×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。




第02話 熱き!四人の誓い 前へ 次へ 目次へ
放送日時 1986年10月20日
裏番組 ●月曜ドラマランド「小公女セーコ」
監督 江崎実生
脚本 日暮裕一
準レギュ 中島はるみ、安岡力也、竹中直人
ゲスト 森一馬/高沢先輩、山本紀彦/牧野先生、浅利俊博/生徒指導部員(クレジット無し)
予告 黒鳥学園の正常化を願う山縣ミホ、母の行方とその秘密を追って黒鳥学園に転校した高坂ユミ。ユミは弓削ルリ、渋川ケイに勝負を挑まれ合田雄太によって辛くも窮地を脱した。反省房行きとなった雄太を救うべくユミは学園に乗り込んだが。「セーラー服反逆同盟」、「熱き!4人の誓い」、お楽しみに!
備考 OPでのケイのチェーン攻撃に効果音は無し。プロデューサー補・安倍夏彦はプロデューサーと同じページに表示。
タイトルの!は正確には45度に傾いて表記された
評価    シナリオ ★★★★ 「反逆同盟」結成までのエピソードを密度濃く描いて満足度大。
演出 ★★★★ 牧野先生の死が余りにあっさり片付けられている感じがする。
映像 ★★★★ 雨の遊園地での三人の登場シーンは幻想的。
キャスト ★★★    引き続き、牧野先生と高沢先輩が活躍。牧野先生の退場が早過ぎる。
アクション ★★★★★ 前回とは見違えるほど迫力がある。細かいアクションシーンも多い。
総合 ★★★★ 盛りだくさんの内容。本格的なドラマのスタート。
アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 今回はストーリー的に前回の続きという位置付け。この1話〜2話が「反逆同盟」結成エピソードとなるわけだ。

 で、第2話も登校シーンから幕開け。

 基本的にみんな歩きで、自転車通学はひとりもいない。第18話でルリが電車に乗っているシーンがあるが、やはり、電車やバス通学がほとんどなのだろうか(停留所や駅から歩いてくる)。しかし、ユミはマンションの部屋から飛び出て、(恐らく5分以内で)そのまま学校に走って辿り着いているので、ユミに関しては徒歩で登校している可能性が高い。
 前夜、屋上で大立ち回りを演じた、聖子ちゃんカットが似合わないユミも何気ない顔で登校してくる。
  
 雨に濡れた構内の路面を珍しくミホが他の生徒たちと一緒歩いている。
 後ろでは、森口博子たちレギュラーがピョンピョン跳ねるようにしてはしゃいでいる。1話と2話は同時に撮影していると思うが、初回だけあってエキストラの生徒の数も通常より多いようだ。
 と、横から真下教頭がやってきて、
 真下「お嬢さん、今日はお車じゃなかったんですか?」
 と尋ねる。
  
 ミホは曖昧に微笑して、少しシリアス顔になって前を向く。真下の台詞から、普段は車で送り迎えされていたことが推測できる。
 父親に対して反旗を翻そうとしているせいか、劇中では実際にそう言うシーンは見られないが、逆に言えば今まではそう言う扱いを受け入れていたわけで、中盤までのルリやケイの彼女への反感も多少理解できる気がする。
  
 朝っぱらから騒々しい2-Aの教室に入ってくるユミ。なお、昨夜ルリから受けた顔の傷は跡形もなく消えている。
 早速弁当を食ってる奴もいる。

 ちなみに、転校三日目である。

 憂鬱そうな表情で、
 楽しそうにおしゃべりしているルリとケイを見る。
 おケイちゃんは、しかし何を耳打ちしていたのだろう?
 後方に、ブラインド越しに山並みが見えているが、こういうのは実は珍しく、大抵の場合は何も見えない状態である。
  
 二人はしかし、ユミの視線に気付くと、急に顔を離し、ユミの方を冷めた表情で見返す。

 まあ、昨夜は果し合いをしているのだからこの反応は当然であるが、朝からこういう態度をクラスメイトにされると気が滅入るだろうな。
  
 完全に喧嘩を売っている二人の目。 ま、昨日既に売ったんだけどね。
 しばらく両者は無言でにらみ合っていたが、
 ← 
 やおら、二人とも視線を外して、それぞれ自分の席に戻る。
 この時、ルリが自分の机の上に座っていたクラスメイトに軽く「ごめん」と言って押しのける仕草が、いかにも山本理沙さんっぽい。
 ユミは視線を転じ、
 雄太の席を見る。
 しかし、昨夜の事件のためか、雄太の姿はない。
 山口「おい知ってっかよ、雄太の野郎、反省房行きだってよ」
 と、雄太についての会話が耳に入ってきて思わずそちらを見遣るユミ。
 話しているのはクラスのリーダー格の不良たち。
 タケシ「なんで?」
 山口「ゆうべなんでも佐伯と学校の中で揉めたらしくてよ、それで放り込まれたってナシ(話?)だよ」
 タケシ「てめえ、ふかしこんでしゃねえよ。鬼の佐伯に逆らえるような根性してるわけねえだろ、雄太によぉ」
 朝っぱらから無駄にテンションの高いタケシ。
 山口「なんだと、俺がふかしてるってのか、この野郎!」
 タケシ「やんのかオラ」
 この頃ではまだ荒々しい教室の雰囲気があって、口論からすぐ殴り合いを始めそうになるふたりだったが、
 ここでは後ろにいた女子たちに仲裁される。
 マユミ「ちょっと、よしなよ! あたいも指導部から聞いたから間違いないって。指導部の高沢先輩がじきじきに取り調べるんだってさ」
  
 聞き耳を立てて彼らの話を聞いている三人。自分たちのせいで雄太が反省房に入れられたと知り、さすがに後ろめたい。
 タケシ「高沢さんが?」と、急に真顔になるタケシ。
 不良たちにも一目置かれている高沢先輩。どう見ても留年してる顔だからだろうか。
 山口「反省房に高沢さんじゃ、人間ヤメだな雄太も、なぁ!」
 アツシ「下手転ぶとお陀仏だぜ」

 お、お陀仏って……。高校生がそんな言葉使うなよ。

 タケシ「転ばなくったってポンコツよ」
 一堂「ははははははははっ」
 ボロクソに言われる雄太。
 無慈悲な笑い声を尻目に、ユミはさっさと教室を出て行く。
  
 その行く先は、前回ミホに案内して貰った反省房である。
 地下室と書いてある、地下室に続く扉の前に立つユミ。

 この扉の奥に階段があり、さらにもう一枚扉があり、その先が反省房なのだが、20畳もないような狭いスペースである。コミック版では、もっと広く、生徒たちを鎖で壁につないでいるような、本格的な拷問部屋のようになっている。

 奥から呻き声、悲鳴が聞こえてくる。
 ユミがノブを持って引くと、簡単に開く。その先には見張りがいるから昼間は施錠はされていないのだろう。
 扉を開けて覗き込むユミ。
 見張りの生徒が座っている。演じているのは多分、ちょくちょく脇役で出てくるJACの田部井淳さんだと思うが、よくわからない。
 ここ、ユミとしては一気に乗り込んで雄太を助けるつもりだったのだろうか。後々の思慮深さからすると、かなり無謀な感じがする。

 しかし、
 いざ乗り込もうとした瞬間、ミホのバラ投げの際の「ジャンッ」と言う効果音と共に、何者かに後ろから肩をつかまれ、
  
 後ろを向かされると、目の前にミホが立っていて、
  
 無言でユミの顔を殴り付ける。

 ここは何故かスローモーションになっている。
 中山美穂のアクションを補うための演出か。
  
 ユミ「なにすんのさ!」
 いきなり殴られてスケバン風の口調で怒るユミ。即座に反撃するが、ミホは身体を沈めてユミのパンチをかわし、続いて繰り出されるパンチを避けつつ、廊下側に移動する。
 このカット、ユミは無論仙道さんだが、ミホはスタントが演じている可能性が高い。断定はできないが。
 なお、ユミのパンチが空振りした際、仙道さんのお腹がかなり見える。
  
 ユミの華麗な回し蹴りも通用しない。カメラが切り替わった時点で、もう二人ともスタントに変わっている。
 なお、ユミが回し蹴りをしたとき、勢いのあまりスカートがめくれて太腿とパンツが一瞬見えてしまうが、仙道さんではないのであまり嬉しくない。
  
 ユミはジャンプして飛び掛かるが、かわされた上に壁に押し付けられ、さらに殴られて「スポッ」と言う感じで掃除用具入れにはまってしまう。
 これを見てもミホは中山美穂でないことが一目瞭然。ユミを突っ込んだあと、クルッと向こうを向いて顔を隠しているし。

 このシーン、ストーリー上しょうがないところだし、大人気アイドルの顔を立てる意味もあったのだろうが、格闘戦で(後々)無敗のユミを、ミホが圧倒してしまうのはいささか納得行かない。いくら不意を衝いたとは言っても、ミホが強過ぎである。
  
 他では見られない屈辱的な目に遭ったユミ、
 ユミ「なにすんのよ」
 と、相変わらず伝法な(死語)口調で、そこから出ようとするが、ミホの手でむぎゅっと言う感じで再度押し込まれる。
 あえなく倒れるユミ。
  
 と、そこへ佐伯がやってくる。反省房の見回りだろうか。相変わらず仕事熱心である。
 佐伯「あ、お嬢さん、お早うございます」
 ミホ「おはよう」
 佐伯「こんなところで何をなさってるんですか?」
 ミホ「掃除当番なの、反省房の」
 と、見え見えの嘘をつく。理事長の娘として特権的な地位を与えられているのにそんなことあるわけがない。

 しかし権力に徹底して弱い佐伯は、怪しむこともなく、
 佐伯「何をおっしゃるんですか、誰かにやらせますから、どうぞ」
 モップを引き取り、手まねでそこを離れるよう促す。
 半ば失神しているユミは、遠のいていく二人の足音をぼんやりとそれを聞いている。
 そう、ミホは佐伯に見つからないようにユミをそこに押し込めるために乱暴を働いたのだった。

 しかし、誰でも思うことだろうが、ミホの攻撃開始から佐伯出現まで時間は結構あった(25秒ほど)ので、無理に暴力に訴えずとも一言注意すれば済むことだったのではないか、と。むしろ、戦いが長引いて佐伯に見付かったら、もっとまずいことになっていたのでは?
 また、佐伯がミホと一緒にそこを離れたからいいようなものの、その場に残っていたらユミの姿が丸見えで、さらにやばいことになっていたのでは?

