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第19話 白い制服を着たミホ同盟加入!
放送日時 1987年2月23日
監督 帶盛迪彦
脚本 大川俊道
準レギュ 安岡力也、南原宏治、奈美悦子
ゲスト 大杉漣/岩清水、田村奈美/西島かおり、恩田真美/看護婦、鶴田忍/医師
予告 ミホの親友かおりがガス爆発の巻き添えにあった。事件の真相を調べるミホ。そんな折、かおりが何者かに殺されてしまう。教育連盟抹殺を企てた父・山縣の仕業であることを掴み、怒りに燃えるミホは山縣の元へと向かう。ミホの心中を察したユミたちは……。次回、「セーラー服反逆同盟」、お楽しみに!
備考 鶴田忍のクレジットは無し。藤岡重慶、中島はるみのクレジットはあるが、実際には出演していない。ダンス指導は伊東富久美。タイトルの!は正確には45度に傾いて表記されたもの。
評価    シナリオ ★★★ いよいよドラマが佳境に入るが、シナリオは杜撰である。
演出 ★★★ 大杉漣のドラキュラ風芝居はどうかと思う。
映像 ★★★★ 空が青い。仙道さんたちのアップが多くて幸せ。
キャスト ★★★★  若き大杉漣がさわやか。スタントを演じてきた田村、恩田にスポットが当たる。
アクション ★★ ザコの数は多いが、印象に残るアクションはない。
総合 ★★★ 最終エピソードにつながる重要な回だが、平凡だ。
アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 いよいよ、最終回に向けてドラマが大きく動き出す、その導入部とも言うべき第19話。

 なにより特徴的なのは、この回からスケジュールが空いて「反逆同盟」に全力を挙げて取り組むことになった中山美穂の存在である。中山美穂のファンは喜んだだろうが、自分のスケジュールの都合でそれまでしょっちゅうさぼっておきながら、終盤になって急に「反逆同盟」に割り込んでくるのが、個人的には不愉快だ。当然、それまでの4人の輪に入ろうとしても、形だけで、以降の「反逆同盟」のアットホームな雰囲気に水を差すこと、大である。

 今更言ってもしょうがないが、スケジュールが空いたからと言って安易に「反逆同盟」に参加させず、コミック版のように最後までユミたちの陰の協力者の立場でいてほしかったところだ。もっとも、初回のOPから、白いセーラー服着て一緒に歩いているので、いずれはミホも加入させなくてはならなかったことは分かる。それにスケジュールの問題は、中山美穂の責任ではないんだけどね。

 で、ユミの本格参入第1回と言うことで、当然ながら今回は彼女の出番が非常に多い。久しぶりに南原宏治や奈美悦子も出てくるし、ゲストも多い。よって、その割を食って、他のレギュラーのユミたちの出番が少なくなっている。自分の中でますます評価が下がる。
  
 導入も、ミホの映像から入る。
 ダンスの練習場のようなところで、ピアノにもたれて友人のダンスを見ている。
 自身もダンスミュージックにあわせて軽く頭を動かしている。踊っているのは、
  
 ミホの友人かおり。演じるのはJACの田村奈美さん。今まで、スタントとして戦闘シーンなどに何度も参加してきた。年齢は撮影当時20歳くらい。
 まあ、しかし、このダンス、垢抜けないことは確かだ。田村さんの踊りそのものは本格的なんだけど。
  
 美人ではないが、なかなかチャーミングである。ややしつこくミホのアップが随時カットインしてくる。
 こういうところなんかはJACっぽい。瞬間的に大股開きの股間がど真ん中に来るのはちょっとどうかと思うが。絶対、貼りません。
  
 ポーズを決めて終了。

 尺にすれば僅か1分だが、見ていると、とても長く感じられる。
  
  ミホは拍手をしてから、タオルをかおりに手渡す。
 ミホ「ステキだった、かおり、はい……もーっ、うっとりしちゃった」
 かおり「ありがと! そんなに誉めて貰っちゃ、何かご馳走しなくっちゃね」
  
 その言葉どおり、次のシーンでは喫茶店でアイスクリームを食べているミホの様子。色気のない食べ方だ。
  
 かおり「それー、320(キロ)カロリーはあるわよ」
 ミホ「うんっ?」
 かおり「ダイエットの心配ないなんて、羨ましいわ」
 スプーンをくわえたまま顔を上げるミホがちょっと可愛い。
 ミホ「我慢なさい! オーディションまでの辛抱でしょ」
 かおり「まあね、ブロードウェイで踊れるようになるまで、頑張るわ!」
  
 ミホ「ブロードウェイね、いいわねえ夢が広がって……そっちのほうが羨ましいわ」
 かおり「でもねえ、夢はアイスクリームみたいに甘くはないわ」
 ミホ「そうね」

 「不良少女と呼ばれて」の中の、伊藤かずえの名言「愛は壊れやすいのよ、ビタミンCのように」に匹敵する名台詞をたどたどしい演技でぶちかます田村さんだったが、中山美穂のかるーい演技であしらわれる。
 ←   
 笑って応じたミホがふと窓の外へ視線を向けると、道路上に立つ黒いマントを着た怪しい男が彼女を見ていた……。

 そう、今や日本映画に欠かせない存在のひとり、大杉漣さんです。当たり前だが、若いなぁ。当時まだ35歳。
 ミホの厳しい表情でOPへ。

 今回も、アバンタイトルは短く、程好く謎を含んだ状態でAパートへつながるので編集としては文句なし。

 しかし、アバンタイトルでユミたちレギュラーが一切登場しないのは、今回だけだろう。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 Aパートは、アバンタイトルからそのまま続く。
 店の前で別れる二人。
 かおり「じゃ、またね」
 ミホ「ウン、また練習見に行くわ」
 かおり「うん」
 ミホ&かおり「バイバイ」
 かおりは自転車、ミホは徒歩である。
  
 と、ミホが横断歩道を歩いていると、先ほどの大杉漣が近付いて話しかけて来る。後ろから、こちらをちらちらと見るおばちゃんが気になるなぁ。
 男「お待ちしておりましたよ」
 ミホ「父に頼まれたの?」
 男「ええ、ちょっと、お話が」
 ミホ「いくらあなたが父の秘書でも、あたしには関係ないわ」
 男「説得するように頼まれました……」

