨み合う。自然と、上では、ケイとヨウコが、下ではルリとミドリが対峙する形になる。
 緊張が高まってから、バトル開始となるのだが、ここはスタントが関わっていないせいか、全体的に地味なのは致し方ない。足場も悪いしね。
 互いに攻撃を繰り出すが、なかなか有効打にならない。
  
 ここは、ちらちら見えるルリのお腹や、綺麗な生足を鑑賞しておくのが吉。
 二人は石段から地面に降り、戦う。ルリはミドリのカミソリ攻撃を手で受け止め、
   
 「えいっ」と往復ビンタを食らわす。
 あえなくダウンするミドリ。弱いけれど、相手は反逆同盟のメンバーだからね。

 一方のケイたちも、下に降りて戦う。
  
 ケイ、勢いよく振り下ろされるヨウコのカミソリをサイドステップでかわし、
  
 続く水平方向の攻撃も、体を沈めてかわす。ここでは、背中がかなり露出する。 
  
 ケイ、一旦間合いを取り、今度の攻撃は両腕をクロスさせてがっちり受け止め、
  
 そのまま相手の腕を捻り上げる。
 手首を強くつかんで、カミソリを落とさせる。
    
 その上で、持っていた腕を勢い良く突き放し、
  
 ケイ「えいっ」
 正面に来たヨウコに豪快なキックを放つ! アクションとしてはとても綺麗でかっこいいのだが、

 おケイちゃん、パンツ見えてますよ!

 もう、困るなぁ(註・ほんとは困ってない)。

 ここは、かなりドキッとするカット。
 8話のスカートめくりは、ストーリーの流れの中で起きるし、どう見てもタイツのような、見えてもいい下着を履いているのだが、ここは、なりゆきで本物のパンツが見えちゃったと言う感じがして、とてもコーフンする(好きなだけコーフンしてろ)。

 もっともよくよく見れば、パンツの真ん中に筋が見えるので、ここでも用心のためにストッキングを履いて撮影していたんじゃないかと思う。しかし、8話はシナリオにちゃんと書いてあるパンチラだが、こちらのカットはアクションの過程で生じてしまった止むを得ないパンチラであり、明らかにこちらの方がパンチラとしてのグレードは上である。
  
 相手を倒したあとのポーズも可愛い。
 でも、それほど難しいアクションはないとは言え、全部自前で演じているのは立派だと思うよ。パンチラも辞さず、にね。

 そして、それを見ていた雄太の、指を鳴らしながら(音はしない)、
 「やったぁ〜」

 と言う喜びの声は、二人が勝ったことより、ケイのパンツが見えたことに対して言ってるとしか思えず、また、当時の殿方の視聴者の声を代弁しているとも取れる。まあ、後藤(現・藤本)さんにとっては恥ずかしいシーンだと思うので、セクハラで訴えられないためもこの辺にしておく。

 一転して今度は動きのないシーン。黒鳥学園の応接室へ飛ぶ。
  
 九条「校長も喜んでたよ、これで優勝間違いなしだって……うちみたいな三流校(きょうと聞こえる)はスポーツで優勝しない限り宣伝にはならんからな……約束のギャラだ」
 内ポケットから封筒を出して渡す。
 これで、上原が校長〜九条経由で岩崎涼子を罠にはめるよう依頼されていたことがはっきりする。

 封筒の中の札を数えた上原は、
 上原「九条」
 九条「なに?」
 上原「とぼけるなよ」
 上原の言葉に、九条は懐から紙幣を何枚か出して渡す。つまり、ピンハネしようとしていたのだ。

 実に情けない行為だが、
 上原「せこさは変わってないな、大学の時から」
 と、学生時代からの悪友からもズバッと言われる始末。似たようなこと繰り返してたんだろう。

 それに対し、
 九条「相変わらず稼ぐなぁ、シャッターひとつ押すだけで」
 と、厭味を返すが、
 上原「こっちは仕込から段取ってんだからなっ」
 まあ、確かに、事前に色々と画策した上で撮影してるからね。

