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第06話 真夜中の処刑遊戯! 前へ 次へ 目次へ
放送日時 1986年11月17日
裏番組 ●月曜ドラマランド「一休さん」
監督 江崎実生
脚本 大川俊道
準レギュ 藤岡重慶、中島はるみ、安岡力也
ゲスト 石山浩/浜渡タツヤ、児玉謙次/代議士・浜渡、平野邦弘/稲葉稔、川原千恵子/稔の妹、
須藤健/医師、渡辺元子/かおり、関由妃代/タツヤのガールフレンド?
予告 ルリの友人・かおりが轢き逃げ事故に遭った。目撃者探しに走り回ったユミ、ルリ、ケイ、雄太は黒鳥学園生徒・稲葉稔をつきとめた。しかし、ユミたちの動きを知って、口封じの為にオートバイの一団が襲い掛かった。「セーラー服反逆同盟」、「真夜中の処刑遊戯!」、お楽しみに!
備考 OPでのケイのチェーン攻撃に効果音は無し。プロデューサー補・安倍夏彦はプロデューサーと同じページに表示。タイトルの!は正確には45度に傾いて表記されたもの。主題歌の三番目に「Lonely Lion」が初めて表示される。
評価    シナリオ ★★ OP前に謎解き要素がほぼ尽きてしまう杜撰さ。
演出 ★★★ 稔につきまとうタツヤたちの不気味さは出ている。タツヤのおやじの傲慢さもステキ。
映像 ★★★★  炎上シーンやバイクアクションが派手。
キャスト ★★★  全体的に地味である。JAC系女優がたくさん登場。
アクション ★★★ バトルシーンでの三人揃ってのでんぐりがえしはちょっと情けない。
総合 ★★ シナリオと編集の失敗が全てである。
アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 第6話。江崎監督が担当した最後のエピソードである。1クールの中間点ということで、ひとつの節目のような回かもしれない。それはラストのユミたちの会話にも象徴されている。この段階では、当然、1クールで完結と言う前提で作っているわけだろうから。

 ただし、節目にふさわしいエピソードだったかと言うと、疑問符がつく。シナリオや編集に大きな穴がある上、学園サイドとの闘争とはほぼ無関係の戦いが描かれているからだ。

 今までとかなり雰囲気の異なるスタート。 
 霧笛が鳴ってます。
 背景の船は、1975年就航の近海郵船フェリー「さろま」であろうか?
  
 埠頭に停まる一台の車。その中でいちゃついている若いカップル。

 タツヤ「君は花よりステキだ……でもね、花は美しいときに散るからステキなんだよ」

 のっけから恥ずかしいことを真顔でほざくのは、今回の主役とも言うべきタツヤ君。
  
 タツヤは喋りながら助手席の女の子の胸元に手を差し入れるが、「いやっ」と拒絶される。
 が、タツヤは負けずに今度はスカートの中に手を這わせる。
 基本的に健全明朗な演出が貫かれている「反逆同盟」においては、なかなか刺激的なカットである。

 ちなみにこの女優さん、恐らくクレジット中の関由妃代さんではないかと思うのだが、はっきりしない。彼女は、高原由姫〜麻生由妃など、ころころと芸名が変わっている女優・歌手らしいのだが、よくわからない。もしそうならこのとき17歳くらいで、年齢的には合致する。顔立ちもなんともなく現在入手できる写真と似ている。

 残る女性は渡辺元子と、川原千恵子だが、渡辺元子についてはほぼ間違いなくルリの友人のかおりなので、候補は川原千恵子しかない。が、こちらはネットで調べてもほぼデータがない。ただ、稔役の平野邦弘と並んで表記されているので、たぶん、彼の妹役が川原千恵子だろうと思う。
  
 女の子「だめっ、やめてってば!」と、遂に怒ってビンタを喰らわす。
 タツヤ「いてぇなー」
 で、さっさと車から降りて走り出す女の子。

 タツヤ「おい、待てよ。さんざん金使わせといて逃げようってのか!」
 と言う情けない台詞からも、女の子も結構いい目を見てるはずなんだけど、この態度の豹変はちょっと不自然だ。
 女の子「何よ、親のすねっかじりの癖に! あんたなんか最低のクズよ!」
 振り返って、剛速球の悪態をつく女の子。

 前半はともかく、後半はさすがに言い過ぎなのでは?
 もっとも、すぐ分かるが、確かにこいつは「最低のクズ」ではあるんだけど……、このシーンに限っては、
 タツヤ「くっそ〜、すかしやがってよぉ」という負け惜しみの方に加担したくなる。
 そのむしゃくしゃを吹き飛ばすために車を走らせるタツヤ。
  
 ちょうど信号が赤になるが、ちらっと上を見てそのまま突っ走るタツヤ。「ちくしょう!」
 アクセルを踏み込むと、
 ナイスタイミングで横断歩道の上に人が!
 タツヤ「あっ!」
 かおり「ああ〜っ」
 ちなみに彼女は渡辺元子さんといって、JACのひとです。
 急ブレーキをかけるが間に合わず、


 かおり「ぎゃあーーーー!」
 叫びながら跳ね飛ばされるかおり。いささか垂直に飛び過ぎているようにも見えるが。

 これは、止まっている車の前の女優を、ワイヤーみたいなもので引っ張り上げて撮ってるんだろうか。
 それはともかく、女性はガードレールにぶつかり、
  
 地面にばったり倒れてしまう。JACらしく、しっかり受身を取ってるんだけどね。
 タツヤ「ああっ」
 のろのろと車から出てくるタツヤ。
 ところで、女の子にふられたのは、ひょっとしてそのウエスタンブーツに原因があるのでは?
 どうしようかなぁとパニック状態のタツヤ。
 女性は倒れたまま動かない。

 タツヤは、そのまま踵を返して逃げ出そうとするが、
 すぐ横の歩道に学生服姿の少年が呆然と立ち尽くしているのに気付く。
 ここでまた霧笛が鳴る。
 タツヤはしばらく相手を見ていたが、視線を左の方へ、たぶん事故現場だろうが、そちらをチラッと見てから、少年を見据える。 
 おめめパッチリ美少年の稔クンも、すくんだようにその場にかたまっていたが、身を翻して猛然とダッシュして去っていく。
  
 タツヤ「おいっ!」
 慌てて追いかけるものの、手遅れ。が、少年が落としていった学生証を拾う。
 うーん、しかし、こういうタイミングで学生証落とすか?
 学生証のアップ。
 何気ない画面だが、黒鳥の学生証がはっきり映るシーンは全編通してここだけなので、資料価値は極めて高い。

 タツヤ「黒鳥の生徒か……」



 ここで、このシナリオの最初の失敗について指摘しておきたい。

 つまり、このシーン、互いにバッチリ目が合っていると言うことは、タツヤは稔に見られたことを知っているし、稔はタツヤが轢いたことも、そしてそれを見たことをタツヤに知られたことも知ってしまったわけだ。つまり、データ上のミッシングリンクが存在しないことになる。しかも、タツヤは目撃者の学生証まで入手して、即座に相手の身元が判明してしまうという至れり尽くせりの展開。さらに、このちょっとあとでは、稔も轢いた男が誰なのかを知ることになる。
 さらに、それが我々視聴者にも惜しげもなく披露されているという過剰な親切設計。

 これが、たとえばタツヤは誰かに見られたのは知っても、それが誰なのかはっきりわからない場合、タツヤの立場からの目撃者探し、という物語の軸が生まれる。
 あるいは、事件の瞬間はぼかして描写し、視聴者に誰が犯人で誰が目撃者かを伏せておくと言う手法もあった筈だ。つまりその場合、「反逆同盟」のメンバーと同じ情報量の元で、犯人捜し、目撃者探しというミステリーを楽しめたはずなのだ。

 それが、この進行ではまるで期待できないため、冒頭から物語が訴求力を失っているとしか言えない。さらに、後述するが、OP後間もなく、「反逆同盟」メンバーも、稔=目撃者、タツヤ=犯人だという図式を容易に推測できるシーンが描かれるのだから、もう終わりである。せめて、「反逆同盟」たちの調査・捜査の時間をしっかり取れば、物語もまだ精彩を取り戻していたかもしれないのだが、それすら打ち砕く最悪の編集である。まだドラマがはじまったばかりだというのに、いきなり話の底が割れてしまった。



 それはさておき、タツヤは被害者をそのままにして、その場を離れ、めでたく轢き逃げが成立。
 次のシーンでは、赤色灯が回転し、救急車がサイレン鳴らして夜の街を走るのであった。
 搬送先は朝日ファミリー病院

 色々と調べたが、現在はなくなってしまったようである。2006年時点では営業していたみたいだが。
 日活の撮影所の近くにあるんじゃないかと思うが、わからない。

 追記・グーグルマップなどで調べたところ、当時のにっかつ撮影所から、多摩川へ向かう通りにあったようだ。ここは19話でも撮影に使われている。
 酸素吸入器を付けられて生死の境をさまよっているかおり。
 それを手前から見守っているルリだが、
 迂闊にも、最初見たときは気付かなかったが、この後ろ姿のルリは明らかに山本理沙さんではなく、別の人である。