 この会話で、大杉漣がミホを狙っている変態ではなく、山縣理事長の秘書だと言うことが判明する。
 ミホ「何のお話かしら?」
  男「分かってらっしゃるでしょう」

 うーん、根っからの善人にしか見えん。

 ミホ「だったら、あたしの答えも分かっているはずでしょ」
 ミホは言い捨てて、歩き去る。

 山縣家の門構えが映し出される。ミホの自宅が出てくるのは無論これが初めてである。

 冗談のような豪邸だった。

 ルリがミホにひどく反感を持つのは、案外この辺に原因があったりして。
 内部も、絵に描いたような金持ちの部屋だった。
 12話以来久しぶりに登場の奈美悦子。

 加寿子「ミホさん、良く考えて御覧なさい。イギリス留学なんて悪い話じゃないわ。黒鳥学園に残っていても、あなたのためにはならないわ」
 ミホ「あたしがいては、都合が悪いみたいね」
 加寿子「あっはぁ、邪魔者扱いしてるわけじゃないのよ。あたしはあなたのためを思って……」
 ミホ「あたしのためにじゃなくて、父のためでしょう?」
  加寿子「ミホさん……」
 ミホ「あたしはあたしなりに学園を愛してるの……離れるわけには行かないわ、絶対に」

 いつの間にか、ミホのイギリス留学の話が持ち上がっていた。個人的には、心の中で「どんどん行け」と思っていたことを白状しよう。まあ、どうせ行かないのは分かりきってるんだけどね。

 さて、場面変わって、その夜、かどうかは分からないが、
 買い物袋を抱えて、アパートへ帰ってきたかおり。彼女はミホと友人だが、高校を中退しているようで、一人暮らしをしているらしい。
 ちょうど、彼女の部屋の手前の部屋から、黒い服の男が出てくる。ストーリー上は大杉漣のはずだが、どうも違う人が演じているようだ(少し背が低い)。
  
 かおりは一旦自分の部屋のドアを開けようとするのだが、さっきの男のことが気になり、隣の部屋を覗いてみる。

 彼女に「好奇心は身を滅ぼす」と言う言葉を贈りたい。
 彼女がドアを開けると、ガスの漏れるようなシューッと言う音に続いて、ペキッと言う破壊音がし、フラッシュを焚いたように閃光が走る。
 一瞬、煙が視界を覆い、ついで赤い旋風のようなものがかおりを襲う。
 これは、爆発の衝撃と言うより、閃光をまともに浴びていることを表現しているのだろうか。
  
 続いて、サイレンを鳴らして走る救急車と、朝日ファミリー病院の入り口の映像。

 これは、第6話でルリの親友かおりが運び込まれるときの映像と全く同じである。そう言えば、名前も同じ「かおり」だった。
  
 どう見ても、黒鳥学園の校舎にしか見えないのだが、とにかく、病院の廊下と言う設定の中を、ストレッチャーで運ばれていくかおりと、付き添うドクター、看護婦、そしてミホ。
 しかし、こんなに早く、しかも近親者でもない唯の友人のミホがこの場に居合わせると言うのは、さすがにリアリティがない。

 ミホ「かおり、かおりっ、ねえ、かおり! かおり、かおり、しっかりしてよ!」
 赤い照明は、救急病棟を表現しているのだろう。
  ミホ「かおり!」
 看護婦「そこでお待ちください」
 かおりは、手術室に消え、ミホは締め出される。当たり前だ。
  どうでもいいことだが、この看護婦さん、一応台詞があるのだから、クレジットされても良さそうなものだが、一方で、同じ看護婦でも台詞のない恩田さんはクレジットされているのだから、いささか不公平だ。
 ちなみに、手術室の手前には「レントゲン室」と「救急室」の表示がある。手術室のすぐ横にそんなものがあるかな。
 心配そうなミホ。

 さて、次のシーン、やっとここで、レギュラーの四人が登場。
 事件の翌朝の平和な登校風景。
 雄太「よっ」
 三人「おはようー」
 雄太「おはよ」
 この何気ないやりとりが、とても和気藹々としていて私は好きだ。
  
 雄太「昨夜のガス爆発知ってる?」
 ルリ「知ってる。あのーどっかの研究所のオジさんが、ニトログリセリンを盗まれて自殺したって奴でしょ」
 ケイ「いい迷惑よねえー。隣の部屋の人まで巻き添え食ったって話じゃなーい」
 雄太「それそれ、その巻き添え食ったってのが、西島かおりだったなんてさー」
 と、用意していた新聞をカバンからさっと取り出す雄太。これは、いかにも練習したと言う感じで、なんか笑ってしまう。

 その新聞。左の漫画は当然「コボちゃん」です。
 記事部分が一瞬アップになるが、

 多摩化学研究所に勤める土井さんが、今月二十日に手首を切って自殺を図り、三日前に退院し、それからガス自殺をしようとして引火したうんぬんと書いてある。

 多摩と言うのは、撮影スタジオがあった場所から取ったのだろう。オンエアが2月23日なので、ドラマ上でもこれは2月下旬の物語だと判断していいだろう。撮影そのものは、うーん、いつなんだろう。年が明けてからだろうが。
 ちなみに、右の画像の左下は、もう事件とは全く無関係の記事が続いている。
  
 ルリ「この西島かおりって、去年までダンス部にいた?」

  うーん、空が青い。
 この冬の、冷え切った、密度の濃い空はとても清々しい。

 しかし、ダンス部なんてのがあったのか、黒鳥に。
 雄太「そう、ブロードウェイのダンサー目指して学園辞めちゃった奴」
 ケイ「やだぁ〜、死んじゃったのぉ?」
 雄太「重傷だってさ」
 だいぶ髪の長い仙道さんだが、聖子ちゃんカットよりやっぱりこっちの方が似合うね。


 場面変わり、病院で、かおりの状態について話を聞いているミホ。
 ミホ「目が見えない?」
 医者「ええ、爆風で飛ばされた破片が視神経ぎりぎりまで刺さって、摘出はほとんど不可能な状態です」
 ミホ「そんなぁ〜」
 相変わらず台詞が軽いミホ。

 なお、この医者、どう見ても鶴田忍さんだと思うのだが、何故かクレジットされていない。謎だ。

 ※追記・鶴田さん、同年同月放送の「銭形平次」5話にゲスト出演していて、同じユニオン映画で撮影所も同じだったと思われるが、関係あるのかな? 
 医者「手術を行えるような医者は、日本にはおりません。まあ、キンブル大学のジェラード教授ただ一人でしょう」
 ミホ「ジェラード教授?」
 医者「しかし仮に教授のオペが受けられるようになったとしても、それには莫大な費用がかかります……ですからほとんど不可能な状態だと申し上げたようなわけで……」
 医者の言葉に、深刻な表情で俯くミホ。

 なお、この深刻な話の最中、赤文字部分のようなギャグが出てくるのに、いささか戸惑いを覚えた。
 無論、これはアメリカのテレビドラマ「逃亡者」の、リチャード・キンブル、ジェラード警部と言う登場人物名のもじりなのだが、「反逆同盟」とは全然関係ないし……。単に、脚本家か監督が、そのドラマのファンだったということかもしれない。
 そしてそれを廊下で立ち聞きしている大杉漣。プレートにはちゃんと「眼科部長室」と書いてあるのが細かい仕事。

