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第23話 さようなら!仲間達 涙の別れ
放送日時 1987年3月23日
監督 帶盛迪彦
脚本 日暮裕一
準レギュ 藤岡重慶、中島はるみ、安岡力也、竹中直人、南原宏治、奈美悦子
ゲスト 銀粉蝶/加寿子の秘書、藤川聴
予告 学校解放目前で、凶弾に倒れたルリとケイ、悲しみに暮れるミホとユミ。そんな折、黒鳥学園が突然廃校になる。長い間探し続けていた母が加寿子だと知ったユミ、そしてミホ。同じ母を持つ二人は、最後の力を振り絞って、加寿子に対して挑む。次回「セーラー服反逆同盟」、最終回、お楽しみに!
備考 タイトルの!は正確には45度に傾いて表記されたもの。
評価    シナリオ ★★★ 最終回だが、最後まですっきりしないままで消化不良。
演出 ★★★★ ユミと加寿子の対面は感動的である。ラストのハードボイルドタッチはよく分からない。
映像 ★★★★ 美しい、印象的なシーンがいくつも見られる。
キャスト ★★★★  一応、オールスターキャスト。
アクション 全話通して唯一、本格的なアクションがない。
総合 ★★★★ いろいろと不満もあるが、やっぱり最後の別れはとても切ない。
アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 遂に、遂に、最終回であります。長いようで短いのかと思ったらやっぱり死ぬほど長かったこのレビュー構築のみちのり。理由は割と簡単で、最初のエピソードはかなり雑に作ってしまい、それをあとから2回3回と作り直す羽目になって、余計な手間を費やしてしまったからである。

 そんなことはどうでもよろしい。

 最終回と言うことで、準レギュラーも総出演の豪華版となっている。なぜ「死んだ」筈の竹中直人や安岡力也たちがいるのかは、最後に分かる。
 冒頭、前回の末尾のシーンがそのまま繰り返される。
 突然撃たれ、倒れるルリとケイ、さっさと逃げ出す2-Aの生徒たち、二人に駆け寄るユミとミホ。
 で、このアングルから、今回の放送部分に入る。
 ユミ「ルリ、しっかり!」
 ミホ「ケイっ」
  
 と、今度は向かって右側の土の部分にダダダダッと銃弾が撃ち込まれ、火花と土煙があがる。ユミとミホはふたりを反対側に運ぶ。
 しかし、これはどう見てもマシンガンっぽい連射で、ふたりを狙撃したのとは明らかに異なる銃器のようだ。
 植え込みの陰に隠れ、ルリの上に覆い被さるようにして守るユミ。
 制服の胸元から、黄色い下着が覗く。これは寒さ対策のものだろうか。
 ミホがしばらくして薔薇の花を取り出す。どっから出したんだ、と思うが、スカートの中にでも隠していたのだろう。
 それを思いっきり投げるのだが、かつてないほどの大量の薔薇(5本)が舞う。背景に校舎らしい影が見える。
 無論、相手の所在も分からないので命中することはないが、空中で派手に爆発する。
 その威嚇に怯んだのか、銃を撃ったらしい人影は茂みの向こうへ消えていった。これだけでは誰なのかは皆目分からない。
 とりあえず危機を脱したが、ルリはうんうん痛がっているし、ケイは意識を失っているようだ。
 ユミ「ルリ、しっかりして!」
 ミホ「ケイーっ」

 次のシーンでは、救急車の赤ランプが回転するイメージをはさんで、
  
 既に治療は済んだのか、透明な滅菌シートに覆われた病院のベッドの上で、点滴されながら眠っているふたりの映像。
 腕を撃たれたルリと、腹を撃たれたケイが、同じところで同じような治療を受けていると言うのは実際はおかしいのだが、映像的にはこれ以外にないだろう。
 その横で、心配そうに見守るユミとミホ。まあ、今回はノーメイクだから、白いセーラー服姿であってもそれほどおかしくはない。

 このドラマでは家族や警察は決してこういう時にやってこないのはいいとして、雄太がこの場にいないのはさすがにどうかと思う。
 「202」号室の外の廊下に座っている二人。
 ここもどう見ても普段の黒鳥の廊下にしか見えないが、5話でルリの友人が担ぎこまれた「朝日ファミリー病院」と言う設定だろうか。

 ユミ「わからない……誰がこんなことを……全て終わったと思ったのに……」
 ミホ「まだ終わってなかったのよ」
 ユミ「でもあなたのお父様は……」
 入院している、と言いたかったのだろうか。

 ミホ「母よ!」
  
 その言葉に、ユミはある光景を思い返していた。22話の冒頭で、チラッと見かけたミホの義理の母の姿だ。
 何故かこの回想シーンでは、奈美悦子の顔がはっきり見えるくらいアップになる。
 はっきり言ってこの時点で、ユミは彼女こそ長年探していた自分の実の母親だと気付くべきなのだが、
  
 ユミさんはまだ思案中。薄々そうじゃないかとは思っていただろうが。

 ミホ「あの女なら考えかねないわ、反逆同盟抹殺くらい。たとえあたしがその一員だと分かってもね……気を付けてね、ユミも」
 加寿子の恐ろしさを切々と訴えるミホ。
 ただ、反逆同盟抹殺なら、前回校長たちだって殺す気マンマンだったようだが……。ま、抹殺しろと命じたのは加寿子ではあるんだけどね。

 ここで最後のオープニングへ。
 なお22話と23話は協力企業のラインナップがいつもとちょっと異なる。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 ルリとケイが撃たれた翌早朝、
  
 抽斗の中にしまってあった母親の写真を取り出すユミ。
 今回はいつもと違い、ミホもその場にいる。いつの間にか私服に着替えているふたり。

 ユミ「もしかして、あなたのお母さんて……」言いながら、ミホに見せる。
 写真を見て、当然、びっくり顔になるミホ。
 ミホ「どうしてユミが……」(加寿子の写真を持っているのかと言いたかったのだろう)
 ユミ「あたしの母よ……あたしを産んで、そして殺そうとした」
 遂にドラマにおける最大の秘密を打ち明けたユミ。ただ、この台詞だと、出産直後に赤ん坊のユミを殺そうとしたように聞こえる。

 ミホ「そんなことって……」
 ユミ「私が4つの時よ、あの瞬間から、私の中で一時も消えたことはなかったわ」

 ここで、いままで何回も使われてきた、奈美悦子が幼いユミを殺そうとする回想シーンが挿入される。

 ユミの声「恐ろしい母の顔と、黒鳥マークが……」

 ふたりが美しい並木道を歩いている。一点透視の風景画を見るようである。
 先ほどの会話の後、外へ出て話しているのだろう。

 ミホ「そうだったの、それで転校してきたのね、黒鳥学園に」
 ユミ「ええ」
 ミホ「あるのね、こんな偶然って」

 ねえよ。
 ミホ「初めて会ったときにね、なんか惹かれるものがあったんだけど……つながっていたのね、あたしたち……運命の糸で」

 仙道さん、自分の腕を抱いて本気で寒そうである。中山美穂と比べて明らかに薄着だしね。
 ミホ「ユミぃ、もしかすると、あたしたちが本当に倒さなければならないのは、あなたのお母さんかもしれない」
 (さ、寒い……)
  