 この特徴的な髪型は、JACの田村奈美さんではないかと思うのだが……。さらに、奥の看護婦さんが同じくJACの菊池香理さんで、手前の看護婦さんもJACの恩田眞美さんではないかと、髪型などで推測しているのだが、確信はない。別に全部JACのひとがやる必要はないからね。ちなみにかおり役の渡辺元子さんもJACで、自分の憶測が正しければ、この画面、全員JACの皆さんということになる。
 切り返しのカットでは、ちゃんと山本さんが出るので、普通すぐには気付かないだろう。

 今回、他の場面でも病院内のシーンでは彼女はぜんぶ吹き替えである。病院と言っても、明らかに学園と同じセットに手を加えているので(たぶん)、山本さん、スタジオに来られなかったのだろう。他のシーンはだいたいロケなので、間違いないと思う。スケジュールがあわなかったのか、セット撮影の日に体調が悪かったのか、理由は不明だ。

 ついでにここで記しておくと、今回、黒鳥学園の2-Aの教室内が一度も出てこない回なのだ。
 ICUのプレート。しかし、親族でもないルリが中にいていいのか?
 外の廊下には、黒鳥学園の廊下を改装しただけとしか見えないが、ユミとケイが立っていた。
 ユミ「そう、ルリの中学時代の友達だったの」
 ケイ「つるんで、番はってたらしいんだけど、今はマジに美容師の見習いをしているらしいの、かわいそう、意識不明だなんて」

 6回目だけど、相変わらず後藤さんは芝居が下手だなぁ。……でもそこが好き。

 ちゃんと、私服で黒、白、赤になっているのもいかにもドラマです。
 そこへ雄太も駆けつける。
 ユミ「どお?」
 雄太「マッポの話だとよ、轢き逃げした車、100キロ以上出てたんじゃないかって」
 ケイ「ひでえもんよね」
 ユミ「目撃者は?」
 雄太「今のところ全然だね……ポリ公なんかに任せちゃおけねえなぁ」

 相変わらず、雄太の情報収集能力は高い。
 警察に任せていられないと言うのは確かで、今回の事件、警察が轢き逃げ犯を探している気配は皆無である。

 ただ、ルリ自身ならともかく、ルリの友達が事故に遭ったというだけで病室の前に全員集合と言うのは、いささかオーバーなのでは? しかもこの様子では、事故に遭ったその夜みたいであるし。どんだけ仲間思いやねん。
 うー、まあ、仲良し四人組で遊んでいたところにルリに連絡が来たので、みんなで一緒に来た、と言う感じなのかもしれない。かおりの親族の姿がないということは、家族がいないのだろう。だからといって、友人のルリのところに連絡は来ないか?
 振り返るユミのアップ。台詞は発していないが、事実上、「よし、調べてみよう」と言っているようなものである。

 思うに、ほんとはここでOPに行くべきだった。導入部としては、これで十分だったろう。が、実際には、翌日の登校シーンまで描いてしまい、しかも目撃者である稔が、あからさまに怪しい挙動を「反逆同盟」メンバーの前で披露してしまうのだから、アバンタイトルの段階で、ほとんど解き明かすべき謎は消失してしまうことになる
 あるいは、稔との鉢合わせ(後述)まで描くのなら、タツヤがかおりを轢くまでのシーンは(視聴者に)見せるべきではない。かおりが何者かの運転する車に轢かれて、それを稔が目撃していたと言う程度にとどめるべきだろう。これなら轢き逃げ犯人が誰なのかと言う興味が持続する。 
 それはさておき、同じ頃、タツヤの自宅では、タツヤのパパが愛のムチをふるっていた。
  
 タツヤのパパ・浜渡代議士「なんだとっ……(バシッ)バカモンが! またとんでもないことしでかしおって! 一歩間違えばワシの顔に泥を塗ることになるんだぞ!」

 あ、間違えた。単なるムチだった。
 しかし、議員の息子が轢き逃げで捕まったら、泥を塗るくらいでは済まないのでは?
 浜渡代議士「見られたのが黒鳥学園の生徒だったことが幸いだ。ワシが何とかする。しばらくは家から出るんじゃないぞ!」
 と、頼もしく言いつけてその場を離れるパパ。 
 物凄く不服そうなタツヤさん。画面外から「いいなっ」というパパの怒声が飛んでくる。

 実際は、早速次の日から外出して自分で稔を脅すのだが、親の言いなりにはならない自立した好青年である。
 もっとも、こいつが余計なプレッシャーかけなければ、あのまま稔は口を閉ざしたままだったかも知れず、自分で自分の首を絞めたことになるのだが。

 それに、ルリたちが轢き逃げ犯を掴まえたところで、かおりが助かるわけでもないからね。この時点でかおりが死んでいたのなら、それこそ犯人を探し出すことに全力を挙げるのもわかるのだが……。

 で、翌朝。
 生徒たちが登校する中、タツヤが人を轢いた車で堂々と学園に乗り付けるパパ。

 お前、バカだろう?
 なお、パパは黒鳥学園の理事をしていたのだった。どんな偶然やねん。
 と、その前にクラクションを鳴らされて頭に来ているタケシと葉山(仮称)が、
 葉山「なんだなんだなんだーっ、高そうな車に乗りやがってよぉ!」
 タケシ「おいおいおいおい邪魔だなぁ、オシャカにしちまおうぜ!」
 と言って、それぞれ(傷付かないように)車に蹴りを入れたりする。
 運転手「おーい君たち、なにすんだよ、そんなむちゃな」
 タツヤ「うるせんだよぉ、おらぁ」
 止めに入った運転手も小突かれる。
 と、まるで画面の横に待機していたかのように反対側から鬼より怖い佐伯が出現。ズズーンと言うような効果音が聞こえそうだ。
 佐伯「○○らぁ!(こらorお前) なめてんのか、こらぁ!」
 いきなり、ふたりのどてっ腹を木刀で突き、
 佐伯「この車をどなたさまの車だと思ってんだぁ。ふざけんじゃねえ!」

 ちょっと台詞が聞き取りにくい。ところどころ推測です。
 佐伯に思いっきり殴られて、
 華麗にぶっ飛ぶ(JACの)タケシ
 佐伯「てめえら、くそっ、うらーっ」
 へたりこむ二人を威嚇しつつ、カバンを蹴り飛ばして迫る佐伯。こういう暴力教師、ほんとにいたよね。

 もっとも、この場面では、悪いのは二人なんだからしょうがないけど。
 と、画面がサイドにワイプしていく? 画面効果で、次のシーンに移る。こういうつなぎかたは、このドラマでは珍しい。

 で、罰として、しおしおと車の掃除をさせられている二人。
 バケツの水で制服を濡らしてガラスを拭くと言う、屈辱的なことをさせられているが、まあ、反省房行きよりはマシだろう。
 ただこの一連のやりとりは、ストーリーとは何の関係もなく、第6話まではこういう暴力的なシーンがあえて付け加えてある感じがするんだよね。
  
 さて、タケシたちが罰を受けているところへ稔くんが登校してきて、70年代の美少年ぶりを発揮しつつ、車を見て凍り付く。
 これは別に前日に人を轢いた車を堂々と乗り回している驚異的なバカがいたからではなく、それが昨夜自分の目撃した車だと気付いたからである。
 稔の心の声「ゆうべの車だ……」

 ただ、ああいう際に、はっきりと車の形状とかを記憶しているかどうかは微妙なところだ。

 しかし、パパは「ワシが黒鳥の理事だったことが幸いした」と言っているのだが、これでは逆に災いをもたらしているのでは? 稔にしてみれば、確かに事故は目撃していても、轢いた人間が誰かなんてことは分からないはずだったんだからね。しかもこの後、わざわざ轢いた奴が誰かと言うことまでパパは稔に教えてしまう(事実上)。

 やっぱりバカだ。

 ところで、稔はなんで昨夜のうちに事件のことを警察に通報しなかったのだろう。まあ、誰でもそういう面倒なことには関わりたくないと思うのが普通だけどね。仮に既に通報していたのなら、話自体が成り立たなくなるし。
  
 雄太「でさあ、俺あん時笑っちゃってさあ……」
 ルリ「ばかぁ」

 かたまっている稔に後ろから来た雄太がぶつかる。
 どうでもいいけど、皆さん、かおりが死にそうなのにいつもと同じテンションなのはちょっとまずいのでは?
  
