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第04話 死神が呼んでいる! 前へ 次へ 目次へ
放送日時 1986年11月3日
裏番組 月曜ドラマランド「赤毛のアン子」
監督 江崎実生
脚本 大川俊道
準レギュ 藤岡重慶、中島はるみ、安岡力也、竹中直人
ゲスト ハントケーシー/KC片岡、名取幸政/いずみの父親、崎田美也/田崎の母親、遠藤照明/田崎豊、
菊地陽子/矢野いずみ、三谷侑未/いずみの母親
予告 ミホの家庭教師であったKC片岡が黒鳥学園に英語の教師として赴任してきた。早々、特別授業が組まれた。そんな折、特別授業を受けた生徒たちの家で、次々に家庭内暴力が起こった。ミホ、ユミ、ルリ、ケイ、雄太は真相究明に乗り出した。「セーラー服反逆同盟」、「死神が呼んでいる!」、お楽しみに!
備考 OPでのケイのチェーン攻撃に効果音は無し。プロデューサー補・安倍夏彦はプロデューサーと同じページに表示。タイトルの!は正確には45度に傾いて表記されたもの。
予告編のサブタイトルを、少しホラー作品っぽく発音している。
評価    シナリオ ★★★★ ミステリー色が強く、すこぶる面白い。
演出 ★★★★★ 片岡先生の存在感が素晴らしい。全体的にテンションが高い。
映像 ★★★★★ 冒頭と、バトル前の神秘的な雰囲気は抜群。三人の噴水飛び込みも○
キャスト ★★★★★ 珍しく準レギュラーが勢揃い。ハントケーシーの演技も光る。
アクション ★★★★ 唯一、ユミの衣服が破かれるシーンがある。
総合 ★★★★★ ミステリー、アクション、会話、映像の美しさなど、総合的に優れている
アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 神秘的なBGMをバックに、黒い服をまとった謎の人物が学園にやってきた。
  
 この導入部の雰囲気はとても良くて、これだけで名作の予感がするではないか。

 本作は、管理人が「怪人シリーズ」と勝手に名付けている系統に属する第1作目である。つまり、特撮ヒーローものに出てくるようないささか現実離れした悪役が、おもに単独で「反逆同盟」と戦うというストーリーである。と言っても、全話を通じても、ほかには第9話、第10話、第13話くらいしかない。
 「自習」と黒板にでかでかと書かれた2-Aの教室。
 その黒板目掛けて紙飛行機が飛んでくる辺りで、どういう状況が一発で分かる。
 カード遊びに興じているタケシたち。
 タケシ「コール、頂き!」
 と、勝利宣言をするタケシだが、これはポーカーか?
 これじゃ悪の巣と言うより、単なる三流高のサボリ風景である。
 葉山「おらっ、変なおっさん現れたぜ、おい」

 で、わざとらしく2-Aの横を通る怪人物に気付く生徒たち。彼が向かっているのは応接室で、2階以上にあると思われる。学校の応接室は普通地階だと思うが……。
 タケシ「チンケな格好しやがって! おかしな宗教でも広めに来たんじゃねえのか」
 と、タケシは一瞥して叫ぶが、宗教うんぬんという突っ込みは明らかな的外れだ。

 一方、我らが反逆同盟のメンバーは、
 ケイ「あれ、きっと新任の教師よ」
 ルリ「なんだか嫌な予感がするわね」

 でも、さすがに二人は他のボンクラのように遊ばずにちゃんと勉強しているのがえらい。まあ、お喋りしながら、だろうが。
 ユミと机を並べて勉強を教えて貰っているらしい雄太は、
 「ほっほっー、ホワイトスティーヴィー・ワンダーの登場だぜぇ!」と興奮気味に意味不明のことを叫ぶ。

 ちなみにスティーヴィー・ワンダーは前年1985年に全国6ヶ所でツアーを行っている。
 この背景では、前回さんざん拷問されて死に掛けた森口君が、女子たちと仲良くじゃれあっている。
 佐伯を除く学園の指導者たちが勢揃いしている応接室を訪れた謎の人物。
 九条「プリーズ、プリーズ、お嬢様、覚えていらっしゃるでざんがしょうかぁ? お嬢様の中学校時代の家庭教師だった、あ、片岡先生、あっははははっ」
 片岡「お元気ですか、お嬢さん」
 ミホ「わあ、懐かしい」

 嬉しそうに立ち上がって手を差し出すミホ。

 しかし、ほんと、こいつは全く授業を受けるつもりがねえな。理事長の娘じゃなかったらとっくに退学か留年だぞ。
 口ではオヤジである理事長の経営方針が悪いとか言いつつ、その娘としての特権はしっかり享受しているところが、いまひとつ信頼が置けない所以なのだ。
 しかも、この回では、それまで校長たちと仲良く歓談していた風ではないか。
 もっとも、スタッフもさすがに変だと思ったのか、こういうシーンはこれ以降、ほぼ出てこなくなる。
  
 何も知らずに手を出すミホ。そこで、九条が気を利かして「シェイクハンド」などとささやく。優しい。
  
 見当違いの方向へ差し出された片岡の手をつかんで握手しながら、
 ミホ「あらごめんなさい、いつから目を悪くなさったの?」
 校長「お嬢さんの家庭教師をやめたすぐ後だそうです」」
 ミホ「そう、それはお気の毒に」
  
 片岡「I'm all right」
 一見微笑ましい師弟の再会シーンだが、カメラはそこでステッキのにぎりの髑髏にクローズアップすることを忘れない。

 しかし、この片岡については、そもそもどういう素性の人物なのか、なぜ地獄の催眠術師として現れたのか、説明は一切されないままである。ミホの感じでは、少なくとも数年前まではちゃんとした普通の教師だったようだが……。その辺が放置されているのが、このシナリオの瑕である。
 で、早速、2-Aの教室にやってくるKC片岡。まあ、他にクラスはないので当然であるが。
 アキ子「起立、礼」
 片岡「Good morning」
 アキ子「着席!」
 委員長のアキ子の号令に、だらだらしながらも従う生徒たち。
 片岡「今日からこのクラスの英語を担任させてもらいます、KC片岡です、よろしく!」

 話を進める前に、では、前任の英語教師はどうなっちゃったのという疑問が生じるのだが、これも劇中では説明されない。まあ、素行の悪い生徒が多いのでやめちゃう教師が多いのかもしれない。もっとも、第10話で「英語の小沢先生が病気療養中」という意の台詞があるため、この時も、小沢先生が一時的に病気で休職していただけなのかもしれない。
 何故か、敵意を含んだ眼差しを向けるユミ。この段階ではまだ相手のことは何も分かってないのだから、いささか尖がり過ぎている。
  
 で、片岡が黒板に自分の名前を書いていると、どこからともなくナイフが飛んでくる。
 が、片岡は素早く体を沈めてナイフを避ける。ナイフは黒板に刺さる。 
 どうでもいいけど、前回、「反逆同盟」にやっつけられたのに、なんでアツシ(最後列)と山口(手前)が普通に通学してんだよ。
 雄太「おっと、暴力教室」
 それを見て、雄太はこう口走っているが、これは松田優作主演、1976年公開の「暴力教室」という映画のことと思われる。

 ついでに、後ろの席の森口君も、前回、山口たちに拷問されて発狂したフリまでして命からがら助かったというのに、平然と学校に来てんじゃねえよ。
 転校しろ転校を。

 片岡は、手探りでナイフを抜き、何事もなかったように「それでは授業を始めましょう。テキストの42ページを開いて」と言う。
 だが、そこへ再びナイフが飛んでくる。
 今度はステッキで華麗に払う片岡。
 しかも、払ったナイフが空を飛んで、投げた奴の机の上に刺さる。快傑ズバットかお前は。
  
 で、ナイフを投げたのは赤いシャツを着ている葉山だと判明。
 驚きのあまり、所持していた数本のナイフを床に落としてしまう。
 唖然として片岡を見直す生徒たち。
  
 ユミも思わず片岡の顔を見詰める。
 雄太「すっげぇ〜」

 片岡「レッスントゥエルヴ……アウトゼアインザコールドウォーター……」
 何事も無かったように、平然とテキストを読み始める片岡。
  
 ルリ「参ったなぁ〜」                     ケイ「かっこいい〜」

 ルリでさえ感嘆してしまう鮮やかさ。おケイちゃんに至っては早くもとろけていた。
 再度ユミのアップでOPへ。ここまでユミは台詞が一つもない。

 ちなみに、OPのこのシーンは今回のアクションシーンから採られている。
 鉛筆を投げるルリのカットも、同様である。



 Aパートへ行く前に、雄太の口走る「暴力教室」の、類似シーンを貼っておく。
 映画は、不良高校に転任になった教師が、不良たちや悪徳教師たちと戦うハードボイルドドラマである。
 松田優作扮する新任教師が超不良高校にやってくる幕開けも、実は同じような構図であった。
 「反逆同盟」のスタッフは最初からこれを意識して作っていたのだろうか。
 「反逆同盟」より10年先輩の不良の皆さん。程好く老けてますな。
 で、優作が名前を板書していると、ナイフが飛んでくるのはコピーしたように一緒である。
 その後も同様に、一発で投げた奴を見つけ出し、ナイフのその生徒の机に突き立てる優作だったが、その生徒、なんと舘ひろし! これが俳優としては実質デビュー作になるのかな。
 それにしても、松田優作の顔の濃さは尋常ではない。

 第4話および「反逆同盟」と、「暴力教室」の類似点についてはいずれマニアックコラムで詳しく紹介したいと思う。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 ぺちゃくちゃ喋りながら屋上に出てくる三人。
 先頭のルリが扉を開けた瞬間に、「ウ〜」と言うサイレンが鳴るのだが、これは正午の合図だろうか。とすれば、昼休みの時間だろう。放課後にしては明るい。