 ミホは振り返り、ユミと見詰め合う。
  
 次のシーンでは、高層ビル群を真下からぐるっと撮り、ひとつのビルの窓にズーム。
 そこは加寿子の執務室のようなだだっぴろい部屋であった。
 秘書(銀粉蝶)の報告を聞いている加寿子。
 秘書「やはり、ミホ様は反逆同盟の一員でした」
  
 驚いて声もなく振り返る加寿子。もっとも、正式に加盟したのはちょっと前なんだけどね。

 秘書「残念ながら撃ち漏らしましたが、他の三人のうち、二人までは確かにこの手で……」
 って、おい、自分が撃ったって、あっさり(視聴者に)ばらすなよ。まあ、そんなに引っ張るようなネタでもないが。
 秘書は、封筒からルリとケイの写真を取り出して並べる。
 しかし、2時間サスペンスや刑事ドラマで、ホワイトボードに並べられがちのこういう写真、いったいどうやって撮ったんだろう、といつも思う。
 学生証の証明写真にしては大き過ぎる(そもそも黒鳥の学生証には写真はない)し、盗撮したようにも見えない。
 秘書「残るひとりも、ミホ様ともども、早急に……」
 言いながら、三人目のユミの写真を置く。しかし、ミホも殺しちゃって良いの? ま、加寿子にすればむしろ一番目障りな存在かもしれないが。
 ユミの写真を見て、顔色を変える加寿子。
 うーん、しかし、4才の時に別れて13年も会ってない娘が、それで分かるものだろうか? 回想シーンの子役も仙道さんに全く似てないし。
 それより、ユミが要注意人物と言う情報は早い段階で校長たちから理事長にあがってきていると思うので、その段階で履歴を調べれば一発で分かったのでは? その頃はまだ加寿子は、黒鳥の全権を掌握していなかった?

 秘書「なにか?」
 加寿子「まさか……なんて言うのこの子?」
 秘書「確か、ユミとか……」

 高坂ユミってフルネームで言えーい!
 高坂って聞けば、前夫か自分の兄弟の苗字だろうから、一発で分かると思うが……。
 加寿子「大至急調べるのよ、この子のこと」
 秘書「はいっ」
 しかし、銀粉蝶さん、よく見たらなかなかの美人だね。
 ユミの写真を凝視しながら、物思いに沈む加寿子。
 一方、黒鳥学園では正門のところにバリケードのようなものが組まれ、その向こうには怪しい男達が壁を作って生徒たちの入るのを拒んでいた。

 口々に文句を言う生徒たち。大人の姿もまじっているが、これは職員たちだろうか。
  
 アキ「どうして入っちゃいけねえんだよっ」
 ヒロコ(?)「あたいらの学校だろーっ」
 いつもの面々が見える。後ろには雄太の黄色い髪の毛が見える。
 リーダー格のサングラスをかけた男、
 「本日付で黒鳥学園は廃校になった」
 生徒たち「ええーっ」
 男「もはやお前らの学校など存在しないんだ! 帰れ!」
 と、予想外の事態になったことを宣告するのは、クレジットにある藤川聴と言う人だと思う。

 しかし、いきなり廃校って、加寿子も何を考えているのかよくわからない。
 ま、3学期だし、反抗心の強過ぎる在校生を強制的にパージして、新年度から新しい学校を作ろうということなのかもしれない。
 これにはさすがの反逆同盟もお手上げである。
  
 その後、何をして時間を潰したのか、恐らくルリとケイの見舞いにも行ったのだろうが、すっかり日が傾いて川面に夕陽がぎらつくなか、
 ユミと雄太は「青春」していた。意味もなく石を投げる雄太。
 ここはまさに多摩川だろう。
 今回、シナリオは脈絡がないけれど、映像的には妙に充実してるんだよね。
 ユミの後ろにフレームインして、
 雄太「学園正常化どころか、廃校になっちまうなんてな」
 南渕氏、やや鼻声である。

 雄太「なんだったんだろう、俺たちのやってきたことって……」

 おおっと、雄太には似つかわしくない台詞です。
 ユミは無言で、じっと前を見ている
 川の流れる音が美しい。全篇を通して印象的な映像である。

 ただ、ここでは雄太がユミに真剣に恋を打ち明けるとか、そう言う展開があっても良かったかな、と。最終回なんだし。
 ま、今はそれどころじゃないけどね。

  
 その翌日(?)、何故かテレビのリポーターが校門の前に取材に来ている。
 女性リポーター「ぇ、学内で数々の事件を引き起こし、さらに乱脈経営が問題となった黒鳥学園が突如、前代未聞の廃校となってから早くも3週間がたちました」
 えっ、3週間? いささか飛ばしすぎだが、しかしその間、ずーっと彼らはここに立ちっぱなしだったのだろうか。大変だ。
 で、カメラがパンすると、門柱のプレートが、いつの間にか「黒鳥」から「白鳥」に変わってる!

 女性リポーター「が、こうして新たに白鳥学園と言う名で、再生されることになりました」
 ネーミングは安易だが、やはり加寿子としては手に負えない不満分子を一旦追い出して、新規に事業を開始しようと言うことなのだろう。
 カメラが引くと、真っ黒な制服軍団が画面を占領する。キャプが暗くなるんだよなぁ。
 こいつらもしかし、諦め悪く3週間もここに通っていたのだろうか。早く別の高校へ移ればいいのに。もっとも第1話の校長の言によれば、もともと彼らは他に行き場のない不良だったために、ここに来ていた訳で、受け入れ先も簡単には見付からないのだろう。それに、不満はあっても学校に対する愛着と言うものも多少はあるだろうしね。

 ところで、「数々の事件」は分かるのだが、「乱脈経営」ってなんだろう。むしろ、高い入学金、頻繁な寄付金の募集などで、経営自体はうまく行っていたと思うけど。また「数々の事件」がマスコミにとって既知の事実であるようなのに、どうして今までこういう騒ぎにならなかったのかも、不思議である。

 女性リポーター「え、経営陣から教師、生徒まで一新して、これからは健全な教育を進めていこうということです。あっ、きみ、こんなことになってしまってどうですか?」
 と、人垣を作っている生徒のひとりに問い掛けるリポーター。
 アツシ「冗談じゃねえぞ!」
 リポーター「君は?」
 タケシ「返せっつってんだ、俺たちの学校をよー!」