 雄太「なんだよ稔、バケモンにでもあったような顔して」
 しかも、どうやら二人は顔見知りらしい。偶然にもほどがあるだろ。もっとも、生徒数はかなり少ないので、クラスが違っていても知り合いと言うのは不思議ではないかもしれない。あるいは1年の時同じクラスだったとか。

 ケイ「似たようなもんじゃん」
 相変わらず可愛い顔してきついことを言うケイ。
 雄太「それはないだろう」

 さっさと行こうとした稔を雄太が引き止める。
 雄太「あっちょっと待って、ちょうど良かった、訊きたいことがあるんだ。ゆうべ、お前んちの近くで轢き逃げがあっただろう。俺たち犯人の手掛かり探してんだ。目撃者とか」

 うわい、稔の住所まで知ってるみたいです。
 稔「僕は何も知らないよ」
 ルリ「ちょっと待って」
 振り切ろうとする稔君だったが、ちょうどそこで、朝のひと暴れを済ました佐伯に呼びつけられる。
  
 佐伯「稲葉、校長先生がお呼びだ!」
  
 稔「えっ」
 佐伯「『え』じゃねえ! さっさと来るんだおらっ」
 稔クンの背中に添えられている後藤さんの左手が好きだ。

 佐伯に首根っこをつかまれて、強引に引っ張られていく稔クン。
 佐伯「ぼけっとしてるんじゃない、1時間目が始まるぞ!」
 この、「1時間目」も、はっきり聞き取れない。まあ、意味は分かるけどね。
 雄太「様子が変だな、稔の奴」
 ケイ「何かしら? 校長がお呼びって」
 ルリ「気になるわねえ」

 ……って、もうほとんど話の底が割れてるじゃねえか。

 再びユミのアップで、やっとアバンタイトル終わり。
 (あれ、あたしだけ台詞がなかった)

 OPでは、主題歌のところに初めて山本理沙の「Lonely Lion」が加わる。ただし、今回は劇中では使用されていない。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
  CMあけました。
  
 佐伯に押し込まれるようにして校長室に入る稔。
 佐伯「失礼します!」
 稔「あのー、何か御用でしょうか?」
 威圧的な四人の大人に囲まれて、声が震えがち。

 真下教頭「ここにいらっしゃるおかたは代議士の浜渡先生です。昨夜先生のご長男のタツヤさんがこれを拾ってくださったそうです」
 丁寧な口調で説明し、稔に生徒手帳を見せる真下教頭。

 この時点で、代議士は事故のことは校長たちに話しているんだろうか? この後の雰囲気からすると、ある程度のことは察知しているみたいなのだが。まあ、極悪教師揃いだし、浜渡は理事ということで、話しても差し支えないのかもしれないが、問題は、昨日の轢き逃げ犯が誰なのかと言うことを、稔にわざわざ教えてしまっていることだろう。
 手帳を見せられて、やっと昨日落としたことを悟る稔。手帳を持つ手が細かく震えている。
 これを見ると、わざわざ「全日制」と書いてあるのだが、では夜間もあるんだろうか? 全くそういう描写はないのだが。

 昭和60年度生ということは、1985年入学と言う意味であり、稔クンの生年が1969年の8月なので、1986年で満17歳になるので高2という設定にぴったりあてはまる。すなわち、このドラマは放送時と同じ年という設定だと言うことがはっきりした。まあ、当然だけどね。さらに、住所は世田谷区の平町とあるが、現在、世田谷区に平町という地名はないが、隣接する目黒区にはある。

 また、黒鳥の正式名称が「私立黒鳥学園高等学校」だということも判明した(校門のプレートには私立の文字がない)。
  
 それから浜渡の顔を見てハッとするのだが、この瞬間、あの若い男がこの代議士の息子だということを認識したのだろう。

 真下「稲葉君、わかりますね。お忙しいところをわざわざこうやって届けてくださったんですよ。どういうことかわかりますね?」
 と言う、くどい言い回しから、やはり、ここにいる全員が事件のことを知っていて、代議士に協力して稔にプレッシャーをかけているとしか思えない。
  
 校長「浜渡先生は毎年多大な寄付をくだすっておる。我が校にとっては神様のようなお方だ」
  
 代議士の意味ありげな表情を見て俯く稔。
 真下の「どういうことかわかりますね?」というくどい念押し。
 さらに、佐伯が無言で木刀で床を強く叩く。
 その音に、稔が顔を上げる。

 こういう、色んな角度からの圧迫がじわじわと少年を締め上げていく雰囲気は、良く出ている。
 浜渡自身は一切喋らず、軽く溜息をついて、シガレット(と言うか細身の葉巻かな)を灰皿で押し潰したりする。

 とどめとばかり、校長が「どうした、お礼も言えんのか!」と一喝すると、目が覚めたように、
  
 稔「ありがとうございました」と、震えるような声で言い、頭を下げるのだった。

 が、まあ、生徒手帳を届けてくれたこと自体は、感謝すべきことなんだけどね。
 で、その日の放課後、意味不明の会話をしながら先頭を切ってやってくるのは森口博子と立原ちえみ。実際、仲良かったんだろうな。
 稔はその後ろを歩いていたが、雄太に「稔っ」と呼び止められる。
 雄太「稔、お前轢き逃げの現場見たんだろう? 犯人の車見たんだろう?」
 と、ストレートに尋ねるのだが、なんで放課後になるまでに聞かなかったのだろう。

 ケイ「正直に言ったらどうなの?」
 このケイの台詞、なんか妙に言い方がおかしいというか、可愛いんだけどね。裏返りそうな感じで。

 ただ、ちょっと不審な挙動があったり、校長に呼ばれたからって、いきなり目撃者だと決め付けるのはどうかと思うよ。

 稔「ぼくは何も見てないよ」と否定するが、反逆同盟の皆さんはそう簡単には解放してくれない。
 ユミ「だったら何故逃げるの?」
  
 ルリ「誰なんだよ! かおりやったの誰なんだよ!」
 スケバンに胸倉をつかまれて絡まれる稔。
 朝から校長に呼び出されるわ、帰り際にこんな人につかまるわ、今日はとんだ厄日だなぁと思っていたことだろう。

 ユミ「ルリ!」
 ルリの手を外し、
 ユミ「稔くんお願い、ほんとうのこと話して!」
 と、嘆願する。
 稔「そっ、それは……」
 意外とあっさり屈服しそうになる稔。校長たちのプレッシャー、意味なし!

 だから、わざわざパパが学園に来て轢き逃げ犯の身元を教えてあげるから、こうなっちゃうのだ。

 もし、パパが余計なことをしていなかったら、稔だって、変なウエスタンブーツ履いたあんちゃんだとしか答えられなかっただろう。しかも、パパ、轢き逃げに使われた車でのこのこ学園に来てるものだから、車両を探す手間も省いてやっているのだった。
 怯えつつ打ち明けようとした稔の視界に、見覚えのある顔がすっと割り込んでくる。今度はジープに乗り、サングラスをかけているタツヤ。

 無謀な行為であるが、この場合に限っては、正解だったろう。パパのせいで身元がばれちゃってるんだから。間一髪で、稔の口を封じることに成功。
  
 サングラスを外し、ガンを飛ばすタツヤ。しかし、これだと、事情を知るものが見たら、自分が轢き逃げしましたと言ってるようなものではないか? 
 当然、反逆同盟の皆さんも、ばっちりその顔を見てしまう。
 「つーか、あいつが犯人だよな」と言ってる感じである。犯人探しの楽しさが台無しである。
 タツヤは車を少し動かして、空き缶をぺしっと潰す。いい演出ですね。
 パパはタバコで、息子は空き缶か。

 稔「僕は何も知らない、何も見てないんだ」
 タツヤの出現に怖気づき、叫んで、走り去っていく稔。
 追おうとした雄太を制するユミ。
 ユミ「無駄よ」
 VS 
 稔ではなく、反逆同盟のほうにガンを飛ばすタツヤ。受けて立つユミ。赤いほっぺが可愛い。
 タツヤはニヤリと笑い、サングラスをかけて走り去っていく。このまま、稔のあとを追っていったのだろう。
 ユミ「誰なのあいつ?」
 ケイ「浜渡タツヤ、代議士・浜渡の息子よ。城南大学のバカ息子だわ」
 
雄太「浜渡っていうと、黒鳥学園の後援会長じゃねえか」
 ルリ「そう、黒鳥にとっては神様みたいな人物よ」
 ケイ「でも、一皮剥けば悪魔ね!」

 おケイちゃんが妙に険しい顔でカメラを睨み付けているのだが、城南大学ってドラマとかであまりに良く出る名前なので、どっかにほんとにあるんじゃないのかと思ってしまう。それはまあいいのだが、最後の決め付けるような一言は、いったいどこから来てるのだろう? これはタツヤではなく代議士のことを指しているのだが、タツヤが去った方を見ながら吐き捨てているので、あたかもタツヤのことを評しているように聞こえてしまう。

 しかし、代議士本人ならともかく、その息子の顔をなんでケイが知ってるんだろう。謎だ。
 なお、浜渡代議士は雄太の台詞から黒鳥学園の後援会長という肩書きだと判明。
  
 いまさらという感じでルリがひらめく。
 ルリ「ユミぃ、稔が事件の目撃者だとすると、もしかして……」
 ユミ「犯人は浜渡タツヤ、ありうる話ね」

 いや、あの、ありうるというか、答え出ちゃってるよ! 始まったばかりだと言うのに。

 でもほんと、親子揃って余計なことして、典型的なヤブヘビである。何もしないで放っておけば、稔もわざわざ警察には行かなかっただろうし、結果論だが、結局かおりは助かるわけなので、ルリにしてもそれ以上犯人探しに躍起になったりはしなかっただろう。

 次の場面は再びかおりの病室。
 この看護婦さん、JACの菊池香理さんだと思うんだけどね。もうちょっと顔がはっきり映ると分かるんだけど。
  
 と、ICUの外で立っている稔。良心が咎めるのであろう。
 朝日ファミリー病院から出てくる稔。ちなみにこの手前の掲示板、ストリートビューで見るとその跡をしっかり確認できる。
  
