×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。




第07話 危ない少年仕掛け人! 前へ 次へ 目次へ
放送日時 1986年11月24日
裏番組 ●月曜ドラマランド「ホワッツ・マイケル?」
監督 帶盛迪彦
脚本 日暮裕一
準レギュ 竹中直人
ゲスト 野坂研/ユウスケ、池田まさる/村川、増富信孝/西村、上田耕一/パン屋、井上清和/小沼
予告 万引きを働き追われる男の子・ユウスケがミホに救われた。ユウスケの身の上に同情したミホはユミに親探しをしてくれるよう頼んだ。ユミたちの努力が実り、父親と対面させたが、ユウスケは逃げ出してしまった。「セーラー服反逆同盟」、お楽しみに!
備考 OPでのケイのチェーン攻撃に効果音は無し。
今回から、プロデューサー補・安倍夏彦は助監督と同じ画面に移動。
プロデューサーと同じ画面に協力(株)ビッグアップル(中山美穂が所属?)の表示。
予告でのサブタイトルの発表はなし。タイトルの!は正確には45度に傾いて表記されたもの。
評価    シナリオ ★★ ストーリーは分かりやすいものの、ミステリー要素が弱くドラマも盛り上がらない。
演出 ★★★ 部分的に光るものはあるが、全体としては普通。
映像 ★★★★ 中山美穂の街頭ロケはなかなか見物。
キャスト ★★  地味。子役も可愛くない。
アクション ★★★★ 様々なお遊びがあって、楽しい。安心して見ていられる。
総合 ★★ まとまりはあるのだが、どこと言って光るものがない。
アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
  いきなりだが、このエピソードは嫌いじゃ。ガキ(失礼!)が可愛くないし、中山美穂の出番が多いし、シナリオも雑だからである。

 さて、シリーズの流れとしては、第4話まではがっつり黒鳥学園体制との戦いを描いているが、5話から9話までは、ほぼ学園とは直接関係ない悪人との戦いが展開されることとなる。
 それでも、制裁対象が学園の関係者だったり、事件が学園内で起こったりと、最低限、「反逆同盟」が活動する大義名分が残されているものがほとんどだが、その中にあって、この第7話は学園関係者が一切事件にかかわっていないという点で異色である。全体を見渡せば、他に第11話があるのみ。

 タイトルの「仕掛け人」と言うのは、内容と合ってないが、「元祖どっきりカメラ」などのバラエティ番組の「仕掛け人」から来ているのだろうか?
 当時はまだ日テレ系でスペシャル版が定期的に放送されていた。


 さて、幕開けは珍しく中山美穂の街頭ロケから始まる。
 
 まず、このスタート画面からして意表をつく。最初見たときもさっぱりだったが、今でもどこを映しているのか要領を得ないカットである。
 どこかのおしゃれなショップの外観なんだけどね。通行人などが映りこんでいるので、ややこしくなってるだけで。
 「……あなたの運をお試しになりませんか……ドリンクを味わいながら……」などという女性の声が聞こえる。どこかの施設のナレーションだろうか。
 かなり堂々と繁華街を歩くミホこと中山美穂。後ろの人とかはやはりエキストラなんだろうか。当時は大人気アイドルだったからなぁ。
 普通にウィンドウショッピングを楽しんでいる。
  
 ショップのディスプレーを見ていたミホは、「ドロボー!」と言う男の叫び声に振り向く。 
 「ドロボー!」と言う声を背に、フランスパン抱えたお子様が石段を駆け下りてくる。演じるのは野坂研という子役。
 この一画は一般人はシャットアウトして関係者だけで撮影していると思われるが。
 居合わせたミホが、子供の体をおさえる。
 子供を追って、上田耕一が「ドロボー、待てー」と言いながら降りてくる。
 「放せッ、放せったら」と抵抗する子供。

 ちなみに画面左手にスタローンの「コブラ」のポスターが見えるが、日本での公開は8/9であり、ドラマの撮影日の手掛かりになるかと思うが、8月中ではさすがに時期が早過ぎるだろう。通行人の服装などからして、9月より前ということはない。放送日は11月末なので、9月〜10月と言うのが妥当な線か。 
  
 ミホ「どうしたの、そのパン?」
 問い詰めるミホに対し、「なんだよ、オバン」と、子役だからこそ許される台詞を放つお子様。この時、ミホのお腹がチラッと見える。
 ミホ「オバンーっ?」
 この世で最も忌み嫌う単語を聞いて、ギョッとするミホ。