 ちなみにこの入り口は、第1話のそれとは別物である。「反逆同盟」では、屋上のシーンが多くあるように感じられるが、実際は1話、2話、4話、15話だけである。前半に限ればかなり頻度が高いので、そう言う印象が強いのだろう。
  
 ルリ「見たぁあのツッパリ、今にもションベンちびりそうな顔してたじゃん」
 と、相変わらず下品な言葉遣いのルリ。

 ケイ「もう誰も歯向かおうなんて思わないんじゃないかな……」
 喋りながら、素早くポジショニングする三人。やっぱり後藤さんは背が高い。撮影中も、背が伸びている感じだ。
 ケイ「不良には厳しく、授業は丁寧! 言うことないわよ、ね、ユミ?」
 ケイに賛同を求められ、
  
 ユミ「そうねえっ、他の先生に比べるとずっとマシかもしれないわね」
 ユミも消極的ながら認める。他の先生というのは九条や佐伯のことを言っているのだろう。第5話、第16話なんかの授業を見ると、二人以外はごく普通の教師にしか見えない。
 ユミの台詞に重なるように、
 雄太「おい大変だ、大ニュースだぜぇ」
 と、雄太が騒々しく飛び込んでくる。
 ルリ「お前のニュースはいつもチンケなんだよねぇ」
 ルリの、雄太に対する言葉の暴力はますます盛んであった。
 雄太は、大抵殴られっぱなしだが、この時は、「ちぇっ、態度でけえの、おっぱいチンケな癖に」と小声でやり返している。

 で、実際、どうなんだろう? ええっと、山本理沙さんは公称バスト80ですって。うーん、まあ現在の目から言えばそう言われてもしょうがないかもしれないが、当時としては普通なんじゃないの? 同年の少年サンデーなどのグラビアにも登場してるんだけどね。

 で、予想外の返し技を出され、ルリとしては珍しく感情的になって、
 ルリ「何言ってんのよ! もうすぐおっきくなるもーん」と突っかかる。可愛い。
 ケイは後ろ頭ばっかりだ。

 ユミ「ね、ちょっと待って、何が大変なの?」
 ユミは笑いながらも仲裁に入り、雄太に話の続きを促す。
 雄太「それがさ、片岡の奴、英語の出来の悪いの集めて、放課後に特別授業やるんだって」
 ユミ「特別授業?」
 と、言うことなのだが、最初のルリの台詞からすれば、今日は片岡先生赴任の当日らしい。つまり授業はまだ1回しかやってないわけで、いきなり「英語の出来の悪い」もへったくれもないような気もするのだが。まあ、それまでの成績表とかはあるんだろうけどね。
  
 雄太「ケイ、お前もしっかり選ばれてるぜ。ご愁傷様!」
 ケイ「えーっ?」
 この時の後藤さんの驚きの表情がとても可愛いのだった。演技は素人っぽいけど、そこがまたいいのである。

 ただ、ネタばらしすると、この特別授業は学園に反抗的な家庭の生徒たちをマインドコントロールするための授業なのだが、該当者は片岡赴任前に学園側がリストアップしていたにせよ、手際が良過ぎないか?
 また、片岡の狙いはあくまで後述する二人の生徒と雄太、ケイの4人だけで、他の本当に出来の悪い生徒はカモフラージュとして選ばれていたようだ。

 それはさておき、第10話で英語の出来るところを披露していたケイが、いきなり成績不良で選ばれるのは少し変である。ま、あくまでこの時は成績が悪かったと言うことなのかもしれないが。結局は悪人だったが、片岡によってケイが英語の魅力について教えられたというのは事実かもしれないのだ。
 舞台変わって、職員室から廊下に出てくる片岡。同じく職員室から出てきた佐伯に話しかけられる。
 佐伯「片岡先生、英語の特別授業をやられるそうで」
 片岡「イエス」
 佐伯「無駄なことです。あいつらクズですから、英語なんか教えたって、砂漠に水を撒くようなモンですよ。んなことより、校庭を百週でもさせたほうがましってなもんですよ」

 相変わらずムチャクチャなことを言う佐伯だが、学力向上と、生徒指導を混同している発言であろう。
 ただ、佐伯の言葉遣いはこの時も割と丁寧で、いかにもインテリには弱そうな感じだ。
 片岡「私は教師です。勉強の遅れた生徒たちを救うのは私の、役目です……エクスキューズミー」
 片岡はいかにも教育者らしいことを言って受け流す。

 で、その特別授業の面子だが、
  
 ほとんど2-Aの生徒だった。
 と言うか、後に家庭内暴力を起こす二人の生徒以外、全員だ。ま、余計なエキストラを使う余裕がなかったのだろう。
 英語の詩を朗々と読み上げている片岡。しかし、相手が目が見えないと分かっているので、生徒たちの態度はよろしくない。
 ただ、さっき、不良にも毅然とした態度を取った割に、威厳がないのね。
 ひとしきり「バイロンの詩」を英語で吟じたあと、
 片岡「夜のそよ風よ、お前の息吹の冷たさ、ああ、雪のように白いこの目蓋を揺するな」
 と、日本語訳を思い入れたっぷりに語り、さらに、
 「英語は学問ではありません。コミニュケーションです。
   いかに親しみを持つかが大切です。
  欧米の人々は好んで詩を暗唱します。政治家や実業家でさえも詩人の言葉を引用することが数多くあります」
 「皆さんもこれらの詩を暗唱することによって欧米の文化に出来るだけ親しむように心掛けてください」


 これって、普通にいいこと言ってるよな。
 もっとも、下心があっての発言なので台無しだけどね。
  
 そういうありがたいお話も、ちゃんと聞いているのはおケイなど、ごく少数。馬の耳に念仏とはよく言ったものだ。
 なお、雄太のポーズは後につながる伏線である。

 片岡「さっ、目を閉じるのです。詩は心で味わわなくてなりません。私についてきてください」

 で、英語の詩を復唱する生徒たち。と言っても真面目にやってるのは僅かである。
 やや厚ぼったい唇が可愛いケイ
 後にかめはめ派を披露する矢野いずみ(菊地陽子)
 田崎豊(遠藤照明)。ちなみに検索したら遠藤照明という電気屋が引っ掛かる。 
 シンナーの回し飲みをするヒロコとマユミ。
 考えたらむちゃくちゃだが、この手のシーンはだんだん減っていくようである。制作サイドもさすがに問題だろうと判断したのか。ちなみに生徒がタバコを吸うシーンも、どう見ても二十歳を越えていた高沢先輩たちを除けば、第5話のヒロコたちくらいしか思い浮かばない。黒鳥の生徒たちって、意外と真面目なのだ。

 やっと授業が終わって連れ立って帰る二人。
 ケイと雄太の組み合わせは割と珍しい。他では第16話くらいか。
  雄太「ケイもしょうがねえなぁ、マジに英語なんかしちゃってやんの」
 レギュラーの中では一番年の近い二人、現場ではどんな感じだったんだろう。 
 ケイ「雄太になんか分かんないわよ、あの詩の良さは」
 雄太「へえ〜」
  ルリ「ステキじゃない、詩を読むのに目は必要じゃない。心さえあればいい」
 上履きを下駄箱に入れて、靴を取り出し、履きながら演技する二人。雄太はともかく不慣れな後藤さんは台詞を言うのが精一杯と言う感じ。
 この動作中、左の指はピンと伸びたまま。これはもう彼女の癖なんだろう。
  ケイ「きっと片岡先生はあの詩を心で味わってるのねぇ」

 完全にとろけてるおケイでした。

 雄太「へへーん、乙女チックでございますこと」
 なんだかんだで仲の良い二人。
 ちなみに学校の下駄箱は第1話とここ以外、登場しない。

 しかし、特別授業を受けていた他の生徒たちの姿が見えないのが気になる。


 さてその夜。……だと思うが、特別授業一回だけで生徒をあやつれるというのはさすがに片岡先生が凄腕すぎるし、赴任したその夜に特別授業の生徒が問題を起こすというのは、わかりやす過ぎるから、翌日以降なのかもしれない。特定できるデータは作中には出て来ないので想像するしかない。
 男子生徒・田崎豊の自宅で鳴り響く電話のベル。 
  
 田崎「豊はボクですけど、どなたですか? ……」
 しばらく無言で受話器を耳に当てていた田崎は、半分意識を失ったような感じになり、受話器を床に落とす。
 その母親(演・崎田美也)がやってきて、
 「豊、一体どなたからだったの? 豊、どうかしたの?」と問い掛けると、
 ← 
 いきなりメイクまで変わって鬼の形相で振り向く。
  
 「豊ーっ!」
 びっくりする母親に対し、豊は「うわぁああーっ」と叫んで手近にあったバットを振り上げる。
  
 額を打たれて叫ぶ母親だが、豊は執拗にバットを叩き込むのだった。
 金属バットでこれだけ派手に殴ったら、普通は死ぬと思うのだが。

 しかし、根本的なことを言えば、これはマインドコントロールと言うより、後催眠による暗示効果だよな。
 あるいは、SF的に簡単に言えば、超能力で人心を操ると言う方がわかりやすい。
 で、その翌朝、こちらは女子生徒・矢野いずみの家。こちらでも電話のベルが鳴っている。
 矢野いずみ「ううもうもう、遅刻しちゃう」
 父親「こーら、落ち着いて食べなさい」

 母親が電話に出る。
 母親「はい矢野でございます……は、少々お待ちくださいませ……いずみ、あなたによ」
 いずみ「ええーっ」
 母親「ホラ早く、時間ないんでしょ?」
 律儀に電話口に出る矢野いずみ。
 演じるのは故・菊地陽子さん。「スケバン刑事」でサキのクラスメイトなどを演じてらっしゃいました。