 それはともかく、病院から出た稔の前に、怪しげなオートバイが彼を待ち伏せするように停まっていた。
 フルフェイスからこちらを見詰めているような感じに、稔は慌てて反対方向へ駆け出す。
 バイクもゆっくりと走り出す。
  
 後ろを振り返りつつ、角を曲がると、その先にもとおせんぼをするように別のバイクが現れる。これはかなり怖い。
  
 来た道を戻ると、今度は先程のバイクがやってくる。
  
 で、別のルートを走り出すと、今度はタツヤのジープが道を塞ぐ! 物凄い連係プレーである。
 怯えた顔の稔を睨むタツヤ。
 稔が振り向くと、背後もバイク2台に塞がれてしまった。この辺の撮影のテキパキとした流れはなかなか心地よい。
 逃げ場を失った稔は、前後を見返した後、
 朝っぱらから、いや昨日の夜から緊張状態にあった精神が、ついに限界を超えたのか、しゃがみこんで、
 稔「ぐわぁあああ!」
  
 冷酷にその様子を凝視するタツヤとその部下。
 壁にもたれて「あああ、助けてくれ〜! 助けてくれよ〜」と喚き出す稔。かなりかっこ悪い。

 この間、タツヤたちは何もしないで無言で威圧しているだけなのだが、後々の行動を見れば、こういう間接的な行為にとどまらず、もっと直截的な行動に出てもおかしくなかったと思うんだけどね。早い話、さっさと車で轢き殺すか、拉致してから殺すとかね。これはまあ、脅して警察に通報させないという感じなのだろうか。もっとも、この直後には、タツヤを引き渡せと言っているから、結局どうするつもりだったのか、よくわからないのだ。 
 そこへ、横の門扉の中からユミが突然現れる。
 ユミ「稔くん、こっちよ、早く!」
 ユミに引っ張られて門扉の中に逃げ込む稔。
 バイクもジープも、すぐ彼らの行く手に先回りしようと発進する。
 ← 
 角を曲がってきたジープの鼻先を、民家の敷地内を抜けて横切る二人。
 ユミ「早く!」

 タツヤは慌てず、あごでバイクに指図する。「追いかけろ」と言うことなのだろう。
 そもそも彼らはなんなんだろう。タツヤの悪友か、金で雇われたチンピラなのか。

 次のシーンでは、全員揃って、工事現場のプレハブ小屋に隠れている。
 雄太「そうか、お前が証言しないように見張ってるってワケか」
 ルリ「ほんとうは臆病な野郎なのさ!」

 この会話の感じでは、稔がタツヤの轢き逃げ現場を目撃したことをユミたちも分かっている筈なので、後のシーンで改めてそのことを稔が話すのは不自然である。

 背後の看板に、工事の完成予定は昭和58年と書いてある、つまり撮影時から数えて3年前に完成予定ということは、だいぶ前のものだよね。ここは、そういう昔の建築資材とかが置いてあるだけなのか、実際にそういう古い工事現場で撮影しているのか、分からない。ただ、この後、小屋の中でガンガン火を燃やしているので、やっぱり実際に稼動中の現場ではないんじゃないかな?

 ちなみに目黒川整備工事うんぬんとあるので、場所は世田谷区(か目黒区?)ではあるんだろうが。
 ユミ「稔くん、逃げたって逃げ切れるモンじゃないわ。連中はどこまでも汚い奴らよ……正面から戦うしかないわ」

 いかにもユミらしい優等生的発言であるが、ただ、恐らく今日初めてその存在を知ったタツヤさんたちについてあたかもその人物を知り尽くしているように語るのはちょっとどうかと思う。
  
 稔「戦うなんて……!」
 ユミ「腕力で戦えなんて言ってないわ。戦うってことは勇気を持って証言することよ」
 相変わらずかっこいい台詞を言わせれば日本一の仙道さん。さらに、
 ユミ「はねられたルリの友達は今でも病院で死と闘ってるのよ。勇気を出すのよ稔くん!」
 そこまで言われて黙っているのは男が廃るとばかりに眼差しを上げた稔であったが、ナイスタイミングで邪魔が入る。
 がしゃんと窓が割れて、石が飛び込んでくる。
 慌てて反対側にかたまって避ける五人。
 この時、ガラスの破片のようなものがケイのスカートの中に飛び込んで、少し捲くる形になる。当然、スタッフが手で投げているのだろうが。

 さらにどんどん石が投げ込まれてガラスが砕ける。
  
 ガラスの破片が体に当たり、悲鳴を上げるルリたち。ルリの背中が少しだけ制服から覗く。
 雄太「なんだ、なんだよ一体!」
 稔「うわあああ」
 しかし、投石程度では、割れたガラスが部屋の反対側のユミたちにまで届くとは思えないんだけどね。
  
 当然、投げてきたのはタツヤ様とその手下の皆さんでした。

 先程もそうだが、シナリオで、轢き逃げ犯の正体を視聴者にも伏せていれば、ここでタツヤは出さず、配下の者たちだけに襲撃させると言う手段も採れたと思うんだよね。

 四人が四人とも石でお手玉をしている配下のみなさん。普段何してるひとたちなんでしょ。
  
 ユミ「しつこいやつらぁ」
 稔「ふひふひ」
 雄太「くっそー、タツヤの野郎、どうしようってんだ」
 ケイ「まるで血に飢えた(一拍置いて)狼だわ!」
 こんな時にそんなブンガク的表現してる場合か。

 あと、おケイちゃんが撮影現場で「ノンちゃん」と呼んで姉のように慕っていた仙道さんの背中にしっかりしがみついているのがとても可愛い。
 タツヤ「稔を渡せ! そうすりゃ残りの奴らは見逃してやる」
 と、だいぶ可愛らしい声で脅しをかけるタツヤ。

 しかし今日もいかしたファッションセンスだ。
 さっきの決意はどこへやら、ぐわーっと言葉にならない叫びを上げて女子二人の間でびびりまくる稔。
 タツヤ「どうなんだ!」
 稔「どうすりゃいいんだよーっ」
 ルリ「ガタガタするんじゃないよぉ!」
 ユミ「君のことは私たちが守るわ、絶対に!」
 ルリ「しっかりしろよーっ」


 いまさらだけど、このドラマって、あくまで女性上位で作られてるんだよね。学園の理事長も最後には加寿子に乗っ取られてしまうし。2-Aで号令かけるのもアキ子だし。
 あまりこのドラマでは逞しくて頼りになる男性キャラと言うのは出てこない。特に善玉では……えっと、誰もいないか? うーん、第21話での森口くんくらいかな。
 ちなみに仙道さんと山本さんの手に包まれている稔くん、うらやましい。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 CMあけるとすぐ、タツヤが攻撃命令を出す。
    
 タツヤ「やれっ!」
 部下のみなさんは、手製の火炎瓶のようなものをプレハブ小屋に投げ入れる。

 しゃれにならんことするな!
 たちまち大炎上。口々に悲鳴を上げるユミたち。
 しかし、こんなことしたら、轢き逃げよりひどい罪に問われそうだが……。

 殺す気満々だし。なんか、本末転倒になりつつあるなぁ。
 なおもバイクの男たちは火炎瓶を投じる。
 結構大掛かりの撮影である。
 ユミたちは炎上するプレハブ小屋の奥でひたすら悲鳴を上げている。ユミのお腹が少し見える。

 これは手前に火炎の発生装置みたいなのを置いて、ある程度距離を置いて役者たちがうずくまってるんだろうけど、なかなか危険そうな撮影である。実際、「DUNK」1987年1月号によれば、後藤さんはこの時に火傷を負ったらしい。具体的にどこを、どの程度焼いたのか不明だが、この後に特に(動きや服装に)変化はないので、それほどたいした火傷ではなかったのだろう。でも、ご両親はさぞ心配されたことだろう。ワシも心配だ(誰だよ)。
 女の子たちの悲鳴を心地よげに聞いているタツヤ。
 彼は、さすがにユミたちを焼き殺そうとしていた訳ではなく、火から逃げて出てきたところを捕まえるつもりだったのだろうが。
  
 と、ルリがぶち切れて、ススのついた顔で立ち上がる。

 ルリ「もう、頭来た〜!」
 そしてスカートをまくりあげて、久しぶりの生足サービス!
  
 炎の中から鉛筆を投げつけるルリ。
 そういう状況下でもルリのコントロールは抜群で、バイク男達の指に次々と刺さる。それはいいが、
 男「ううっああーっ」
 バイクごと倒れるのちょっと大袈裟なのでは?
  