 ま、実際老けてるからなぁ。この時点で16歳である。
 そこへ、こんなわかりやすいカッコウしたパン屋なんて今時「アンパンマン」にしか出て来ねえよ、という感じのおやじが追い掛けてくる。
 演じるのは名バイプレーヤーの上田耕一氏。当時45歳。
 パン屋「このガキ、来いッ」とミホから引き剥がそうとするが、逆にミホに突き飛ばされてよろめく。

 なお、後ろに並んで見物している女子高生、右端は 黒鳥の2-Aの生徒としてちょくちょく顔を覗かせるエキストラさんではないかと思うが……いずれにせよ、制服が違うので黒鳥とは別の高校の生徒として出ているのだろう。
 パン屋「うおっ、あいてっ」
 ミホに突き飛ばされて怒り狂うパン屋。
 パン屋「何だお前?」
 ミホ「どうするの、この子?」
 パン屋「決まってるじゃないか、突き出すんだよ、警察に」

 なお、上田耕一が押された時に背後に一瞬だけ映るポスターは、1986年11月22日公開の「ドリームチャイルド」という映画のものである。
 ミホの背後に隠れる子供。うひゃあ、可愛くねえ!
 ミホは色気のない財布から、万札を取り出し、
 ミホ「あたしが払うわ、パンの代金」
 パン屋「ええっ?」
 ミホ「お釣りは要らないわ」

 金でカタをつけようとするミホ
 さすが黒鳥学園理事長ののお嬢様である。
 パン屋「毎度ありがとうございます!」
 万札を前に、たちまちエビス顔になるこちらもいささか情けないが……
 場面変わってハンバーガーショップでまったりしている二人。
  可愛くない食べ方でバーガーにむしゃぶりつく子供を見て、
 ミホ「まあ、よっぽどお腹がすいてたんだ、ねえ、お家どこぉ? 送ってってあげるから」
 子供「ないっ」
 ミホ「お父さんお母さんは?」
 子供「いなぁい」
 ミホ「うーん、じゃ、名前は?」
 子供「ない!」
  ミホもさすがに怖い顔をして、
 ミホ「こらっ!」
 すると、意外と根性のない子供はあっさりと、
 子供「ユウスケ」と名乗ってしまう。
 ミホ「ユウスケくんね! なにユウスケくん?」
 子供「ユウスケ!」
 ミホ「もうーっ」
 なんとか苦労して聞き出せたのは下の名前だけ。
 そんな性悪な子供、交番に連れて行けばいいんだよ、と思うが、アイドル中山美穂はそんな冷たいことはしないのであった。
  
 再び連れ立っての街頭ロケ。
 ユウスケ「ねえ、どこ行くの?」
 ミホ「ユウスケくんがどこの子か、警察で調べて貰うの!」

 あ、やっぱり警察行くのか。
 しかし、警察と聞くや、逃げ出そうとするユウスケ。
  
 ミホ「待って! イヤなの? 警察行くのは」
 ユウスケ「うん」
 ミホ「困ったなぁ、ほっとくわけにもいかないし」とぼやくミホ。

 このカット、背後に渋谷駅と見え、その下に東急本店渡り口とある。自分は東京の地理に疎いのでよくわからないのだが、とにかくまあ渋谷で撮影していることははっきりしている。
 ユウスケ「いいんだ、僕一人でだいじょぶだから」
 ミホ「うん、でも、ねっ、どこなら行く?」
 ユウスケ「お姉ちゃんとこぉ!」
 と、ふざけたことを言い出すお子様。
 ミホは心底嫌なそうな顔で悩むが、やがて「よし、行こっ」と頼もしく言い、
 再びユウスケの手を引いて歩き出す。
 このカットでは、背後でこちらを振り返っている通行人がいる。
 その夜、ユミのマンション。
 2階の明かりがついている部屋がユミの部屋のようだが、過去の映像では違う部屋だったような気もするが。ただ、少なくとも2階以上だということは銘記しておきたい。
 真面目に勉強中のユミ。
  
 そこへチャイムが鳴ったので、「はーい」と答えて振り返るのだが、この辺を見ると、仙道さんって胸がないということが良く分かる。
 ま、それがいいんだけどね。
 玄関へ行き、ロックを外しドアを開ける……一人暮らしの女の子がそう簡単に開けちゃダメだと思うのだが……
 現れたのはミホさんでした。
 ミホ「こんばんは」 
 ユミ「ミホさぁん、どうしたのぉ?」
 