 しかし、田崎と言い、この女子と言い、どう考えても普通の高校生なのに、なんでわざわざ私立のあんな「悪の巣窟」黒鳥学園なんかに入学したんだろう。それが最大の謎だ。

 ところで、この朝食のシーンで、テレビの音だろうが、「ズームイン朝」ふうの各地のレポートをしている様子が小さい声だが聞こえて、その中で、「札幌は気温が14度まであがってきた」という意味の言葉がある。とすれば、撮影日は最低気温が14度以下、いや、あがってきたとあるので、差し当たり13度以下と仮定し、過去の札幌の天気を調べると、最低気温が14より低いのは、1986年は9/9が初めてで、それ以降はほぼ条件に合う気温でが続く。8月はひとつも該当しないので、少なくともこの回の撮影は9/9以降だと言うことが分かる。ただ、9/9は最低気温が13.2なので、時間帯も考えれば、この日である可能性は低い。
 さらに「降水確率10パーセント」と言う言葉も微かに聞こえるので、それによって候補をしぼりこむと9/25、27、28、29や10/2、6などが条件的には適合する。さらに土日を除外すると、9/25、29、10/2、6あたりが残る。が、初回のオンエアが10月13日で、そのOPに、今回の戦闘シーンの映像が使われていることを考慮すると、10月ではいささかスケジュール的にきついかもしれない。と、すれば、9/25、29が最有力か。

 もっとも、以上は、このシーンのテレビの音が、現場で実際にかかっていたという仮定での論考に過ぎないのであるが……。

 閑話休題。
  
 いずみ「もしもし……」
 母親「はい、あなた」
 いずみも、豊と同じように魂の抜けたような空ろな表情になり、無言で受話器を戻す。
 母親「いずみ、どうしたの?」
  
 で、仰々しいBGMとともに、ゆっくりと振り向くいずみ。明らかに照明もメイクも変わり、一瞬で不良にチェンジ。

 危険です、非常に危険です。
 急に娘の顔にシャドーが入ったので「どうしたんだ?」と、驚くおやじ。この人が名取幸政さんです。奇しくも、この人も「スケバン刑事」第9話「いじめの根を断て」で教師役を演じているのです。

 ついでに、後の「少女コマンドーいづみ」でも、「謎の組織」の幹部を演じておられたが、これも「いづみ」絡みだった。
  
 いずみ「うわぁあああーっ」
  
 手近にあったものを全力で投げるいずみ。この時の渾身の芝居は見物です。
 「うわっ、ぐわああーっ」
 顔面に物が直撃し、やや大袈裟に痛がるおやじ。
 「いずみ、何をするのよぉ!」
 叫ぶママ。
 聞いてない。
 ママの顔面にめり込むツボ。
 「うっうわ、どした!」
 流血して言葉にならない声を発するおやじ。いい演技です。
 いずみは、手当たり次第に色んな物を投げつける。
 菊地さんは、「うえーっ、ぎょえーっ」と、完全に狂ったように切れ目なく意味不明の叫び声を上げ続けると言う迫真の演技を見せる。

 中山美穂にも少しは見習って欲しいものだ。
 で、サイレン鳴らして走る救急車のイメージ映像。両親は普通の病院へ、娘は精神病院へ。
 次のシーンは、ロングショットからユミたちをとらえた映像。これは違う建物の屋上から撮ってるのだろうか。
 ユミの声「突然狂った?」
 ルリの声「そう、そう、B組の田崎豊は昨夜、そしてC組の矢野いずみは今朝だって」


 ただ、この場面がドラマの上で、いつの時間帯なのか判然としない。ユミの台詞からすると事件を初めて聴いたことになっているので、放課後と言うことはないだろう。早朝の始業前にしては暗い。授業間の休み時間にしてはゆっくりし過ぎている。もっとも、ニュースソースになっているのはルリで、彼女が情報を仕入れたのがその日の午後とかだったら、放課後としても不自然ではない。それにしても、他の生徒の影がまったく見えないのは変だが。

 でも、学園サイドがそのことを教えるわけはないし、両親だって公にはしたくないだろうに、どうやってルリは情報を得たのだろう。もっとも、雄太の話し方からすると、周りの噂話を掻き集めたという感じなんだけどね。


 カメラが徐々に入り口の前に座っているユミたちにズームしていく。
 雄太「二人とも放心状態で、なにをやったか分からないって話だぜ」
 ケイ「田崎豊と矢野いずみ……」

 この(密談している)感じはとても良い。こういう場合、中盤以降はアジトかユミの部屋で話し合うのが一般的になるので、こういう野外でのシーンは珍しいのだ。
 ユミ「どうしたの、ケイ?」
 ケイ「二人の両親はどちらも校長の指導方針に不満を持ってるわ。反対派を組織しようと立ち上がる勢いでいるらしいの」

 だから、なんでそんなこと知ってるの? 噂にしては、他の三人が知らないのは変だし。ただ、9話でも似たような情報を知っていたので、どういうわけだか、その辺の事情に詳しいらしい。あるいは、彼女の両親も、そういうことに関心があって、彼女はそこから情報を得ているのかもしれない。後に、彼女も片岡に狙われるわけだから、ありうる話だ。

 あと、後藤さんの懸命の長台詞なのに、ヘリがうるさい。撮ってる方も待てば良かったのに。
 雄太「そういや二人とも英語の特別授業出てたっけな」
 その台詞に続いて、英語の特別授業を受ける田崎と矢野の映像がカットインされる。
 ルリ「ユミ、もしかしてあのステッキ野郎が何か?」

 あの……、ルリさん、昨日は片岡先生のこと絶賛してなかった?
 いきなりステッキ野郎はないだろう。
 ケイ「待ってよ、うまくは言えないけど片岡先生が悪い奴とは思えないわ」
 愛する乙女の信念は揺るがないのであった。ま、例によって彼女の勘は見事に外れるんだけどね。
 でもこのいかにも新人っぽい演技がとても初々しい。台詞の最後に顔を横に振る仕草も含めて。
  
 雄太「ケイ、あの先公にお熱なんだよな」
 雄太が冷やかすが、
 ケイ「雄太っ!」
 すぐさま鋭い反撃が飛んでくる。
 雄太「冗談、冗談」

 この辺はほとんど痴話喧嘩みたいで、微笑ましい。俳優の実年齢は、雄太のほうが上なんだけどね。
 しかし、今回はいつになく雄太がアグレッシブで、怒らすと怖いルリやケイにも軽口をガンガン飛ばしている。
 ユミは笑ってから「とにかく調べてみましょう」と、提案。
 この一言で、反逆同盟が事件解明に乗り出すことになる。
 形式的には提案だが、実質的には既に命令になっている。特に彼女の「調べてみよう」というのは今後、頻用されるフレーズである。


 再び特別授業の様子。これは、時系列的には上のやりとりの直後なのだろうか。

 しかし、相変わらず態度の悪い連中で、平気で物食ったりしている。もっとも、授業そのものには出ているので、真面目なのか不真面目なのか……。特に相手は目が見えないのだから、代返で誤魔化すのは簡単なのに。
 再度雄太の様子が映し出される。小刻みに体を動かしている。さっきも書いたようにこれは伏線である。
 ただ、直前の会話で、片岡が怪しいと言う雰囲気になってるのに、ケイも雄太も割と暢気に授業を受けているのはちょっと矛盾してるかも。まあ、あくまで疑惑の段階だし、ケイは片岡のことを信じたいらしいからね。
 ひたすら英語の詩を朗読している片岡先生だが、この口の形が猫っぽくて可愛いのだ。
 カメラは最後にまたステッキの握りのドクロを映して次のシーンへ。
 応接室で電話を使っている片岡。

 英語で断片的にしか聞こえないが、「sure……」「you see order of the right」みたいなことを。英語はよく分からないので違う可能性大だが。それでも、彼が「真の目的」のために雇い主と話していると言う雰囲気は出る。

 そこへ入ってきたミホ。ほんと、この人いつも何してるんだろう。放課後の後の特別授業が終わるまで待っていたわけだ。暇だなぁ。
 それを見て、片岡はすぐ受話器を戻す。
  ミホ「片岡先生、どうなさいました?」
 片岡「いえ、お嬢さん、職員室の電話がふさがっていたものですから」
 と言うが、普通はそれぞれの机に専用の電話が置かれる筈で、ふさがる、なんてことはないと思うが。ま、これはミホと片岡を遭遇させるための方便だろう。
 片岡はそのまま出て行こうとするが、かつての教え子に呼び止められる。

 ミホ「先生!」
 片岡「はい、何か?」
  
 ミホ「すっかりお変わりになったわ。前は優しくて温かかったのに、今は氷のよう」
 片岡「あなたも変わりましたよ、お嬢さん。すっかり大人になられたようですが、どこかお声が寂しそう。You look so sad、aren't you?」
 ミホ「わかりますか?」
 片岡「Yes I do」
 ミホ「ではもう一つ教えてください。先生は英語を教えるほかに、何か目的があってこの学園に来たんでしょ」
 片岡「いいえ、わたしはただの英語教師ですから。Excuse me」
 ミホ「See you then(またね)」(と言ってるのだと思うが、よく分からない)

 この英会話の練習みたいなやりとりは、往時の二人の関係を示すようで興味深い。ただ、結局、片岡の変貌の理由など、深いところの描写がないので、その後に感動を呼ぶきっかけになっていないのが惜しまれる。まあ、時間も足りないしね。ほんと、なんでこんな暗黒教師になっちゃったんでしょう。
  