 それはさておき、
  
 起き上がり、用具入れの中から様子を窺うミホ。誰もいないのを見てゆっくりと抜け出す。ほんの少しだけど、この時、胸元の下着が見える。
 廊下を連れ立って歩いているであろうミホと佐伯の背中を物陰から鋭く見るユミ。
 場面変わって、曇天の空の下、グラウンドを眺めているミホのところへやってくるユミ。

 グラウンドでは普通に体育の授業が行われている。と言うことは休み時間でもなんでもないはずだが、
 ミホは相変わらずのサボり魔である。
 ユミもいきなりサボタージュはまずいのでは? グラウンドの生徒達からも丸見えだし。

 でも、このゆるゆるの雰囲気は嫌いではない。大学みたいで。

 ユミ「さっきはありがとう。ちょっと痛かったけれど、お陰で先生に見付からなくて済んだわ」
 ミホ「こっちこそごめんなさい、乱暴しちゃって」

 仙道さんの「見付からなくて」の発音が少し変だ。
 ユミはミホの隣に腰を下ろす。
 ユミ「ミホさん、いつも何か考え込んでるのね」
 ミホ「えっ?」
 ユミ「変なこと言ってごめんなさい」
 ミホ「分かっちゃうのね、あなたには」
 ユミ(いや、まだ何も言ってないんですけど……)
 と思ったユミだが、とりあえず軽く目を伏せて分かったふりをする。
 ミホ「あなたの一番愛する人がとても許せない悪いことしてたらどうする?」
 ユミ「あなたのお父さまのことね」

 中山美穂のこの甘ったるいべたべたした喋り方は管理人、どうも好きになれないが、彼女が当時絶大な人気を誇った理由のひとつがこれだろう。しかし、このシリアスなシーンに似合わないこと甚だしい。
 ミホ「学校っていう教育の場を自分のお金儲けのために利用している。とても許せないの。
    あたし、伝統ある進学校だった黒鳥学園を立て直したいし、欲望に狂った父を普通のお父さんにしてあげたい」
 ミホの最後の発言からすると、この段階ではまだミホは父親との関係を断ち切りたいとまでは考えていないようだ。少なくとも真人間に戻せると言う希望を抱いていることが分かる。
  
 ユミ「あたしも、親に裏切られたの……」
 ミホ「あなたも?」
 ユミ「裏切られても……やっぱり心から憎めない」
 しかし、ユミの場合、母親が何故彼女を殺そうとしたのか、事情については一切知らないので、「裏切られた」と断言するのは少し強引かもしれないが、ここはミホに話を会わすためにそういったのだろう。
 ミホ「あたしね、ほんとはあなたと黒鳥学園を建て直すために戦いたいの。でも今はそれは出来ない」
    「な・ま・い・き盛り」のスケジュールがきつきつなの
    などと、本当のことが言えるわけもなく、
 ミホ「残念だけど、陰で応援するしかないのよ」
 結局、その具体的な理由については語らないミホだが、第7話で詳しい心情を吐露している。

 ユミの過去については、曖昧に語られているだけだが、第16話でその日初めて会った不良少女にかなり具体的に打ち明けている以外では、最終回付近まで友人にも話していない。コミック版では早い段階でそれぞれの過去を打ち明けている。

 しかし、この会話中、おかしなところがあるのに気付かれただろうか。これが第3話とかだったら分かるのだが、ミホはこの時点でユミが「反逆同盟」を結成して学園側と戦っているとは知りようがないはずである。何故なら、この時点では「反逆同盟」自体が存在していないからだ。ただ、屋上でルリとケイたちと戦ったこと、雄太を助けようとしたことくらいしかミホは知っていないわけで、同じような志を持っているとまでは断定できるわけがない。

 ちなみにミホとユミが仲が良いことは、はるかのち、第19話で雄太に嗅ぎ付けられるまで一切他のメンバーには察知されないのだが、こうやって結構目立つところで話し合っている時点で、ばれてしまいそうであるが……。もっとも、これ以降は、主に旧理事長室やユミのマンションなどで密かに会合が開かれるようになる。
  
 ミホの顔を見詰めるユミ、ミホの屈託ありげな表情のアップで、オープニングへ。

 第1話のところで書き忘れていたが、中山美穂が出演するときは、最初にミホにクローズアップし、逆に不在の時はユミの方にクローズアップが行くようになっているのだ。芸が細かい。当然、二つのテイクを使い分けているわけだ。

アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 職員室にて。
 真面目な牧野先生が、佐伯に詰め寄っている。
 牧野「今すぐ、合田君を反省房から出したまへ!」
 佐伯「そうは行きませんな。奴は深夜学園で正体不明のヤカラと何かよからぬ会合持ったらしい。しかも私に逆らった。これだけでも許されることじゃないでしょう」
 牧野先生の抗議を聞き流す佐伯。しかし、一応敬語を使っているので、牧野先生のほうが年上と言うことだろう。
 ところで、「深夜」と言っているが、ユミが受け取った果たし状は8時に来いと書いてあったので、佐伯が発見したのはどんなに遅くとも9時にはなってないはずで、「深夜」というのはちょっと違うような……。
 牧野「人権を無視した存在だ、反省房は!」
 倒置法で訴える牧野先生。しかし、
 佐伯「人権? あやつらに人権なんてあるわけないでしょう」

 むちゃくちゃ言うてるが、簡単に警察が介入するようになった現在はともかく、当時は学校は一種の治外法権的な空間で、そういうこともありえる感じはする。まあ、ここのように生徒を監禁して拷問するなんてのは論外だが。思うに、牧野先生は、「反逆同盟」などというキワモノ集団を作るより、普通に警察に通報すれば良かったのでは?

 まあ、学園の支援者に国会議員もいるくらいだから、揉み消されそうな雰囲気はあるけどね。

 ところで少なくとも今回の件に関しては、佐伯の言うことに一理ある事は認めねばなるまい。なんといっても夜中に校舎に忍び込んで、屋上で果し合いをしていたら、そりゃ怒られるわな。
  
 佐伯「それに最近、恐れ多くも学園の管理体制に反旗を翻すと言う不心得者がいると言う噂なんでね……いい機会ですよ……見せしめのためにも」

 佐伯が喋ってる間に、後ろに座っていた真下教頭が九条のところへ行き、机の上にファイルを投げるように置いて、タバコを取り出すと九条は立ち上がって無言でライターで火をつける。この辺は、完全に九条は真下の下僕と言う感じだが、回によっては(第9話など)立場が逆転しているような場面がある。なお、真下がタバコを吸うのも序盤だけで、すぐに見られなくなる。
  
 佐伯の含みのある言葉に、わかりやすくたじろぐ先生。これが、山本紀彦氏のこのドラマにおけるラストカット(後で写真や回想シーンでは出てくるが)となってしまった。

 今更言ってもしょうがないが、2-Aの担任として、もう少し長く出て欲しかったキャラクターだ。最初は彼の指示で「反逆同盟」が動く、みたいなことでも良い。途中で、結局殺されてしまうというのはなかなか盛り上がる展開だと思うし。

  で、次はその反省房の様子が映し出される。 
  
 手前の二つの独房には先客がいて、真ん中のひとは、頭を抱えてほぼ発狂している。なんか荒縄で変な縛り方されてるぞ。
 彼らは救出しなくて良いのか、牧野先生?

 奥の部屋で高沢先輩に竹刀でボコボコにされつつ尋問されている雄太。
  
 高沢先輩、雄太の胸のロープを掴んで、
 高沢「さあ、話したまえ。君がかばってるのは誰だ? 君達は牧野に唆されて動いてるんじゃないのかね、どうだ?」
 雄太「ほんとに知らないんだって! 信じてよ!」
 まあ、少なくとも雄太は牧野先生のことはホントに知らないので、こう答えるしかない。それでも、これだけされても、ユミたちの名前を出さなかったのだから立派である。ほんと、雄太も最初の頃は結構凛々しいんだよね。

 しかし、シャツが半脱ぎになってるのが妙にいやらしい。ワシは腐女子か

 それにしても「〜したまえ」って、ドラマの中でしか聞けない言い回しだよな。
  
 高沢「とぼけるなぁっ!」
 雄太を竹刀で何度も殴りまくる高沢。無抵抗の弱い奴にはとことん強い高沢先輩だった。
 高沢「まあいい、時間はたっぷりとある。ただし、それまで君が生きていればの話だが」

 かっこいいことを言ったつもりの高沢先輩だが、なんとなく前後のつながりがおかしな文章である。
 「それまで」って、「いつまで」だよ。

 そして牢から出て行く。
 床に倒れた雄太は既にほとんど死にそうで、
 「いてえよぉ、おかあちゃん! くっはぁ」
 と、有名な(どこでだ)台詞を吐くのであった。

 で、その雄太の母親だが、一度くらい出して欲しかったような気もする。ま、第12話で一応登場しているが、あくまでエキストラだしな。

 それにしても、家にも帰さず、ずーっとこんなところに閉じ込めると言うのはさすがにやりすぎだろう。保護者はどう思っているのだろうか。特に雄太なんかは、ツッパリを気取っているが実際良い子で、家も結構裕福みたいなんだけどね。心配してないのかしら。

 場面変わって、その夜、ユミの部屋。
 上から下まで黒ずくめの服に着替えているユミ。彼女の、私服のこういう潜入スタイルは今回のみである。
 それはいいのだが、
  
 部屋の電気消していこうよ。

 あと、壁に貼ってある男性アイドルのポスターが緊張感を微妙に殺いでいる。これは4人組なのだが、小さくて誰なのか分からない。
  
 霞のかかった夜の空気を裂いて走るユミ。その格好でバスとか電車に乗ったとも思えないので、部屋から学校まで走り続けて来たのだろう。
 この辺は、マラソンの高校記録保持者という設定が生きている。仙道さん本人は運動は苦手だったらしいが。
  