 タケシたちの雄叫びにあわせて、わらわらと門に近付いて騒ぎ立てる生徒たち。
  
 その様子を映し出している小さなテレビ画面。この画質の悪さがいかにも当時の雰囲気に合っている。
 女性リポーター「大変です、どうにも収拾がつかない状態となってしまいました……関係者と学生の間で、小競り合いが起こっています、あっ」
 リポーターの声「誰も怪我人が出ないといいんですけれども……」
 それを見ていたのは、一般病棟に移っているらしいルリとケイ、そして見舞いに訪れているユミと雄太だった。
 なお、このリポーターの女性、クレジットに名前がないのだが、ひょっとしたらナレーターの中村友美さんではないか。最終回と言うことで、あるかも。

 リモコンでテレビを消すルリ。
 あれから3週間経っているのだから、二人がある程度回復していてもおかしくないが、腕を撃たれただけのルリがまだベッドに寝ているのは、ちょっと変かも知れない。ま、具体的にどういう傷だったのかは分からないんだけどね。

 ルリ「何が白鳥学園よ」
 雄太「ふざけんなってんだよ」

 ケイ、実はこれがお下げでもないポニーテールでもない、唯一の髪を下ろしたスタイルなのだが、
 「ねえ、ミホは?」とユミに訊く。
 ユミ「うん、あれから家には戻らないで、いろいろと裏を探っているわ」

 家に帰らないのはいいけど、どこに泊まってるの? ま、それこそユミの部屋に泊まったりしてるのかもしれない。
 ケイ「そう……」
  
 ルリ「動けるようになったら、必ず落とし前はつけるからね!」
 どう見ても既に動けると思うが、そう宣言するルリ。

 もっともそれは、
 雄太「それだけ元気なら、いますぐでも大丈夫だよ」
 雄太にも指摘されるんだけどね。
  
 ルリ「ちょっとぉ……重病人なんだからねえ、少しは休ましてちょうだい!」
 そう突っ込まれて、急に甘えるように重態のフリをするルリ。可愛い。ただ、やっぱり3週間以上も経過してるんだから、どう考えても寝過ぎである。3話でユミはリンチされたけど、一晩寝ただけで、すぐ活動始めてるんだけどね。
 ケイはそれを受け、右手人差し指を自分のこめかみに当て、それをひょいと前に出し、
 「ほんとに、雄太ったら、プッツン! なんだから」
 と、なんとも言えない口調でおどける。「プッツン」と言うのは、当時だいぶ流行っていた言葉なのだろうか? 15話でもタイトルに使われているし、17話でもチエミが「プッツン」と口にしている。

 どうでもいいが、「プッツン」ってどういう意味だ? 頭の回路が切れているということは……。
 ケイ「うっふっふっ」
 雄太「プッツン? いってぇなぁ〜(ひっでえなぁ〜?)」
 ルリ「あはははっ」

 ここ、なんてことのないやりとりだが、実は本来のレギュラー4人による集合シーンはこれが最後なのだった。だから、気のせいか、みんな涙をこらえて演技しているように見えるが、管理人の妄想だろう。

 さて、ふたたび、加寿子の執務室(?)。
  
 秘書「全て予定通りに進んでいます。今日はプレートの付け替えも終わりました」
 加寿子「生まれ変わる学園に、黒鳥などと言う汚らわしい名前はふさわしくないわ。過去の人間と一緒に葬り去るのよ」
 秘書「例の、ユミとか言う娘の……身上書です」
 加寿子は差し出された封筒から、数枚の書類を取り出して熱心に目を通す。
 秘書「加寿子様、もしかしてこの娘……」
 加寿子「さがりなさい!」
 秘書「……はい」
 秘書の差し出口を退け、彼女の去った後もひたすら書類を見詰めている加寿子だった。

 で、具体的にはそれにはどんなことが書いてあったのか、かなり興味がある。と言っても、彼女自身に関しては、4才の時に母親と別離後は、キンキンたち伯父夫婦に普通に育てられてきただけだと思うが。我々が一番知りたいのは、加寿子の辿ってきた人生について、である。

  
 公園を、何故かまだ黒鳥のセーラー服姿のユミとミホが歩きながら話している。

 ミホ「黒鳥学園の過去は全て捨て去って、今度は超エリート養成校を作るらしいわ。全国から優秀な生徒を引き抜いて徹底的な管理教育で、意志を持たないロボットを作り上げるの……そして日本の中枢に送り込まれた彼らが、やがて日本を支配する。つまりは黒鳥グループが日本を支配するってことね」

 うわーい、壮大にして深遠な加寿子のたくらみが、極めてあっさりと説明されてしまった。
 しかし、そんなキチキチの管理教育されたところに、全国から秀才が来るかなぁ? 他にもエリート校はいっぱいあるんだから。今までは、他に行き場がないのでイヤイヤ黒鳥に通っていた不良たちだから、設定にも幾許かの説得力があったのだが。

 ちなみにコミック版では、山縣たちは最初から黒鳥以外にエリート校を運営しているが、エリートは頭は良いけどひ弱なので彼らを護衛する腕っ節の強い生徒を養成するために黒鳥学園があるという、めちゃくちゃな理由付けがされていた。
 ミホ「B計画の裏にはもうひとつの計画があったわけ。このことは父も知らないことだけど……」
 ユミ「えっ?」
 ミホ「いつの間にか父は乗っ取られていたのよ……黒幕は母よ」
 ミホ「ふっ、これではっきりしたわ、ルリやケイに重傷を負わせ、あたしたちを殺そうとした相手が」

 ま、他にもういないからね、敵は。
  
 見詰めあう二人。
 またまたまた加寿子の執務室。ノックの音に、「はい!」と答える加寿子。
 ← 
 入ってきたのは、なんとユミ! やや唐突だが、ここで早くも親子対面が実現するのだった。
 無論、ミホの助力でこの部屋に辿り着いたのだろう。どうでもいいが、部屋に入ってくるときの足の運びが面白い。
 身上書を見て、既に彼女が自分の実の娘だと知っていた加寿子は、当然、驚く。

 加寿子「ユミ……」
  
 ユミは、無言でその場で立ち尽くし、加寿子に近付こうともしない。加寿子の方がユミのそばへ歩み寄る。
  
 加寿子「やっぱり、会いにきてくれたのね、さあ」
 そう言って、ユミを部屋の奥に誘う。ユミも大人しくそれにしたがって歩き出す。

 加寿子「恨んでるでしょうね、あたしのこと……あなたを殺そうとした悪い母親ですものね」
 ユミは依然、無言。
 加寿子「言い訳かもしれないけど、これだけは信じて……あの時あたしも死のうとしたのよあなたと一緒に」

  
 カメラは、仙道さんの顔、そして目、最後には左目によっていく。こういう演出はこのドラマでは珍しい。
 ここで、またまたまたまた例の回想シーン。管理人的には、もうウンザリである。
 殺る気マンマンの加寿子。ほんとに一緒に死のうとしてたの?