 ミホと別れて、歩いて帰る片岡。彼を尾行するユミとルリ。ただ、特別授業に出た雄太たちも参加して良さそうだが、まあ、あらかじめ役割分担していたのかもしれない。それに携帯のない当時としては、簡単に連絡もとりあえなかったということを忘れてはいけない。
 どういう経路を辿ったか不明だが、次の場面では、片岡は喫茶店の窓際の席で、九条と仲良くおしゃべりしていた。
 実にたやすく尻尾を出してくれる片岡先生であった。30分番組だからもたもたしていられないのだ。

 九条と話しているが、しかし、別に彼と打ち合わせする必要はないのでは……。あるいは、家庭内暴力を起こさせる生徒の情報でも教えているのかもしれない。九条自身が今回の計画にどれだけ関与していたのか、最後まで不明なので、ここは推測するしかない。
  
 それを店の外から見ている二人。
 ルリ「九条ーっ、あのおかま野郎め!」
 
ユミ「これで片岡も校長と通じていることが分かったわね」

 いつもながら口の悪いルリ。しかし、ユミの台詞はちょっとというか、だいぶおかしい。だって、二人は同じ学校の教師なのだから、彼らが喫茶店で仲良くお茶していたって、それが即悪巧みとは限らないだろう。しかも話している内容も分かってない状況で、片岡=九条=校長という図式が確定されるのも変だ。

 ただ、このシーンでこのドラマにおける二つのお約束、あるいは法則が初めて使われているのは注目すべきだ。
 それは、

 一、「(尾行・監視されている)キャラは喫茶店では必ず窓際に座ること」
 一、「九条と話しているとそいつは悪い奴」
 である。
 もっとも、前者については単に撮影上の都合なんだけどね。
 それに、後者については良く考えればそんなにあてはまるシーンはないか。ただ、「九条=黒鳥学園」という印象的な台詞が第14話で登場することを銘記しておきたい。
 で、その夜。雄太の自宅。

 ここで拙速にユミたちと雄太たちをひきあわせないのが憎い演出。確かに上記の時点でだいぶ時間が遅くなっていた(通常授業の後の特別授業のさらにその後の尾行)しね。それに、ミホと違って、彼らは別に「反逆同盟」ごっこばかりにかまけているわけではなさそうなので、それぞれ予定があったのかもしれないし。

 割といい家に住んでいる雄太。まあ、基本的に貧乏人は黒鳥学園には通えないのだ。
 電話が鳴り、雄太が階段を下りてきて出る。この電話、「スケバン刑事2」で南野陽子の部屋にあったのと同じだなぁ。
 この私服の雄太の、すらりとしたスタイルはかなりかっこいい。全体的にいいとこの坊ちゃんという感じである。

 ちなみに画面右手の巨大なロールみたいなものがなんなのか、よくわからないのだ。なんだろうなぁ。あと、なんかスプレー缶みたいなの、ハケの取っ手みたいなのも右側に映っているが。
 雄太「はい、もしもし」
 片岡「(英語で)なんたらかんたら」
 雄太「はぁっ?」
 無論、電話は片岡先生からの素敵な詩の贈り物であった。次の標的は雄太だったのだ。

 ただ、雄太はバカなので、いや、そもそもマインドコントロールにかかっていないので、言葉を理解できないだけで、凶暴になったりはしない。

 雄太「はあっ? (送話口を押さえて)参ったなぁ、外人かよ。ハロー、ホワットイズ、ナニカ用デスカ?」
 片岡「ゼイウェイクザビーン……」
 雄太「オーノー、ワタシノ家デハ、誰モイングリッシュワカリマセンネ」
 と、何故かカタコトの日本語で応じて切ってしまう。

 どこからかけていたのか不明だが、通話口に向かって一生懸命「バイロンの詩」を朗読していた片岡先生の苦労も水の泡であった。
 また、その声から、相手が片岡だと分かりそうなものだが、雄太はそもそも特別授業を全然聴いてない(後述)ので分からないのも当然なのだった。

 しかし、ここに電話が来ると言うことは、やはり、彼の両親が学園の反対派であったということなのだろうか。そういう印象は受けないが。
 翌日、多分放課後だろうが、喫茶店で話している三人。校則では喫茶店に出入りしても良いのだろうか? 割とそういうところは緩いんだよね、黒鳥学園は。髪とか染めてても怒られないし。
 ここでも、きっちり窓際の席に座る三人。

 ケイ「片岡先生が九条と?」
 びっくりして目がまん丸になる後藤さん。
 ルリ「うん、おケイにはショックかもしれないけど、所詮校長の犬だったんだよ、あのセンコー
 何度も言うけど、ルリは口が悪い。それに、さっきも書いたが、まだ片岡が具体的に何をしようとしているのも分からないのに、そこまで断言してはまずいのでは?
 憧れていたのに……と、悄然とうつむくケイ。うう、とても可愛い。
 ユミ「事件のカギはやはりあの特別授業ね」
 うーん、いや、だから、この段階で生徒たちの家庭内暴力を片岡によるものだと断定するのは少し……
 と、そこへ絶妙のタイミングでケイに電話がかかってくる。
 店員「渋川ケイ様、お電話ですぅ」
 この店員さんがちょっと可愛いが、クレジットはないので本物の店員さんかしら? 単なるエキストラにしても台詞があるならクレジットされる筈だと思うのだが。 
 19話に台詞はないけどクレジットされている看護婦役の恩田真美(JAC)さんかとも思ったが、よく分からない。別人のようでもあるし。
  
 ケイ「あ、はい……誰かしら」
 と、ケイは素直に応じているが、普通、喫茶店にいて、そこに名指しで電話がかかってくるか? そんなのは家族を誘拐されて身代金を犯人の指示で運んでいる人間ぐらいにしかふりかかってこないシチュエーションだぞ。

 それに、これは片岡先生からのラブコールなのだが、何故そんな場所でマイコンを発動させようとしたのだろう? ケイの親を襲撃させるのが目的なら自宅にいるときにやったほうが好都合だし、この場合ではマイコンの一部始終を他人に目撃されてしまうことになるのだから、百害あって一利無しであろう。もっとも、おケイちゃんの場合、両親はいかにも学園の方針に反対している真面目なひとたちだという感じは受けるので、彼女が標的になったこと自体は納得できる。

 ちなみに片岡先生、この喫茶店が見える公衆電話からかけてるんだろうな。
  
 すたすたと近付いて電話に出るケイ。この時、店員に軽く頭を下げて「すいません」と小さな声で礼を言うのがいかにも優等生的で、らしいなぁ。
 仮に店員が恩田さんなら、ケイは自分のスタント役と会話しているわけで、なんか面白い。全然違う人かもしれないが。
 ケイ「もしもし」
 小さくて見えにくいが、空いた左手で右ひじのあたりを押さえると言うやや気取ったポーズで電話を持つケイ。
 無論、受話器の向こうからは片岡先生の英語の詩の朗読が聞こえてくる。
 真面目に特別授業を聞いている彼女なら、すぐ相手が誰か分かっただろうが、これを聴いた瞬間、意識が飛んでいるので、後で目が覚めても分からないと言う仕組み。
 一瞬固まった後、瞳が上に移動する。
 完全に逝っちゃった模様
 何事かとやや怪訝そうに見守る二人。どうでもいいが、ジュースが全然減ってないな。
  
 わざとらしく受話器を落とすケイ。この時、妙に指が長く見える。いや実際、長いんだけどね。
 床に乾いた音を立てて落ちる受話器を追って、カメラはケイの足元も映すが、後藤さん、足首も細くていいよね。
 思わず立ち上がるふたり。
 ゆっくり振り返るケイ。既に寝不足メイクが完了しています。危険です。

 ここ、面白いのは、ケイが明らかにカメラのほうを向いてひと睨みして、それからまた向こうを向いて出て行ってしまうところだ。
 まあ、ここでCM前なのではっきりと見せておく必要があったんだろうけどね。
 DVDで繋ぎ目なしで見ていると、ちょっと不自然である。
 再びターンして店を出て行くケイのうなじを映しつつCMです。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 はいCM明けました。
 先ほどのシーンの続きから、喫茶店からずんずん出てくるケイ。
 なお、喫茶店の名前は「SAKUMA」で、午前11時〜午後11時営業です。
  
 慌てて追いかけるユミたち。
 ルリ「おっケイ〜、いったいどうしたのさー?」
 ユミ「ケイ、誰から電話だったの?」
 こういう場合でも、ケイの指先はピンと伸びているし、歩く姿勢も美しい。

 なお、細かいことだが、ルリがちゃんとケイのカバンを持ってついて行くのが見える。
 確かにこの豹変は異常だけど、これくらいのメイクなら、今だったら大して珍しくもない感じだ。
 ケイは、公園の噴水を手前に見ながら歩いていく。彼女はやはり、親を襲えと言う命令に従い、自宅へ向かっていたのだろうか。
 ルリ「どうしちゃったのよぉ、まるで別人じゃんか」
 二人は走って追い越して、ケイの行く手を遮る。
 ユミ「別人なのよ、きっと」
 ルリ「えーっ?」
 ユミ「体はケイでも心は誰かに操られてるんだわ!」
 ルリ「まさかそんな」
 ユミ「とにかく、はやいとこケイの目ぇ覚まさなくちゃ大変よ!」
  
 ルリ「おケイ、あたしよ、目を覚ましなってば! このわからず屋!」
 と叫び、肩を突いてから、ケイに往復ビンタを喰らわすルリ。ただ、「わからず屋」という表現はこの場合ちょっと違うんじゃないかと。
 が、あっさり反撃される。
 ルリ「ああんっ」