 でも、冒頭の屋上からの盗撮は、ちゃんと粘って正々堂々(というのも変だが)と撮影しているようだけどね。
 九条「今日は付き合って貰えるんだろう、そっち持ちで」
 上原「あいにくだったな、俺を待ってる人がいるんでね、またね」
 と、誘いを断り、さっさと立ち上がる上原。この指の動きは、堀田さんの癖だろうか。
 九条は、上原が部屋を出るか出ないかのうちに懐からさらに2枚の1万円札をシュバッと取り出し、
 「フフフフフフフッ、にゃははははははっ」

 嬉しそうに笑って、札を指で弾くのだった。

 とことんせこいが、金を出すのが早過ぎて上原にばれそうだ。
 そもそも、報酬は事前にちゃんと取り決められてあった筈で、なんで上原は誤魔化されてしまったのだろう?

 そしてシーンはさきほどの公園に戻る。応接室でのシーンの時間が、そのまま戦闘後の冷却期間に該当しているという優れた編集である。
 ケイ「やっぱりでっちあげだったんだ」
 ルリ「汚いマネしやがって」
 ミドリ「仕方なかったのよ、あいつに脅されて」
 ケイ「どうしてあんな奴のゆうとおりになったの?」
 年上相手に優しい口調で尋ねるケイ。
 ヨウコ「写真撮られたのよ、あいつに」
 ミドリ「モデルにならないかって誘われて……」

 スケバンがモデルになろうとするな。

 あっさり白状してしまうふたりだが、ルリたちにしても涼子の万引き現場に彼らが居合わせたのは知りようがないはずで、上原と話していただけで、一足飛びに解答に達するのはちょっと不自然なんだけどね。ただ、普通に見ている分には違和感は覚えない。


 その頃、ユミは身体を縛られて、闇の中に横たわっていた。既に意識は回復している。 
  
 なまめかしい足元からカメラが動いているのがフェチっぽくて好き。この、なんか諦めムードの表情が色っぽいのだ。って、変態かワシは。
  
 そこで、パッと照明がつく。ユミは目を開いて、顔を光源に向けると、
 撮影用のライトを背に、九条との飲み会を断ったタンクトップ上原が立っていた。
  
 ユミ「えうっ」
 さすがに身の危険を感じ、もがくユミだが、どうしようもない。
 それでもなんとか身体を動かそうとする。
  
 上原「ハハハハッ、無駄だよ!」
 悠々と近付いて、ユミの左腕を靴で軽く押さえて、仰向けにさせる。
 ユミ「うっ」
 上原「まだしばらくは身体の痺れは抜けない」
 ユミの胸の上で手をブラブラ振って見せる。

 上原「答えてもらおうか、君の目的を……自殺した岩崎涼子の知り合いらしいな」
 これは、冒頭、二人が話しているところを盗撮していたことから出た台詞だろう。
    
 「自殺」と言う言葉に、ユミは瞳をぐりっと動かし、
 ユミ「自殺ぅ? あなたが殺したのよ!」
 怒りに燃える眼差しを向ける。
 上原「勝手に死んだんだあの娘は」
 ユミ「……ぬけぬけと……罠にはめたんでしょ!」
 こういう場合にも、丁寧な言葉遣いをするのがいかにもユミらしい。ルリだったら耳を塞ぎたくなるような罵詈雑言浴びせまくってるだろう。

 上原「だったらどうする?」
 ユミ「許さない!」
 囚われの身でありながら強気のユミを見て、上原が最高にいやらしい笑いを浮かべる。いいわぁ。
 上原「ふふふっ、はぁ(サングラスを外しながら)君も(は?)わたしに逆らえない、いや、逆らえなくなる」
 さっきのエッチな写真を思い出し、思わず身構えるユミ。
 全話を通しても、ユミがこういう種類の窮地に陥るのはここだけであろう。
  