 黒鳥マークの和服の男たちに連れ去られるところまで流し、現実に戻る。
 加寿子「だけど、死ぬことも出来ず、連れ去られて……山縣と結婚した(て?)私は変わったわ。いいえ、変わらざるを得なかったのよ」

 ここ、一番知りたいのは、「そもそも加寿子はなんで無理心中しようとしたのか?」と言う点なのだが、ここでは説明は一切ない。それと、ユミの父親についての言及もない。山縣と結婚したということは、その時点で既に亡くなっていたのだろうが。だから、ちょっと雑だけど、夫を不幸な形で失い、絶望して心中しようとしたが、その前から知り合いだった山縣に阻まれ、半ば強制的に再婚させられた、と言うような説明でもあるべきだった。

 それでもユミをそれ以来放置してきた理由にはならないけどね。
 振り向いて、
 加寿子「でもねユミ、あなたのことは」
 加寿子の声「忘れたことはなかったわ」
 加寿子「いつかきっと、会える時が来るって……」
 涙目で、声を震わせつつ訴える加寿子さん。

 ただ、彼女の立場ならその気になれば簡単にユミを見付け出し、再会できたと思うので、額面どおりには受け取れない胡散臭い台詞である。何故なら、その後、ユミは全く知らない人間のところへ行ったわけではなく、伯父(加寿子にとっては義理の兄弟?)にひきとられているからだ。この伯父と加寿子との関係がこれまた不明瞭なのがアレだが、加寿子が本気で探そうと思えば、まず縁戚関係から調べる筈で、そうすればユミの所在など一発で分かっただろう。

 山縣との関係上、ユミとおおっぴらに会えないとしても、その安否くらいは知っておかないと母親としてまずいだろう。が、今まで見てきたとおり、彼女はついさっきまで、ユミのことなど全く知らなかった様子。
  
 加寿子「このビルも、学園も、黒鳥グループの全てがいずれあなたのものになるわ……」

 うーん、とすれば、彼女、究極的には継子のミホを追い出し、ユミに財産などをつがせるつもりだったのか? 娘に対する思いから、権力を握ることに固執してきたとすれば、多少は頷けるけど、くどいようだが、ついさっきまで娘のことを何も把握していなかったので、この場で思いついて口にしているとしか思えない。

 どうでもいいけど、仙道さんにもなんか台詞やれよ。奈美悦子しゃべりっぱなしだぞ
 ユミに近付き、感極まったような声で「ユミ」と呼びかける加寿子。
 そして、ユミの肩に手を伸ばすのだが、その瞬間、

 ユミ「あたしの母は死にました。あたしが4才の時に」

 と、加寿子が一番聞きたくない言葉を口にするユミ。
 ショックを受け、涙ぐむ加寿子。
 ユミ「それだけを言いに来ました」

 ま、確かにそれしか言ってねえな。
 それでも、ユミの瞳には涙が浮かんでいた。
  
 ユミ、軽く頭を下げ、踵を返して加寿子の下を去って行く。
 加寿子「ユミっ!」
 加寿子の声に、思わず立ち止まるユミ。しかし、そのまま振り返らずに部屋を出て行った。
 悲しみに暮れる加寿子。
 よく分からないけど、音楽も素晴らしく、感動的なシーンであります。

 ただ、この会見の問題は、さっきも書いたけど、ユミが知りたかった筈の「無理心中の動機」や、その後ユミを探して引き取ろうともせず何をしていたのかという根本的な疑問を、どちらも話題にしていないことだろう。
 つまり、以上のやりとりだけでは、ユミにしても母親の気持ちを知り得たとは言えないわけで、そのくせ、母親は既に死んだものとするという最も厳しい対応を選択した彼女の行為にも疑問符がつく。

 ユミとしては、母親らしい言葉の一つでもかけてくれれば満足だったのかもしれない。……かけていたよう気もするが、最後に金で相手を釣るようなことを言ったのがユミの気持ちを傷付けたのかも。

 なお、このエピソードではないが何話か脚本を担当した二色ひとしが原作を書いているコミック版では、ラストに加寿子ではなく、山縣(コミックでは山形)理事長の口から経緯がもっと具体的に語られている。それによれば、理事長は山縣財閥の一人娘・尊子(つまりミホの生母)と結婚したが、死別。彼は、尊子の親友だった加寿子に自分の後妻になるよう仕向けたが、彼女は夫を事故で亡くし、ユミと心中未遂を起こし、心を病み、以来ずっと病院に入院しているとある。つまり、コミック版では加寿子は最初から最後まで一切顔を見せないままなのだ。

 そして、回復の兆しが見えるという母親に会いに行くユミを、雄太たちが見送るというシーンでコミック版は終わっている。

 電気もつけない自分の部屋に戻ってきたユミ。
  
 これで、彼女の転校の目的は達せられたわけだが、その心は加寿子以上に悲しみに包まれていた。
 ユミ「お母さんっ……!」
 今まで堪えてきた涙を流し、座り込んで嗚咽を漏らすユミ。
 今更だが、仙道さんは演技がうまい。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
  
 さて、閉鎖された校門の前で、2-Aの生徒たちを中心に、プラカードを掲げて「返せ! 返せ!」と泥田坊のようにシュプレヒコールを繰り返している図。
 プラカードには、
「カムバック黒鳥学園」
「学園を返せ」
「廃校絶対反対」
「白鳥学園なんてくそくらえ!」
「何考えてんだてめえら ちくしょう 返せ」(byタケシ)
「渡してなるものか 策略を許すな」
「Come back to the Kokucyo」
 などという、手作り感溢れる文字でそれぞれの思いが率直に書かれている。

 これは、実際に、2-Aの生徒たち自身の手で考え、書かれたものだと想像すると、その時の様子が目に浮かんで来て微笑ましくなる。なんとなく、文化祭の準備をしているような、そんな青春の一ページを髣髴とさせる……。ま、スタッフが用意しただけのものだったりしてね。

 しかし、こいつら、封鎖から3週間以上経つのに、いまだにこうして制服を脱がずにここで頑張っているとは、ある意味根気があるけど、普通だったらさっさと転校してるよな。まあ、残っているのは、愛校心が強かったり、本当に他に行くところのない不良だったりするのだろうか。
 そのデモ隊をクラクションで割って、加寿子の乗る車が正面から入ってくる。
  
 興奮する生徒たちに囲まれて、やや戸惑う加寿子と秘書だが、校門が開いて、車はさっさと中に消えて行く。追いかけようとしたタケシたちも、番をしている連中に押し返される。彼らはそもそもどういう人たちなんだろうか? 加寿子に雇われた連中だろうが、3週間もこれだけの人数を並べておくのは人件費が割と馬鹿にならない。廃校に決まったんだから、門をしっかり閉めておいて、不法侵入があったら警察に通報すれば良いだけなのでは?