 元々おケイちゃんは背が高く手足も長いので結構強いのであった。肩を突き飛ばされて、ルリが噴水の中に突っ込む。
 若干、山本さん、笑ってるようにも見える。
  
 ここは、後ろ姿だけ見せてスタントがやっても良さそうだが、ノーカットでちゃんと本人が飛び込んでいるのがえらい。
 ルリ「なにすんだよもう」
 水の中にうつ伏せになったまま、罵るルリ。結構色っぽいシーンである。第8話のスカートめくり、第12話のバニー姿、第13話の水着姿と並んで。
  
 ルリを投げた後の体勢、つまりやや俯き加減のケイの背中に、ユミが「おケイ!」と強く呼びかける。ユミが「おケイ」と呼ぶのはこれが最初かな。
 が、押さえようとしたユミも簡単に吹っ飛ばされる。ケイのおへそが見えそうだ。
 最初の二人もそうだったが、催眠状態になると、パワーも普段より増すのだろうか。
  
 ユミ「あ゛ーっ!」
 勝ち誇ったようなケイの顔が、一瞬、土屋アンナっぽくなる(どこがじゃ)。
 そのまま仙道さんも、水の中に突入する。
  
  ルリ「冷たい、キャーッ」
 二人してずぶ濡れになる、の図。中山美穂だったらあっさり拒否しそうなシーンだ(偏見です)。
 まあ、オンエアは11月でも、撮影は9月くらいだと思うので、見てるほどには冷たくはなかっただろう。

 ただ、ロケの性質上、リハーサルとかリテイクは難しいので、撮影は大変だった筈だ。

 ケイはさらに今度は大きな石を持ち上げて二人に投げようとする。しかし、片岡の与えた命令はあくまで「親を襲撃すること」の筈で、彼らに対してそこまでするのはちょっと変であるが。
  と、そこへまたしても神出鬼没のミホが登場。
 ミホ「ケイ!」
 振り上げたケイの腕を押さえ、石をケイの腕ごとはじきとばす。
  この時、軽々と石が宙を飛んでしまうのはご愛嬌。
  
 ミホ「目を覚ましな」
 そう言ってミホはケイの頬を引っ叩くが、この時、ミホもケイも思わず目をつぶってしまっている。
 夢見るような顔で、画面に向かって飛んでくるケイ。ちょっとブサイクになってしまうのが残念。
 しかし、考えたら、凄い威力である。まあ、第1話ではユミを一方的に倒しているのだから、ミホも力はあるのだろう。

 ちなみに、ミホがユミ以外の女性レギュラーの名を呼んで直接話しかけるのは、極めて異例である。彼女が同盟に加わる終盤までは、多分これが唯一のシーンだろう。そもそも彼らが顔をあわせること自体、滅多にないから当然なんだけどね。雄太の場合、第1話とか第13話とか結構ある。 
 ミホに噴水に投げ込まれるケイだが……明らかに自分から飛び込んでおるな。まあ、ここではスタントは使いにくいし、さっきも言ったようにリハーサルも難しいし、そもそもアクション俳優ではない後藤さんに自然な動きを要求するのは酷だろう。
  
 派手に水しぶきを上げて落ちるケイ。
 後藤さんの大柄な身体で結構な量のしぶきが先住民のユミ、ケイに襲い掛かる。

 際どい角度だが、当時のスカートの長さなのでパンツが見えるようなことはない。良かった良かった(泣)。
  
 ケイ「キャーッ!」
 金切り声を上げるケイ。
 ユミ「おケイ!」
 ルリ「おっケイ!」
 口々に名を呼んで気遣う二人。
 ケイ「あれっ、どうしたの一体?」
 なんとなく、品のないポーズになって、素っ頓狂な声を上げるケイ。
  
 ケイ「ユミ、ルリ、なにこれ、水泳大会ーっ?」
 すっ呆けた台詞で、ケイが正気に返ったことが分かる。

 この場面での後藤さんの芝居、監督からマイコンが解けて正気に戻ったと言う演技を要求されたんだろうけど、正気に戻りすぎて、ケイと言うよりむしろ後藤恭子さんの素に近い(?)キャラになってしまっているのが、とても面白い。無論、自分は後藤さんの素顔など知らないが、時折見せるくしゃくしゃの笑い顔から察しても、普段はこんな明るい感じなんだろうなと言うのが想像できる。
 また、マニアはここで、喋りながらケイが水面に浮いているスカートの裾をたぐりよせるように直す仕草に、そこはかとない色気を感得しなければならない。次のカットに移る間際、ユミがホッとした表情になっているのも注意。この撮影、相当きつかったんじゃないかな。

 なお、中山美穂は実際はこの噴水のところには来ておらず、別のところで後藤さんと別撮りしていたのではないかと思うのだが、よく分からない。


 場面はユミの部屋に移る。ミホもいる。

 そう、珍しくというか、初めてミホがこの部屋にいるのである。しかも平然と。ちなみに、以後、ユミとふたりではここで会うこともあるが、ルリたち全メンバーと揃ってこの部屋にいるのは、このシーンだけである。

 ルリにしてもケイにしても、ミホのことを理事長の娘と言うことで毛嫌いしているのは変わらないが、今回に限っては彼女に助けられたことは紛れもない事実だから、彼女を排斥しようなどとはさすがにできなかったのだろう。ただ、だからといって彼女を受け入れているわけではない証拠に、一緒の部屋にいても、ルリとケイがミホと直接会話を交わすことはないし、それどころか目もあわせない。言ってみれば武装中立のようなかたちだ。ミホにしても、この段階で彼女たちの味方だとあからさまに示しているわけではなく、単に今回のマイコン事件について第三者の立場で解説しているだけだしね。
 ケイ「あの店でウェイトレスに呼ばれて、電話に出て……」
 ユミ「それから?」
 ケイ「それから……だめ! 思い出せない」
 ユミ「うー、だれ(やや巻き舌で)からの電話だったの?」
 ケイ(首を振りながら)「全然覚えてないわ」

 それぞれ私服に着替えているが、全員違う色なのがいかにもテレビっぽくていい。
 ユミの、「だれ」と言う発音、仙道さんの独特の発音のサンプルになると思う。表記するのは難しいが、「どぅぁれ」みたいな感じで、これは実際に聞いてもらわないと分からない。

 次いで、
 ユミ「この間の二人、そしてケイ、共通するのは特別授業と電話ねえ……」

 ……と、おっしゃるのだが、ユミは二人(田崎豊と矢野いずみ)が豹変する直前に電話を受けたことをどうやって知ったのだろう。以前の四人が喋っているシーンではそこまで詳しい情報はなかったはずだが。まあ、各家庭に直に聞きにいったのかもしれない。

 ここで、雄太が重要な手掛かりを口にする。
 雄太「そういやさ、俺んちにもおかしな電話があったぜ」
 ルリ「ちょっとー、ほんとだろうねえ?」
 雄太「ああ、いきなりわけのわかんねえ英語しゃべりやがってさぁ」
 ルリ「英語ぉ?」
 ユミ「ケイ、特別授業で、たしか英語の詩を暗誦してぃるんだったわね?」
 と訊かれたケイは、後ろのカバンからプリントを取り出して渡す。

 先ほどのシーンで、ルリがケイのカバンを持っていないと、ケイのカバンがどこから来たのかという細かいツッコミを招いてしまうところだ。
  
 ケイ「ええ……バイロンのソングって言う、詩よ」
 ユミ「ジュルイズライブレス…………マインドコントロール!」
 詩を少し読んでから、つぶやくユミ。しかし、詩を見ただけでなんで一足飛びにそういう結論に達するのか、謎だ。
 ところで、後ろにセーラー服が三着かけてあるが、無論これは先程びしょ濡れになった三人のものである。こういう細かいこだわりが好き。
 それと、ケイの腕が長い。

 雄太の「なんだいそれ」という質問に、待ってましたとばかりカバンから適当な本を取り出して解説を始めるミホ。
  
 ミホ「一種の催眠術ね。脳に命令をインプットしておいてキーワードを聞かせると、すぐに催眠状態に陥ってその命令に従うようになる。恐らく命令は親を襲撃すること、そのキーワードはバイロンの詩」
 と、言うことらしい。

 しかし、ミホの話だと、催眠術=マインドコントロールということになりそうだが、
 マインドコントロールは、もっと長期間の直接的な心理的・行動的な働きかけで人の心を操るものだろう。ここではどう考えても催眠暗示のほうが正しいのではないか。

 問題なのは、肝心の命令がいつ吹き込まれたかということだ。特別授業では、詩を朗読させて、たぶん催眠状態になっているという設定なのだが、そこから「親を襲え」という命令が植え込まれた形跡がないのだ。ま、無理矢理こじつければ、サブリミナル効果みたいに聞こえないけれど脳には届いているメッセージが、たとえば片岡先生の髑髏の握りから発せられていたとかね。

 それと、もうひとつ、ドラマでは2回特別授業の風景が出るが、最初の二人は1回だけで催眠状態になって、電話で同じ詩を聞いたら暴力を振るっているのだが、それ以外の生徒は2回目の特別授業で詩を耳にしても、全然反応がなかった。さすがに、対象を二人に絞って催眠状態にするのは難しいだろう。

 とにかく、催眠術だとしても、納得できないところが多いのだった。
 雄太「そのマインドコントロールとかって言うのを利用した奴は……」
 ルリほどこだわりのない雄太が、直接ミホに尋ねる。ただしそれに答えるのはユミである。
 ユミ「片岡よ。片岡は校長に雇われ、生徒を操り、校長のやり方に反対する父兄に制裁を加える気だったんだわ」
 ルリ「家庭内暴力に見せかけるつもりだったんだ、卑怯な奴!」