 上原「写真と言うのは」
 ユミの背中のロープを掴むようにして、無理矢理起こし、
 上原「使いようによっては素晴らしい武器になる」
 ユミ「えうっ」
    
 上原「人は写真に写っているものを真実と思うんだよ、ははははっ」
 ユミ「うっ」
 喋りながら、制服のスカーフを抜き取り、ロープも取っ払う。

 いやあ、このなすがままのユミさん、いいですねえ。鬼畜かワシは。

 しかし、上原さん、ロープを外したのは軽率だったね。そうしないと服を脱がせられないからだし、薬の効き目を過信していただろうが。
 ユミ「うっ」
 人生最大かもしれないピンチに焦るユミ。
 (ただ、演じる仙道さんは、既に他の作品で数々の過激なセクハラ行為を受けているので、このくらい、へっちゃらだったかもしれない)
 上原「さあー、モデルになってもらおうかぁ」
 この、むきだしの白い首筋が色っぽいですなぁ。
 堀田さんのねちっこい演技も素晴らしい。
 上原さん、このタイミングで上着を脱いでタンクトップ姿になる。

 正真正銘の変態であった。ま、照明のせいで暑かっただけかも知れないが。
  
 上原は一旦フレームアウトするが、これはカメラを取りに行ったのだ。
 この、スカーフのない状態の制服姿、貴重な映像かもしれない。
 ユミ「うっ」
 はかない望みにかけて、膝で出口に行こうとするユミ。
 無論、すぐ上原に引き戻されて、無理に立たされることになる。
 上原「さあ、いい写真を撮ろう、うん!」

 だが、
  
 ユミ「えいっ!」
 上原「おうっ!」

 ユミは最初から狙っていたのか、向かい合った瞬間に、掛け声(とバラ投げのときのジャンッと言う効果音)もろとも上原の急所に右膝をぶちかますのだった。

 ピンチになったら急所攻撃と言うのは、18話でもルリがやっている、「反逆同盟」ガールズの必殺技である。
 その直後の仙道さん、なんとなく笑っちゃってるようにも見える。
  
 股間を押さえて転がって痛がる上原さん。情けないお姿です。しかもタンクトップで。
 ユミは悶絶する上原さんを尻目に、開いていたドアから逃げ出す。ドアを開けっ放しにしていたのも重大なミスである。
 ユミは、非常階段に通じるドアを肩で押して開くのだが、普通こういうところのドアはカチッと閉まるようになっているから、この状態のユミが開けるのは実はほぼ不可能に近い。それが証拠に、このシーンの入りは、ユミがドアを少し開いた瞬間から始まっている。下の画像参照。
 ピッタリと閉まってないのが分かるだろうか。
   
 実際、ユミが階段を下りて5Fに到達する前に、ガチャッとドアが自動で閉まる音が聞こえるくらいだからね。
 しかし、4Fまで降りたところで、へたりこんでしまう。
 ユミだからこれだけ動けたのであって、常人なら上原の言うように身動きできないほど強い薬だったのだろう。
 しかもここで、頭上のドアが再び開く音がして、復活した上原が追い掛けていることが分かる。
 ここは見てる方も、ハラハラしてしまうスリリングなシーンだ。
 ただ、こればっかりはどうしようもなく、「くふっ」と呻いて体を折るユミ。
 ユミも半ば観念していたのかもしれないが、そこで、いきなり横のドアが開いて制服姿の女の子が入ってくる。
 無言で、前屈みになっているユミを抱き起こし、ドアの向こうへ素早く連れて行く。
  
 これはミホという設定だが、無論、中山美穂が演じているわけではない。
 顔や髪型などが映るようなへまなことはしていないが、それ以外の部分はカメラが上に向かうときに一瞬だけ見える。
 しかし、これだけではね……別にルリやケイが演じる必要はないのだし、誰が演じているのかは意味のない追究だ。
 そうとも知らず、タンクトップ上原は、階段の下を覗き込みながら、必死で降りてくる。
 ユミが逃げたドアも素通りして、どんどん下へ行ってしまう。お疲れ様です。
 で、そこの床にわざとらしく置かれた一輪のバラ。
 さすがに、誰にも分かってもらえないところにこんなもの置いていく余裕は、ミホにもないだろう。
 視聴者に向けても、下記のように本人のバンク映像を挿入しているのだから、必要ないカットだと思うけどね。
  