 それ以前に、今までの色んなエピソードから勘案して、黒鳥の敷地内にはもっと色んなところから入れそうなんだけどね。
 加寿子「内部も早く模様替えしないと……黒鳥学園のにおいのするものはすべて排除しなさい」
 秘書「はい」
 加寿子「新生白鳥学園のスタートまであと一ヶ月、大至急取り掛かるのよ」
 校長室(あるいは理事長室か)で指示を出す加寿子。象徴である校旗も、秘書に渡す。
 と、いきなり、扉が開いて、かつての黒鳥四天王がどやどやと入ってきて、座り込む。
 校長「ああっ、加寿子奥様、いいえーっ、理事長様、どうかどうか私たちを見捨てないでくださいませ」
 真下「お願いいたします」
 土下座する校長と真下。割とプライドがない人たちだ。

 しかし、ここは封鎖されている筈なのに、どこから入ってきたのだろう。ひょっとして、3週間前からずーっと学園内に残っていたのか? それに、こいつら一度やられた筈なのに、ピンピンしてるんだから、反逆同盟の勝利もあまり意味がないような……。
 秘書「おさがりなさい」
 加寿子は言葉すら掛けず、秘書が厳然と言って、校旗の先を校長のノド元につきつけるようにする。
 校長「い、いいう、理事長様、あ、どうか……ああ」

 なんか年貢の引き下げを直訴しに来たお百姓に見えるが、そこへ黒い制服の男達が入ってくる。
 校長たちは、彼らに有無を言わさず引き立てられて追い出されて行く。
 加寿子「ほらっ、早く連れて行きなさい」
 校長「おいっ、君たち何をするんだ」

 こういう時でも、竹中直人は笑いを取ることに貪欲で、羽交い絞めされつつ、手をちょこまかと動かしし、
 「放せっ、お前、おれ、おれ、昔からお前のことが嫌いだったんだ!」
 と、幼児的な捨て台詞を放つ。

 この台詞、加寿子ではなく秘書の銀粉蝶に言ってるのだが、ひょっとして実際、二人は役者として旧知の間柄で、それを踏まえて竹中がアドリブをかましたのかもしれない。銀粉蝶も、「うるさい、うるさい」と小さな声で応じていて、ちょっと笑ってしまう。
 なおも何か言っている竹中直人の声を心地よげに聞いている加寿子。
 まあ、エリート校にするのだったら、彼らのような存在は要らないかも知れないが、依然として管理教育は続けるみたいなので、佐伯のようなコワモテや、教育方針も合致している真下あたりは、引き続き雇ってあげてもいいんじゃないかな。一から教師を集めるのだって、なかなか大変だろうし。

  
 さて、ユミは自分の部屋でひとり、その加寿子の写真にマッチで火をつけて燃やしていた。
 母親との訣別を意味する、象徴的な行為だ。

 実際に火はつけているのだが、奈美悦子の顔が焼ける映像は無論、使われない。
  
 と、思ったら、使われてた。……まあ、これくらいなら許容範囲か。
 燃える写真を皿の上に置くユミ。
 ここでは、若干聖子ちゃんカットっぽく見える。
  
 奇しくもその頃、加寿子もユミの写真を自宅で見詰めていた。こちらは燃やさない。
 そこへ電話がかかってくる。

 加寿子「山縣でございます……ユミ? 分かったわ」
 何を言われたのか、険しい表情になる加寿子。ただ、あまりに間隔が短いのであまり込み入った話はできないと思うんだけどね。
 後の展開から、「明日の夜、黒鳥学園で会いたい」みたいな内容だったのだろう。
 ユミは、静かに受話器を戻す。


  
 終盤になって急に影の薄くなっちゃった山縣理事長のところへ、ミホがのっそりと現れる。
 しかも、既に白いセーラー服に身を固めている。ただし、ノーメイクである。
  
 山縣は、いかにも衰弱したように眠っていたがミホの気配に目覚め、それから視線を向かって右下へ送る。

 最初、何をしているのかと思ったが、よく考えたらこの時点では、まだ彼はミホが反逆同盟の一員だとは知らなかったんだよね。だから、その制服を見て、驚いているのだ。もっとも、山縣理事長、意外と反逆同盟を真正面から目のカタキにしている印象は薄く、むしろ反逆同盟を倒すことに躍起になっていたのは、前線の校長たちや、加寿子たちのように思える。

 山縣「ミホ……! お前……(点頭するミホ)……そうだったのか……」
 ミホは軽く頷いてから、
 「お別れを言いにきたの……」
  
 無言で見詰めあう二人。
  
 ホテルの廊下にしか見えないのだが、一応病室と言う設定の部屋(302)から出てきたミホは、
 「さようなら、お父さん」と、小さく頭を下げてから、廊下の奥へ向かう。
 ほぼ同時に、反逆同盟が姿を現す時のBGM(閃光)が流れ出す。

 ここ、ミホが死を覚悟して最後の戦いに挑むため、別れを言いに来たとも解釈できなくはないが、常識的には、ここでやっとミホが父親への未練を断ち切って、それを宣言しに来たと見るしかない。しかし、ピンピンしているときならともかく、すっかり弱りきって、実権も妻に奪われた状態の父親に対し、その態度はちょっと冷た過ぎる気がする。
 まあ、ユミと加寿子との対面と対比させるための演出なのかもしれないが、多少甘くても、この段階で山縣が改心し、ミホと和解する、みたいな展開でも良かったんじゃないかと思う。悪人とは言え、これでは山縣があまりに哀れである。最後の出番なんだし。



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 今回、実質的にアクションシーンはないのだが、便宜的に、ここから戦闘シーンとしたい。
 ミホと同様、白い制服にノーメイクと言ういでたちで、夜の道をゆくユミ。先ほど電話した指定の場所へ向かっているのは言うまでもない。
 ← 
 ミホも同様に、坂を下ってきたが、左側から来たユミと合流する。ただ、互いに相手を見ることなく並んで歩き出す。
 この辺はいかにも「必殺」の出陣シーンを思わせるが、よく考えたら、反逆同盟が戦場へ向かうシーンは、実はこれが最初だったりする。
 → 
 同様に、ルリとケイも歩きながら合流する。ルリの背後を電車が走り過ぎて行くのが見える。

 ただ、腕を撃たれたルリはともかく、腹部を撃たれたケイまで、すっかり回復しているのはさすがに見ていて違和感を覚えた。まあ、かと言って、ケイだけはずすわけにもいかないか。この場合は思い切って、ルリとケイは怪我で戦闘には参加せず、ユミとミホだけで戦う方が、より悲愴感が出ていたんじゃないかと思う。
 また、ルリとケイの被弾、負傷自体も、終わってみればストーリー上でほとんど活かされていないのが残念だ。 
 撮影の順番は不明だが、とにかくこれが最後の戦闘シーンだとは分かっていたと思うので、心なしか二人の表情も寂しそうだ。
  