 そして止まらずにそのままジャンプ一発で校門をクリアするユミ。無論、左と右のユミは別人です。

 ユミの(と言うか反逆同盟三人の)スタントは、JACの菊池香理、恩田真美、田村奈美の誰かが担当していると思うのだが、手持ちの資料だけでは特定できないし、三人以外のひとが演じる場合もあったのかもしれない。
  
 ここでは、仙道さん本人がこちらに顔をはっきり見せてから、マスクを被りながら、玄関まで走っている。
 しかし、当然だが、正面の扉が閉まっているのを確認して、左横に走って消える。
 校舎の裏手に回り、忍者のようにフックのついたロープを屋上まで投げて引っ掛け、
 デストロイヤー(古いよ)みたいな目出し帽を被り、はいのぼるユミ。どこでこんな技を覚えたのだろうか?
 アップだと仙道さん本人が演じているので、なんか頼りない感じで腕を動かしているが、
 カメラが引きになると急にてきぱきとした動きで、すいすいとロープをよじのぼっていくユミ(のスタント……と言ってもこれは男性かな?)。
 しかし、第1話では侵入経路は省かれているのだが、どうやって内部に入ったんだろう。ここでは時刻が不明なのだが、1話のときは、正面が施錠されていなかったのかもしれない。

 この場合にしても、窓ガラスを破って侵入した形跡はないので、屋上まで上がり、それから校舎内部に下りていったのだろうか。 
  
 ユミはまず、無人の職員室にやってくる。
 ユミの声「反省房の鍵は確かここに……」
 と、いつの間にか目星をつけていた抽斗の中を探る。

 ちなみに手前の机の上が妙にすっきりしている理由はすぐに判明します。
 ユミの声「……(鍵が)無い!」
 と、その瞬間、いきなりふたつの人影が現れて、机の上に飛び乗る。
 無論、ルリとケイである。
 右側の無防備なおケイのお尻に喜びそうになるが、慌てるな、これはスタントの女性のお尻だ。

 なお、手前の机が片付いていたのは、このためである。
  
 二人が机の上から飛び掛るが、ユミも即座にジャンプして背後の机の上に乗ってかわすと、まず、床に着地したケイを蹴る。
 ルリが向かってくるが、反対側の(つまり画面手前の)机に飛び移って避ける。
 この時、こちらを向いたルリの顔が思いっきり山本理沙さんでないのがばれてしまう。
 この写真で見る限り、ルリは田村奈美さんだと断定してしまいたくなるのだが、もうひとりの菊池香理さんも、似通った顔立ちなので、うーん、自信はない。ちなみに田村さんだとすると撮影時は19歳。
 まあ、こういう狭いところでのアクションはかなり難しいと思うし、しかも女性なので、顔隠しまで完璧にこなすのは厳しかっただろう。
 それに、テレビで見る分には、それほど違和感はなかっただろう。
  再び飛び掛ってきたケイの背中を踏み台にして、向こう側の机の上に飛ぶユミ。
 ← 
 更に、机の上で前方回転して、床に下りる。なんてことのないアクションのようだが、こういう狭いところでやるのはかなり難しかったと思う。
 真正面から殴りかかってくるケイのパンチを、身を沈めてかわし、
  
  その先にいたルリの顔面にまともに蹴りが入る。ここも蹴り足がよく伸びていて、綺麗だ。
  そして、ユミは奥の机に、ケイは手前の机にそれぞれ上がり、
  
 追いかけっこをするように、ユミはさらに向こう側の机に、ケイはユミのいた机に飛び乗る。そしてやや腰が浮いた形のまま組み合いになる。
  
 ケイは身体を捻るようにしてユミから離れると同時に、ユミの覆面を剥ぎ取っていた。そして互いに床に着地する。

 この時、ケイの服が胸のところまでめくれて、白いブラと引き締まった腹筋まで見えてしまうが、無論スタントの女性のものなので、残念賞。仮にケイ役が恩田真美さんだとしたら、かなり綺麗な人ですけどね。菊池さんも、恩田さんも撮影時は22歳。菊池さんはあるいは、まだ21歳かもしれない(撮影が8月だとすれば)。
 と、(何故か)やや明るくなった部屋で、素顔を晒すユミ。同時に、相手の正体も知れる。
 ユミ「あなたたち……!」
  
 ルリ「なんだ、またあんたか」
 ケイ「まさかあんたも雄太を……」
 ルリの服は、前回と同じようにも見えるが、実際は異なる。ケイの方は、なんとなくゆるゆるしていてパジャマっぽいが、はっきりしない。
 ユミ「じゃああなたたちも?」
 ルリ「手を引いてもらうわ。雄太はあたしたちが助け出すんだから」
 ユミ「そうは行かないわ。合田君は私をかばって捕まったのよ」
 ケイ「落とし前つけよっての?」
 雄太を助ける権利(?)をめぐって言い争う三人。
 この段階ではまだユミは「合田君」と呼んでいる。

 また、それぞれの衣装が黒・赤・黄と戦隊ヒーロー風にくっきりしているのがいかにもドラマですな。
 ケイの言葉に、はっきり頷くユミ。
 ルリ「あんたの心意気は分かったけどさ、余計な真似をされると困るんだ」
  
 ケイ「そう、今ある人が雄太を助けに……」
 ルリ「おケイ!」
 思わずべらべら喋りそうになってルリに鋭くたしなめられる天然おケイ。
 この時の、口に手をやる、いかにも素人っぽい後藤さんの演技と言うか、仕草がとても可愛いのデス。
 ユミ「ある人?」
 聞き咎めるユミ。

 このシーン、「ある人」つまり牧野先生が雄太を助けに行っていると言うのは分かるのだが、じゃあ、ルリとケイの二人は職員室で何をしていたのかと言う素朴な疑問が湧いてしまう。それに、戦闘能力のない牧野先生だけに行かせるというのは、危険だろう。
  
 ルリ「どうしても邪魔をするって言うなら!」
 ルリの台詞を合図に、さっと戦闘ポーズを取る二人。それにしても後藤さんは指が長くてすらっとしてるなぁ。絵になるのだ。
  
 ユミも拳を構えるが、そこで非常ベルが鳴り出す。
 固まる三人だが、このショットでも、ケイの指が長いのがよく分かる。
 ケイ「まさか……」
 ユミが入ってきたのと逆の、職員室の左側の扉から雄太が入ってくる。これも良く考えたらなんで職員室に来るのか不自然なのだが、先の疑問、ルリとケイがここに居たことと思いあわせると、最初から職員室で落ち合う予定だったのではないかと言う仮定で、一応辻褄が合う。
  倒れ込む雄太に、三人が駆け寄る。
  
 ユミ「合田君!」
 ルリ・ケイ「雄太!」
 雄太「牧野先生が俺を逃がして代わりに捕まった」
 ルリ「ちっくしょう〜、助けに行こう!」
 と、すれば、やはり反省房の鍵は牧野先生が持ち出し、それで雄太を助けたのだろう。だから鍵がなかったのだ。
 その辺、具体的に描写してくれれば面白いのだが、山本紀彦さんのスケジュールがね……。

 ルリは性急に行動しようとするが、ユミに腕をつかまれる。
 果たせるかな、反対側の扉から、我らが高沢先輩が登場。
 高沢「いたぞぉーーーっ」
 それにしても連日の夜勤、ご苦労様です。給料貰ってやってるんだろうか。

 だが、ここで高沢先輩、
 このように、手負いの雄太を連れた女の子三人組が、同じ職員室の反対側からよろよろと逃げているのに、彼らにまったく追い付けず、むしろ、部下の方が先に彼らに追い付いてしまうという、最大の失態を演じてしまう。

 と言うか、物理的にちょっとありえないだろう。
 ここは、誰かが高沢先輩に物を投げて怯ませると言うようなカットが欲しかった。
 怪我人を連れていながら高沢先輩を引き離しているユミたち。ここ、雄太を支えていないルリが最後尾と言うのも変といえば変だ。
 遅れて、高沢の部下三人がようやく追い付く。
 「逃がすなーッ」
  
 ユミ「代わって」
 ルリ「うん」
 それを見たユミは雄太の左肩をルリに委ね、単身、彼らを食い止めるために引き返す。
 ルリ(ケイ?)「しっかりして」

 ここはユミさんがかなりかっこいい場面です。
  
 三人の屈強な生徒指導部員たちを相手に華麗な立ち回りを見せる。惚れ惚れするほど強い。

 なんでさっき、中山美穂にボコボコにされたんだろう?

 ただ、やられる方も、アスファルトの上で思いっきり投げられているのが凄いよね。
 その隙に、正門から逃げ出す三人。ケイのお尻が大きい。
  指導部員「このやろうーっ」
 ユミは、綺麗なとんぼ返りから、高く跳躍し、
  
 顔を隠しつつ、豪快な跳び蹴りで男たちをまとめて薙ぎ払う。

 そして助走をつけて空中回転し、門を飛び越える。
 そのスタントの動きに、仙道さん本人の着地のアクションがつながる。
  
 一旦振り向いてから、おもむろに駆け出すユミ。凛々しい。

 ただ、ルリたちが逃げる時、おケイちゃんが右側の門を開けて、そのままにしているので、わざわざジャンプしなくても走り抜けられたのではないかと言う気はするが、絵的にはこっちの方が断然かっこいい。

 で、ようやく、我らが高沢先輩が現場に到着。いくらなんでも離されすぎだろ。
 四人を最初に発見しながら最後にやってきたことは棚に上げて、
 「なんて役立たずだぁっ!」
 と、全力で部下をなじる高沢先輩。ステキです。
  高沢「ふぅーむ、まあいい、頭のセンコーは押さえた……あとは、フッ」
  激昂していたが、やがて意味ありげな笑みを浮かべる。
 この感じからすると、この後、上の指示を仰ぐことなく独断で牧野先生を殺したようにも思えるが……。



 次はユミのマンション。
  
 彼女の部屋の位置については諸説あるが、この回では、 2階の右から2番目の部屋の窓が明るく、そこへズームするので、議論の余地はない。
    
 ユミの部屋に負傷した雄太を連れてきた三人。彼らがユミの部屋に来るのはこれが最初で、以降、学園外での作戦会議はほとんど彼女の部屋で行われることになる。一人暮らしをしているのは彼女だけだしね。