 とにかくその後、7話でミホがユミの部屋から帰るシーンが再利用される。

 とすれば、これは、既にユミを部屋に送り届けた後だと言うことか。勿論、彼女を運ぶのにはタクシーを拾ったんだろうけどね。

 しかし、そもそもミホはなんでそんなところでユミが逃げてくるのを待ち構えていたのだろう? と言う大きな謎が残る。彼女が今回の事件を知っていたというのは劇中では触れられていないだけで、十分ありうることなので、その点は問題ない。ただ、ここにいるということは、ユミが上原とスタジオに入ったことを知ってるわけで、だったら、なんで上原が外出してる間にさっさと助け出さなかったのたか。また仮に、時間的余裕がなかったとしても、ユミが非常階段を降りて逃げ出してくるなんてこと、エスパーじゃない限り、事前に予測できる筈がない。

 まあ、とにかく中山美穂が参加していない時も、一回はミホに登場させないとダメということから、こういう苦しい処理になったんだろうけどね。ただ、こうやってぎりぎりでユミが助け出されるシチュエーション自体は悪くない。同時に、ルリやケイが助けに現れる方が、よっぽど自然であることも確かだ。
  
 それはさておき、ピントが徐々に合っていって、ベッドで眠っているユミの顔を映し出す。
 あどけなく、むにゃむにゃとしていたが、「パッ」と言う感じで目が開く。
 即座にケイの安堵の声が聞こえる。
 ケイ「よかったぁ、丸一日も眠ってたのよ!」
 ユミ「どうして、ここに?」
 ルリ「どうしてって……、自分で戻ったんじゃないの?」
 ケイ「ドアの前に、倒れてたのよ、わたしたちが来た時……」
 ユミはすぐに盟友であるミホに助けられたのだと気付き、心の中で「ミホさん……!」と呼びかけるのだった。

 なお、ケイの台詞にある「丸一日」と言うのは、彼女たちがユミを発見してから、24時間ということか。とすれば、ケイたちはミドリたちから事情を聞いたあとで、すぐユミの部屋にやってきたのだろう。ミホはユミをそこに放置して帰ってしまったことになるが、いささか無責任のようにも感じる。

 で、ルリたちはユミを(ユミの持っていたであろう鍵で)部屋に入れパジャマに着替えさせて、ずっと枕頭で見守っていた? うーん、でも、さすがに外泊は……まあ、ユミを発見したのが土曜だったら、友達のうちに泊まると言えばルリたちの親も納得するかな? ただ、雄太までが泊まることはないだろうから、彼が制服を着ているということは、今日も授業があった、ということか。あるいは、昨夜、ベッドに寝かせてから、三人は一旦帰宅し、今日、学校が終わってから真っ直ぐここにやってきた……?

 それにしても、24時間眠り続けると言うのはかなり強力な薬である。上原は「痺れはまだ取れない」程度のことしか言ってなかったが。あるいは、無理に動いたために、その反動で長時間意識を失っていたのだろうか。
 ケイ「ユミが眠っている間に調べたんだけど、犠牲になったのはユミの後輩だけじゃないよ!」
 ユミ「えっ……」

 シリアスな顔だけど、下は可愛らしいパジャマと言うのが良いですね。ぐふふ。

 ルリ「甲子園代表になった浜崎高校が出場辞退したことがあったでしょ?」
 ユミ「部員が女の子とキスをしている写真が公表された……」
 で、ミドリとその部員とやらが抱き合っているイメージシーンが挿入される。
 無論それを遠くから激写している上原の姿も……。

 ケイの声「それを撮ったのもアイツさ!」
 この「〜さ!」と言うのは、たまにケイが使う語尾だが、全然身に付いていない所が逆に可愛い。
 ケイの声「そのほか、色々似たような事件があるんだ」
 ルリの声「みんなあいつの仕組んだことなの」