 そしていつもの照明を背に、坂の向こうから徐々に姿を現す四人。
  
 最後なんだから、雄太にも参加させてやりたかった。是非、セーラー服姿で。
 堂々と待ち構えるラスボス、加寿子。
 そしてずらりと並んだ戦闘員の皆さん。総勢12人。
 加寿子の横には秘書もいる。

 ここは黒鳥学園の中庭らしい。彼らに真っ向から向き合う反逆同盟。
  
  
 今回も、正体を隠す必要はないので、ノーメイクの四人。

 また、いつものように「闇の中で〜」からはじまる決まり文句も今日は言わない。くー、いかにも最終回と言うスペシャル感が強まる。

 しばし無言で睨み合う両者、
  
 やがて、ユミが一歩前に進み出ると、手下の皆さんもずらずらっと加寿子を守るように前に出てくる。
 やはりみんな結構年を食っているようで、ドスのようなものまで見える。最終回にふさわしい激しいバトルが繰り広げられそうだ。
  
 それを見て、かすかにユミの口が開きかけるが、すぐ固く結んで敵を見据える。
 しかし、加寿子の「どきなさい」と言う命令に、戦闘員は再び左右に分かれ、道を開ける。
 女王然として進み出る加寿子。
 ユミも凛とした眼差しで、しかし特別な感情のこもらない落ち着いた表情で相手を見詰める。
 微かな風がユミの髪を揺らしているのがとても絵になっている。
 だが、加寿子は大人の喧嘩の仕方を見せてやると言わんばかりに、いきなりピストルを構えてユミに向ける。
 まあ、確かにわざわざ反逆同盟の格闘ゴッコに付き合ってやる義理はないので、この対応が一番正しいのかもしれない。

 過去にも、6話で散弾銃、7話でライフル、8話でマシンガンが彼らをおびやかしたが、戦いの発端から銃を突きつけてきた敵はいなかった。

 さすがラスボス奈美悦子。

 ま、それに、奈美悦子がアクションしてもはじまらないしね。
 さすがに怯むユミ。

 ……しかし、これから事業家として活躍して行こうという加寿子さん、ピストルで人を撃ってはまずいのでは?
 ユミにしても、ルリとケイが撃たれていることを思えば、相手が銃器を使用してくることは想定しておくべきだろう。
  
 後方で控える三人も身じろぐ。このカット、角度のせいかケイのおめめが妙にパッチリして可愛い。
 白い息を吐きながら、ケイとルリは目を見交わすが、ミホは前を向いたまま。
  
 ルリとケイは、思わず飛び出そうとするが、ミホは「ルリケイ!」と言いながら二人の服を掴んで引き戻す。
 ここは実の親子である二人に決着をつけさせようと言う配慮か。

 ちなみにこの時、ユミは加寿子が自分の実の母親だということは、ルリたちには打ち明けていたのだろうか。うーん、まあ、差し当たり話す必要はないけどね。
  
 ユミは銃口を向けられながら、逆にずいと進み出る。
 かえって、気圧される加寿子。
 気がついたら、すぐ目の前に迫っているユミ。鎖骨がエロティックですね(死ぬまで言ってろ)。
 さらにその状況で、今まで何人もの敵をほふってきた必殺の拳をかかげるユミ。めっちゃかっこいい。
 それでも女傑加寿子は、引き金にかけた指先に力を込めていく……。レースの手袋ごしにネイルの赤が見える。
  
 しかし、ユミは怯むことなく、拳を握り締めたまま。悲しみのためか、闘志のためか、もしくは単に寒かったのか、ぶるぶると震える拳。
 ミホの心の声「ユミ……!」
  
 ここでしかし、ユミは意外にも、急に戦う気持ちを失くしたように構えていた右腕をだらりとさげてしまう。
 その瞳には涙が光っていた……

 これは、たとえ死んだと思っている母親でも、母親は倒せないと言う意味か、あるいは彼女に撃たれるのならばしょうがないという諦めか、どちらともとれる。まあ、普通だったらピストルを突きつけられているのだから、後者しか考えられないのだが、このドラマにおけるユミは超人的な戦闘力の持ち主なので、この状況でも勝とうと思えば勝てた気もするので、なんとも言えない。
 しかし、その様子を見て、加寿子も目に涙を滲ませていた。
 そして、がしゃりと手から滑り落ちるピストル。いかにもモデルガンと言う感じだけど。
 この辺から「Shadow of Love」のオケ版(運命の誓い)が流れ出して場を盛り上げる。
  
 こらえていたものが堰を切って溢れるように、その場に崩折れる加寿子。
  
 そして手を付いて、激しく嗚咽する。

 最後の最後で、加寿子が人間らしさを取り戻してくれたことに、ユミも感極まったような涙をこぼす。
 これで、長い間断絶していた親子の絆が戻ったと見ていいのだろうか。
 なんだかよく分からないうちにボスが戦意をなくしてしまい、すっかり気勢を殺がれた戦闘員の皆さん。

 そう、今回、彼らは一切アクションの見せ場がないという、手持ち無沙汰の結末になってしまうのだ。
 うーん、最後に加寿子が戦意喪失するとしても、その前にやっぱりもう一度切れのいいアクションが見たかったところだ。まあ、レビューを書く側にすれば、戦闘シーンはないほうが楽なんだけどね。
 そのかわり、戦闘員の背後にスッと現れた秘書が、別のピストルでユミを撃とうとする。
 しかしそれに対しては、すかさずミホが(最後の)バラ投げで応じ、
 いつものようにその人の顔を面白く料理してあげるのだった。
 秘書「ふはっ」
 居並ぶ戦闘員の後ろで、ひとりで倒れる秘書。かなり間抜けである。
 その弾みで銃の引き金を引いて、あらぬ方向へ発射する。
 彼女を中心にして散開する戦闘員たち。
  
 ミホはすぐに彼女の落としたピストルを踏みつけ、勇ましく相手を見遣る。
  
 最後はそのミホを中心に再び集まる四人。
 今回はほんと、ルリとケイは何の見せ場もないのが悲しい。ほんと、これだったらさっきも言ったように、ルリとケイは無理に戦闘に参加する必要はなかっただろう。
  
 それでも最後と言うことで、各人のアップが映し出される。
 なんか、ケイ、このシーンでは妙にブスに見える。まあ、普段の戦闘シーンとは比較にならないほど楽な撮影だったから、気も抜けていたのだろう。
  
 ミホ、そしてユミ。
  
 そしてやや俯瞰で全員を改めて映す。さらにカメラが引き、校舎をバックにグラウンドに立つ四人の図。

 フェードアウト。


 あれ、加寿子は結局どうなったのか、具体的な描写は何もなかったな。
 直前まで、白鳥学園の運営に闘志を燃やしていたというのに、どうも釈然としない。

 とにかくシリーズ最後の戦闘シーンは消化不良の状態で終わる。書く方はとても楽だった。



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 さあ、いよいよ最終パートである。うう、泣きそうだ。
 で、結局加寿子はどういう決断を下したのか、とにかく黒鳥学園は再び学校として運営されている。