 ミホ「お願いがあるんだけど……ユウスケ!」
 ミホに促されて、背後からユウスケが顔を出し、「こんばんは!」とでかい声で挨拶する。

 戸惑いながら、
 ユミ「こんばんはっと、語尾にアクセントをつけて応じるユミ。

 そう、ミホの「行こっ」と言うのは、自宅ではなく、ユミの部屋へ行こうという意味だったのだ。
 自分が請け負った子供だったら、友達に押し付けずに自分でどうにかしろ、と思うのだが、まあ、ミホの場合は家庭が複雑なのでここにしか思い浮かばなかったというのもあるんだろうが……。それにしても、昼の渋谷からユミの部屋まで、夜中になるまで時間がかかるだろうか? もっとも、ユミのマンションの正確な所在地は不明なので、なんとも言えないし、ここに来るまでに別の飲食店などに寄ってきたのかもしれない。

 とにかく、ものといたげな仙道さんのアップでOPへ。

アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 懐かしいゲームウォッチのプレー画面から始まる。ただし、自分はほとんどやったことがないのでコメント不能。
 ユミ「苗字も言わないの?」
 ミホ「なんか訳ありみたいなんだけどね」
 ユミ「何か手掛かりがないのかなぁ?」
 とりあえず上がり込み、ユウスケにはゲームをさせて、ひそひそと相談するお姉さんたち。

 ちなみにここでも供されているのは由緒正しいバヤリースであった(たぶん)。
  
 ユミ「もしかするとこの中に……」と、にじりよってユウスケのリュックサックを見ようとするが、
  ユウスケに「だめぇっ!」と強く拒絶されてしまう。
 時間が経ち、ユウスケはユミのベッドで眠ってしまう。その際も、リュックをしっかりと抱いたままである。
 ユミ「よっぽど大事なものなのねえ」
 ミホ「ほんとうはわたしが面倒みてあげられればいいんだけど」
 ユミ「ユウスケくんのうちが見付かるまで、私が引き受けるわ」
 責任感の強い真面目なユミはそう言うが、この辺の流れはいかにもドラマだよね。普通、高校生がこういう状況になったらまず確実に児童相談所とかに電話するでしょ。
 他人に面倒臭い子供を押し付けて一安心のミホは、「ありがとう」と自然に笑みがこぼれる。

 ユミ「(首を横に振って)ミホさんにはいっつも危ないところ助けて貰ってるんだもん」
 ミホ「うんう、ほんとは私が真っ先に戦わなきゃいけないの。でも……」

 と言う会話が交わされるが、「いつも危ないところを助けて貰っている」という台詞は、いささか誇張であろう。これが14、5話あたりだったら頷けるのだが、過去6話分のうち、本格的な戦闘シーンが発生したのは5回で、そのうちミホが戦闘中に薔薇で助けたのは2回に過ぎない。もっとも、第4話で雄太を助けたり、ケイの目を覚まさせたりしているが、それでも3/6話だから、5割に過ぎない。特に、直近の2話では助けるどころか、回想シーンのみの出演と言うやる気のなさがみなぎっているミホの姿勢を見た後で、この台詞はちょっと素直に受け取れないのだ。

 ユミは、話の流れをつかんで、思い切って切り出す。 
 ユミ「ねっ、ミホさんも反逆同盟に入って! あなたが一緒に戦ってくれればこんな心強いことはないわ」

 個人的なことだが、自分は最初見ていてドキッとした。この時点では、終盤にならないとミホが加入しないことは知らなかったから、ここでいきなり中山美穂が本格的にドラマに参加しだすのではないかとだいぶ心配したのだ。きらいだからね、あたしゃ中山美穂が。最近はだいぶ慣れたけど。
 ユミの率直な申し出に、戸惑いを隠せないミホ。

 まさか「な・ま・い・き盛り」の撮影があるからダメとは言えず、黙ってうつむく。
 ユミ「目的は同じなんだもの……ルリやケイも歓迎するわ……ミホさん!」

 なおも説得するユミ……だが、確かに反逆同盟としては同じかもしれないが、そもそも彼女は母親の消息を知るために転校してきたわけなので、いつの間にか初志を忘れている感じだ。それに、この時点でルリやケイが理事長の娘であるミホを受け入れるはずもない。それはこの後のシーンで証明されている。
 やおら立ち上がって、(意味もなく)窓際に移動するミホ。
 ミホ「あたしもあなたやルリとケイと一緒に戦いたい。仲間になりたいっ」