 ルリ「ああ〜ちくしょう、先生うまいこと逃げたかなぁ」
 牧野先生のことを心配して部屋の中を行ったり来たりするルリ。
 ケイ「大丈夫よ、指導部の連中だって先生には下手なことできないわあ」
 ルリ「甘いんだよ、おケイは」

 ルリの言葉どおり、おケイの見立てが甘かったことは後で分かる。
 しかし、後藤さん、なんかお尻が不細工に大きいところが可愛いなぁ(なんでもええんか)。
 お尻というか、体全体が大きい。
 ユミ「ねえ、あなたたちと先生、どういう関係なの?」
 ユミの質問に、途端に厳しい顔になる二人。
 ユミ「私を試してみたり……何かワケがあるんでしょ?」
 ルリ「あんたが校長の回し者かどうか、試したのさ」
 ユミ「それで、何をしようとしてたの?」
 核心に迫る問いを発するユミ。
 さすがにここでべらべらと「反逆同盟」について話すほど、二人はユミを信頼しているわけではなかった。
 ユミ「教えて。私がスパイじゃないってことはわかったでしょ」
 ルリ「さあねぇ〜」
 ルリははぐらかして、部屋の中を歩き出す。
  
 と、そこで、わざとらしく机に飾られたユミの母親・加寿子(奈美悦子)の写真が目に入る。

 しかし、ユミは幼時から母親に対し相当複雑な気持ちを抱いているわけで、こうやって麗々しく飾っておくのは少し変かもしれない。
 つーか、ちゃんと写真まであるんだったら、それを学園関係者に見せてまわっていたら、極めて簡単に現在の母親の身分、所在が判明していたと思うのだが……理事長の奥さんなんだからね。……7話ではミホがこの部屋に来ているが、そのときは写真はもうしまわれていたのだろう。
 ルリ「キレイな人ー、これあんたのママ?」
 まあ、そう言うしかないのだが。
  
 無神経に顔の前に差し出された写真をひったくって隠すユミ。ここから「Shadow of Love」のインストメンタル版が流れ出す。 
 ルリ「どうしたの?」
 二人は顔を見合わせてアメリカ人風に肩をすくませ、首を傾げる。

 雄太にもなんか台詞やれよ。

 さて、翌朝。
 かなりハードな展開が待っている。

 牧野先生の死である。
 稼動する輪転機のイメージカットに続いて、画面にばさばさと新聞が置かれていき、その上に文字が重なるという一昔前の定番演出。
 同じような演出は、第14話、第17話などでも見られる。

 この時、投げられた新聞の見出しがちょっと見えて、当時の世相が仄見えて、懐かしい。大型間接税(今の消費税)なんて言葉もあったりする。
 記事もばっちり映る。ただし、画面を止めてよく文字を読むと、冒頭に吉川巡査(22)が多摩川に打ち上げられた牧野先生を発見という書き出しが不完全な形で出ているものの、4行目からは全然関係のない記事が切り張りされているのが分かる。最初は、ちゃんとした記事を作る予定だったが、どうせわかりゃしないだろうと、中途半端な形で妥協したのだろうか。まあ、牧野先生の写真にクローズアップされる時に、その横の文字が映るから、書き出しだけちゃんと見出しに沿った記事が要るということだったのだろう。
 ベッドの雄太に読んで聞かせるユミ。ただし、ユミの台詞と上記の記事の書き出しは一致しない。
 ユミ「多摩川で水死体となって発見された。血液中から多量のアルコールが検出されたこと、日頃から酒癖が悪かったという同僚教師達の証言から警察は酔っ払った牧野さんが誤って転落、水死したと断定した……」

 ただ、警察も断定するのが早過ぎる。新聞だって、深夜十二時の事件が、翌日の朝刊でそこまで詳しく書けるか?
 雄太「ちくしょう! 高沢たちが殺したんだ……そして自殺に」
 涙ぐむ雄太。でも、自殺じゃなくて事故死でしょ。

 この牧野先生の死(殺人)だが、酒を飲ませて川に投げたというだけで、具体的にはどういう風にやったのかは不明である。後の場面で高沢先輩が堂々と放言しているので、彼らが手を下したのは間違いない。しかし誰の意思で決行したのかは、最後まで不明のままである。普通に考えれば理事長の指示だが、一生徒が理事長に直接指示を仰ぐというのは考えにくいし、間に校長が入ったにしては、行動が迅速すぎる気がする。

 さっきの様子でも分かるように、高沢先輩が、事前に校長から一任されているということで、自分の判断で行った可能性が高い。それにしても、彼らが牧野先生から「反逆同盟」について尋問している様子はなく、何も聞き出さないうちに殺してしまったのは拙速に思える。もっとも、高沢先輩のくちぶりでは牧野先生さえいなくなれば、反抗組織も瓦解すると踏んでいた様子が窺えるので、そういう流れになってしまったのかもしれない。

 ただ、記事に「日頃から酒癖が悪かった」という同僚教師の証言があるので、最初から学園サイドが結託して仕組んだことかもしれない。あるいは、事後に連絡を受けて校長の指図でそう(証言)させたのかもしれない。この同僚教師が誰か分からないが、まあ、九条や佐伯だろう。他の教師にしてもそれを否定するような正義派は皆無なのだろう。……しかし、よく考えたら深夜の事件で、翌日の朝刊に同僚教師の証言が載ってるというのも、おかしな話だ。
 じっと内に怒りを秘めるユミ。

 そして学校にシーンは移る。生徒会指導部室である。
 朝っぱらタバコ吸ってる高沢先輩。下っ端たちは千円札持って、よく分からないバクチに興じている。
 しかし、第1話では他の生徒に遅刻したから減点するとか言っといて、さすがにここまで堂々と悪いことしてたらまずいのでは?
 外から丸見えだし。
  
 そこへミホがずかずか入ってきて、
 ミホ「牧野先生を殺したのはあなたでしょう。……誰の命令? 父でしょ、きっと」
 と、前置きなしに問い質す。いくらなんでもあまりにストレート過ぎる。
 僕知らんもんねという顔で目をそらす高沢先輩。しかし、校長でさえ彼女の前ではかしこまるというのに、この態度、なかなか勇気がある。
 ミホは「あたしの目を見て答えて」と畳み掛けるが、依然として無視される。
 ミホは、机の上に乗せた高沢先輩の足を手で払い落とす。
 ミホ「高沢君!」
 とても、面と向かって人を殺しただろうと糾弾しているようには思えない甘ったるい叱声。彼氏の浮気を責めてるんじゃないんだから。
  
 高沢は、勢い良くタバコを吹き飛ばしてから、やっと立ち上がり、ミホの前に顔を突き出し、
 「こうですか? いくら理事長のお嬢さんでも」
 「殺してないものを殺したとぁ言えませんよ、フッフッフ」
 理事長の娘に対して一歩も引かない高沢さん、妙にカッコイイのだった。どうでもいいけど火のついたタバコを吹き飛ばすなよ。
 悔しそうな表情のミホ。理事長の娘と言う権威をふりかざして思うがままに振舞ってきた彼女だが、ここで初めてそれが通用しない相手を知り、高沢先輩に対して思慕の情を抱くようになる、と言うようなことはなく、ひたすらむかついているだけであった。「いつか殺す!」と。
 その頃、2-Aでは新しく担任になった佐伯が最初の訓示を垂れていた。
 佐伯「お前らも知ってると思うが、昨夜牧野先生が事故死した」
 実にあっさりと同僚教師の悲劇を告げる佐伯。だが、それを聞いてる生徒たちも総じて無反応で、この辺はさすがに違和感がある。ユミはともかく、他の生徒は1学期の4ヶ月、担任として毎日会っていた筈なんだけどね。この後も、ドラマ中で話題にされることも一度もない、すごくかわいそうな牧野先生であった。意外と嫌われていたのか?

 と、突然だがここで、2-Aの初期設定の机の位置を略図にして載せておく。あくまでも4人の位置に関してだけど。
 
 Aとあるのは、途中で、違う席順になる場合があるからだ。ちなみにルリの前の席がクラス委員のアキ子、ユミの後ろが森口博子、雄太の後ろが第3話の主役、森口くん(演・劇団東俳のホープ細川明)である。
 佐伯「それで今日から俺がお前らの担任になった。俺は牧野先生みてに甘くはねえからな、覚悟しとけ」
  
 そして佐伯のキャラをとてもわかりやすく表現したシーン。
 教壇の前の席のいがぐりボーイの後頭部でマッチを擦ると言う凄いことをやっている。
 しかも、ちゃんと火がつくのだ。ほんとかよ。

 そのパフォーマンスに加えて「あいさつはどうした!」の一喝に、黒鳥学園でも特に柄の悪いのが集まっている感じの2-Aの連中も、
 大人しく起立してあいさつをするしかないのだった。
 生徒達「よろしくおねがいしまーす」
 佐伯「声が小せえ!」
 生徒達「よろしくお願いしまぁーす!」
 すっかり去勢されちゃっているワルたち。結構情けない。

 ちなみに今回は、登場人物がタバコを吸うシーンが妙に多く、これで3人目である。
 佐伯が振り向くと、しかし、
  
 座ったまま佐伯を睨み付けている三人の女子生徒がいた。
 胸のスカッとするシーンだけど、これでは彼女たちが牧野先生の同志か、学園に叛旗を翻ろうとしている生徒だとバレバレのような気もする。
 無論、こういう反抗的態度を佐伯のような男が放っておくはずもなく、次のシーンでは、いきなり制裁されている三人。

 場所は柔道場。
  
 竹刀で殴られる前から頬に血が見えるが、まあ、その前に既に殴られていたのだろう。
 ちょっと色っぽい姿。
  
 ルリも、最初からしっかりと口から血を垂らしている。
  
 当然、ケイも、である。
 またまた出ました高沢先輩と愉快な仲間たち。ちなみに後ろの三人はのちに第13話で化学クラブとして返り咲く。
 高沢先輩「貴様ら三人は佐伯先生の授業中、失礼な態度を取った。反省しろ」