 ここ、笑ってしまうのだが、生徒たちとにこやかに挨拶を交わしているのは、なんと、校長以下悪徳四天王の面々なのだ。
 これは、運営方針が変わり、それに伴って彼らも改心して普通の教師になったということなのだが、さすがにそれまで管理教育でぶいぶい言わせて、生徒たちをいじめてきたやつらが、手の平を返したように善良な教師になってしまうというのは安直過ぎる。

 ま、かと言って、それまでの恨み、といって生徒たちに彼らがリンチされる、なんてのも進歩のない話だが……。

 反逆同盟の発案者、牧野先生が健在ならば、まさに彼の出番だったんだけどね。
 まあ、新たに別の教師役の俳優をこのワンカットのためだけに使うのもバカバカしいと言うのもあったのだろう。
  
 校長「おはよう、おはよう」
 和服を脱ぎ、スーツをまとって恵比須顔の校長。似合わねえ。真下は、ちょっと女性っぽい服になって、見せたことのない晴れやかな笑顔。
 九条(竹中直人)にいたっては、別人になっていた。
 佐伯「おはよう」
 佐伯も、11話で見せていたような温容になっている。ただ、暴力は別にしても、厳しい先生がひとりくらいいたほうがいいと思うけどね。

 ついでに、佐伯の右側には16話で歴史教師として授業をしたことのある俳優が立っている。その右にもうひとり女性教師もいるのだが、小さすぎて誰かは不明。単なるエキストラだろう。

 さらに面白いのは、出迎える教師たちだけじゃなく、やってくる生徒たちも変貌を遂げていること。
 右は、ぶれてるけど、ちょっと恥ずかしそうな表情のマリ。その後ろにチエミ。

 そう、生徒たちもスケバンや不良っぽい服装を改めて、真面目な高校生になっちゃってるのだ。

 うーん、でも、そもそも彼らは手のつけられない不良としてここに来てた訳で、黒鳥学園にいたからあんな風になったわけじゃないので、学園が「正常化」したからって、急にこんな風にいい子になってしまうのは、やや興醒めである。ここは以前と同じ不良っぽい格好で、しかし表情はにこやかに元気に挨拶する、くらいでバランスが取れていたと思う。

 ただ、22話ではいつになく団結力を発揮して(扇動されたとはいえ)学園の管理システムに反抗を見せたり、今回も根気よく学園の前でデモを行うなど、彼らは彼らなりに更生していたのかもしれない。10話を見ても分かるように、ステキな教師が赴任してきた時は見違えるように真面目に授業を受けているので、結局、「関東で知らぬもののないワルの集まり」と言う1話の雄太の表現がオーバーだったと言うことだろう。
  
 さて、最後なので、今回は全員貼る。左は、マユミに、ヒロコ。こちらも髪を黒く染め戻している。右は森口くんだが、彼は最初から真面目なので変化なし。逆に不良っぽくなっていたら笑えたけど。
  
 で、ちょっとわかりにくいが、左がアツシで、右がワタルタケシだ。髪形だけでこんなに変わるのね、男も。
  
 さらにさらに、山口も、真面目な生徒になって登場。アキも、髪を可愛らしくお下げにしているが、彼女の場合はあまり変わった印象は受けない。
 どうでもいいけど、アキ、森口くんと恋人同士だったんじゃないの? もう別れたの?
    
 そして、椎名梢。急に可愛くなっちゃった。右は、台詞のひとつしかなかった日下に、葉山、いがぐりボーイなど。
  
 ただ、アキコだけ、この画像の、葉山といがぐりボーイの間に辛うじて見えるくらいなのが残念。もっとも彼女も普段と変わってないからあまり意味はないけど。

 とにかく半年間お疲れ様でした。みんな大好きだよ!
 一方、校舎の中の「アジト」では、ユミがひとり、あの白いセーラー服を畳んでいた。
 そう、彼女のやってきた目的は遂に果たされたので、それまで通っていた福岡県立大隈高校へ復学するのだ。
  
 さすがに寂しそうなユミ。と、ドアが開いたのでそちらを見る。
 無論、同志であった4人である。
 ユミ「みんな……」
 ミホ「やっぱりここだったのね」
 雄太「ひでえよ、ひでえよ! まだおいらの気持ち、全然伝えてなかったのに……」

 この期に及んでお前は……。

 そして雄太のトレードマークだった前髪の金色部分も黒になっている。
 でも、これもそのままの状態のほうがかっこいいけどね。
 他の三人も、ユミも、髪型などは従来どおりである。
 ユミ「ごめん」

 微かにこぼれる八重歯が可愛い仙道さん。
 「でも、わたし……」
  
 ケイ「いいのよ、なんにも言わなくても」
 ルリ「わかってる。ユミのことは」

 長い間苦楽をともにしてきた二人の同志は、ユミの心に寄り添うように言葉を掛ける。
 ルリはともかく、ケイはなんとなく泣きそうである。実際、現場では泣いたんじゃないかと思う(願望)。16歳になったばかり。

 ユミ「ありがとう」
 ミホはにこっと笑い、
 ユミに歩み寄り、彼女が畳んでいた白い制服を手に取り、
 「持ってて欲しいの、あなたに……」と、まるで自分が考案して発注して揃えさせたような口調で言うミホ。

 ルリとケイも、ささっとユミの背後にまわり、ユミのカバンをひらいて、制服を入れさせようとする。

 ユミは、素直にその言葉に従い、やや強引にカバンの中に押し込む。
 ……実際、ケイなんかは撮影で使われた自分の制服を貰って、思い出の品として大事にしてたりして(願望)。
  
 ミホ「また、会えるわね」
 ユミ「きっと!」

 実際、この時点では続篇の可能性だってないとは言えなかったと思うのだが、無論、「新・セーラー服反逆同盟」「セーラー服反逆同盟2」「セーラー服反逆同盟リターンズ」などが制作されることはなかった。それで良いのだ! なんでもかんでも続編作ったりリメイクすりゃいいってもんじゃねえんだよ、このバカチンが!
 ケイ「さよならは言わないわよ」
 ルリ「またね、ユミ」

 この後も、中山美穂と仙道敦子さんは引き続き売れっ子だったから、仕事で顔を合わす機会もあったんじゃないかと思うが、すぐ引退したりそれほど活躍できなかった三人と、仙道さんはそれっきりだったのだろうか?