 この後、早速そのことを山縣理事長に御注進し、指示を仰いだのだろう、その翌日(かどうかは不明だが)、病院の中庭でミホに話しかけている。
 ミホ「父が手術の費用を?」
 大杉「ええ、全額、出してくださるそうです。ジェラード教授なら、医師会の御友人を通してオペを依頼することが可能ですからね」
 大杉「ただし条件があります……お嬢様が、イギリス留学をなさること。わかりましたね」
 しかし、黒鳥でも授業に一回も出ないサボリ魔ミホが、イギリスに留学しても、豚に真珠だと思うけどね。
  
 ミホ「そんなこと……できないわ」
 相変わらず、ふにゃふにゃした喋り方で提案を蹴り、憤然とその場を立ち去る。
  
 そして、その足で、かおりの病室を訪れていた。
 ミホ「かおりっ、お花」
 かおり「うーん、いい匂い、ミホさんありがとう」
 ミホ「脚の方はなんともないって、良かったわね」
 かおり「この目の包帯、いつ取れるのかしら……もしかしたらあたしの目、ごく悪いんじゃなくて?
 急にいにしえのお嬢様っぽく問いかけるかおり。ここ、「すごく」なのか「ごく」なのか、はっきり聞き取れない。普通は「すごく」だろうが。
 ミホは慌てて打ち消す。
 ミホ「何言ってるのよ、バカねえ!」

 かおりに目のことを伝えるかどうかは、なんかミホが権限を有しているようだが、かおりは家族がいないのだろうか? ま、30分番組なのでいちいちその家族まで出していたのでは時間が足りなくなるからね。後で彼女が亡くなった時も、ミホ(とユミ)以外誰も駆けつけてないしね。
 かおり「ごめんなさい、でも、たとえそうだとしても、絶対見えるようになると思うわ」
 根拠もなく断言するかおりだった。
 かおり「そう信じてる! 絶望が一番の罪だって、神様も言ってるもの」

 神様、そんなこと言ったの?
  
 気丈に振舞うかおりだったが、ミホはその目から涙がこぼれるのを見てしまう。
  「Shadow of Love」のピアノバージョンを背に、黒鳥学園の敷地内を物思いに耽りつつ歩くミホ。
  
 その脳裏には、親友かおりの事故に遭う直前の元気だった姿が浮かんでいた。
 右は、かおりの「じゃまたね」と言う台詞とともに、店の前で別れたときのミホ視点の映像になっている。つまり、この時のために別に撮ったものなのだ。
 最後に「絶望は一番の〜」と言うかおりの台詞を繰り返し、回想シーン終了。
 植え込みの傾斜を降りて、駐車場を歩くミホ。奥の方で生徒たちが遊んでいるが、車は一台も見当たらない。
 何故か、その後ろをつけている雄太。盗聴に飽き足らず、ストーカー行為に走っているのかと思ったが、そうではなく、雄太のこの行動は、終盤に向けてミホが反逆同盟に本格的に参加するきっかけになるのである。

 軽く頷いて、ミホのあとをつける。

 そんなこととは露知らないミホは、例のアジトで、いつものようにユミと会合を持っていた。
 ミホは、イギリス留学を受け入れ、かおりの目を治す決意を固めたのだった。
  
 ミホ「ユミさん、卑怯だと罵られてもしょうがないわ、でも、あたしはどんなことしてもかおりの目を治してあげたい」
 ユミ「ミホさん……あなたの気持ち、よく分かるわ……同じ立場だったら、あたしだって同じことすると思うの……だから、もう自分を責めないで」
 ユミはいつもながらの優等生的発言。救われたように笑顔で振り向くミホ。
 ミホ「ありがとう! 結局、あたしは父には勝てなかったのね……反逆同盟にも加われなかった……ごめんなさい……いつかはって思ってたけど」

 いいえ、とんでもない。

 このままエゲレスへ飛んでてくれたら、なお良かった。←管理人の本音
 ユミ「これから先は、あたしたちに任せて……あなたの応援なしでも頑張ってみせる」
  
 頷き合う二人、麗しい友情。
 その後、アジトから人目を忍んでこっそり出てくる二人。いつもは映らない楽屋裏のような映像だが、普段はこうやってこそこそと会っては別れていたんだね。考えたら、今までよく他の生徒に見られたり、噂を立てられたりしないで済んだものだ。


 ユミは画面手前、ミホは画面奥の方へ歩いていくのだが、
  
 その様子を、今日は、雄太によってばっちり目撃されてしまうのだ。
 戸惑ったような表情の雄太を映しつつ、CMへ。

 それにしても、どうして雄太は二人の「密会」のことを嗅ぎ付けたのだろう。その辺の伏線と言うか、説明がないのでちょっと唐突だ。ストーリー上、そうしないと困るからとしか思えない。それに、普段よく会っているユミではなく、ほとんど交際のないミホを尾行していたというのも不自然だ。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 前のシーンの直後だろうか、学園の敷地をぶらぶらと歩いているミホ。
 どうでも良いが、今は何時なんだろう。カバン持ってるから放課後か? しかし、ミホはその前に病院へ顔を出しているのだが……。例によって授業などサボり倒しているのだろうか。

 そこへ佐伯が飛んできて話しかける。考えたら、二人が会うのは10話以来か?
 佐伯「お嬢様! お嬢様、イギリスへ留学なさるそうですね。我々も大賛成です。日頃から、こんなくだらねえ連中と一緒にいると思うと、胸を痛めておりました……」」
 いつもながら、権力者に弱い佐伯。その横を走り抜けていく元気娘は、椎名梢だろうか。ちょっと可愛い。
 佐伯「おら前あけんか、お嬢様のお通りだーっ!」

 ちなみにミホは、佐伯を完全無視。ちょっとだけ佐伯がかわいそうに思えてくる。
 周囲にはタケシたちもいるが、彼らとミホが同じ画面に入るのも、凄く久しぶりじゃないか。ええっと、10話でオードリー先生に話しかけられた時以来か? 考えたら、クラスも違うから、彼ら準レギュラーとはまともに会話するシーンもなかったっけ?
 それを、木の幹に群がりつつ見送る“くだらねえ連中”。
 雄太「イギリス留学かぁ〜、やっぱ違うなお嬢様は、かっこいいもんな」
 雄太は相変わらず平和だったが、冷ややか目で見ていたルリとケイは、
  
 ルリ「いい気なもんよねっ! みんなにちやほやされちゃってえ!」
 ケイ「澄ました顔しちゃってさ!」
 と、大きな声で聞こえよがしに厭味を言う。

 ただ、ここ、ルリの話し方は、聞こえよがしにもほどがあるというくらい露骨だし、ケイが無理して乱暴な物言いをしているのも可笑しい。
 さらに、ミホの背中に向けて、
 ケイの声「気に入らないわね!」
 これだけはっきり大きな声でミホを侮蔑する台詞を吐けば、そばにいる佐伯が黙ってないと思うのだが、何故か、

 佐伯「お嬢様のお通りだぁ!」
 と、聞こえないふりをして露払いを続けるのだった。耳が悪いのかも。

 ルリの声「笑わせるよねえ、弱いモンからむさぼり取った金で留学なんてさぁ!」
 二人の罵声はヒートアップして、ルリの甲高い声が、ミホの背中を直撃する。さすがのミホも険しい、辛そうな表情になる。
 ただ、ここはちょっと演出過剰で、嘘っぽい感じがするんだよね。

 それに、「学園にはあくまで従順な生徒としてふるまうこと」と言う、「反逆同盟」の掟はどこ行ったんだ?
  