 上記の事件に関しては、それこそ仕掛け人のミドリから直接聞いたのだろう。
 彼らの言う色んな事件と言うのは、あくまでミドリやヨウコが関与した件に限られると思われる。

 しかし、キスの写真で出場辞退か……のどかな(?)時代だ。
  
 ユミはガバッと起き上がり、「ルリ……、ケイ!」
 この時、いちいち呼びかける相手のほうへ目を動かす細かい演技が見られる。
  
 怒りと決意を秘めた呼びかけに、無言で頷く二人。
 雄太「あの、オイラは?」
 ユミも雄太を無視して頷き返す。
 さて、とびきりの獲物を逃して失意の上原さんだったが、電話がかかってきたので、とる。
 上原「はい、上原だ! おう、週刊写真ニュースさんか、えっ、いいネタね……、ありますよ。ギャラは弾むんだろうな!」

 急に態度がでかくなる上原さん。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 さて、その夜、遊園地の中で、ライトを浴びせられて眩しいミドリとヨウコ。
 そのライトは車のヘッドライト。車から上原が降りてくる。左右には鉄パイプみたいなのを持った男達が立っている。
 上原「よおっ、お嬢様たち元気そうじゃないか」

 むむ、元気そうじゃないかって、計算によると、別れてから1日半くらいしか経ってないんだけど。もっとも、ユミたちの決意の表情から、この場面までどのくらい時間が経っているのかは不明なんだけどね。
 ヨウコ「いったい、どこまであたしたちを利用する気?」
 ヨウコの抗議に、

 上原「甘ったれんじゃねえ、バカヤロウ!」

 と、ドスの利いた啖呵で報いるタンクトップ改めカメラマン上原。
 上原「お前たちズベ公(死語)のスペアなんていくらでもあるんだっ、この俺様に相手をして貰って感謝することだな!」
 と、畳み掛けるような暴言だが、なんかスカッとするんだよね。いっぺん言ってみたい。

 一呼吸置いて、左右の部下に、と言うか、そもそも彼らはなんなんだろう、カメラ友達かな。
 上原「いいか、みんな! 女は暴力の中で生き残ることが出来るか、そいつが今日のテーマだ」

 どんなテーマやねん

 そんなざっくりした企画がよく通ったな週刊写真ニュースさん。
 上原「タイトルはな、へへへっ、『少女狩り』だ……やれ!」
 例によってスケベな上原さん。ステキです。
 上原の指示に、画面左から2番目の男が、「ハイ」と答えるのだが、この声が妙に善良と言うか、優しいので、拍子抜けしちゃうのだ。
 彼はナイフをかざして少女二人に近付き、
  
 「オラ早く逃げろよ」「ほらぁっ」などと、みんなで襟首を掴んで、しまりのない罵声を浴びせたりするのだが、
  
 ナイフを勢い良く振り上げた手に、ルリの鉛筆が飛んでくる。
 男「ううっ、ぐわっ」

 「どうした!」と駆け寄る仲間。仲間思いなのね。彼らの視線の先には、
  
 無論、あの方たちが!
 カメラマンの鑑の上原さんは、いつもカメラを肩からぶら下げているのです。
 ルリ「闇の中で、のさばり続ける悪党ども!」
 このシーン、スカートをめくった太腿のバンドには4本の鉛筆が揃っている。さっき投げた分は?
 ケイ「てめえらのようなワルは、許せねえ!」
 ユミは腰のあたりで拳をクロスさせ、
  
 ユミ「天に代わって」まで言い、拳を構えつつ、「成敗する!」
 上原「何だ貴様ら!」
 三人「セーラー服反逆同盟!」
 ここ、立ち位置にもよるのだろうが、いつにもまして、ケイが大きく見える。まあ、15歳だから、撮影開始から比べても実際に成長してるのかも。
 上原「そうか、やられる女は多いほど迫力が出る、歓迎するぜ、裸にひん剥いてやれ!」
 上原さん、言動がちょっと下品ですね。なお画面左端の人は、仮面ライダーなどのスーツアクターの岡元次郎さんのようだが。