 1本ずつ2回投げた後、残りの2本を続けて投げる。2本同時飛びの珍しいカットになる。
 それも見事に命中して、四人とも地べたに這い蹲ると言う情けないことになる。
 タツヤ「くっそうーっ!」
 泣きそうになるタツヤ。

 その機を掴んで、
 ユミ「ルリ、よくやったね、行くよ!」
 ユミの掛け声と共に、小屋から脱出して行く。が、稔はそのまま動かず、
 ユミ「稔くん!」
 ルリ「何やってんのよぉ! 丸焦げになりたいのかよ!」
 ユミ「早く!」
 などと叱咤されて、抱え起こされる。ただ、ここ、正確に誰がどの台詞を発しているのか、いまいちはっきりしない。
 「早く早く」と口々に声を掛けながら、ほいほいと裏手へまわるユミたち。
 タツヤ「追えーっ! なにやってんだよ、追えーっ!」
 慌てて倒れ込む部下たちを叱咤するタツヤだが、なんでか、みんな立とうとしない。鉛筆に痺れ薬でも塗ってあったのか?
 その間にどんどん敷地の奥へ走っていくユミたち。ユミが後ろからみんなを押すようにして走り、ここでも背中がチラッと見える。
 タツヤ「ばかやろう!」
 しょうがなく、ひとりで追いかけるタツヤだが、振り向いて部下を罵る。

 で、漸く部下たちもよろよろと起き上がって歩き出す。確かに、指を刺されたくらいでこれだけ長い間身動き取れないというのは、ワルモノにしては意気地が無さ過ぎて、タツヤが罵りたくなるのも分かる。
  
 しかし、素早くタツヤたちの背後に回っていたユミたちは、彼らの目を掠めて悠々とその場から逃れることができたのだった。

 この時のユミたちの動きだけ、ちょっとユーモラスティックなんだよね。ドリフみたいで。
 遠目ではっきりしないが、なんかケイちゃんとか笑ってるようにも見えるし、かくれんぼみたいで楽しかったんだろう。
 まんまと逃げられてしまい、怒りのあまり看板を蹴りつけるタツヤ。
 タツヤ「くそぉーっ!」
 しかし、プレハブ小屋の火災はどうなったんだろう。あのままだったら確実に消防車が来て大騒ぎだぞ。

 場面変わって、
 ススだらけになった顔をユミに拭いてもらっている稔。
 どこかの寺の境内で、顔についたススを拭いたり、水を飲んで休憩したりしている面々。
 雄太「言ったろう、俺たちはお前の仲間だって……」
 ユミ「稔くん、あなたが黙っているとああいう連中をいつまでも野放しにしてることになるのよ……話してくれるわね」
 だけど、前述したように、ここで改めて聞かなくても、稔が見た轢き逃げ犯がタツヤであることは分かりきってると思うんだけどね。

 それにしても、ルリやユミと体を寄せ合ったり、ユミにハンカチで顔を拭いて貰ったり、ルリに胸倉つかまれたり、稔くんがうらやましい。
 決意を込めてうなずく稔くん。

 が、ここで、そのまま彼にしゃべらせずに、全然違うシーンに持っていくのは、なかなかうまい編集だと思う。

 で、いきなりロリロリな女子中学生の下校姿に場面が切り替わる。
  
 スヌーピーの手提げカバンとか、口の中で数学の公式を唱えているところとか、妙にリアルで可愛らしいのだ。
 女の子「X2乗マイナスYは3で、2Xだから……」
 このひとは、川原千恵子さんという芸名だと思うが、経歴についてはネットで調べても分からなかった。たぶん、タレントかアイドルの卵だったんだろう。
 不気味に彼女をつける一台のジープがあった。そう、タツヤである。稔に逃げられてむかついたので、通りがかりの女子中学生を拉致監禁しようと思っているわけではなく(することはほぼ一緒だけど)、彼女は実は稔の妹で、彼女をエサに稔を呼び出そうという、せこい作戦であった。

 しかし、罪の重さで言えば、轢き逃げ<未成年者略取誘拐のような気がするのだが。
 いや、やっぱり轢き逃げの方が重いか。それにしてもこんな短時間によく稔の妹まで見つけ出して待ち伏せできたものだとその情報能力の高さには感心させられる。感心しちゃいけないんだけどね。
 ジープは一旦女の子を先に行かせてから、急にスピードを上げて真横に進み、
  
 ドアが開き、タツヤが手を伸ばして彼女をむんずとつかんで車内に引きずり込む。
 女の子「きゃあーっ」
 女の子「あーっ、誰かーっ」
 女の子の細い脚を吸い込んで走り去るジープ。もっとも、上の画像で少しだけ実行犯の顔が写るが、石山浩さんとは違う気がする。設定上は、タツヤだろうけど。
 車の消えた道路にはスクールゾーンの文字。芸が細かい。

 で、場面はまた境内に戻る。
 稔「横断歩道の横で見たのがタツヤなんだ」

 はあ、まあそりゃそうだろうなぁと応じるしかない間の抜けた告白。
 この台詞が、視聴者にとっても何の感銘も与えないところが、このシナリオの欠陥を象徴している
 反逆同盟のみなさんもとっくにわかってるはずなのに、いちいち神妙な顔で聞き入る。
  
  
 しかも、ひとりひとりのアップまで丁寧に映していくのだ。なんだかなぁ。
 ケイと雄太の口元が似てる(笑)。
 ケイ「やっぱり犯人はタツヤだったのね」
 いや、だから、みんな知ってるって。
 ユミ「稔君、あした警察でもう一度今言ったことを証言してくれるわね」

 えっ、なんで、「あした」なの?

 それこそ、一刻を争って警察に行くべきじゃないのかな、と。
 とにかくまあ、力強く頷く稔くんでした。
 しかし、ゲストキャラでこれだけ頻繁にアップが映るのは彼くらいじゃないかな。 
 で、その後、何故か一番頼りにならない雄太と歩いている稔。
 これはまあ家に帰るところなんだろうけど、再びタツヤたちに襲われるのを警戒しているのなら、全員か、せめてユミかルリが付き添うべきなんじゃないの(この後のシーンで女性軍は病院へ行ったことが分かるが全員で行く必要はないだろう)。

 雄太「まあ元気出せよ、おれたちがついてっからよ」
 全然説得力がないが、それにしても、こうやって並んで歩いていると、雄太の長ランがいかにもださいなぁ。これではロングコートだ。
  
 と思ったら、いきなり前方から爆音上げてバイクが突進してくる。それでも咄嗟に身をもって稔をかばうのはえらいが、
  
 雄太「うわあっ」 
 擦れ違いざま、腹を蹴られて、ぶっ倒れる雄太。

 少しは視聴者の期待を裏切れ!
 バイクはそのまま走り去って行く。
 稔「雄太、雄太、大丈夫か」
 雄太「大丈夫だよ、なんともねえよ、これくらい」

 逆に気遣われてどうする?

 あと、雄太、ここでは明らかにお腹をおさえているのだが、ラストシーンでは、何故か、 
 松葉杖をついているのだ。謎だ。ま、お腹の傷では絵として見せにくいからだろう。
 それはともかく、稔が、地面に落ちていた……今のバイク男が落としていったのだろうが、紙切れに気付いて拾い上げると、こんなことが書いてあった。
 読みやすいけど、なんか凄みのない文字だ。タツヤが書いたんでしょうか。

 あえぎながら、文章を音読する雄太。
 第四倉庫と言うのはお約束のロケーション。
 稔「由起子……!」
 妹の名前をつぶやく稔。ただ、漢字は分からないので、管理人の推測である。 
 雄太「ひとりでいったらダメだ、みんなを呼んでくる」と若干、出川の顔になって訴えるが、
 無論、シスコン、いや妹思いの稔はそのままひとりで走り出す。
 雄太「稔ぅーっ!」

 しかし、現在時間が5時として(5時にしては明るいけど)、約束の12時まで7時間もあるぞ。別に目的地まで走ってそのまま行くわけじゃなし、電車かタクシーを使えば、1時間くらいで着くんじゃないの? ま、最寄り駅までは走っていったとしても、2時間はかからないだろう。最大3時間と見ても、8時ごろには着いてるぞ。

 (追記・ここが稔の住所に近い平町として、晴海までは現在では1時間弱で着く。ただ、現在地から駅まで、駅から倉庫までの距離などを加味すると、それ以上はかかるけれど)

 副題に「真夜中の……」とあるから、下のように、やっぱり約束の時間に行ったんだろうけどね。
 ところで、脅迫状は一応持っていったほうがいいと思うぞ。晴海埠頭まで来て、「あれ、第三倉庫、第四倉庫、どっちだったっけ?」なんてことになるからな。
 雄太「稔! 稔ぅーっ!」
 で、手っ取り早く第四倉庫にやってきた稔を映すカメラ。この流れだと、指定の12時よりは早い時間帯のようでもある。この後に、病院にルリたちがいるから、12時ということはないだろう、さすがに。
 と言うか、ここのつなぎかたでは、まるで襲撃場所から走りづめで来たような印象すら受ける。
 若干かっこよくなった稔。
 タツヤ「よく来たな!」
 稔「由起子!」
 ジープの上にちょこんと腰掛けているロリロリ少女。
  
 由起子「おにぃちゃ〜んっ!」

 うーん、かなりの破壊力を秘めた萌えキャラである。こんな妹だったら、俺でも一人で助けに行きそうだ。

 稔は、「妹は関係ない、返してくれ!」と言ってゆっくり近付くが、
  
  
 ヘルメットを脱いだ配下の皆さんは何故かフェイスペイントしているのだが、この、下っ端が派手なフェイスペイントしていると言うのは他の回でもしばしば見られるパターンだ。これは、毎回同じ奴が出てるというのを指摘されたくなかったのか、より悪人っぽさを演出しているのか、恐らく両方だろう。

 えー、それで、ロープを両手両足にひっかけて、四方向から引っ張ると言う物凄いことをやりだす皆さん。
 稔「ああああーっ」
 ありそうでなかなかない、「バイク裂きの刑」の図。
 由起子「おにいちゃん、やめてえ、おにいちゃん、やめてーっ」
 涙をこぼし、汚れた顔でくしゃくしゃになって叫ぶ由起子。