 ちなみに彼らは昨夜、自分達を痛い目にあわせたのが目の前の三人だと言うことに全く気付いていない。
 高沢先輩「反省房に入りたいのか……立てぇーっ!」
 なんとなく色っぽい図。ルリがこちらにお尻をちょこんと向けている感じになっているのがとても可愛い。
 下っ端に「もたもたするな! 立てっ!」と言われて、
 よろよろと立ち上がり、
 整列する三人。
 ルリが、髪が乱れて別人みたいになっちゃてるのが目を引く。
 高沢先輩の「やれーっ!」と言う命令で、
  
 三対三で、下っ端たちにがんがん殴る蹴るの暴行を受け、無抵抗のまま壁際まで後退する三人。
 ここは、結構ハードなシーンなんだよね。三人もスタント無しで頑張ってます。 
 ルリのパンツ見えそう。
 このドラマ、第6話まではこういう直接的な暴力描写が頻出するのだが、第7話以降、少なくとも学園内でのこういうシーンは最終回付近を除くとほとんど姿を消してしまう。監督が代わったせいか、あまりに暴力的だとクレームがついたのか、個人的にはそういう路線変更は歓迎である。

 しかし、こういう苦しみも共に味わってきたからこその、(雄太を含めた4人の)「反逆同盟」の強い絆が生れているのだと言うことに留意していただきたい。結局、この制裁がどの程度で済んだのかはっきりしないが、その後、洗い場で傷を拭いている三人の様子を見ると、意外と大したことなかったようにも見える。効果音は派手だが。

 その後、校舎の裏手の洗い場で傷を拭いている三人。

  
 ルリ「いたっいたっいたーっ、ったくもう、高沢の変態ヤローめ」
 ルリの口元を拭いていたケイが、つと、ユミの前に移動し、しゃがみこんで、
 ケイ「話があるわ。あなたの力を、腕を借りたいの」と、切り出す。
  
 ユミ「えっ」
 ケイ「牧野先生の敵討ちもあるわ」
 なんとなくケチャップっぽい血だ。顔はご覧のように全然傷付いてない。
 まあ、高沢たちも、女性の顔には傷つけないように配慮したのかもしれない。やりすぎると警察沙汰になるしね。
 ケイ「どう、私たちの仲間にならない?」
 と、ストレートな同盟への勧誘。
 無言のユミ。
 もっとも、何の説明もなくそんなこと言われても、答えようがないだろう。
  
 ルリ「ケイ、何でこんな奴にぃ」
 ルリはとんでもないという風に、飛んできて割り込むが、
 ケイ「ルリは黙ってて」
 と、一蹴される。
 ケイ「あなただって無関係じゃないはずよ」と、さらに訴えるが、
 ユミ「ごめんなさい、私にはどうしてもやらなくちゃいけないことがあるの」
 きっぱり断って、すたすたとその場を離れてしまう。

 ちなみにこの「やらなきゃいけないこと」については、「反逆同盟」結成後も、ユミは一切語ろうとせず、最後まで秘密主義を貫くことになる。でも、なるべく広く情報を得た方が早道なのだから、少なくとも同志の三人には話しておいて良かったんじゃないかと言う気がする。そう言う機会も劇中でたくさんあったと思うんだけどね。
  
 ケイ「ちょっと!」
 ルリ「ちょっとー、もしスパイだったらどうすんのさぁ」
 ケイは呼び止めようとするが、ルリに制される。
 ケイ「だってぇー!」
 ルリ「仲間にならないってんなら敵さぁ、早いとこ口止めしないと」
 ケイ「大丈夫、私は信じるわ!」

 それに対し、ルリが口を動かそうとしているのだが、フィルムはここで切られている。
 恐らくこの後、「おケイは甘いんだよ」という趣旨の台詞があったんじゃないかと思うが、カットされたのだろう。

 しかし、あれだけ危ない目を共に渡っていて、なおもユミのことを疑うのは不自然だ。本当にスパイだったらとっくの昔に二人のことを学園に知らせているだろう。それと、「口止め」と言っても、まだケイは具体的なことは何もしゃべってないのだから、口止めのしようがない。

 ここで、ルリの用心深さ、ケイのお人好しが明確に描写されているのが興味深い。無論、常にその図式があてはまるわけではないが、ほとんどの場合はそういう感じになり、たいていケイの見込み違いだったということになるのだが、今回に限っては、ケイが正しかったことになる。
 その夜、他愛なく眠りこける雄太(カワイイ)の横で、ひとり思いに沈むユミ。しかし、雄太は二晩続けて女の子の部屋に泊まるのか。家で寝ればいいんじゃないのか。
 学園としては、反省房から逃げ出した彼を探していてもいいはずなのだが、そういう気配はまったくない。次回からは何事もなかったかのように登校しているし、意外といい加減である。佐伯が最初に言っているように、雄太はあくまで「あやしい輩」をおびき出すための餌に過ぎず、牧野先生を始末した上は反省房から脱走しようがどうでもいいと思っていたのかもしれない。

 個人的には、このシーンのまったりした雰囲気が大好きである。
 なお、ユミがはっきりとスリッパを履いているのが見えるが、意外と珍しいことなのだ。

 ここでちょっとした回想シーン。厳密には第1話の回想シーンの繰り返しであるが。BGMは「Don't Stop Lullaby」のインスト。
  
 叔父(伯父?)であるキンキンから貰った箱のことを思い出しているユミ。ちなみにキンキンの出番はこれが最後となる。まあ、第2話ではクレジットすら無いんだけどね。
 叔父「これはおじさんからの餞別だ。母さんを探すのは危険かもしれないよ。でも、もしもの時にはこれを開けるのだ。きっと役に立つと思うよ」
 しかし、餞別と言っているが、黒鳥学園の高いであろう学費や東京の生活費なんか、全部キンキンが丸抱えしているはずで、餞別と言うのはちょっと変な表現に聞こえる。一切説明はないが、ユミには父親の遺産のようなものがあって、それですべて賄っていたのかもしれないが。
  
 その流れで、ユミはその箱のことを思い出した様子。
 ふっと立ち上がって鏡台の前に座り、抽斗を開く。
 最初見たとき、何が入っているんだろうなぁと自分も本気で考えたものだが、答えはあらゆる予想を裏切る斬新なものだった。



 ジャーン!

 そう、鋲のついた赤いナックルグローブであった。うわーい。

 やっぱり「スケバン刑事」の影響かな。 
 ユミさん、ドラマでは無言だが、内心「マジで?」と叫んでいたのではないだろうか。

 ただ、この時点でたとえばお金とかがあっても、あまり役にはたたないだろうしなぁ。つまり、キンキンの伝えたかったのは、「もしも」トラブルにぶつかったら、自分ひとりの力でぶち当たってくぐり抜けろということだったのではないだろうか。
 ユミはしかし、まるで予期していたようにそれを早速手にはめるのだった。
  
 それにしてもとても空手の達人とは思えない優しい手だ。当たり前だけど。
  
 グローブをはめた両手を握り締め、決意を秘めて前を見据えるユミであった。

 ……ま、その後外して、箱に戻して、寝たんだろうけどね。

アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 さてその翌日、これは昼休みの時間だろうか。
 最初に画面にはルリとケイだけが、直立姿勢でポジショニングしている。
 そこへ、画面手前からユミがやってくる。
 ルリ「呼び出しなんてかけてこの前の続きをやろうっての?」
 「呼び出し」とあるが、これは具体的にどうやって連絡したのかは不明である。前回にユミが受け取ったような手紙でも下駄箱に入れておいたのだろうか。
  
 ユミは無言で一歩前に踏み出し、右手を差し伸べる。ルリは反射的にファイティングポーズを取る……、
  
 ルリ「行くよ!」
 早くもバトル開始しそうなルリだが、
 「待ってルリ!」とケイがすかさず制止する。
 ここから「Don't Stop Lullaby」の明るいインストが流れ出す。

 ユミは必殺・百万ドルの笑顔を浮かべる。
  
 ユミの差し伸べられた右手に対し、露骨に戸惑うルリ。
 ← 
 対照的に、ケイは素直に一歩前に踏み出してユミの手を握る。

 ユミ「よろしく」
 ケイ「こちらこそ、わたし、渋川ケイ」と改めて自己紹介する。

 そう言えば、まだ名前を名乗ってなかったね。
 ケイは元の位置に戻り、
 ケイ「こっちは弓削ルリよ」
 と、ちょっと恥ずかしそうに手をコネコネしているルリの肩を押すようにする。
  
 ユミ「よろしく!」
 今度はユミが一歩出て、ルリに向かって手を伸ばす。もじもじしているルリを再度ケイが促す。
 ケイ「ルリぃっ……」
 そこでやっと、ルリも右手を出し、握手する。
 ルリ「よろしく」
 依然として不貞腐れたような声だが。
 綺麗な手と手が、強く上下に振られて、
  
 ルリも、やっと笑顔になる。
  
 二人の手の上に、ケイも両手を重ね、
 ケイ「良かったぁっ!」
 と、屈託のない笑顔を浮かべる。

 と、急にカメラがパンして屋上の隅の建物の陰にいる人物をとらえる。
 この時の建物、ハリボテなのかな、実在の建物なのかな、よく分からない。
  
 無論、神出鬼没のミホである。読んでいた本を閉じ、くるりと振り向いて、
 ミホ「わたしもいつかきっと……!」(反逆同盟に入る)

 ユミとルリたちの爽やかな和解のシーンであるが、ミホがどうしてここにいるのかという疑問は勿論だが、そもそもどうしてユミが一転して二人に協力しようと言う気になったのか、その辺の心理の推移が描かれていないままなのが不満である。

 ただ、ミホとの会話、自分の目で見た黒鳥の実情、雄太の苦難、なにより牧野先生の死……それらの様々な事象が重なって、ユミに、義侠的な行為に投じる決意をさせたと見るのは自然である。

 さて、場面はユミの部屋に移る。
 ユミ「セーラー服反逆同盟……」
 雄太「かっこいいじゃん!」
 何食わぬ顔して同席している雄太だが、いつまでユミの部屋に居座るつもりだ。
 ケイ「牧野先生と私たちで密かに計画してたの」