 この辺から、主題歌「SHADOW OF LOVE」のイントロ。泣いてまうやろ。
 笑って頷くユミ。
 ユミ「ここで見送って! すべてはここから始まったから」
 と言うユミ。しかし、ルリとケイとの初対決や和解は屋上だったし、「反逆同盟」結成はユミの部屋であるし、このアジトではそれほど重要なシーンはなかったと思うんだけどね。ま、少なくともミホとの関係ではそう言えるかも知れない。
 その言葉どおり、割と淡々と部屋を出て行くユミ。
  
 次のシーンでは既に屋外。

 「SHADOW OF LOVE」の歌いだし、高層ビルの街角に止まない雨を残してああ 思い出が そう 重なって〜がこの辺でスタート。


 なお、ここで流れる「SHADOW OF LOVE」、歌いだしは1番の歌詞なのに、以下は、2番の歌詞に切り替わる変則的なアレンジがされている。
 (本来、1番は続いて、ほら 東からもう夜明けだね〜になり、2番は、歌いだしヘッドライトを点けたまま走る車の流れに→ああ思い出が〜となる)

 これは、最後なので2番の歌詞を使いたいが、フルコーラスを流すほどの尺はない。よって、苦肉の策で、イントロ及び歌いだしだけ1番を使い、途中から2番の歌詞へジャンプさせるという強引な編集をしているのだと思う。

 で、強い風にスカーフを揺らしつつ、ユミは真っ直ぐ前を向いて歩いていくのだが、その背後、さっきの部屋で見送ってと言っていたのに、いつの間にかミホたちが立って、そこから見送っている。
 カメラは見送る四人にズーム。相変わらず姿勢の良いケイ(ルリも)。
  
 (歌詞)接吻が(SUCH A LONELY EYES)止まらない

 接吻と書いて、くちづけと読む。
  
 (歌詞)遠い街で 暮す彼氏(ひと)もう待たせちゃいけないよ
 (歌詞)出会うのが遅かった ロマンス
  
 で、ここで最終回のお約束、名場面シーンにきりかわる。

 最初はユミ。
 6話の戦闘シーンより。
 (歌詞)(SHADOW OF LOVE)腕のぬくもり(SHADOW OF LOVE)
  
 次は第12話の戦闘シーン。
 (歌詞)俺は 一人でも
 (歌詞)生きて行けるから

 うう、今回は実質的に戦闘シーンがないので楽だぎゃあと思っていたのに、最後の最後にこれかよ。戦闘シーンは動きが激しいのでキャプがしにくいのだ。
 二人目はケイ。
  
 7話の戦闘シーン。
 (歌詞)(SHADOW OF LOVE)きっと このまま(SHADOW OF LOVE)夢を追いかけ
  
 つぎは8話。と言っても、右の画像はどちらもスタントなんだけどね。
 (歌詞)傷ついても 君の愛を
 三人目はルリ。
  
 7話の戦闘シーン。
 (歌詞)忘れはしない SAY “I LOVE YOU”
 四人目はミホ。
  
 ここは20話及び21話の戦闘シーン。
 (歌詞)(SHADOW OF LOVE)瞳の涙(SHADOW OF LOVE)二人の若さを 責めるのはやめて

 最後は雄太……、
 と思ったら、スルーして現在のユミ。
 (歌詞)(SHADOW OF LOVE)君がなくした(SHADOW OF LOVE)夢のかけらが

 もっとも、雄太の場合、戦闘シーンと呼べるものがないからね。せいぜい1話で佐伯にぶら下がっているところか。
 この名場面にしても、どうせやるならもうちょっと幅広く、戦闘シーン以外からも集めて構成して欲しかったけど、ま、尺が限られているのだからしょうがない。

 このカットが、仙道さんのラストカット。
 ← 
 (歌詞)胸の奥に 刺さっていても

 で、再び見送るミホたちに戻るのだが、ここ、何故か急にハードボイルドタッチになって、それぞれが目を交わすことさえしないで、
 ← 
 (歌詞)微笑ながら SAY “GOOD-BYE”
 (作詞/秋元康)

 それぞれひとりずつそこから離れてバラバラになってしまうのである。
 これは、「反逆同盟」が役割を終え、彼らが仲間であることもなくなったということを表現しているのだろうが、いささかクール過ぎて、寂しい。
 それに、「反逆同盟」以前に、ルリとケイは仲良しだった筈なのだが……。
 ← 
 だから、この左側の画像が、三人にとってのラストショットになるわけだ。感無量だぜ。

 ただ、クラスは多分変わってないのと思うので、この後、ミホ以外の三人はまた2-Aで普通に顔を合わすのだろう。とほほ。
 3月の放送だし、新生スタートと言う感じなのでひょっとしたらもう3年生の設定なのかとも思ったが、雄太の襟にはしっかり2-Aと見えるからね。
 ひとり残るミホ。
 考えたら、彼女、友達がぜんぜんいなくて若干悲しい高校生活。いや、まあドラマに出てこないだけで実際はいるんだろうけど。
 で、曲の終わりにあわせて、「終」の一文字。だいぶあっさりしてるなぁ。

 しかも番組のラストカットがミホのバストショット。なんか解せない。

 で、結局、加寿子がどうなったのか、黒鳥学園はどうなったのか(恐らく、ミホがあとをついで経営している?)、山縣は死んだのかどうか、具体的な事後の経緯についてはまるで説明がない。一言二言喋らせれば済む話なのに。うーん。

 コミック版では、既述のようにユミが病院の母親に会いに行くところで終わっているが、その前に、学園との苛烈なバトルが繰り広げられ、最後はミホが実の父親の罪の証となるフロッピーディスク(懐かしい)を警察に差し出し、山縣たちは逮捕される。で、ルリたちは学園の再建を行っているという感じになっている。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 予告編
 今回、本編で使われていないのは、このカットのみ。
 ミホが父親に別れを言いに来るシーンだが、本編ではミホはすぐに廊下へ出ている。


 まとめ

 最終回と言うことで、前回に引き続きルリとケイの負傷、黒鳥の廃校、加寿子とユミの対面、ミホの山縣との訣別、加寿子との対決、そして黒鳥の再生及びユミとルリたちとの別れというふうに、激動の展開が繰り広げられる。
 しかし、結局加寿子の真意は漠然としたままで、山縣との関係もほとんど語られることなく終わってしまった。また、加寿子はユミの前に屈服したけれど、具体的にその後どういう風に身を処したのか、さっぱり描かれていないのも大いに不満だ。
 盛り上げるだけ盛り上げて、最後の戦闘シーンがカットされているのも肩透かしであった。

 一方で、ユミと加寿子の対面は説明不足ではあるが、俳優の熱演もあり、感動的であるし、夕焼けや並木道の映像は美しく、最後のユミとの別れも当然ながら胸に迫るものがある。手の平を返したように善人になる教師たちの姿には笑ってしまったが。

 と言う訳で、「徹底レビュー」もこれにて完結。長い間お付き合い下さった読者の皆様に、感謝!!



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