 ユミ「やめなさいよ、ルリ!」
 さすがに見兼ねて良識派のユミが制止するが、ルリは全く聞く耳持たず、さらに、

 ルリ「あんなやつ、きっと地獄に落ちるわよ(ニヤリ)」

 さすがに言い過ぎ。ルリの数々の暴言の中でもトップクラスの邪悪度であろう。

 ユミも「ルリッ!」と強い調子でたしなめる。ミホは息をひとつ吐いて、罵声を振り切るように歩いて行く。
 ルリ「いこっ」
 ケイ「うん」
 ミホやケイの苦衷など知る筈もないふたりは、そのまま平気な顔で立ち去る。
  ひとり残ったユミは、ミホの気持ちを思いやって切なそうな表情になる。

 さて、ここでのルリたちの態度。ラストで和解するとは言っても、中山美穂に対する山本理沙の極度に攻撃的な罵声は、ミポリンファンの反感を買ったのではないだろうか。ケイは、ルリとセットで、しかも大抵二番手なのでそれほど目立たないが、ルリは、他の回、3話や7話でも、かなり刺々しいことを言ってるしな。
 傷心のミホだが、入院中のかおりの前では気丈に振舞って、りんごなどを剥いてあげる。
 ミホ「はいっ」
 かおり「ありがとうっ」
 ミホ「目は手術をすれば必ず良くなるって、お医者様も仰ってたわ。何の心配も要らないわよ」

 ここで、かおりが意外な方向に話を持って行く。
 かおり「ミホ……」
 ミホ「なに?」
 かおり「一つだけ訊いていーい? ……あの爆発、やっぱり自殺だったの?」
 ミホは「えっ」と、声は出さずに口だけ動かす。
  
 かおり「わたし、爆発する直前に、黒鳥のバッチをつけた男を見たんだけど……」

 と、この余計な一言がかおりの命を奪い、ひいてはミホのイギリス留学が消え、さらにはミホの「反逆同盟」への本格参入を招いたかと思うと、管理人はとても残念だ。まあ、なにがあろうが、ミホの参入は決まっていたことなんだけどね。
 ミホ「黒鳥のバッチ?」
 その会話を、廊下にいた大杉漣が聞いてしまう。

 あんた、四六時中そこに張ってたら、さすがに怪しまれないか?

 とにかくこれで、彼はかおりの抹殺を目論むことになるのだが、見られたと言っても、黒鳥のバッチと言うあやふやな情報だけなので、はっきりいって危険を冒してまで、かおりを殺す必要はなかったと思うんだけどね。
 次のシーンは、再び学園の敷地。ユミが仲間を集めていた。恐らく、上記のことをミホがユミに(電話で?)伝えた直後だろう。
 雄太「あのガス爆発は自殺じゃないって?」
 (頷いて)ユミ「自殺を装って殺された疑いが強いのよ」
 ケイ「いったい、何のために?」
  
 ユミ「まだ分かないわ……でも何か黒鳥学園に関係があことは確かよ……今回は理事長とその秘書が直々に動いているらしいの」
 今回、仙道さんのラ行の発音が高い確率で巻舌っぽくなっている。
 それにしても、ユミがここまで具体的な情報をもたらすのも今までにないことだ。最後の情報は別に要らないと思うが。

 関係ないけど、仙道さんはやっぱりこの髪型が一番似合って、綺麗だ。

  
 ケイ「なんですって!」←棒読み
 ルリ「でもユミ、そんな情報どっから仕入れたの?」

 ユミ「えっ」
 意外なところを突っ込まれて、ポカンとした顔になるユミが可愛い。
 ルリ「理事長や秘書の動きまでいつの間に掴んだの?」
 もっともな疑問だが、今まで似たような状況があっても、そんなこと全然気にしていなかったのに、今回に限ってそこに食いつくのはだいぶ不自然だ。

 しかし、今回のルリ、妙に眉毛が太い気がする。いままでもこんなんだったっけ。
 ユミ「それは……」
 ユミが返答に窮していると、雄太が余計なことを言う。
 雄太「ミホさんじゃないの?」
 ズバリ指摘されてユミはハッとする。
  
 ルリ「なんだってーっ?」
 ケイ「雄太、それどういうこと?」
 と、たちまち二人に詰問されてたじたじになる雄太。いまさらだが、このドラマの主役は女性です。

 雄太「そっ、そのー」
 ルリ「雄太ッ!!!」
 雄太「ユミちゃんとミホさんが、旧理事長室で隠れて話してるのを見たんだ」
 ルリの剣幕にあっさり口を割る雄太。
  
 驚いて声も出ないルリ、ケイ。
 ユミは観念したような表情になる。まあ、いずれは打ち明けるつもりだったんだろうけどね。
 ルリ「ユミぃ、あんたまさか?」
 ケイ「嘘でしょ? ユミっ!」
 無言のユミに、ケイの「答えてよ!」と言う痛切な声が飛ぶ。
 ユミはやがて、意を決して口を開く。それは意外な言葉だった。
 ユミ「バラの花よ」
  
 言われて、二人もハッとする。
 「そういや、完全にそのこと忘れてた……」

 考えたら、その件に関しては10話などではっきりと話題に上っているのに、今までまるで追及しようとしなかったルリ、ケイ、雄太の態度の方こそおかしいんだけどね。
  
 ユミ「私たちが危ない時に赤いバラが助けてくれたでしょ? あれはミホさんが助けてくれていたの」

 このシーン、仙道さんのアップが実に綺麗に撮れていて、見てるだけで幸せになれる。
  
 雄太「なんだって!」
 ルリ「嘘よ、どうして理事長の娘があたしたちを助けんのよ?」
 と、言ってますが、第4話でミホに助けられたことはすっかり忘れているようだ。

 ケイ「そうよ、言ってみれば敵じゃないの!」
 しかし、これだけ各キャラのバストアップでの会話が続くシーンもなかなか他には見当たらない。そう言う意味では貴重である。
 (小さく頷いて)ユミ「そう、敵よ、だかこそ苦しんでるのよ彼女は……あたしたち以上に」
  