 ただ、基本的に由起子ちゃんは、「やめて」と「おにいちゃん」しかボキャブラリーがないようで、その辺がちょっと物足りない。
  
 彼女の横で、冷たく稔を見下ろすタツヤ。この顔貼るの飽きてきた。
 妹の鳴き喚く悲鳴とともに、引っ張られてだんだんブサイクになっていく稔クン。
 ここの、処刑遊戯シーン、第3話の拷問と同じで、長過ぎるのでちょっとうんざりする。

 頃合を見て、タツヤが顎で合図する。
 すると、配下の皆さんはバイクから降りてきて、直接稔を袋叩きにする。
 だんだん凄い顔になってくる稔。
 由起子「おにいちゃん、おにいちゃん、やめてえ……」
 遂に号泣しちゃう由起子ちゃん。おー、よしよし。
 タツヤ「いいか、サツにタレコミやがったら、お前の妹も、バイク八つ裂きだ!」
 しかし、考えたら、割と好き放題できたはずの由起子ちゃんに対し、縛るだけでそのまま解放しているのだから、タツヤって意外と紳士なのかも。

 ここでやっと、「処刑遊戯」シーン終わり。ちなみにこのシーンまるまる2分もあるのだ。長いよ。
 と、ここで再び場面はかおりの入院している朝日ファミリー病院へ。
 依然として意識不明のまま治療を受けているかおり。
 「じゃあね」とだけ言って去る年輩の医者。これだけでクレジットされてしまう須藤健さんは、時代劇の悪徳商人とかやってた人ですね。
  
 立ち去っていく二人にぺこっと頭を下げる三人。
 ここのシーンでも、ルリは代役のため下の別撮りカット以外は、ずーっと後ろ姿。さすがにここでは大部分の人が不自然さを覚えるだろう。

 医者の隣の看護婦さんは菊池香理さんだと思うんだけど。
 ルリ「今夜が山……」
 医者の言ったであろう言葉を虚ろな表情で繰り返すルリ。これはまあ同じセットだろうけど、撮影した日時は全然違うはずだ。
 ユミ「ルリっ! 大丈夫だよ、あんたに負けないくらいのスケバンだったんだろっ?」
 と、急に自分もスケバン風の言葉遣いになって励ますユミ。「あんた」という二人称で、仲間のことを呼ぶのは特にユミの場合は極めて珍しい。恐らくここだけだろう。ちなみに、実際はルリの代役の田村奈美さん(たぶん)に向かって言ってるわけで、役者さんは大変だな。
 ケイ「そうそう、死神とタイマン張ったって負けやしないよ!」
 と、爽やかな笑顔に似つかわしくない台詞を言うケイ。
 そこへ、絶妙のタイミングで負傷した雄太がやってくる。明らかに院内は暗くなっているから、襲撃されてからだいぶ時間が経過しているようだ。
 ユミ「あ、雄太ぁ!」
 ケイ「雄太っ」
 ルリ「……」
 慌てて駆け寄る三人。ここでも無論、ルリは背中を見せたままである。
 相変わらず、後藤さんの手が長くて大きい。
 ここ、シーンの終わり際に、「どうし」(たの?)と言うユミの台詞の切れ端のような音が聞こえるのだが、実際はちゃんとユミの台詞があったのだが、アフレコの後でカットされたのか。あるいは、ユミではなく雄太の呻き声かもしれない。

 それと、先程も指摘したが、雄太が押さえているのはどう見ても、右の腹部あたりなんだけどね。
 先程の倉庫で、ボロ雑巾になった稔に、「おにいちゃんおにいちゃん、あは、おにいちゃあん……」と泣き叫んですがりつく由起子ちゃん。
 そこへ駆けつける三人組。まあ、各シーンがタイムテーブルに沿って起きていると決め付けてはいけないのだが、この編集だと、雄太が病院に来たときにはあたかも既に制裁が終わっていたようにもとれる。で、それから三人が大急ぎで現場に来るとしても1時間は最低かかる。すると、最低1時間もの間、由起子ちゃんは「おにいちゃん」と泣いていたわけだが、さすがにそれは変だろう。そろそろ涙を拭いて、救急車を呼ぶとか、誰か助けを呼んで来るとかしなきゃ。
 一瞬立ち尽くすが、ケイを皮切りに、次々と寄り添って名前を呼ぶ反逆同盟の面々。でもほんと、これだけレギュラー三人に密着する機会が多いゲストも珍しいよね。
 ケイ「稔! 稔、死んじゃだめぇ」
 ルリ「稔、しっかりして!」
 ユミ「稔!」
 そしてこれだけ名前を呼ばれるゲストも。
 なんか、たらこ唇になってしまった稔は、呼びかけに目を開けるが言葉は発しない。

 ケイ「稔ぅ! 稔!」
 ケイの声が可愛らしい。

 しかし、普段どういう付き合いだったのか不明なのだが、クラスも違うし、それほど親しくもなかった稔をここまで親身になって心配するのは、人間としては立派だが、ドラマ上では今ひとつ納得行かない。このシーンを感動的にするには、事前に、タツヤたちの襲撃を一緒に受けるうちに稔とユミたちとの間にそれなりの連帯感、仲間意識を描いておく必要がある。
  
 ケイ「稔!」
 ルリ「畜生! ひでえやつらだ!」
 叫びながら、稔にまきついていたロープを叩きつけるルリ。
 ユミは無言で宙を睨む。
 それはいいのだが、ここで唐突に前回同様、中山美穂との対話シーンが挿入される。2話のバンク映像である。
 ミホ「あたしねぇ、ほんとはあなたとこくちょうがくえんをたてなおすためにたたかいたいの」
 撮影には来れなくてもクレジットに必ず名前の出る中山美穂であるが、いい加減にしろ!と言っておく。彼女に責任はないけどね。

 だいたい、このタイミングで学園改革についての中山美穂との会話を思い起こすと言うのは、ストーリーの流れからして不自然であろう。今回の事件、黒鳥学園はほぼ無関係だからね。まあ、作り手もどんなバンク映像を使うか苦慮したことだろう。
 ユミのアップに戻って次のシーンへ。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 パラパラパララ……という安っぽい暴走族の出囃子つきで橋の下を走ってくるタツヤと手下たち。これが稔への制裁を加えた直後なのか、翌日の深夜なのか、わからない。さすがに、こんなに早く反逆同盟の皆さんが彼らの居場所をつきとめられるとは思えないので、別の日と考える方が妥当か。……ただ、戦いの後で、「今夜が山」と言われていたかおりが目覚めるシーンがあるから、同じ日の深夜かもしれない。
 タツヤさん、酒まで飲んでます。反省と言う言葉をこれっぽっちも知らない御仁であった。ニンともカンとも。

 ただ、取り巻きの皆さんも別に暴走族というわけじゃないんだろうから、長々と付き合わされていい加減帰りたいなぁとか思っていたのではないだろうか。しかもこんな橋の下を走ってもあまり楽しくないだろう。タツヤが酒瓶を掲げるのが合図なのか、全員ゆっくりと止まる。これは、特に理由もなくタツヤが止めたのか、それとも反逆同盟のシルエットを見て止めたのか、はっきりしない。
 それはともかく、前方を訝しそうに見るタツヤ。
 川(多摩川?)をバックに立つ三人。めちゃくちゃかっこいい!
 いつものことだが、対岸に設置されたとおぼしき投光器、誰が操作しているのだろう。雄太は負傷してるしなぁ。
 なお、右端だけ光が強いのだ。
 「何だお前らは!」と相変わらず可愛らしい声で問うタツヤ。
  三人は顔が識別できる距離まで近付いてきて、口上を述べる。
 ルリ「闇の中でのさばり続ける悪党ども」
 ケイ「てめえらのような悪は(一拍置いて)許せねえ!
 息が白い。
  
 ユミはやや慌て気味に拳を腰のあたりでクロスさせて、
 「天に代わって」まで言い、
 両手を顔の前に構えてから、ユミ「成敗する!」
 三人「セーラー服反逆同盟!」
 全話を通しても、この決めポーズの映像的なかっこよさは別格である。
 タツヤ「ふざけやがって! やっちまえっ、ぶっ殺しちまえっ」
 猛り狂うノリのいいタツヤさん。
 タツヤの言うことは絶対、と言うロボットのようなバイク軍団の皆さんは、怪しみもせずに突っ込んでくる。
  
 ユミたちもすかさず突進する。助走をつけてジャンプして、
  
 空中で一回転。無論、スタントだ。
  
 目標が消えたので虚しく突き進むバイク軍団。つまり、三人がジャンプして彼らの頭上を飛んでかわしたというわけだ。
  
 そして、その背後に降り立つ三人。
 そこで、あのファイティングポーズを取る三人。
 OPでも使われている印象的なカットだが、実は本編と同じテイクではない。 
 こちらがOPのカット。ルリやケイの手の位置が違うのが分かるだろう。