 ま、裸にひん剥かれた反逆同盟の皆さんもちょっと見てみたいが……

 ちなみにここ、よみうりランドに上原たちが撮影に来るということは、反逆同盟はどうやって知ったのか。雄太辺りが上原を張っていたのか、あるいは、ミドリとヨウコに、何かの場合に連絡してくれるように頼んでいたのか。
 上原の号令で、手下たちが一斉に襲い掛かる。人数は8人。観覧車をバックに、しばし乱戦。
 この時点で三人ともスタントに切り替わっていると思われる。
 カメラマンの上原さんは後方で写真撮影担当。
 その間に、ミドリとヨウコは車の背後に移動して様子を窺う。
 しかし、さっきの好戦的な姿勢を見る限り、無防備な上原に攻撃してもよさそうだが、空気を読んだのだろう。
 乱戦の中、ルリのキックが画面を占領する。かっこいい。
 良く見たら、ルリじゃなかったけど。
  
 ユミに対し、「おりゃあ」と、アルミパイプのようなものを叩きつける男。
 それをまともに浴びて歪むユミの顔。ここは仙道さん本人が演じている。
  
 ユミ「うっ」
 両手を広げて後退するユミ。今回は、薬の影響で、体調が百パーセントではないのかもしれない。
 しかし、その場でジャンプして、
  
 観覧車をバックに空中で一回転し、
 ユミ「えいっ」
 そのまま二人の男の腹にキックを打ち込み、
  
 さらにその反動で、後方へ回転すると言う荒業を披露するユミ。相変わらず超人的な身体能力である。

 と言うか、物理的に無理だと思うが。映像的には、とてもかっこいいけどね。
 また、左の画像のふたりは明らかにユミの靴を持って押し上げてやっている。
  
 ユミ「うっ」
 着地すると、仙道さん本人に戻っている。そして、そのまま、
  
 後方で写真を撮っていた上原に急接近し、攻撃を仕掛ける。

 相手は両手が塞がっているから、ユミの楽勝のようだが、意外とここで梃子摺る。攻撃をかわされたばかりか、
  
 上原「うおーっ」
 ユミ「えうっ」
 制服の襟を背後から掴まれ、勢いよく投げ飛ばされる。
 ユミ、やはり本調子ではないのだろうか。
 それでも立ち上がって回し蹴りを繰り出すものの、ヒットしない。
 逆に、「おとぎ列車」というアトラクションへ続くスロープのフェンスに身体を押し付けられる。
 ユミ「うっ」
 ここは、堀田真三さんと、スタントが演じている。堀田さんはそれなりにアクションができる人なんだろう。
 上原「ぐおおーっ」
 で、アップになると仙道さんにまた戻っている。
 我々は、ぼけーっと見ているが、現場では、細かく俳優とスタントが入れ替わって撮ってる訳で、大変だったろうなぁ。この作品に限らないけど。
  
 それでも、ユミ、上原の手首をじりじりと剥がしてから、
 ユミ「えいっ」
 渾身の右ストレートを放つ。本来なら、これでKOされてもおかしくないのだが、体調不良のせいか、決定打にはならない。
 さて、こちらは複雑な形のアトラクション(高いハシゴみたい?)の、踊り場のようなところに立っているケイ。
 スカーフで攻撃する。
 後藤さんのアップからすぐ引いて、攻撃されたスタントの男性がまず突き落とされる。
 横にいるもうひとりの敵を殴ってから、
 自分も飛び降りる。
 着地すると、また後藤さんに戻っている。
 で、そこから上空に向かってチェーンを投げる。
 踊り場のところで直前に殴った男の首に巻きつく。
  