 ルリ「ユミ、あんた騙されてんじゃないの?」
 ルリの懐疑的、現実的な言葉に、
 ユミ「ルリ……わかってやって」哀願するように訴えるユミ。控え目な八重歯が特徴の庶民的な歯並びですね。
  
 ルリ「わかんないっ!」
 子供が拗ねるように突っぱねて、「そんなにミホの肩持つんだったら、もう一緒にやってらんないよ」
 そして、
 ルリ「反逆同盟はこれっきりさ!」
 と、自分のカバンを地面に叩きつけ、一足飛びに脱退宣言をしつつ、そのまま走って行ってしまう。
  
 ケイ「ルリーっ」
 雄太「おい、ルリ」
 行きがかり上、ケイと雄太も慌ててルリの後を追う。何故なら、ユミのところに残っていると、とても気まずいからだ。
 しかし、ルリはカバン捨てたままでいいのか?
 一人残されたユミだが、それほど心配そうな様子は見られない。ルリならきっと分かってくれるという確信があるからだろう。
 それに、現実的な話、ルリはともかく、ケイや雄太はそれほど反発してなかったからね。

 で、次のシーンではすぐ、その後のルリたちの様子を描くのだが、ここは間に関係のないシーンをワンクッション置くべきだった、かな。
 怒りの収まらないルリを、比較的穏やかなケイと雄太が説得している。
 ケイ「ねえ、ルリ、あたし、なんだかユミの気持ちが分かるような気がするわ」
 雄太「うん、俺も……」
 と、急に物分りのよくなるケイだが、ついさっきまでルリの尻馬に乗ってさんざんミホの悪口を言っていたのを考えると、やや勝手だ。
 また、雄太の一人称が「俺」になっているのは珍しい。

 ちなみにこの部屋、なんとなくアジトのように思っていたが、背景をちゃんと観察すると、全然違っていて、個人の私室のようだ。ストーリーの流れからすると、ずばり、ルリの勉強部屋だろう。
 ケイは続けて、
 「あの赤いバラにあたしたち何度も危ないとこ助けて貰ったじゃない?」
 この台詞、ところどころ発音が変である。
  
 ルリはくるっと振り返って、
 「違うんだよ、たとえそうだとしても、ユミはあたしたちに隠し事してたんだよ。そんなの裏切り行為じゃない!」

 ケイ「それはそうだけど、ユミの立場もミホの立場も、分かるような気がして……」
 なおも粘り強く訴えるケイだが、言ってることは極めて漠然として感覚的なものだ。そもそも、この時点では、ミホの真情(学園理事長としての山縣への反発と、かつて自分を命懸けで助けようとした父親としての山縣への情愛のはざまで懊悩していることなど……)を彼らは知らないわけで、立場がどうのこうのという踏み込んだ考え方はできないと思うんだけどね。
 ケイの生温い指摘に、意外と考え込むルリでした。
 まあ、ルリとしては場の勢いでちょっと言い過ぎたかとは反省している面もあるのだろう。それに、今までさんざん厳しいことを言ってきたミホが、バラ投げの主だと知って、気まずい思いをしていたのかもしれない。さっきも、言いたい放題悪口飛ばしてるしね。

 ストーリー上、この後、バトルシーンでは何事もなかったようにルリとケイはユミと行動を共にしているが、その和解に至る経緯が全く映像として説明されていないのが、今回のシナリオの最大のキズである。
 一方、その頃、大杉漣が山縣理事長のもとへ報告に来ていた。
 考えたら、南原宏治さん、12話以来相当久しぶりの登場ですね。
 山縣「顔を見られた?」
 大杉「迂闊でした。あの娘の目が治るとまずいことになりますな」

 と、言うのだが、かおりはただ「黒鳥のバッチ」を見ただけで、顔まではっきり見てないと思うんだけどね。
 山縣「ニトロを盗み出させた研究所員を始末したまでは良かったのにな……」
 大杉「申し訳ありません」

 どうも、彼らはニトログリセリンを多摩化学研究所の所員に盗ませ、その口封じとしてガス爆発による自殺に見せかけて殺すという、まわりくどいことをやったらしい。何かを爆破するのなら、ダイナマイトの方がどう考えても便利だし、(ドラマの中では)工事現場とかから割と楽に盗めそうな気がするのだが。
 ニトロで何をするつもりだったのかは、あとで分かる。

 山縣「自分で、決着をつけるんだぞ」
 大杉「分かっております」
 と言う訳で、大杉さんは口封じの殺人の口封じのためにかおりを殺す羽目になったようだ。この場合、かおりの手術をさせなければいいのでは? とも思うが、そうするとミホを留学させられなくなるので……あれ、かおりが死んだら、その場合もミホが留学しなければならない理由がなくなるのでは? うーん、どうもこの辺、シナリオが破綻している感じだ。かおりがもっと、彼らにとって致命的なものを見ていれば、まだ納得行くのだが。


 思うに、手術の前にミホをイギリスへやり、手術自体は実施させるが、ジェラード教授を脅すか抱き込むかして、わざと手術を失敗させてしまえば、かおりから大杉の面が割れることもなくなるし、ミホもイギリスに行かせられるし、万事丸く解決していたんじゃないか、と。
 それはさておき、朝日ファミリー病院の外観。ここの屋上は、向かいの多摩川の花火大会のときは、絶好の見物スポットだったらしい。よく知らないが。
 ちなみに、この近くには当時(今も?)、にっかつや大映の撮影所があったのだ。
 カメラは、最上階(3階?)の、右から3番目の窓にクローズアップする。
 かおりの病室に入ってくる怪しい影。
 声「西島さん、注射のお時間です」
 声「化膿止めを打っときましょう。手を出してください」
 かおり「はい」
 普通、聞き覚えのない声で、いつもと違う時刻にこんなこと言われたら警戒すると思うのは、ドラマにおける常識で、現実にこういう状況に置かれたら、彼女のように素直に従うのがむしろ自然だろうね。
 腕を消毒して、注射するのは無論、医者に化けた大杉漣であった。
  
 ちょうど同じ頃、ミホは思案しながらぶらぶら病院へ見舞いにやってきていた。
 と、非常階段のようなところからこそこそと出てくる大杉の姿を認め、すぐに駆け出す。
 で、またしても黒鳥学園の校舎としか思えない病院を走るミホ。

 病院で走っちゃダメよ。
 進路上の看護婦と患者を押しのけるようにして、
 ミホ「かおりっ」
 叫びつつ、かおりの病室のドアを開ける。
 ここは当然、視聴者もかおりが毒殺されている姿を予想するところなのだが、