 さて、牧野先生と計画していたと言う「反逆同盟」であるが、元々牧野先生の発案だとしたら、牧野さん、かなりマニアックな趣味の方だったのではないかと思われる。そもそも、別に女子高じゃないんだから、男子生徒の参加が宿命的に否定されているようなネーミングは変である。もっとも「学生服反逆同盟」ではあまりにかっこ悪い。
 ルリ「見てのとおりあの学校はまともじゃないんだ。センコーたちは金目当てにどうしようもない生徒を集めて更にクズになるように教育してるんだ」
 ケイの声「でもね、少数だけど学園の正常化を願う人たちはいるわ」

 かわるがわる趣旨説明をするルリとケイ。

 ところで、ツッパリにあこがれて来た雄太は別にして、そもそも二人はなんでここに入学したのだろう? ルリとケイはそれぞれスケバンだったらしいけど、少なくともケイはどう見ても普通の女子高生になっているわけで、ある意味、ここに来てから更生してるんじゃないのかという疑問も湧くのだが。

 クズになるどころか、立ち直ってるじゃん。

 コミック版では、二人はそれぞれ学園に個人的な恨みがあり、それを晴らすためにも「反逆同盟」を結成したことになっている。
 ルリ「今となっては牧野先生はいないけど」
 ルリの台詞と共に、故・牧野先生のイメージ映像。ただ、なんでここの場面から採ったのかいささか理解に苦しむ。雄太をかばってるところとか、ほかに教育者の鑑にふさわしいカットが……まあ、でもだいたいあまり出番がなかったからなぁ。

 ルリの言葉に被せるように、
 ユミ「だからこそやるのよ! 牧野先生の遺志を継いで」

 この台詞、めっちゃかっこいい。

 ユミの凛呼とした呼びかけに、
  
 ケイ、ルリ、そして
 雄太も頷いて賛意を示す。雄太は「セーラー服」は着れないが、自分のために牧野先生は殺されたようなものだから、責任感も感じていたのだろう。
  
 ユミ「ただし表立っての行動は出来ないわ。私たちの力はまだ小さいんだから」
 ルリとケイを交互に見ながら話す。
 ルリ「でもさぁ……」
 ユミ「最後まで聞いて」
 と、このやりとりも楽しい。ユミはあっという間にリーダーとしての位置に立ち、行動指針を示し、更にルリの反論も許さない強さを見せている。
 しかし、ルリはこの後、なんと言おうとしたのだろう。「もう派手な制服も発注してるんだよ」とでも言いたかったのかしら。違うか。
 ユミ「どんなことがあっても軽はずみな行動は慎むこと
    そして学園にはあくまでも従順な生徒としてふるまうこと
    この二つが守れないようでは、成功しないわ」

 と、たちまちのうちにルールを定め、
 はねっかえりのルリや、気の強いケイでさえ一も二もなく、
 「わかったわ」 
 「OK、誓うわ」
 受け入れてしまうカリスマ性を発揮したのであった。

 ついでに、 
 「俺も!」
 雄太も立ち上がりながら元気よく宣誓するのであったが、

  
 ルリ「あんたはカンケーないのっ」
 と、すげない言葉を浴びせられる。そしてこれが、ルリによる雄太への長い暴言の歴史の始まりであった。
 雄太も「そんな殺生な!」とぼやきつつ、画面の左手に消える。
 無論、ルリもユミも笑っていることから分かるように、あくまで冗談なのだが。
 ← 
 雄太がはけてから、
 ケイ「手始めに、やらなきゃやらないやつがいるわね」
 ルリとユミを交互に見ながら話す。

 ユミ「高沢と生徒指導部ね」
 ルリ「そう、奴らを血祭りにあげるのが初仕事にふさわしいわ」
 物騒なことを言うルリ。

 しかし、ここはまだ悲壮ムードの筈なのにみんなほがらかな笑顔でしゃべっているのがちょっと変かな。特にケイの笑顔は暢気すぎるだろう。
  
 小さく頷きあったあと、ユミの「よしっ」の掛け声で、三人が立ち上がり、手を取り合って、強く上下に振る。
 この時、ルリが立つと同時に握手すべく手を前に出しているのが勇み足。

 この辺から、BGMは「Shadow of Love」のバラードバージョン。いや、オーケストラバージョン?
  
 一旦画面から消えた雄太が、お盆にジュースの入ったコップを4つ載せて戻ってくる。
 雄太「さあさあみなさん乾杯と行きましょう」
 ルリ「なんでー?」
 雄太「固めの杯って言うでしょ。真面目な高校生としてはお酒を口にするわけにはいかないモンね」
 喋りながら、ルリ、ケイ、ユミの順にコップを手渡す雄太。
 自分も持ち、お盆を下に置く。
 ルリ「なぁるほどねぇ」

 それはいいんだけど、「勝手に人んちの冷蔵庫開けんなよ」と、ユミが内心思っていたかは不明である。

 ちなみにここでチョイスされたのは今後もしばしば登場するバヤリースである。ジュースの王道であり、極めて分かりやすい色だからね。スポンサーとの関連は特にないだろう(商標は出ないからね)。

 4人がグラスを持って、
  
 ユミ「せえのっ」
 ユミの音頭で、全員「セーラー服反逆同盟スタート!!」
 そしてグラスを掲げ、優しく合わせつつ、
 全員「かんぱ〜い」

 ただし、実際にグラスに口をつけるシーンはない。撮影時は飲むところまで撮ってるんだろうけど。

 ところで管理人はこのシーンが大好きである。このサイトのタイトルに使わせてもらってるくらい好きだ。全篇の中で一番好きかも知れない。つまり、ここからドラマの中でも、ストーリーの上でも本格的に彼女達の戦いが始動すると言う極めてシンボリックな場面だからである。こういう物事の始まる以前の、豊かな可能性に満ちた瞬間が連続ドラマとしてはもっとも楽しい瞬間かもしれない。この作品に限らず。

 そういう希望に満ちた若さが光った後で、やさぐれた青春を送っている連中が映し出されるのが編集の妙である。
 夜の校舎の外観を映しつつ、虫の音が小さく聞こえている。
 学園にとっての最大の障害である組織が結成されたとも知らず、「生徒会指導部室」で祝杯を上げる高沢先輩たち。相変わらず、夜遅くまで学校にいるのが好きな人たちである。暇なんか。
 高沢先輩「いい酒だ。こんな高級酒を飲みながら死ねたんだ。牧野のようなクズにはもったいないくらいの死に方だ」
 部下たち「ふっはっははははっ」
 と、わりとクズ方面の台詞を吐く高沢先輩。これで、彼らがやはり牧野先生を殺したことがはっきりする。
 考えたら、かなり重罪を犯しているはずなのに、見ている方も、あまり腹立たしくないのは、牧野先生の死が、観念的にしか描写されていないからだろう。彼の死を惜しむ登場人物もほとんどおらず、牧野先生の遺族が悲しむ姿も出てこないから、彼が死んだことが、実感を伴って頭に入ってこないのだ。ここは、ユミが二人に協力を申し出るに至った心境の変化の欠落とあわせて、今回のシナリオのマイナスポイントに数えられる。
 雄太「くっそ〜」
 彼らの会話を部屋の外で盗み聞きしている雄太。雄太の盗聴の歴史はここから始まったのである。
 この時、雄太の周囲に猫の姿は見えない。
  と、突然開く窓。この時、背景が明らかに書割である。
 窓の開く音に「およよ」と言う感じで振り向く高沢先輩。
  
  にゃんこ「ふぎゃううーーーーっ!」
 雄太が抛り込んできたのはニャンコでした。しかし、雄太はどこで調達してきたのだろう。
 股間がチラッと映るのだが、これだけではオスかメスか判断できない。
 いきなりのことで、びっくりする高沢先輩。
 猫に顔を引っかかれ、「いってえ、なんじゃこりゃあっ!」と怒号する。
 何事かと覗き込む部下たち。
  
 にゃんこ「みゃううーーー」
 しかし、優しく猫の背中に貼られた手紙を剥がすのであった。

 人間が殴られるのは良くとも、動物が殴られたりすると虐待だなんだとうるさいからね。
 なお、手紙を剥がし、いい声で読み上げるのはJACの浅利俊博さん。後年の映画「激突!」で鎖鎌を持っていた人ですね。
 浅利「なになに、学園浄化の美名に隠れて悪の限りを尽くすものたち。今晩9時に遊園地においで願いたし。クズにふさわしい天誅を贈るものなり」
 「なになに」って実生活ではあまり使わないよね。

 やけに芝居ががった文章の挑戦状だが、これで彼らが応じてくれなかったら、ユミたちはあの格好で人気のない(それも雨が降っている)遊園地で待ちぼうけを喰うことになり、相当情けなかっただろう。即座に「反逆同盟」解散なんてことになりかねなかったのだが、高沢先輩はこういうときにそんな不粋な真似は絶対しない人であり、手紙をひったくって黙読してから、
  
 開いた窓に飛びつき、左右を鋭く見てから、
 高沢先輩「兵隊集めろおっっっ!」
 と、ヤーさんかお前は? というような台詞で、挑戦に応じることを表明する。よかったよかった。

 すぐにバトルシーンに移行するのかと思ったら、優しげなBGM(薔薇の少女)の中に、夜の薔薇の映像が挟まれる。
  
 夜中に薔薇に水を与えているのは、無論、ミホである。
  
 そして薔薇を一輪手折り、決意の眼差しを宙に向ける。

 このひとは、いったいいつも何してるんだろうと思わざるを得ないカットだが、この時に限っては、クライマックスの前の静かなシーンとして有効ではある。また、ミホが薔薇を投げることへの伏線にもなっているのだろう。

 ちなみにこの後、ガンガン雨が降ってくる……。

アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 そして、舞台は早速指定の遊園地へ。たぶん、ロケ地はよみうりランドだろう。

 本格的なバトルシーンは今回が初めてである。
 夜の遊園地は趣がある。しかも雨が降っている。
 と、小型トラックが入ってくるのだが、夜中によく入れたな。
 トラックが止まってから、カメラが反対側に切り替わり、高沢先輩が降りて来るのだが、上の画像と比べると、明らかに別人である。
 エンジンを切り、車から降りて辺りを見回す高沢先輩。手には竹刀。
  