 それを下からぐいぐい引っ張るケイ。
 男「うわあああーっ」
 最終的には、そのまま地面に落とされるのだが、だったら最初から踊り場から降りずに、男を蹴飛ばして落としていれば良かったのでは?
 地面に落ちる男と、まだチェーンでつながっているケイ。
 この背景を見ると、これは結局観覧車だったのかな。上の踊り場とかハシゴは、管理者用の施設か?
 しかし、今回の下っ端の皆さんは仲間思いなので、倒れた男のそばに3人も集まってきて、逆にケイの体を引っ張ろうとする。
 剛力のケイ(4話では岩を軽々持ち上げていた)だが、屈強な男4人との綱引きは、さすがに分が悪い。
  
 ケイ「えうっ」
 転倒しながらズルズル引き寄せられてしまい、
  
 棒状の武器でまともに顔面を強打される。それでも頑なにチェーンを手放そうとしないケイ。
 でも、彼女、普通に戦っても強いんだから、そこまでチェーンに固執しなくてもいいと思うんだけどね。
  
 手下おらっ」
 ケイ「うっ、うっ」
 地面を転がって逃げようとするが、取り囲まれてフクロにされかかる。
 ここも、スタントと本人がめまぐるしく入れ替わる。

 ケイのピンチ!
 ルリは別の敵と戦っていた。
 腕をクロスさせて打撃を受け止める。
  
 戦いのさなか、素早く鉛筆を2本ケイたちのほうへ投げつける。
 ついで目の前の敵を軽く片付け、くるっと一回転して、もう2本、鉛筆を投げる。
 この辺から、「Don't Stop Lullaby」がスタートする。
 横たわったままびっくり顔のケイ。
 彼女の回りにいた4人全員にルリの投げた鉛筆が刺さって攻撃をやめさせたのだ。神業である。

 さらにこの後、
  
  
 群がる複数の敵を相手に、獅子奮迅の働きを見せるルリ。今回のルリはとても強い。

 それに反し、
  
 いまだに上原に苦しめられているユミ。ここまで弱いということは、やはり薬で体が弱っていると言う設定なのだろう。
 ユミを絞め殺しかねない勢いの上原。
 ユミのピンチに、ルリが敵を片付けてから駆けつけ、ケイも少し遅れてやってくるが、上原はユミの身体を盾にして容易に近付けない。
  
 それでも、ルリの蹴りが上原の土手っ腹に突き刺さって怯ませる。その機を掴んでユミの左腕が上原の顔面を打つ。
 ユミ「えいっ」
 一旦ユミは上原から逃れる。ルリとケイは近付こうとするが、どこからか取り出した上原のチェーンのような武器に威嚇されて阻まれる。
  
 それでもユミは上原に近付き、腕を絡ませて睨み合う。
 ユミ「う、ううっ」
 この力比べでも負けて、ユミはそのまま投げ飛ばされてしまうのだが、
 その力を利用して一旦、「おとぎ列車」の先頭部分に飛び乗り、
  
 ジャンプして、強烈な蹴りを上原の背中に叩き込む。
 上原「うわぁーっ」
 上原、うめきつつ、ルリとケイの待つところにふらついてやってくる。この段階でも、まだカメラをはずさない。

 が、ここで三方から殴る蹴るの暴行を受けて、
 最後は珍しいユミのジャンプしてからのパンチでぶっ倒れる。
 さすがのカメラマン改めハードボイルド上原もノックダウン。
 この人、強いのか弱いのか、今ひとつはっきりしない。

 ま、敗因は、カメラをずーっと持っていたことだろうけど。
 敵を倒し、ユミを中心に集まる三人。
 その様子を見てホッとしたように顔をあわせるミドリとヨウコ。
 ドラマでは描かれていないが、この後、上原のスタジオから写真も取り戻したのだろう。
  
 ユミ、肩を息をしつつ、左右の二人と顔を見合わせ、頷きあった後、
 ひとりなんとなく上目遣いになる。今回はミホは途中でユミを助けているので、戦闘中のバラ投げはなかった。
 ここでサビの「歌ってララバイ!」がタイミングよく決まるのだが、次のエピローグになっても曲はそのまま続く。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 翌日(?)、雨上がりの道を仲良く登校している三人。
 今までにこういう背景はなかったけれど、これはいつもの正門に続く道である。
 しかし、三人はいつもこうやって一緒に登校しているのだろうか。それぞれの家がどこにあるのか不明だし、登校手段すらはっきりしないのでなんともいえないのがもどかしい。