 かおり「ミホね、どうしたの慌てて?」

 意外にも、かおりはまったく無事であった。

 この、視聴者の予想にも肩透かしを喰らわす演出は上手い。
 ミホ「ううん、なんでもない」
 ミホは安堵して、ベッドのそばに立つのだった。

 ここで、かおりにご飯を食べさせているのが、クレジットに名前のある恩田真美さん、だと思う。JACのひとで、当時22歳。6話でも看護婦に扮していると思うが、その辺ははっきりしない。
 しかし、今回、台詞が一切なく、出番もこのカットだけなのに、堂々と名前がクレジットされているのは、ちょっと変である。かおりが運ばれてきた時にミホを制した看護婦には台詞があったので、彼女が恩田さんかとも一瞬思ったが、手元の資料と顔が全然違うので、まず間違いなく、この看護婦が恩田さんだろう。それなのにクレジットされたのは、台詞はなくても今までバトルシーンの(主にケイだと思うが)吹き替えをずーっとやってきたので、それに対するご褒美と言うか、ねぎらいの意味があったんじゃないかと思うが、深読みしすぎか。一方で、もうひとりのスタントの菊池香理さんは一回も名前が出てないしね。

 黄金色の夕陽。
 それに不釣合いな、例の軽快なダンスミュージックが流れる。
  
 それに乗って、闇の中で、溌剌と踊るかおりの姿が浮かび上がる。悪いけど、ここも何となく笑ってしまう。なんか、エアロビの大会で、笑顔を絶やさずムキムキした身体で踊り狂う人たちを連想してしまうからだろう。エアロビやってる人ごめんなさい。
 が、やがて、爆発の時と同じように、赤い照明に染まり、苦しそうに助けを求める。
 悲鳴と共に奈落に落ちていくイメージ。
 普通、こういうのは本人じゃなくて、ミホが見るべき幻影だと思うのだが、ここでは、
 かおり自身が見ていた夢だったらしい。
 必死に上半身を起こして手を伸ばし、「助けて……ミホ……助けて」とつぶやくように訴える。
 が、やがて、くたっと後ろに倒れて、ガクッと頭が垂れる。
 夢を奪われた女性の、無残な最期だった。
 結局、先ほど大杉が打ったのは、遅効性の毒だったのだろう。

 考えたら、このドラマで人がはっきり死ぬシーンを描いているのは、実はこのシーンだけなのだ。14話の飛び降り自殺も、飛び降りるところだけで死体までは映してないからね。2話の牧野先生も新聞報道だけだ。
  
 しかし、視聴者が悲しむ暇もなく、あっさり次のシーンに行く。霊安室に設けられたささやかな祭壇。
 医者が白い布をめくると、かおりの死に顔が……。
 ミホ「かおり……」
 医者は再び布を被せ、一礼して退場する。
 不思議なのは、その場にユミもいることだ。ユミとかおりは全然接点がないし、ミホがわざわざユミに一緒に来てくれと電話するわけもない。ミホとユミが一緒にいた時に、病院から連絡があり、二人で駆け付けたのだと強引に解釈する以外にない。
 ミホ「ユミさん……、もうだめ、いくら父と娘でも、もう我慢できないわ」
 ミホ「もう許せない!」
 怒りに燃えるミホだった。

 ただ、この段階で、毒物による死だと判明しているとすれば、警察も捜査に乗り出しているはずなんだけどね。と言うか、毒殺だとしても、司法解剖もしないでそんなに早く判明するはずがない。かおりの怪我から言って、急にこんな死に方をするわけがないから、毒殺したのだとミホが思っていたとするなら、病院側だって自分たちの医療ミスに発展するかもしれないこの事件を、放置しておくのがおかしい、ということになる。

 それと、中山美穂ファンには申し訳ないが、この時点での彼女の演技はあくまでアイドルとしての芝居なんだということが嫌と言うほど分かる。周りも同様にアイドル女優ばっかりならともかく、隣には、既に華麗なキャリアを積み上げていた仙道敦子と言う女優がいたからね。

 さて、ミポリンの怒りも知らず、首尾よく目的を果たしてご機嫌の大杉漣。
 大杉「もしもし、岩清水です。かねてからの計画を実行に移ります」
 おっ、岩清水と言う役名だったのか。しかしこの台詞、「てにをは」が変だぞ。
 岩清水「今夜、教育連盟にささやかなプレゼントを贈ってきますよ」
 大写しになる、ニトログリセリンとカタカナで書いてあるニトログリセリンの瓶。
  
 山縣「恐ろしいことを考える奴だな。教育連盟の建物をニトロでふっとばそうなんて」
 岩清水「暖房で室内が暖まると爆発する仕掛けです」
 山縣「これで、邪魔者はいなくなるな」
 この説明的な会話で、彼らの狙いが「教育連盟」に対するテロだということが明らかになる。無論、「教育連盟」などという団体・組織は存在しないが、これは「教育委員会」あるいは「文部省」をイメージしたものだろう。「邪魔者」と言うからには、黒鳥学園の教育・経営内容を監視・監督する不都合な存在だったのだろうが、詳しいことは不明である。

 しかし、建物をぶっ壊しても、組織はなくならないと思うが……。あるいは特定の人物を抹殺するのが狙いなのか。

 山縣「君のことなんで心配はないが、ま、成功を祈る」
 そう話している山縣を後景に、部屋にある薔薇の花が映し出される。
  
 ほぼ同時に、その一輪を抜き取るミホの手。その後、ピントが山縣に合わされる。
 山縣「ミホ……」
 受話器を置いた山縣は、娘に気付く。
  
 ミホは振り向いて数歩近付き、「かおりは死んだわ」
 山縣「そうか、そりゃあ、かわいそうにな……だが、お前の留学まで中止にすることはあるまい」
 山縣の白々しい言葉に、
 ミホ「いいえ、あたしは黒鳥学園に戻ります……これからもよろしく、理事長
 と、最後の言葉に力を込めて、冷静に告げる。これはいわば彼女にとっての宣戦布告であった。
 ミホのいつもと違う態度に、ハッとする山縣。
 部屋を出て行こうとするミホに、山縣が呼びかける。
 山縣「ミホ、お前は一つだけ忘れている。お前は由緒ある山縣家の一人娘、美しいバラなんだ。バラはバラのままでいればいいんだ」
 何が言いたいのか、いまいち分からないのだが、
 ミホ「あなたもひとつだけ忘れているわ……バラには棘があるということ」
 不敵な笑みを浮かべ、部屋を出て行くミホ。

 ひとり取り残された理事長。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
  
 夜の街を走るトラックの助手席に乗っている岩清水。これから「教育連盟」に向かうのだろうが、荷台にはニトロの爆破装置が詰んであったのだろうか。
 しかし、こんなに早く実行するのなら、慌ててかおりを殺す必要は全くなかっただろう。手術するにしても、完治するまでは相当時間がかかっただろうし。
  