 と、待ってましたとばかり、強烈な照明がメリーゴーランドの中から照射される。
 この定番の演出だが、これが初回と言うこともあり、最初の画像にはきっきり点灯前のとライトが見えてしまっている。
 それに、さすがに照明が強過ぎる。
 高沢先輩が眩しがるのも当然である。
 この経験を踏まえてか、これ以降、照明はだいぶ落とされる。
 それはさておき、神秘的なBGM(閃光)を背に、ゆっくりと近付いてくる怪しい三つの人影。
 この段階で、既に地面はだいぶ濡れている。
 棒立ち三人娘。
 高沢先輩「何だお前らは!」

 それに応じる形で、ここから、「反逆同盟」口上の初披露となる。
 先陣を切るのはいつもルリ。スカートをたくし上げて、黒いタイツに巻いたホルダーから鉄製鉛筆を引き抜いて構える。
 さすがに初めてということで、この時の動きはややぎこちない。
 ルリ「闇の中でのさばり続ける悪党ども!」
 ちなみに、相手がひとりでも複数でも、台詞は一緒で「ども」になっている。まあ、「悪党!」ではちょっと間が抜けて聞こえるからね。
 ついでケイが、スカーフを外し、構えながら……って、どうでもいいけど凄い雨だな。 
 ケイ「てめえらのようなワルは許せねぇ」
 この台詞は、相手がひとりの場合は「てめえら」が「てめえ」に変わる(但し、ひとりでも「てめえら」の場合がある)。
 さすがに演技初心者の後藤さん、ここの台詞はかなり棒読みだ。と言うか、最終回まで大して変わらない。と言うより、毎回言い方が微妙に異なって、安定しないんだよね。
 最後はユミ、先にグローブをはめた拳を腰のあたりでクロスさせる。そのままの状態で、
  
 ユミ「天に代わって」と、ここで一旦止め、両手を構えてから「成敗する!」と決める。

 そして、
 三人「セーラー服反逆同盟!」

 いやぁ、やっぱりかっこいいです。
 ただ、最初と言うことで、声があまり合ってない。

 ちなみに「DUNK」1987年1月号の記事によれば、この派手派手メイクは最初は1時間もかかってメイクさんにやってもらっていたとか。が、だんだん慣れてきて自分たちでするようになり、時間も30分くらいに短くなったとか。
 高沢先輩「笑わせるな、ガキが! 思い知らせてやる」
 と、ごく常識的な反応をする高沢先輩。ま、普通は笑うところだよな。
 ちなみに彼女達がユミたちだということには気付いていないのだろうか。気付いていたら、最後にそのことを校長たちに言う筈だから、「反逆同盟のメイクをしている限りユミたちの正体はばれない」というドラマ独自のルールに従っているのだろう。

 そして、横を向いて「おいっ」とトラックの荷台に向かって叫ぶと、わらわらとザコたちが降りてくる。
 何故か、彼の引き連れてきた部下は、みんなホッケーマスクにスティック持参と言ういかれたスタイルだった。
 服装もまるで違うので、どうも先ほどの生徒指導部員とは別系統の彼の手下のようだ。
 大勢の敵の出現に、それぞれ武器を構え直す三人。
 静止画では分かりにくいが、この時もかなりの雨量である。
 ここでも、ケイはつい瞬きをしてしまっている。これは後藤さんの癖で、終盤まで治らない。
 大音声で兵隊集めろと号令をかけた割に、10人しかいない。

 実は大して動員力のない高沢先輩の「やれぇーっ!」の掛け声と共にバトル開始!
 多分金で雇われただけで、何も考えていないのだろう、謎の女子高生たちに全力で襲い掛かるジェイソン軍団。

 BGMは「Don't Stop Lullaby」。燃えるぜ。
  
 最初は、OPタイトルバックでも使われている、雨の中、メリーゴーランドを背に、ホッケーマスク集団と戦うと言うシュールな図。

 少なくとも最初の乱闘時、ユミは仙道さん本人が演じている。ただ、さすがに最初なのでアクションらしいことはほとんどしておらず、棒立ち状態が多い。その分、やられ役の(JACの)皆さんが頑張っているので、それほど気にならない。
 一方で、後方のメリーゴーランドの柵の中で戦っているルリは、早くもスタントにスイッチしている。
  
 そのルリの前にずずずっと現れるのは後藤さん演じるケイ。早くも敵に捕まって、なすがままの状態。
 ま、さすがに最初だから、こんなものだろう。

 でも、この、白いセーラー服に派手なメイク、どう見てもカツラの頭などは、よく考えられたコスチュームだとは思う。
 これだと、少々アップで撮っても、すぐにはスタントだとは分からないからだ。
 で、ケイのピンチに鉄の鉛筆を投げるルリ。ここでは当然、山本さん本人が演じている。
 ケイもルリも、遠方の敵に働きかけられる武器を使うので、しばしば仲間を助けることがあるが、ユミは近接戦しかできないので、そういうシーンはあまりない。
 なおこの時、再びスカートをめくってホルダーがはっきり見えるのだが、さっき一本抜いた筈なのに、ここでも4本揃っている。最初に抜いたものはすぐ元に戻したのだろうか。
 鉛筆は正確に、ケイを攻撃していた敵の指の間に刺さる。ちなみにオンエアの時点で、「13日の金曜日」はパート6まで作られていました。

  
 続けて今度は2本同時に投げる。
 今度もそれぞれ見事に敵の指の間に刺さる。基本的にルリの鉛筆は、指の間にしか刺さらないのだ。
  
 さらにルリ(無論、スタント)は突進し、直接、華麗な蹴りで彼らを薙ぎ払う。
 ケイ「ルリありがとう!」
 言い捨ててフレームアウトするケイ。なんでもないカットだが、実は、戦闘中に「反逆同盟」同士ではっきりした会話を交わすのは全体を通してみると極めて珍しい例なのである。この後も、せいぜい名前を呼ぶくらいが関の山で、これだけはっきりした台詞は稀なのだ。

 ケイは後藤さん本人のせいか、ここでは全く活躍していない。
 と、今度ははさみあちにあっているルリを助けるためにケイが数回鎖スカーフをしごいて、チェーンと共に投げる。

 しかし、後ろのメリーゴーランドの屋根のライトとか思いっきり点いているなぁ。勝手に電源入れちゃダメ。
  ただ、このカットだけでも3回くらい目をつぶってしまうのが残念。
  
 びょーんと伸びるスカーフ付チェーン。どういう構造になっているのか、いまいち不明だ。
 ちなみにここでは、一瞬だけ白いタグのようなものが映っている(右)。 
 チェーンは、ルリを攻撃していたザコの後頭部に直撃(してるようにしか見えない)。
 それをややサディスティックな表情で引っ張るケイ。
 チェーンを引っ張るときに、大体こういう顔になるのも、後藤さんの癖だろうか。
 首に巻かれたチェーンで引き摺られる敵だが、この際、自らスティックでチェーンを巻き付けながら移動しているように見える。
  
 一対一になり、思い切り相手を投げ飛ばすルリ。ここで、ルリが頭を下げ気味にしているのは、顔が映らない様にする為だろう。
 さらに仰向けの相手の腹に正拳を打ち込んでトドメを刺す。
 画面の奥から二人の新手がやってくるが、ケイはチェーンを投げ、同時に二本のスティックを絡め取る。
  
  
 武器を奪った上で突っ込み、至近距離からチェーンでしばきまくるケイ。
 ここは急に動きが鋭くなるが、スタントに切り替わっているからである。演じているのは多分、恩田真美さんだろう。
  
 奥の敵に飛び蹴りを放ち、手前の敵の腹を肘打ちする。ここでは、ちょっと不自然に手の平で顔を隠し、別人であることを誤魔化そうとしている。

 それにしても、今回の(そしてこれ以降も)アクションシーンはレベルが高い。前回からすると格段にスピード感があるのは、やっぱり男性スタントがやられ役をやっているからだろう。
 また、この「Don't Stop Lullaby」がとてもいい曲で、歌詞は殺伐としたシーンにはふさわしくないようだが、そのミスマッチが逆に心地よいのだ。まあ、普通の男性主体のアクションだったら、勇ましい内容のヒーローソングが定番なんだろうけど、あくまで女性が華麗に戦うと言うコンセプトだから、こういう曲が選ばれたんだろう。
 高沢「なにをやっとんだ、バカタレどもがぁっ!」
 やられっぱなしのみなさんに対し、何もしていないくせに大声で叱り付ける高沢先輩。
 再び画面はメリーゴーランドの正面に戻る。ユミはあれからずーっとここで戦っていたようだ。
  
 このテンポの良い左右への蹴りなど、とても綺麗だ。
 スタントの導入も、最初見たときは仙道さんがやっているか思ったくらい、自然である。
  
 見事な回し蹴りを決めた後、
 ここからまた仙道さん本人のアップ。うーん、やっぱりこのメイクはちょっと恥ずかしいか……。

 ただ、今度はそのままアクションシーンに移行する。
  
 二本のスティックを受け止め、
  
 右に左に殴りまくるユミ。
 ここはスローモーションにして、仙道さんの動きの遅さをカバーしている。
 このあたりのアクションがOPで使われているものだと思うが、これとは別にOP用に撮ってるんだろうか……。
  
 なお、ユミの打撃力は凄まじく、
 顔を殴られた敵のホッケーマスクが割れてしまうほどの破壊力である。
  
 で、またスタントに戻って惚れ惚れするような蹴りと投げでザコたちを圧倒するユミ。
 高沢「くそーっ」
 業を煮やして竹刀を叩き付け、トラックの座席からボウガンを取り出してユミを狙う、不良たちの憧れの高沢先輩。

 今気付いたのだが、
 ひょっとして高沢先輩って実は単なる卑怯者なのでは?
 ユミは気付かずにまだ戦闘中。ここではまた仙道さんが演じている。
 不気味に笑う高沢先輩。既に牧野先生を殺しているから、ここでも本気で殺しにかかってもおかしくない。


 と、ここで、何の前触れもなく、遊園地の隅にミホが現れ、緊張感のない顔でバラを投げる。

 もっとも、これは同じ遊園地で撮影しているのかどうか、はっきりしない。いかにもセットっぽい安っぽさなのだが……。
 わざわざこのシーンのためだけに、多忙の中山美穂がよみうりランドまで行くとは考えにくい。
  