 ただねえ、あくまでこれらは状況証拠でしかないし、そもそも電話で詩を朗読してきたという確たるデータもないわけだ。雄太の受けた電話だって、単なる外人の間違い電話だったのかもしれないのだし。ま、この後すぐ、片岡先生が自分から白状してくれるので結果良ければ、なんだけどね。
 雄太「ちっきしょうあのステッキ野郎、もう許さねえぞ!」
 なぜだか、急にいきり立つ雄太。

 これが、実際に操られたケイだったら怒るのも当然なのだが、直接被害のない雄太が激怒するのは少しおかしい。

 で、さらに、
 そのままひとり部屋飛び出していってしまう。こんなに行動的な雄太も珍しい。「雄太!」と、声をかけただけで座ったままのユミも変ではある。
 ケイ「でも変だわ。何故雄太だけキーワードを聴いても平気だったのかしら?」
 暢気に疑問を口にするケイ。
 この堅苦しい話し方と、先程の噴水でのひっくりかえったような話し方とを比べると、ついつい笑ってしまう。

 で、ここ、意外と見過ごしがちだが、ケイの膝小僧から太腿まで結構良く見えるのだった。秋から冬の物語で、全体に露出の少ない衣装の多い「反逆同盟」では、マニアにとって貴重である。

 それを受けて、
 ルリ「パープリンだからじゃないの?」
 ケイ「あ、カボチャヘッドね」
 ルリ「そ、英語全ッ然ワカリマセ〜ン」

 相変わらずひどい言われようであった。
 でも、ここのルリの馬鹿にしたような台詞回しは魅力的である。

 ちなみにカボチャヘッドという言葉は当時流行っていたのだろうか。あるいは英語がテーマなのでそれに合わせて言ってるのだろうか。
 ミホはそういう会話を尻目に、黙って部屋を出て行ってしまう。
  
 降りしきる雨の中、「確かあの野郎のヤサはこの辺だったはずだけどなぁ」と心の中で言いながら住宅街を走る雄太。
 既に(何故か)片岡の住所までチェックしていたらしいが、ユミの部屋から近いのだろう。

 しかし、特に前半では、「反逆同盟」は雨が多く降っているように感じられる。2話の戦闘シーンや、ここのシーンなどが印象的だからだろうが、字際に、撮影は割と雨に祟られたのではないだろうか。

 どうでもいいが、雄太は片岡先生のうちにいって何するつもりだったんだろう。証拠もないのに押し掛けても、かえって警察に通報されるだけだぞ。だいたい、雄太ひとりでは勝てないだろう。
 雨に濡れてちょっと幻想的な夜の交差点。
 と、雄太の耳にステッキの音が都合よく聞こえてくる。
 雄太「あっ、あの音は?」
 音のするほうへ曲がるが、その先は踏み切りで、誰もいない。
 雄太「あれ、たしかこの辺から聞こえてきたんだがなぁ……」
  つぶやきながら雄太が振り返ると、ほとんど特撮ヒーローの怪人のノリで片岡先生がでーんと立っていた。
 しかし、この雨の中、片岡先生は傘も差さずに何をしていたのだろうか? 雄太が自分を探しに飛び出してくるなんて予知できるわけもないのに。
 雄太「か、片岡!」
 片岡「合田雄太君、君は何故私が与えた眠りを受けなかったのかね……君も特別授業に出席して、あの詩の虜になっていたはずなのに」
 雄太「生憎だったな、俺は英語は英語でも詩よりロックの方が好きなんだよ」
 雄太はポケットから携帯カセットプレーヤーを取り出して「種明かし」する。それにしても、用意のいいことで。
 雄太の言葉に、回想シーンに入る片岡先生。
  
 そこで、今まで伏線として出ていた雄太の授業中の様子が、シンナー吸ってるマユミを前景に映し出され、最後にイヤホンの挿してある耳元がクローズアップされる。

 そう、彼は授業中、洋楽を聴いていたのだ。
 もっとも、片岡先生は実際は目が見えるのだから、堂々とああやって聴いてたら、気付きそうなものだが。
 ちなみにイヤホンのメーカーはビクターである。

 雄太「へへーんだ、あんたのマインドコントロールなんかちっとも利いちゃいなかったのさっ」
 自慢げに話す雄太をじっと見据える片岡先生。それにしても凄い髪型だ。これもアクションの際のスタントを考慮してのことだろうか。
  片岡「許されん、そんなことは許されんのだ! 私が眠りを与えた者は皆私の可愛い操り人形とぉー、ふっ、ならなくてはいけないのだ、フンッ」
 この時のハントケーシーさんの台詞回しは絶品である。うまいんだよね、このひと。
 「ンなもんになってたまっかよってんだ」と宣言する雄太。
  
 片岡は、すかさず一歩踏み出して、ステッキの先で雄太の注意をひきつけ、不気味な笑いを漏らしつつ直接催眠術にかけようとする。
 片岡「さあ雄太、このステッキをようく見るのだ、フフフフフッ……」
 トンボを捕まえるように、顔の前でステッキの先をぐるぐる回す。
 片岡「合田雄太、お前は私の特別授業の邪魔をした。反省をするのだ」
 うつろな目で、
 雄太「はーい……」

 はい、操り人形になりました。所要時間30秒。どんだけ単純やねん。
  
 片岡「自分の頭でその壁を打ちなさい……左だ」
 雄太から見た「左」と指示する親切な片岡先生。
 片岡「ふっふふ、打つんだぁ、はっははは、ははっ、そうだそうだ打て、打てぇ!」
 片岡の命令どおり、コンクリートの壁に何度も頭を打ちつける雄太。カツーン、カツーンと乾いた音が響く。
 何度もやっているうちに頭から血が出る。ここは地味だけど、割とハードなシーンだ。繰り返して書いているが、第6話まではこういう流血シーンがしばしば見られる。
 片岡「ふっへっへ、もっと強く打つんだ! あはははははっ! はははっ、あはっ、あははははっ!」

 この、ハントケーシー氏の演技ほどのテンションの高さは全エピソードを通してもなかなか見当たらない。素晴らしいの一語。
 と、先程の踏切でランプが点滅しだす。
 片岡「さあ雄太、今度は電車に乗るんだ……踏み切りの中で電車を待ちなさい」
 これって、殺すと言うことだよね。さすがに殺しはまずいと思うが、片岡はどこまで本気だったのだろうか。

 片岡の悪魔的な命令に対し、一心不乱に壁に頭をぶつけていた雄太は虚ろな声で「はーい」と応じる。
  
 ふらふらしながら、踏み切りに向かって歩き出す雄太。
  考えたら、雄太って、序盤はズタボロにされてるね。
 1話で体罰・リンチ、2話で拷問、4話でこれだもんなぁ。

 ところで片岡先生、これだけ優れた催眠術が使えるのなら、わざわざあんな特別授業だとかしないで、対象の生徒一人一人に直接こうやって催眠術かけていけば良かったんじゃないの?
 片岡「どんどんどんどん進むんだ。ははははっ、その下をくぐって進むんだ」
 と、同じ位置から指示を出す片岡だが、その声では雄太には聞こえないと思うんだけどね。
 雄太は耳が良いのか、指示通りに動く。もっとも、最初の「踏み切りの中で待て」と言うのを実行するには、くぐるしかないので当然なのかもしれない。
 すぐそこまで近付いてきた電車。
 ちなみに次は「新宿」である。とすれば、京王線の、初台から新宿の間か。
 もっとも、この電車の映像と、雄太たちの映像が同じところで撮られているとは限らないのだが。 
 ふらふら雄太がバーをくぐろうとしたまさにその時、
 突如現れたミホが、(セットの)電柱の陰からバラを投げる。

 ………………

 片岡先生に向かって
 
 ……え、なんで?

 た、確かに、結果的には雄太がぎりぎりで止まって、電車が通り過ぎて事無きを得るのだが、普通、片岡が指示を出し続けなくてもそのままいっちゃうだろう。この場合、なによりもまず雄太の正気を取り戻させるために、雄太に向かって投げなくてはならなかったのではないか。と言うか、バラを投げる前に、自分で雄太のところへ行って引き止めればいいのだ。自分の正体(?)を片岡に知られたくなかったにせよ。

 ただ、いつもは神出鬼没のミホだが、このシーンについては、ちゃんと雄太の後を追って出て行くという前振りがあるので自然である。

 で、ミホの思惑通り、片岡の指示が途切れると、雄太もピタッと止まる。片岡は別に止まれとは言ってないんだけど……。
 ぎりぎりのところで踏み止まった雄太。しかし、これはちょっと怖いね。本人がやってるんだと思うが……。
 ちなみにこの時、通り過ぎる電車の車体にカメラと音声さんみたいなスタッフの影がはっきり映り込んでいる。
 片岡「目が、目が見えん……あっあっあっあっあっあっ……」
 とにかく、狼狽しながらよたよたと反対方向へ逃げていく片岡先生。
 ミホ「目が見えない?」
 片岡が盲目でないことに気付くミホだが、それをユミたちに知らせなかったと言うことが、すぐ後になってわかる。
 うーん、でも、この時までミホは相手が盲目だと思っていたわけで、だったら目潰しとしてのバラ攻撃は無意味だと知っていた筈なのでは……。まあ、バラの爆発のショックで妨害しようとしたのだろうか。
  
 で、片岡とほぼ入れ替わりに、左からタイミングよく走ってくるユミとケイ。曲がり角のところで、ケイが左手をぐるぐる回し気味になるのが可愛い。
 しかし、何故かルリはいない。スケジュールが合わなかったのか。6話でもセット撮影に参加していないので、当時、多忙だったのか、あるいは体調が悪かったのか。