 トンネルの出口付近に来たところで、ドライバーが急ブレーキを踏む。
 急に止まったので素で驚く岩清水。
 行く手を遮るように、三つのシルエットが立っている!
 こういう場所での登場シーンは初めてなので、新鮮だ。
 数歩進み出る。もう何回もやっているだけあって、三人の動きもピッタリ揃っているのがかっこいい。
 岩清水が車から降りると、
 ルリ「闇の中でのさばり続ける悪党ども!」
 ケイ「てめえのようなワルは許せねえ!」
 ユミ「天に代わって成敗する」
 岩清水「何者だ、貴様ら!」
 三人「セーラー服反逆同盟!」
 ビシッと決まったけど、実は三人による名乗りは、これが最後になってしまうのだ。次回からはミホが割り込んでくるからね。

 しかし、先ほども書いたが、ユミと、ルリたちのいさかいがいつの間にか収まっているのがとても気になる。まあ、ケイたちに説得されて、ルリも和解したのだろうが、ちょっとでいいから、仲直りのシーンが欲しかったところだ。
 あと、岩清水の動きはミホから知らされたのだろうが、そのミホもどうやって探り出したのか?
 岩清水は、不敵に笑いつつ、壁とトラックの隙間を後ろ足で下がっていく。何故か、ドライバーは動かない。黒鳥とは関係のないただの運転手さんだったのだろうか。
 三人は無論、追いかける。
 で、次のシーンでは公園のような所へ舞台が移っている。マントを広げつつ、優雅に逃げる岩清水。
 すぐ後を追いかける三人だったが、いきなり、たくさんの男達に囲まれる。
 罠だったのだ!……と言いたいところだが、岩清水はなんで反逆同盟が待ち伏せしていることを知っていたのだろう。
 あるいは、荷台には彼らが乗っていて、岩清水と三人が去った後で、すぐ降りて追いかけてきたのかもしれない。

 身構えるユミ。ここから、「Don't Stop Lullaby」がスタート。
  
 次のシーンでは、いつものように乱戦になっているのだが、この大きな橋の下と言うロケーションは、第6話の戦闘シーンと同じような気がするが、よく分からない。ちょっと違うかな。

 そしてすぐ個人戦に移行。最初はユミ。三人の敵を相手に暴れ回る。
 左右の脚で同時に蹴っているように見える華麗な動き。
  
 ロングではスタントだが、アップになると仙道さん本人が演じる。
 木刀のような武器を受け止め、身体を入れ替えてからの強烈な裏拳が、顔面にヒット。
  
 さらに、相手の武器を掴んで投げ飛ばす。

 投げられた男を追うカメラには、五人くらいの敵を相手に戦うケイの姿が映る。
  
 スカーフの一振りで吹っ飛ぶ敵の皆さん。
 ここの、ケイの動きはかなり切れ味がよく、見応えがある。
 無論、スタントだが、先ほどの看護婦役の恩田真美さんではないかと思うのだが、いつものように断言はしない。
  
 カメラが少し寄ると、後藤さん本人に変わり、攻撃を受け止めてから、前後の敵を次々と薙ぎ払う。
 後藤さんのアクションも、最初の頃に比べるとかなり上達しているんじゃないかと思う。

 次はルリ。
 夜空の下から、明らかに山本さんじゃない人の顔が出現し、
  
 ひとりの敵に抱きつくようにして緩い傾斜を転がる。起き上がって、六人くらいの敵を相手に暴れる。
 今回は、妙にザコが多い。
  
 アップになると、山本さんにスイッチ。
 後ろから体を押さえられるが、エルボーを打ち込む。
 そして、そのまま投げ飛ばす。
 なお、後ろに見えるのは、「ほのぼのレイク」の看板です。この頃からあったのか……。

 再度ユミに戻る。
 向かい合った敵と素早く拳をまじえるカット。
    
 左拳で相手の肩を殴り、そのままこちらに向けて投げ飛ばす。ここも仙道さんが自分で演じている。
  
 橋の下の、階段部分に場面が変わる。最初に男が落ちてきて、後を追うようにユミが飛び降りる。
  
 上部ではケイが、下ではユミがそれぞれ戦うという複雑なアクションシーンとなっている。

 しばらく戦ってから、画面左手の柵を乗り越えるユミ。
  
 着地のシーンに切り替わると、また仙道さん本人に変わっている。振り向いてポーズを取る仙道さん。
 上では、ケイが二人の敵に押され、手摺から落ちそうになっていた。
 ケイ「うっ」

 ユミはその場で得意の大ジャンプ。
  
 空中で一回転し、ケイのいるところまで飛び上がるユミ。人間業じゃない。
 ま、それとは無関係に、ケイはピンチを脱しているようにも見えるが。この辺の位置関係は、やや不明瞭だ。

 ふたりがひとしきり戦った後、またユミの個人戦に移る。
  
 仙道さん本人にスイッチして、まずひとりの敵の棒を両手で受け止め、それを使って左側からの別の敵の攻撃を防ぎ、
 両手でそれぞれの棒を突き上げるように叩くと、何故か敵はどちらも勝手に倒れてしまう。
  
 が、ここでボスの岩清水に抱きつかれ、ビンタされる。
 後ろに「オロナミンC」の広告が見えたりする。
  
 そして、そのまま下に放り投げられる。ここはスローモーションになる。このままだと頭から落ちるか、仰向けで落下しそうなのだが、
  
 実際は、うつ伏せで、くたっという勢いのない感じになっているのは、仙道さん本人が演じているのでしょうがない。
  
 縁石のところへ倒れるユミの元へ、ルリとケイが駆けつける。この段階で、ザコは全滅したということだろう。
 ルリ「ユミ!」
 ケイ「ユミぃ」
 岩清水の声「貴様ら、じたばたするんじゃねえ!」
 三人の見上げる視線の先には、ニトロの栓を開け、その先に付着したニトロの液をひょいと振って下に落とす岩清水の姿が。
 そんな雑な扱いしたら、自爆するんじゃないのか。
  
 とにかく、三人の目の前、柵の支柱で爆発が起こる。
 岩清水「反逆同盟もそこまでだな!」
 栓を締め、瓶ごと投げる気勢を示しつつ、自信たっぷりに言う。

    
 ルリもケイも、険しい顔でその場に固まるのだが、

 あのう、そのまま後ろに全力で走って逃げればいいのでは?