 何はともあれ、初めて宙を飛ぶバラ。前回は投げようとしたけど邪魔が入ったからね。そしてほど好いところで爆発する。

 ……しかし、根本的な疑問だが、なんで彼女はこの時刻、この場所に彼らが来るとわかったのだろう。まあ、生徒指導部室で、浅利さんがでっかい声で果たし状を読んでいたから敷地内にいたミホにも聞こえたのかもしれないが……。もっと合理的な解釈は、事前にユミが連絡しておいたということだが、ユミの性格からして最初から人を頼るような真似はすまい。とすればやはり、高沢たちの動きをそれとなく監視していて気付いたのか……。

 で、この特殊なバラの武器、そもそもどういう仕組みになっているのか、一切説明はない。
 もっと不思議なのは、爆発後、この花びらが対象者の両目をぴったりと塞いでしまうことだ。
 その爆発音で気付いたのか、咄嗟に敵の体を盾にするユミ。
  
 高沢先輩「なんじゃこりゃ」
 気がつけば、ギャグの顔になってしまっている高沢先輩。
 ここから、BGMは「激闘のテーマ」になる。一般的には、最初に「激闘〜」で、クライマックスあたりで「Don't Stop Lullaby」に変わるので、この流れは珍しいケースである。
 ルリは、目の前の敵を叩き伏せてから、
 動揺している高沢に対し、鉛筆を投げる。この直前のアクションは今回山本さんが実際に演じている唯一のアクションとなる(鉛筆投げは別にして)。
   
 ルリの鉛筆は例によって指の隙間に刺さり、高沢先輩はボウガンを落とす。
  
 ついで、ケイが助走をつけて、チェーンを投げる。この時も、しっかり目を閉じてしまう後藤さん。
 高沢先輩の首にしっかり巻きつくチェーン。
  
 で、それを引っ張るおケイちゃんの必要以上に得意げな顔。

 ユミは、残るザコを片付けてから、身動きの取れない高沢に向かって突進する。
 目をふさがれ、指の間に鉛筆が刺さり、チェーンで動けないと言う三重苦状態の高沢先輩。それでもなんとか鉛筆を引き抜き、花びらを剥がすものの、
 ちょうどそこへユミの蹴りがまともに入って万事休す。
  
 ユミの裏拳がまともに顔面にめり込む。さらに蹴られて地面に寝転がされた末、
 
 無防備のお腹に、強烈な三連続で突きを入れられる。

 不良たちから一目置かれている高沢先輩だが、ホントに強かったのか?
 これでは歴代ボスランキングでも最下位あたりをうろうろするようなレベルである。

 つなぎかたが自然なので、一瞬これも仙道さんがやってるように見えるのだが、無論スタントである。コマ送りすれば、はっきり分かる。
 資料では菊池香理さんか、田村奈美さんだと思うのだが、お二人、顔立ちが似てるのでちょっと判然としない。自分は菊池さんの方じゃないかと思うが。
 で、高沢先輩がのされたのを見て、部下の皆さんは一斉に逃げ出すのであった。なんでもないシーンのようだが、親玉以外の手下が最後に逃走すると言うのは、このドラマのアクションシーンでは恐らくこの回だけのはずである。ほかは、必ず倒されてへたばっているという描写が入る。

 思うに、「反逆同盟」や赤いバラ投げ人について、第10話で校長たちが話している噂は、彼らの口から漏れたものではないだろうか。
 また、このシーンでも確認できるが、やはり今回のザコは10人ちょうどである。
 無事にユミたちが初勝利したのを見て、ニヤリと不気味な笑みを浮かべるミホ。
 地面に落ちていた花弁を拾い上げるユミ。そこへ他の二人も集まってくる。
  ルリ「やばいところだったね」
 ケイ「なあに、それ?」
 ユミ「命の恩人よ」

 バトルの後で彼女達が会話を交わすのも、あまりないケース。
  
 三人は遊園地内を見渡すが、無論、既にミホの姿はない。
 いつの間にか電気も消えてる。
 10話でもこのことについて会話が交わされるのだが、どういうわけか、ルリとケイはこの件に関しては追及する気がないようで、誰が投げているのか確かめようとすることはない。
 ユミは花びらを持ったまま、心の中でミホに礼を言う。
 ユミ「ミホさんありがとう、いつかきっと一緒に……」

 この、バラ投げのあった戦いのあとでユミが人知れず心の中で礼を言うのは以降の恒例行事になる。
 ミホは笑みを浮かべてその場を去っていく。……って、ミホさんまだいたの?


 ……しかし、よくよく考えたら、この段階ではバラを投げて助けたのがミホだとは、ユミにも分からないんじゃないかな?
 ユミはまだミホがバラの世話をしたり、バラを持っているところも見てはいないはずなんだけどね。
 もっとも、他に彼らを助けようという人物はいないだろうから、ユミがそう即断してもおかしくはないのだが。

アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 さて、バトル後のエンディング(エピローグと言うべきか)です。前回は事実上、バトルシーンのまま終わったので、今回が初めてになる。

 これにはおおまかに言って二パターンあり、今回のようにハングマンよろしく、悪人たちを公衆の前に晒して笑いものにするというものと、ユミたちが他愛ない会話を交わしたりする場合などである。
 翌朝、校門のところに生徒たちが集まって騒いでいる。

 彼らが取り囲んでいるのは、
 カリアゲくんになってしまった高沢先輩。
  ちょっと伊原剛志に似ている。
 アキ「私は学園浄化の美名の影で、ワルの限りを尽くした変態野郎です」
  胸にさげられたプラカードに書いてある文章を読み上げるアキ。
 それに続いてヒロコたちが何か口々に叫んでいるのだが、アフレコのミスか、該当する台詞は聞こえない。 
 ヒロコ「だって〜」
 (と言ってるのかどうかよく聞き取れない……「最低」or「だっせえ」かもしれない)
 マユミ「へ〜んた〜い!」
 アキ「死んじまえよ、この野郎!」
 と、カバンで頭を叩かれる。やりすぎ。

 まあ、生徒指導部として今まで威張りまくっていた報いだろう。
 他の下っ端たちはどうしたんだろう。逃げっぱなしかな。
 ただ、彼らにとっては具体的に高沢先輩が何をしてこんな目に遭ったか事情が分からないわけで、いくら晒し者にされているからって、これだけ堂々と馬鹿にしたりできるだろうか。後々のことを考えたら、怖くてこんなことできないと思うのだけどね。

 また、彼の場合、現実に人ひとり殺してるわけで、警察にも通報しないでこんな方法で片付けられて済むのだろうか。これ以来一切登場しなくなったことを考えると、警察に捕まったとも考えられるが、だとしたら、もっと早い段階で黒鳥学園そのものに対する社会的な騒動が起こっているはずである。

 ちなみにコミック版では、ユミたちに倒されて物語から退場するのは、負け犬は使い物にならんなどといういささか苦しい理由によるものらしい。
 ユミ、ルリ、ケイ「あわれーっ」
 無論、彼女たちが「反逆同盟」であるとは高沢先輩も気付かないのである。
  
 尊敬の口調で話していたワルたちも、冷たいもので先輩を助けようとはしないのであった。
 山口「けどよ、うちの学校にいたかよ、高沢先輩とタメ張れるような奴がよ」
 と疑問を口にする(次回は自分たちがそういう目に遭うとは知らず)。

 一応、先輩って言ってるんなら、早く助けてあげなさい。それと、タイマンでやられたとは限るまい。
 よせばいいのに、雄太がうそぶく。
 雄太「いるところにはいるんだよなぁ、つええやつが」
 すかさず、後ろにいたタケシが雄太の肩を掴む。
 タケシ「なんだとこの野郎、まるでてめえがやったみてえな顔しやがって」
 雄太「いや……さいならっ」
 タケシに凄まれて逃げ出す雄太。

 ところで雄太は結成シーンでは力強く「おいらも」と誓っていたのだが、肝心の戦闘シーンには来てなかったな。
 そのかわり、気絶している高沢先輩を丸刈りにし、プラカードをぶら下げてここに運ぶ際には手伝ったんだろうけどね。
 雄太が逃げて行った後のおケイちゃんの顔がめっちゃ可愛い。

 しかし、三人とも笑ってる場合じゃないんじゃないの? タケシに責められて雄太がぜんぶばらすことだってありうるんだから。
 雄太「うわわっ」
 逃げる雄太と追うタケシを尻目に悠然と歩いているミホ。
 そして今回は、ミホの憂い顔で終わり。二週連続ミホの顔で終わりである。

アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 予告編

 事実上、これが最初の予告編と言うこともあってか、
 2話(3話予告)以降では、この画面と同時にジャーンと言う音が入るのだが、今回はそれがなく、すぐ「SHADOW OF LOVE」のインストが始まっている。

 予告編の映像は、ほとんど本編と変わらないが、一点だけ、見逃しに出来ない箇所があった。

 バトルシーンで、三人がシルエットになって登場するところ。左が予告で、右が本編。
  

 お分かりいただけただろうか?(心霊ビデオ風に)

 そう、右下隅に何か黒い棒みたいなのが映ってるでしょ?
 明らかにガンマイク(のウィンド・ジャマー?)である。

 二つ並べると、位置取りとかはほぼ一緒だが、やっぱり色合いとかもぜんぜん違う。
 それともうひとつ、ルリがメリーゴーランドの中で二人の敵に攻撃されるカットがあるが、これも本編にはないものだった。



 まとめ

 「反逆同盟」の誕生を描く後編。前編から引き続き、ユミとミホの交流、真夜中の雄太の救出劇、牧野先生の死、「反逆同盟」の結成、高沢たちとの決闘と、密度の濃いエピソードとなっている。
 アクションシーンも前回と比べるとかなり進歩の跡が窺える。やっぱり男性スタントが加わると迫力が増すのだろう。また、最後のバトルシーン以外にも、短いアクションシーンがこれだけあるエピソードは他にはない。

 個人的にはやはり、「反逆同盟」結成のシーンが心に残る。全篇を通しての名シーンのひとつだろう。
 また遊園地での戦いは、降りしきる雨の効果もあって、幻想的なものになっている。

 一方で、牧野先生の死が観念的に描かれていること、ルリたちに協力を申し出たユミの心境の変化が説明されていないことなど、シナリオ上の不満もある。