 話を戻して、
 Uターンして襲ってくるバイク軍団。
  
 ルリとケイは左右に散り、残ったユミはポーズを決めてからその場で再度ジャンプ。
 正面からの飛び蹴りが、敵の胸板を直撃する。
  
 ただし、実際に蹴る瞬間に、カットが切り替わっている。
 最初の蹴りの位置だと、顔面に当たりそうなんだけどね。
  
 蹴られた男は少し走ってから、どたっと横倒れになる。

 この、バイクが少し走って倒れるカットもOPで使われているが、OPではユミに蹴られるシーンがないため、勝手にひとりで転んでいるように見える。ちなみに、これもアナザーテイクである。
  
 クレジットがあるので見えにくいと思うが。 
  
 その姿に覆い被さるように、カメラの前に着地するユミ。振り向くと、
 別のバイクが傾斜を利用してジャンプして襲ってくる。
  
 ユミもその場で跳躍して、
  
 ユミ「えいっ」
 直接前輪を蹴って転倒させてしまう。強いなぁ。
 今度はおケイちゃん。ただし、既にスタントにバトンタッチしている。恩田真美さんだろう。
  
 助走をつけてジャンプし、巧みに左腕で顔を隠しつつ、空中でチェーン+スカーフを投げる。
  
 チェーンはタツヤの車の前にいた敵の首にからみつき、そのまま引き倒してしまう。
 お次はルリ、得意の鉛筆を投げる。
 ただ、この時、鉛筆を太腿のフォルダーから抜くのだが、最初に見得を切ったときに1本抜いてる筈なのだが、この時も4本揃っている。
 一旦抜いて決め台詞を言ってから、その後、こっそり元に戻していたのだろうか。
  
 それはともかく、当然の如く、残るひとりの指(の間)に刺さる。
 ちょっと情けない声を上げてから、男はバイクごと横倒しになる。
 そしてカットが切り替わって、何故か炎上するバイク。さすがに転倒しただけで炎上はしないだろう。
 ここからその炎上バイクを手前に見ての、乱戦模様。
 今回の下っ端たちは、バイクに乗ってるくせにからっきし弱くて、ほとんど一方的な戦いであった。ちょっと期待はずれ。
 ここからやっと戦闘用BGM(激闘のテーマ♪)がかかる。最初にタツヤが「やっちまえ」と言ってからここまで一切BGMのない状態が続いたことになる。
 タツヤ「ぼけっ、なにやってんだよ。バカヤロー」
 タツヤさんはひとり戦わず、ジープの上で味方を罵った挙句、持っていた酒ビンを投げる。ダメだこりゃ。 
  
 ここから、ユミは身体を自在に動かして複数の敵を気持ちよく蹴り倒して行く。
 ここからのユミの一連の動きはとても見事で、惚れ惚れしてしまう。実際に映像を見てもらうのが一番だけどね。
 カメラがよると、スタントから仙道さんに戻り、
  
 攻撃を受け止めて、相手の腕を捻り、無防備な背中に、
 手刀を振り下ろす。
  
 ユミ「えいっ」
 画面の下に倒れ込んだ相手に、ちょっと嬉しそうに(得意そう?)とどめのパンチを一閃。
 ここでまた炎上バイクのカットが入り、
  
 ルリ「えいっ」
 今度はルリが、倒れた男の背中を跳び箱代わりにして前転し、伏せていた二人の男をぶちのめす。
 こちらもアップになると山本さんにかわっている。
  
  
 相手の腹を殴り、後頭部にチョップ、そして顔面を下から殴り上げる。山本さんも少し嬉しそうだ。
 なおこの殴られている人、フェイスペイントはしているものの、倉庫で稔をリンチしている男達の中にはいないのだ。つまり、バイクアクションと、こういう格闘アクションとは別の人が演じているのだろう。それを悟らせないためのペイントだったのではないだろうか。

 この後にまたまたバイク炎上カットが入ってから、最後は無論おケイちゃん。
 ケイは、二人の男をチェーンでばきばき張り倒す。

 しかし、全部で敵は四人しかいないのに、ユミ、ルリ、ケイがそれぞれ二人ずつやっつけるということは、このうち二人は違う女性から二回ずつ攻撃されているわけで、へとへとであろう。
  
 ケイも、アップになると後藤さんにスイッチ。背後から男の首をスカーフで締めて、どついてから、
  
 ピンと腕を反らす。それはいいが、腕の反らし方が、いかにもアクション監督(こちらも稔だったな)に指導された形を忠実に再現しているようで、妙におかしいのだった。実際に見てもらわないと分かりにくいが。
 で、やっと見物だけしていたタツヤが銃を取り出して一発撃つ。なんでそんなもん車に積んでいるのだろう。
 タツヤ「ちっくしょう〜」
 その発砲にあわせるようにして、四人の手下が揃って綺麗にぶん殴られるのが痛快だ。
 タツヤ「ちくしょドジ野郎が!」
 悪態をついて車から降りて、銃を構える。
   
 さすがに、本物の銃口を突きつけられてかたまる三人。
 タツヤ「こいつは散弾銃だぜ、三人まとめて穴だらけにしてやろうか」
 さらに、
 タツヤ「さあどうする、セーラー服のお嬢さんたちよぉ!」

 それはいいんだけど、殺しちゃまずいだろう。轢き逃げどころじゃなくなるぞ。

 タツヤにとっての最善の行為は、たぶん、ジープでさっさと自分だけ逃げる、だったのでは?
  
 引き金にかかる指。アップになる銃口。
 ファイティングポーズのまま一歩ずつあとずさる三人をそれぞれ映すカメラ。

 と、このピンチに、三人は予想もつかない行動に出る。それは……、
  
 「その場でぐるんぐるんでんぐり返し作戦」であった!

 これはつまり、動き回って狙いを絞らせないと言う意図なんだろうが、

 タツヤの持ってるのは 散弾銃 ですよ?
 狙いをつける必要ないっての。

 ちなみにここからやっと「Don't stop Lullaby」がスタート。
 ただし、今回は2番の歌詞から入る。個人的には2番の歌詞の方が好きなので、この選曲は嬉しい。
  
 ところがタツヤは、その動きにあわせて銃口をふらふらさせて引き金を引けないのだった。
 やっぱ、こいつバカだよ。ま、ほんとに撃つ勇気がなかったのかも。
 ← 
 ルリは、地面を転がりつつ、鉛筆を抜く。今度は残り3本になっている。で、「○○○」と、何回聴いても聞き取れない台詞を発してから、鉛筆を投げる。
 「当たれ」かな? なんか違う。と言うか、この時のルリの唇は喋ってるようには見えないんだけどね。アフレコ時のミスかな。
 とにかく、例によって刺さるのは相手の指の間。
 「ああっ、いてえ」と、可愛い声で叫ぶタツヤ。

 ケイも、ぐるりとまわってから、
  
 チェーンスカーフを投げる。これは後藤さん本人が演じている。
  
 スカーフは銃身にまきつき、散弾銃を封じる。

 歌詞「〜ガラスの指輪にも愛は輝ける筈〜」
  
 得意そうにチェーンを手繰り寄せるおケイちゃん。
 そのチェーンを手前に見ながら、ユミが突進する。
 そのタイミングでケイが銃を奪い取り、急接近したユミが、
  
 相手の前でくるっと回転してから右拳を一発叩き込む。

 「〜本物に変わる 明日の夢も見れるわ〜」
  
 もう一度回転してから、なんとなく猪木風のドヤ顔になってチョップを見舞う。小さくて分かりにくいと思うが。
  
 さらに華麗な回し蹴りを三連続で叩き込む!
 吹っ飛んだところに待っていたルリに切れ味の鋭いハイキックを喰らう。

 「〜確かな時間さえ 想い出に化けるから 信じることが恐くなるの〜」

 ところで、ボス級のキャラとしてはタツヤ君はどうやら全作品中最弱のキャラであるようだ。あ、7話の西村さんやおやじがいたか。
  
 なおもケイに殴る蹴るの暴行を受けるタツヤ。だんだんかわいそうになって……来ません。

 「〜黄昏れた心を埋めてくれるだけでいい〜」
  
 で、最後はケイに川の中に突き落とされる。
 タツヤ「うわっ、あっ」

 「〜まちがいだらけの関係(なか)、だけど〜」
 これは石山氏本人が入ってるんだと思うが、なかなか大変な撮影だったろう。
 撮影は9月(?)だろうから、さほど冷たくはないだろうが、夜の川に入るのはちょっと怖い。

 タツヤはしかもカナヅチだったようで、「助けてくれ」とか「死んじゃうよおい」とか情けない声を上げつつ、ばたばたともがくのであった。

 「〜だけどDing Dong Danc Ding Dong Dance 心地いいの〜」
  
 ケイを先頭に、岸辺に駆け寄ってタツヤを見下ろす。

 タツヤ「おい、お前ー、なんでも買ってやる……」
 タツヤの声にかぶさるように、

 ルリ「頭冷やしな!」

 「〜Thrillだね そのぬくもり〜」
 タツヤ「おい、ちょっ、ドレスか? それとも指輪か? た、助けてくれ」
 ドレスに指輪って……おっさんの発想だよね。

 「〜I miss you so ときめく胸 普通じゃないわ〜」
 それを小気味良さそうに見物するユミ。で、このままさっさと帰ってしまうのだから、下手すれば殺人未遂だぞ。
 実際、この後、どうなったんでしょう、タツヤは。ま、配下の皆さんがいるから、彼らに助けて貰ったのかな。