 遠ざかる片岡を一瞬見て、それから雄太を見付けて驚く二人。
 ケイの服は、ドルマン・スリーヴ。むささびみたいである。
  
 ユミ「雄太!」
 ケイ「雄太っ」
 慌てて走り寄る二人。
 その頃、やっと電車が通過する。雄太は前屈みの姿勢を保持している。
  
  ユミ「危ないじゃないのよ、雄太ぁ!」
 ケイ「何やってんのよ!」
 大仏のようにかたまったままの雄太を左右から抱き起こす二人。
  ケイ「まあこんな血を流して」
 びっくりするケイだが、この時、左手を鼻と口の間にあてるのが、第2話の時と同様、後藤さんの癖なのだろう。もっとも、これ以降はあまり見られなくなるが。
  ユミ「何のパフォーマンスよ?」
 雄太の、差し上げられた左手をぐいぐいと押して元に戻そうとするユミだが、バネ仕掛けのようにすぐ戻ってしまう。
  
 ユミ「もうー!」
 ユミが雄太の頬を軽く数回叩くと、
 雄太「う、いてっ! いてえよ!」
 やっと正気に返って、頭の痛みに苦しみだす雄太。
 それを見届けてからミホは立ち去る。だから、そこで片岡の目に付いて教えてあげないとダメでしょ。
 あ、よく考えたら、セットにいるので、ユミたちのところへは物理的に行けないのだった。
  
 ケイ「まあ、目が覚めたわっ」
 両サイドからユミとケイに介抱される雄太。うらやましい。
 ユミ「片岡の奴、人間じゃないよ。絶対許さない!」
 中盤の「調べてみよう」と同様、バトルシーンの前の「絶対許さない」も一種のパターンとなっていく。必ず口にするわけではないが。


 場面変わってどこかの小料理屋の個室。
 葉巻の煙をぶわーっと吐いて、
 校長「計画の方は大丈夫なんでしょうな? ミスターKC片岡」
 片岡「ご安心ください。少々邪魔が入りましたが、私の計画はこれからです。今に全校生徒を思うがままに操って見せます」
 と、先ほどの醜態はなかったことにして、自信満々で請け負う片岡。そしてやおら立ち上がって、部屋を出て行こうとする。
 校長「どちらへ?」
 片岡「神聖な場所ですよ。私の力の源は髪が神が与えてくれるのです」

 片岡先生の計画はもっと壮大なものだった。つまり反抗的な親のいる生徒のみならず、全生徒をマインドコントロールして支配してしまおうと言うものだった。しかし、かなり大変そうだし、何もそこまでしなくてもいいんじゃないかと思うのだが。

 それと、校長が敬語でしゃべっているということは、彼を雇ったのは校長ではなく、理事長自身だという推論も立つ。まあ、もともとミホの家庭教師だったということは、その時点から理事長とはつながりがあったわけで、そう断言してもいいだろう。
 加えて、神がどうこう言っているので、何か宗教にかぶれ、それで人が変わったのだろうかと言う大雑把な推測もできる。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
  
 さて、恐らく翌日の明け方だろうが、森に囲まれた教会みたいな建物の前で祭壇を作って念じている片岡先生。
 周囲には霧が立ち込め、ついでに虫の声も流れている。

 ここは昔の特撮ドラマのロケにもよく出てくる建物だが、自分はよく知らない。
 聖書に出てくるような文句をひとり語り出す片岡先生。目の前にはワインを注いだグラスも置いてある。

 食事が終わる時、杯を取り、再び感謝と賛辞を与え、杯を弟子に与えていいたまう、
 「これはわが血なり、永遠の契約の血であり、信仰の奇跡である!」


 これは正確にはどこから採っているのか、ドラマでの創作なのか、その辺の知識が皆無な自分には見当も付かない。ま、これを言ってるのはイエス・キリストだろうとは思うが。

 と、直後にユミの涼しげな声が背後から響く。
 「そんなに血が見たいのですか? ミスターKC片岡」
 片岡の反応は早く、ユミの台詞が終わる前にステッキを持って振り向く。目の前には、戦闘スタイルを装った反逆同盟の三人が立っていた。
 ただ、彼は別に血が飲みたいとか言ってたわけじゃないので、ユミの台詞は言い掛かりに近い。

 反逆同盟が、登場時にバックの強力なライトがないまま登場するのも、珍しいのではないか。こういう特殊な環境だからこそだろう。
 
 片岡「誰だお前らは?」と、もっともなお言葉。

 まってましたとばかり、スカートを捲り上げて鉛筆を抜いて構えるルリ。
 ルリ「闇の中でのさばり続ける悪党ども」
 本編では、構えたところで止まっているが、OPでは投げるところまでやる。ただし、テイクは全く違う。
 ルリの台詞は、相手が複数だろうが単数だろうが同じである。「悪党」で止めるのはちょっと変だからだろう。
 ケイ「てめえらのようなワルは許せねえ」
 逆に、ケイの場合、相手の数によって「てめえら」と「てめえ」を使い分けるのだが、初期の頃は、ぜんぶ「てめえら」で統一している。
 いつ見ても、ケイのメイクは猫のひげみたいでユーモラスだ。
 ユミ、拳をまずお腹の辺りでクロスさせて、
  
 ユミ「天に代わって」拳を構えつつ「成敗する!」
 このとき「せいばい」の「せ」の発音がちょっとかすれ気味。
 三人「セーラー服反逆同盟!」
 今回はまたケイが向かって右側に立っている。以降はこのポジションで固定される。
 片岡「You Bastard!」(こんちくしょう!)
 極めて英語教師らしい反応。

 と、普通のバトルとは違い、最初に雄太が駆けつけるというシーンが続く。
  
 雄太、別のお堂のような建物の陰から走り出て、ダブルデッキのラジカセを置き、「チャララーン」という有名なクラシック音楽を大音量でかける。自分、恥ずかしながらこの曲名を知らないのであった。調べておきます。というか、教えてください。(調べました。「トッカータとフーガ ニ短調」ですか?)

 これは、相手が目が見えず聴覚に頼っている(と信じている)ので、音楽で撹乱しようと言う差別的な作戦であった。

 なお、第3話に続いて雄太がバトルシーンにいるというので、当初はやはり雄太もデフォルトで参加するということだったのだろうか。第5話でも戦いの直後に現れるしね。だが、第6話以降は一切顔を見せなくなり、例外的に第13話で速水典子を助ける姿が見えるくらいだ。

 音楽にあわせてルリとケイは左右に離れる。
 ほんとは全然困らないのに、「おのれっ」と怒ってみせる付き合いのいい片岡先生。
 ユミ「目の見えないあなたにとっては耳だけが頼り……」
 ちゃんと、雄太が頭に包帯しているのが当たり前と言えば当たり前だが、いつもながらきっちり作ってあるなぁ。
 ケイ「これでわれわれ(やや噛み気味)の動きはつかめないわ」
 「反逆同盟」が自分たちのことを「我々」と言うのは、多分ここだけだと思う。
 ほんとは目が見えるのにいちいち「ガッデム」と怒ったふりをする片岡先生。お茶目だ。

 ルリも、柱の陰から飛び出して、
  
 ルリ「喰らえ!」
 と、得意の鉄製鉛筆を投げる。
 宙を飛ぶ鉛筆。ただし、背景は明らかに昼である。
 しかし冒頭のナイフのように、鉛筆もあっさりと弾き飛ばされる。
  
 ルリ「ちくしょ〜う」
 毒づいて二本目を投げるが、これも簡単にステッキで払われてしまう。目が見えているといっても、凄いんだけどね。しかもサングラスごしだもの。
 ケイも負けじとチェーンを投げつける。
 ここでは、スカーフとチェーンを引っ張るワイヤーがはっきり見えてしまうのがちょっと残念。
 なお、OPでのスカーフとチェーンが舞うカットも、ここで撮られたものが使われていると思う。こちらもテイクは異なるように見える。
 無論、ケイの攻撃もステッキで撃墜されてしまう。びっくり顔のケイ。
 同様に驚くユミと雄太の顔を挟んで、
  
 満を持してサングラスを取って、
 片岡「ふっははははははははっ」
 相変わらず良い声で高笑いし、実は目が見えることを明かす。ほんと、この人の笑い演技は素晴らしいです。レギュラーになって欲しいくらいだ。

 しかし、なんでミホはこのことをユミに知らせなかったのだろう。まあ、ユミに伝える前に闘いになってしまったので結果的に言いそびれてしまったのだろうか。
 ただ演出的にも、この事実をミホに知らせないのなら、さっきのシーンでニセめくらだと視聴者に教える必要はない。単にジャマするだけで良かったはずだ。校長との対話でもね。で、そのままこのシーンにつなげれば、ユミたちだけでなく視聴者も同様に驚く楽しみが味わえたのに。それに、ユミたちが誇らしげにラジカセ作戦を展開しているのがバカみたいに見えてしまうしね。ここもシナリオの瑕疵である。
 ユミ「目が見えるのね」
 ケイ「カモフラージュだったのね。暗示効果を高めるための」
 カメラが左にパンしてルリを映す。
 ルリ「騙しやがったなゲス野郎!」

 ほんと、今回のルリの口の悪さは度を越えている。他の二人が優しい上品な喋り方なので、余計際立つ。

 ただ、ケイはああ言ってるが、本人が盲目だと称してサングラスしてても暗示効果を高めることにはならないんじゃないかな。
 ちなみに、そう言いながら何気なく、スルスルとチェーンを巻き戻しているおケイでした。
 ステッキを振って剣のように構え、じりじりと迫る片岡先生。
 作戦的には無意味だったラジカセから流れる音楽が、まだ続いていて、効果的なBGMの役を果たしている。
 目論見が外れたせいか、気圧されて、あとずさる三人。
 片岡先生、くるりとステッキを持ち替えて、握りのドクロを誇示するように前に出す。
 緊張を高めつつ、身構える三人。
 考えたら、ケイの頭のリボンって戦闘には似つかわしくない可愛らしさだね。