 ケイ「怖いのねえ、写真って……一歩間違えば凶器だもん」
 
と、今回の事件についてのケイのまとめのお言葉。

 と、背後から雄太の間抜け面が走ってきて、
  
 ルリ、ユミ、
 ケイのそれぞれのスカートの中に手を突っ込んでシャッターを切る。咄嗟のことで三人もほとんど反応できない。
 ルリが「いやっ」と言ってるようだが、ケイかもしれない。
  
 雄太「へへーっ、アクションカメラ!」
 と、小型のカメラを持って得意そうに叫ぶ雄太。そしてもう一度シャッターを切る。

 これは80年代にテレビ東京系で放送されていたエロ番組のタイトルから来ているのだろう。既に流行語として定着していたのだろうか。
 もっとも、雄太のことだから、そういう格好をしただけで、実際にスカートの中を撮影したわけじゃないだろう。

 もしほんとにそんなことしてたら、ルリに殺されてる筈だからね。
    
 そう言って走り出す雄太のあとを、冗談半分で怒りながら追い掛ける三人。
 ルリ「あのバカ、なんにも分かってないんだから!」
  
 ユミ「もう、雄太ーっ」 
  
 いかにも青春の1ページと言う感じで、ほのぼのするわぁ。

 ここ、ちょっと見れば分かるが、雄太の前方にはほとんど人気がない。実際は生徒役のエキストラだって少ないからね。

 ちなみにさっきのバトルで一件落着となっているが、具体的に上原がどう裁かれたのは不明である。
 ただ、たとえば警察に捕まって黒鳥学園に依頼されたなんてことを喋ると、その後、大騒動になってる筈なので、それがないということは、とりあえず私的制裁を加えた、という程度か。あるいは、ミドリとヨウコの恥ずかしい写真を取り戻しただけで満足だったのだろうか。いずれにせよ、上原をどう罰したところで、岩崎さんが生き返るわけでもないのだが……。それでも、彼女の万引きの濡れ衣だけは晴らしたいとユミは思っていただろうから、その辺がね……。

 あるいは、警察に捕まった上原だが、意外と九条との友情を大事にして、彼らに依頼されたとは口を割らなかったのかもしれない。その場合、学園から黙っていれば報酬をやるとでも持ちかけられたとする方が上原らしいけれど。

 どうでもいいが、マラソン大会で、結局木下良子さんは優勝できたのだろうか?



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
  予告編だが、
 今回はわざわざ取り上げるほどの違いはほとんどない。

 はっきりと分かるのは、上原がカメラを構えているカット。
 上が予告編で、
  
 下の、左が岩崎とユミを撮っている所、右が野球部員のキスを撮っている所で、どちらとも予告編とは違う。

 それと、ユミが上原の股間を蹴り上げるシーンも違うテイクが使われている。
  
 また、非常に細かいことだが、予告編(左)では後ろの掛け時計は8時25分ちょうどだが、本編(右)では30分近くを指している。

 股間を蹴り上げた時の効果音も、予告編と本編では違うものが使われている。



 まとめ

 さて、最初に書いたように、全話の中でもトップ3に入る傑作だと思う。
 全体的に軽いミステリー要素があって、興味が持続するし、冒頭の四人のやりとり、途中のミニ戦闘シーン、ユミがモデルになると言って上原の懐に飛び込むところなど、個々のシーンの充実度も高いうえに、実際に人死にが出るというショッキングな展開。堀田さんの悪役も印象的であるし、何かと話題になっていた写真週刊誌を題材にしてトレンディ性も高い。別におケイのパンチラがあるから評価が高くなっているわけではない。

 が、以降、最終回までこれを越えるエピソードがないのが残念だ。あくまで管理人の主観であるが。