 しかし、ユミたちはスカッとしているだろうが、これでは単なる集団暴行をタツヤにしただけであろう。前回はテープなどの証拠品を添えて警察に引き渡しているから断罪したことになっていたんだけど……。
 これはまあ、稔の証言を妨害するなと言うメッセージでもあるんだろうけど。
 ちなみにこの辺になると、急に風が強くなっている。二人のスカーフがたなびいているのが分かるだろう。
 タツヤの声「おいっ……」
 タツヤの叫びを無視して、颯爽と引き揚げていく三人の後ろ姿はとてもかっこいいのであった。この、バトル後に背中を見せて引き揚げると言うのは、前々回の第4話と、今回くらいでしか見られないパターンである。

 「〜止めないで そのフレーズ 眠れるまで〜」

 戦闘シーンは終わったが、「Don't Stop Lullaby」は次のシーンでも引き続き流れる。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 で、戦場から、場面はルリの後ろ姿と、かおりのベッドにスッと移る。
 無論、ここでもルリは代役である。

 見てる側は何日か経ってる感じだが、病院内の一連のシーンは一日で撮ってるんだろうから、ルリの不参加は当然であるが。

 「〜私のそばに居て 弾いて 子守唄(ララバイ)〜」
 ルリ「かおりっ」
 意識の戻ったかおりに、優しく呼びかけるルリ。
 かおり「あ、ルリっ」

 「誰?」とか言われないで良かったね、ルリ。

 こちらは稔の病室。
 雄太「タツヤは全部白状したそうだぜ。あいつのおやじさんも、自分の社会的地位を失いたくなくて遂に息子をかばいきれなくなったってわけさ」

 「〜Thrillだね 青い夜の I miss you so〜」 
 雄太の長台詞のさなか、ユミが妹に花束を渡す。
 ユミ「それもみんな稔クンの勇気のお陰よ」

 「〜人恋しさ 理屈じゃないわ〜」

 この前にルリが単独でかおりの見舞いに行っているのはいいアイディアだ。いや、それ自体は自然だけど、同時に、稔の部屋にルリが来る必要がなくなっているわけだからね。さすがに、このシーンで山本理沙の不在を代役で切り抜けるのは困難である。
    
 はにかむ稔に対し、口々に「ありがとう」と言う三人。ケイちゃんはほんと可愛いなぁ。

 稔も「いやぁ、こっちこそありがとう」と頭を下げる。
 ……しかし、稔が暴行された時も妹が誘拐された時も、その解決には何の役にも立っていない彼らに礼を言うのはちょっと変かな。
 まあ、タツヤをぼこぼこにしてくれたことへの礼? それは反逆同盟の秘密だから稔は知らないはずだが。

 ここでは、証言する勇気を教えてくれたことへの感謝かな。あと、最初に助けて貰ってるしね。

 「〜泣かせるね そのフレーズ 眠れそうよ〜」

  
 ペコリと頭を下げる由紀子。彼女はここでもあどけない可愛さを遺憾なく発揮しているが、台詞はない。

 いまはなき朝日ファミリー病院の外観。ユミたちが玄関から出てくる。
 セット撮影には参加できなかったルリだが、このロケではちゃんと顔を出している。

 「〜無口な指先で 唄って 子守唄(ララバイ)〜」
 ケイ「ねえねえみんな、戦いはまだまだ続きそうねっ」
 と、ひっくり返ったような甲高い声(地声?)で、唐突にまとめるような台詞を言うケイ。

 これはなかなか興味深い発言だと思う。つまり、最初の予定では1クールで完結するはずで、これを撮ってる時点では無論そういう気持ちでやってるわけだから、ここで早くも折り返し点という若干の寂しさを覚えつつのケイの台詞のように聞こえる。別にケイが自分で考えて言ってるわけじゃないけどね。

 続けて、
 ルリ「平和な学園生活なんていつになるんだろうねぇ?」

 とも、おっしゃるが、今回も、そして前回も、黒鳥学園との戦いとは言い難い、いわば趣味やバイトのような事件であって、その流れのあとでこういう発言はちょっと似つかわしくない気もする。ついでに言えば、この後の7話、8話も学園改革とは全く関係のないエピソードが続くんだけどね。 
 雄太「が治ったらおれっちがぶっ飛ばしてやるって!」
 ルリ「おいおい!」
 ケイ「あっふふっ」

 足って言い切ったで。まあ、腹部の負傷では、ビジュアル的に分かりづらく、表現しにくいからね。
 ただ、ここのルリとケイの反応が、演技と言うより素に近いのが、ちょっと新鮮だ。
 ユミ「焦ることないわ。神様だってこの世を作るのに一週間もかかったんだから!」
 と、締め括るユミであるが、突然、「神様」とか言い出すのはかなり違和感を覚える。

 また、「黒鳥学園の建て直し」と、「この世を作る」こととを比べているのもいまひとつピンと来ない比喩である。

 で、カメラが急速に斜め上空にパンして、白い空を映し、それからカットが切り替わり、全然違う素材であろう、絹雲か、うろこ雲か、よくわからないのだが、とにかくそういう画面になる。
 そして「つづく」。

 なお延々と流れていた「Don't stop Lullaby」がこれにあわせてぴたりと終わる。まあ、それから逆算して鳴らし始めているのだろうが。
 他の回では登校シーンなどで終わることが多いので、今回のようなパターンは極めて珍しい。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 予告編

 今回も、特筆すべき違いはない。
 それでも一応、気付いたところを並べて貼っておく。

 まず、プレハブ小屋での襲撃シーン。
  
 予告編                               本編

 明確な違いはないが、少なくともテイクは違う筈だ。
 また予告では、ルリの「あっ」と言う、台詞の断片のような声も聞こえる。

 ついで、ルリたちが稔を問い詰めるシーン。
  
 予告編                               本編

 予告編ではルリの親指が襟の向こう側に隠れてしまってわかりづらい。

 タツヤがかおりを跳ね飛ばすシーン。
  
 予告編                               本編



 それより、今回着目すべきは予告編のナレーターと本編の内容との違いの方である。

 完全に矛盾しているとは言わないが、まず、ユミたちは予告編で言われているように「目撃者探しに走り回っ」てはいない。ほぼ何の努力も無しで偶然というには出来すぎのシナリオによって事件の翌朝にはもう目撃者を発見している。
 また、タツヤたちが稔を付け狙うのは、予告編で言っているように「ユミたちの動きを知っ」たからではない。

 まとめ

 既に散々指摘してきたように、今回はシナリオの杜撰さが際立っている。かてて加えて編集の無神経さが、それに輪をかけてストーリーをつまらなくしている。たとえば、アバンタイトルは病室前でのユミのアップで終わらせるべきで、その後の稔とのやりとりのあとでのユミのアップで切っているのは、同じようなカットが続くことにもなり、明らかにおかしい。

 繰り返しになるが、目撃者や犯人探しの楽しみが最初から視聴者から奪われている点が最大の欠陥なのだ。

 一方で、プレハブ小屋での炎上、バイク軍団と反逆同盟の戦い、稔への執拗な暴行、タツヤの発砲、タツヤの水没など、アクションや仕掛の面では妙に充実している。予算的にも、ヘリが出てくる1話に匹敵するのではないだろうか。車2台、バイク4台と言うのは、全話を通して最多だろう。

 また、黒鳥学園の学生証がはっきりと映ったり、山本理沙がセット撮影に参加していなかったり、マニア的には見所のないエピソードではない。JACの女性スタントが普通の役者としてたくさん出ているのも興味深い。

 最後に、このプロットを生かすための管理人の考えたシナリオ素案を参考までに以下に記しておく。
1 ルリと、かおりが久しぶりに会い、話をして別れる
2 かおりが何者かの車に轢かれる。駆けつけるルリだが、犯人の車は既に走り去っていた
3 病院に集まる反逆同盟の面々。轢き逃げ犯を探そうと言うことになる
4 翌朝、雄太の知り合いの稔が校長室に呼ばれる。雄太は盗み聞きをする
5 黒鳥学園の後援会長の息子・タツヤが稔に落とした学生証を届けに来てくれたらしい
6 学園で、反逆同盟の面々は独自に調査をするが、情報は得られない
7 放課後、事件現場に行くユミたち。そこでジープに乗った怪しい男(タツヤ)を見掛ける
8 ルリはかおりの見舞いに行くが、入れ違いに、稔らしい黒鳥の生徒を見掛ける
9 情報を得るために警察に向かったユミたちだが、ちょうど稔がその近くでバイクの一団に狙われているのを見る
10 ユミたちは稔を助けるが、稔は事情を話そうとしない
11 稔の妹が何者かに誘拐される
12 稔はユミたちに助けを求め、自分がタツヤのひき逃げを目撃したことを打ち明ける
13 反逆同盟がタツヤたちと戦い、妹を救出する
14 反逆同盟が警察に知らせて、タツヤが逮捕されたことがわかる
15 かおりが意識を取り戻す。それを囲む反逆同盟の面々

 重要なのはタツヤが犯人で、稔が目撃者だと最初から明らかにしないこと。
 できれば、ミスディレクションになる別の容疑者がいた方が良い。

 他方、過度の暴力シーンはなるべく排除し、その分をドラマの充実に割きたい。……って、今更遅いわ!