 そして……、
  
 トンズラする雄太

 で、この時のショックでラジカセがとまり、音楽も途切れる。
 そのタイミングで、
 片岡「うわぁあああっー!」
 雄叫びを上げながら猛然と襲い掛かる片岡先生。催眠術はさすがにこういう状況では通用しないのだろう。 
  
 片岡が襲い掛かってくると、次の瞬間には林の中に戦場が移る。ま、基本的に同じところで撮影してるんだと思うが。
 最初はBGMなしで、ロングでの乱闘になるが、全員スタントだろう。
 このカットはOPでも使われているが、テイクそのものは異なる。わかりづらいけどね。

 中盤以降のパターンだったら、画面が切り替わった瞬間から「Don't Stop Lullaby」がかかりそうなものだが。

 ユミがジャンプして攻撃するが、
 誰だお前は? JACの菊池香理さんだと思うが、さすがにこれはバレバレだろう。
 バトルシーンで、これだけはっきりスタントの顔がわかるのは珍しい。
  
 が、空中で片岡に腹をステッキで払われて、地面に倒れるユミ。ここでは仙道さんにかわっている。

 片岡が追撃しようとステッキを振り上げた瞬間、後ろから飛んできたチェーンが首に巻きついて引っ張る。
  
 ちょっとわかりにくいのだが、ケイはチェーンを持ったまま、そのまま枝の上に後ろ向きで飛び乗る。超人である。無論、フィルムを逆回転してるだけだが。
 この際も、ケイがはっきりと別人だと分かる。恩田真美さんだろう。

 で、このあたりからやっと「Don't stop Lullaby」がかかる。ちょっと中途半端な位置だが、バトルシーンの長さによるものだろう。
 樹上からチェーンでハングされる片岡。演じているのは、たぶんというか、確実にスタントだと思うが。
  
 動きの取れない片岡を、ユミが華麗な脚払いで倒す。
 片岡も、寝転がったまま、ステッキでユミを叩いてぶっ飛ばす。
 さらに、首に巻き付いたチェーンを引っ張って、
 強引にケイを地面に引っ張り落としているのだから、片岡先生も、かなりの強さである。
 地面に落ちたケイを殴り、チェーンをふりほどくが、三対一の戦いになり、苦戦は必至である。
 苦戦の片岡先生だが、起き上がってステッキをぐいっと差し出す。
 ここはハント・ケーシーさんが演じているが、なんか汗だくで別人っぽく見える。
 ←   
 ステッキの先がポンと外れて、中から槍の穂先が出て来る。これが片岡先生の秘密兵器だったのだ。
 で、これが割と効果があって、思わずびびってしまうユミだった。まあ、考えたら当然なんだけど。
  
 ルリとケイも険しい顔になる。
 不気味に笑みを浮かべて近付き、左右にステッキをふるう片岡先生。
  
 結果、ユミのセーラー服の袖が破れて、若干のサービスカットになる。二の腕があらわになるだけだが。

 それでも、戦闘中に服を破かれるのは非常に珍しいシーンである。ちゃんと調べていないが、恐らく今回だけだろう。
  
 さらに攻撃を続けて追い込む片岡先生。これでは単なるセクハラティーチャーだが、仙道さんのワキが見えそうで、ちょっとエロティックだ。
 ステッキ攻撃を懸命にかわすユミ、ここでもワキが見えそうである。そんなにワキが見たいのかお前は。
 うわい、と言う感じで後退するが、
  
 階段に足を取られて転んでしまう。この辺も少しセクシーだ。
  
 ステッキを持ち直して、思いっきり勢いをつけてユミを刺し殺そうとする片岡先生。なんか凄い顔になってるが。

 しかし、殺しはやっぱりまずいのでは?

 それと中盤以降ならば確実にここでミホのバラが飛んでくるのだが、今回は既に踏切のシーンでやっちゃっているので、ここには登場しない。
 代わりに、
 ケイがスカーフ&チェーンを再度投げる。手元でチェーンが「だま」になってるが……
  
 そして、後方に伸ばしたステッキの握りに、するすると巻きつく。
 片岡先生、必死になって外そうとするが、
  
 すかさずルリがホルダーから抜いた鉛筆を投げる。で、いつものように指の間に刺さる。

 ただ、この時、ルリがスカートをめくって鉛筆のホルダーを見せるのだが、この時点で、鉛筆が3本残っている。ホルダーは4本しか入らないのに、戦いの前に既に2本投げているから、ほんとは2本しか残ってないはずだけだ。細かいことだけどね。
 その隙を逃さず、ユミは立ち上がって右ストレートを放つ。
  
 さらに繰り出した右腕の裏拳で殴った後、激しい一撃を腹に叩き込む。

 口から大量の血まで吐く片岡先生。全篇を通しても、こういうバイオレンス描写はここだけだと思う。
  
 そして、左拳を片岡の顔面に打ち下ろす。どう見ても頬の横を素通りしているが、片岡は吹っ飛ぶ。
  
  
 自ら歌うおしゃれなラブソングをバックに、渾身の右ストレートをスローモーションで放つ仙道さん。
 空手の訓練もさせられていたらしいので、なかなかさまになっている。
  
 三人に囲まれながら、ゆっくりと、崩れるように倒れる片岡先生。ご苦労様でした。
 戦い終わって、肩で息をするユミ。
  
 同様に、荒い息遣いのルリとケイ。三人並べて見ると、やっぱり後藤さんが一番下手だ。演技は初めてなのだから、当然だけど。
  
 三人は、お尻を並べて斜面を上がり、現場から去って行く。
  かっこいいのだけれど、衣装のせいか、はたまたアングルのせいか、仙道さんがちょっと出っ尻に見える。
 ケイのスカーフが元に戻っているのは、戦いの後で、下の仕事をしている間に直したのだろうか。
 成敗された片岡先生が、十字架に磔にされている様子が映し出される。
 「オー・マイ・ゴッド、ヘルプ、ヘルプ・ミー、マミ〜」と、急にしおらしいことを空ろな目でつぶやく片岡先生。

 これは、雄太はさっさと逃げ出しているので、三人がやったのだろうか。
 ただ、片岡をこのまま放置して行っていいのか? どういう施設なのか分からないが、人が来なかったら死ぬぞ。

 今回、戦いが始まるまでに色々あるので、長く感じられるが、実際のバトルシーンは極めて短い。全作中でも最短ではないか。それでも片岡先生は敵としては強い部類だろう。なにしろユミの衣服を裂いた唯一の敵だから。

 で、結局片岡先生はどうなったのか、劇中で語られることは無論、一切ない。

 さようなら、片岡先生。楽しい思い出をありがとう。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 平和が訪れた黒鳥学園の登校シーン。
  BGMは軽やかな「Don't Stop Lullaby」のピアノバージョン。
  
 ユミが、後ろから駆け寄って、本を持つ手で雄太の肩を軽く叩く。
 ユミ「おはよう」
 雄太「よお!」
 一見、たくさん生徒が歩いているようだが、画面の奥、道路の先を見ると誰もいない。
 ユミ「どう、頭の具合?」
 雄太「うん、もうだいじょぶ、中身までは良くなんなかったけど」
 ユミ「うふふっ、そっ、よかった」
 なんか良い感じだな。
  
 ユミの持っている本に気付いて、
 雄太「なんだいそれ」
 ユミ「えっ! 英語の詩集。読むぅ?」
 ユミの「えっ」がやや素っ頓狂に聞こえる。

 その言葉に、
 雄太「か、勘弁してくれよ〜」
 と、叫びながら走りだす雄太だった。逃げてどうする。

 ユミも、ネタの為にわざわざそんなもん用意してきたとしたらかなりの使い手である。
 ただ、雄太の場合、トラウマになるのは催眠術そのものであって、英語の詩はそれほど気にならないとは思うんだけどね。そもそも授業もちゃんと聞いてなかったし。
  
 そんな雄太を見送って「うふっ」と笑うユミ。可愛い。

 再び歩き出すユミの赤いほっぺで「つづく」のだった。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 予告編

 まず、片岡とミホの会話シーン。
  
 左が予告編で、右が本編。
 静止画を貼っても意味がないのだが、予告編では、片岡はミホの姿を見て少し慌て気味に素早く受話器を戻しているが、本編では割とゆっくり戻している。

 もうひとつ、最初に片岡が2-Aにやって来た時のシーン。
  
 左が予告編で、右が本編。
 投げつけられたナイフを弾き飛ばして生徒たちに一目置かれたときのカットだ。予告編では机の上に教科書がない(手に持っている?)が、本編では教科書が見える。

 ただ、テイク自体はどうも同じらしい。つまり、シーンの時系列では右→左になっていて、本編では左のコマに行く前に次のカットに移っているようなのだ。

 まとめ

 今回は、自分としては「反逆同盟」ベスト5エピソードに数えられる傑作である。

 全篇に漂う神秘的で不気味なムード、徐々に剥がされていく事件の真相、ハントケーシー氏や菊地陽子氏のテンションの高い演技、短いけれど小気味の良いアクション、あらわになるユミの二の腕、豊富な場面転換など、第3話の停滞ムードが綺麗に払われた印象だ。

 4人の話し合っているシーンが多いのも、ポイント高い。おケイのマインドコントロールシーンや、三人揃って噴水に飛び込むという、なかなか美味しいシチュエーションもあり、とにかく楽しい作品であった。これくらいの水準を全篇キープしてくれれば、最高なんだけどね。

 不満としては、片岡先生のマインドコントロール、特に大勢の生徒に対する作用の仕組みが明確でないこと、九条と片岡先生が会ってるだけで悪人だと決め付けるユミたちの速断など、だろうか。少なくとも第3話のような無視できない矛盾点は見当たらない。