 別にライフルで狙われてるわけじゃないんだから……。でもまあ、ニトロの瓶持った男に見下ろされているとすれば、迂闊には動けないか。
 岩清水が実際に、瓶ごと投げ付けようとした時、

 って、そんなことしたら、自分も一緒に死にそうだが、

 いつものパターンで、ミホが登場。バラを投げる。ただし、次回からは戦闘シーンに最初から加わるのでこの印象的なパターンは今回が最後である。
 それにしても相変わらずやる気のなさそうな中山美穂の表情である。実際、なかったんだろうな。
 薔薇が飛んできて、爆発し、顔に花びらが張り付く。ただ、今回はあまり目潰しにはなっていない。
 だが、そもそも爆発の瞬間、ニトロに引火したらどうすんだ?
 すかさず、ルリが鉛筆を投げる。
 鉛筆は瓶を持っている岩清水の手に刺さる。うーん、これも一歩間違えればニトロ自体に当たって大爆発なんてことになりそうで、怖い。
 で、スポンと言う感じで、岩清水の手から瓶が飛ぶのである。
 橋梁の下の空間を、優雅に飛ぶニトロ。これも、橋に当たっていたら、大爆発!
 ケイが素早くスカーフを投げ、空中で広げて優しくキャッチするという神がかり的な、と言うか、快傑ズバット的な連係プレーを披露する。
  
 そして、そのままケイがスカーフごと受け止め、瓶を取り出し、
 ゆっくりと下に置いて事なきを得る。
 それを確認して、再びその場でジャンプするユミ。
 空中では別人になるが。
  
 で、上の広場に着地した時は、何故かルリとケイも一緒にいる。ルリもケイも、ユミに劣らない跳躍力を持っているのだ。
 ユミがまず顔面を蹴り、ルリ、ケイもそれぞれ一発お見舞いする。

  
 最後は、ユミが右フックでトドメを刺す。

 しかし、今回は岩清水に対し個人的な恨みのあるミホがトドメを刺しても良かったんじゃないかとも思う。 
 戦い済んで、ユミに寄り添う二人。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 そしてエンディング。本当は、最後まで戦闘シーンに含めたいところだが便宜上ここから区切りたい。
  
 ユミたちの勝利を見届け、いつものようにその場をひっそり立ち去ろうとするミホ。だが、
 ユミの声「ミホさん待って!」
 今回は、ユミの声がそれを引き止める。
  
 振り返ると、ユミの姿が現れる。
 ただ、さっきまでユミたちが戦っていた場所と全く別の場所に見えてしょうがないのだが。

 今まで何度かアクションシーンで使われたことのある公園のようだ。恐らく、中山美穂がほんとうのバトルシーンのロケには参加できず、別の場所でユミたちを呼んできて撮影しているのだろう。

 まあ、素人考えでは想像も出来ないほど、当時の中山美穂は忙しかったのかもしれない。
  
 ユミ「もう行かないで、隠れることなんかないわ」
 ミホ「ユミさん……」
 ユミ「これからは一緒よ……反逆同盟の仲間として、一緒に戦いましょう」
 遂に正式な加入要請をするユミ。しかし、一方が普通の制服姿で、一方がこういう派手メイクなのがいささか間抜けではある。
 ミホ「でも……」
 ユミにそう言われても、ルリやケイが自分を受け入れてくれるか不安で、ためらうミホ。
  
 だが、ユミが微笑みながら振り返った先には、
 若干、棒立ち気味にルリとケイが控えていた。

 ふたりとも内心では、
 「あーあ、中山美穂が加わるとあたいらの出番が減るんだろうなー」と思っていたに違いない。

 それに、仙道さんは親しみやすいが、中山美穂はなんとなく取り澄ましたイメージがあるからなぁ。あくまで見る側のイメージだが、少なくとも後藤恭子(ケイ)が仙道さんのことを「ノン」と呼んで姉のように親しむようには、中山美穂とは打ち解けなかったであろうことは想像できる。
  
 まあ、中山美穂さんにしても、自分は好きじゃないのでそういう偏見を抱くだけで、実際は、性格のよい女の子だったのかもしれないし。
 そんなことはどうでもいいのだが、しばらく二人が険しい表情を崩さないのは、視聴者をちょっとドキドキさせる演出のためである。

 が、やがて、
  
 ルリの表情が柔らかくなっていき、はっきりした笑顔に変わり、
 同様にケイもとびきりの笑顔を見せる。
 それを見て、ミホも安堵の表情を浮かべる。
 しかし、さっきも書いたように、二人の、特にルリの変心について、全く何の描写もないので、説得力がないのだ。

 ほんの少し前まで、
 ルリ「あんなやつ、きっと地獄に落ちるわよ」
 と、まで言い切っていたルリさんの場合、腹の底で何か企んでいるようにしか見えない。

 まあ、こちらで勝手にフォローすると、あの喧嘩別れの後、ユミがルリのカバンを届けに来る→少し冷静になって話し合う→ミホの気持ちを改めて説明する→確言はしないものの、ルリの気持ちもミホを受け入れる方向へ傾く→で、最後のところで、そのことを行動で示して見せた……と言う感じだろうか。少なくとも、三人揃って岩清水を待ち構えていたということは、ユミとルリたちは喧嘩の後で一度は連絡は取り合っていただろうから、ありうる展開だと思う。

 ユミも二人が認めてくれたので、微笑みながらもう一度頷く。
 後ろにいたルリとケイが歩み寄って、ユミの横に並ぶ。そして三人揃って、ミホに近付く。
  
 そして、まずユミが手を差し伸べ、ミホががっちりそれを握り、その上からルリが両手を重ね、ついでケイが手を添える。
 ケイは、なんとなく遠慮がちである。
 さらに、ミホが空いている手を上に置き、最後にユミが同じく空いている手を乗せる。
 本物の女子高生アイドルによる、握手団子(なんじゃそりゃ)の完成です。
  
 少ししつこいが、最後にもう一度各人の笑顔がアップになる。しかし、ルリはなんか大阪のおばさんみたいだなぁ。
  
 最後は、ミホのアップで「つづく」のだった。
 しかし、中山美穂、次回からはあたしもこんなメイクしなきゃいけないのか、と内心ブルーだったりして。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 予告編

 まず、かおりの身を案じて病院の廊下を中山美穂が走るシーン。
  
    予告編                             本編

 静止画では分かりづらいが、左の予告編では、ミホが看護婦と擦れ違う時に左手でその背中を押しのけるように動かしているが、
 右の本編だと、その動きがない。予告編だと、ちょっと乱暴に見えるので、本編のテイク採用で正解だろう。

 もうひとつ、バトルシーンで、岩清水にニトロの滴を落とされて爆発するところ、
 本編では、水平位置からの構図だったが、
  
 予告編では、俯瞰からの映像になっている。
  さらに、爆発後にルリとケイがミホを支えるような動きを見せるが、本編ではない。



 まとめ

 遂にミホが本格的に反逆同盟の仲間入りを果たすエピソードと言うことで、いつもとは異なる展開が目立つ。
 ただ、ストーリー自体は、謎解きの要素も無く、さほど魅力的なゲストキャラも登場しないため、平凡な出来に終わっていると思う。
 本文で触れたように、ルリとケイが、手のひらを返すようにミホを受け入れるのも気になる。

 そして雄太の出番の少なさも顕著である。考えたら、13話で主役を張ってから、今回まで、ずーっと雄太の出番が少ないような気がする。

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