 最後の「なりたいっ」のあとに、はあとマーク5個でもつけたいぐらいの甘えた喋り方である。

 そしてミホの突然どアップアングル。さらに異例とも言える長台詞スタート。
 W主演と言いつつ、中山美穂がほとんど出ねえじゃねえかという、当時のミポリンファンのクレームへの配慮だろう。特に、この時期、5話、6話、8話、9話と休みっぱなしだからね。
 ミホ「でもん、あたしの父、山縣雄一郎は人間として最低の男よ。金のためには平気で人を裏切り、踏みにじってきた。あたしを孫のように可愛がってくれた前理事長の阿部さんまで……でもねえ、人間として最低な男でもあたしの父なのよ。このことだけは決して消すことの出来ない事実だわ。それにこれは学園の上層部でしか知らない秘密だけど……父は事故で下半身不随なの……あたしのために」
 この画像、後ろのユミがケータイいじってるというコラにしてみたい。
 「その話、まだ続くんですか?」と言いたいのを懸命に堪えるユミ。

 続くのだった。
 ミホ「三年前、あたしが中等部のときね、阿部さんを追い出しのが父だと知ったあたしはウチを飛び出した。怒りと悲しみで何にも見えなかった……車が突っ込んできたの」
 と、ここで車の急ブレーキと衝突のSEが入り、そして、中山美穂、一世一代の大(根)芝居!

  
 当時のことがフラッシュバックして、思わず耳を塞いでしゃがみこむという演技なのだが、これがまあヘタクソで、自分、初めて見たときは腰が抜けそうになった。続けて、盛大にクラッシュのSEが鳴り響く。ここは借り物でも、そういう映像を挟んで欲しかったところだ。

 そんなミホをじっと見守るユミ。 
 「あ、この人、演技が下手なんだ……」
 ミホ「追って来た父は私をかばって……あんな父でもあたしを愛していたのよ……そしてあたしも父を……」
 ユミ「ミホさん……! オチはないの?
 ユミの感極まったような声に振り向くミホ。
 ミホ「もう少し待ってぇ、あたしがふっきれるまで
 と言う、かなり個人的かつアバウトな条件を提示されても、
 「ちょっ待っ、あんたの気持ち次第かよ!」などと突っ込むこともせず、力強く頷いて、
 ユミ「待ってる、いつか一緒に戦える日を」と応じるユミは大人です。
 そして互いに笑顔で見詰め合うふたり。ユミは最後にもう一度頷く。
 その後、厄介なのを人に押し付けてせいせいした思いで帰途に着くミホ。電柱に「松丘」と見えるが、世田谷の弦巻あたりであろうか。 
 ちなみにこのシーンは、はるか後の第14話で、ユミを助けて部屋に送り届けた後のミホの映像として再び使われることとなる。 
 一方、ミホが帰った後、ユウスケのそばに正座して散らばった衣類を畳んでいるユミ。
 なんかこの様子が、若いお母さんみたいでちょっと萌える。ま、仙道さんは大人っぽいので親子としてもそれほど違和感はない。

 しかし、テーブルランプつけっぱなしだと子供は眠れそうもないが……。 
 その際、こういう重要な手掛かりが見付かるのがドラマの定番演出。
 ユミ「むらかわゆうすけ……」

 で、翌朝、舞台は黒鳥学園に。
 ルリ「この子の親を探すぅ?」
 ユミ「頼まれたのよ。ある人に」
 ケイ「で、手掛かりはあるの?」
 いわゆるアジトで話している四人。それはいいのだが、そもそもこの子供をどうやって他人の眼に触れさせないでここまで連れて来たのだろう。
 ま、相当警備がルーズな学校だから、ほかの生徒が来るだいぶ前に来て、ここに隠れていたとすればぎりぎり辻褄が……あうかな?

 いやそもそも、ユウスケを学校につれてくる必要自体、ないだろう。相談する前に、雄太あたりの家でしばらく面倒見てもらうよう頼んでおくべきだろう。
 ユミ「今のところ、これだけなんだけど」
 ユミがさきほどの名札を取り出す。
 ケイ「めぐみ幼稚園……」
 雄太「オッケイ、早速調べてみるわ」
 と簡単に言いつつ、名札を取ってさっさと出て行く雄太。
 ユミ「授業は?」
 ケイ「ふけるのよ、宿題を忘れたから」
 ルリ「いい理由ができたわけ」

 こともなげに言う二人だが、しかし、理由ができたと言っても、そんなことを教師に言える訳もないし、単なるサボリであろう。
 この学園、規律が厳しいんだか緩いんだか、よくわからないのだった。それに、宿題を忘れたからって、……小学生じゃないんだからさ。
 こういうところを見る限り、序盤にあった減点制度は(スタッフに)廃止されたっぽい。
 ミホ「ユウスケ、ここから出ちゃダメよ、お昼になったらお弁当持ってきてあげるから」
 優しく子供に言い聞かせるユミ。

 ユウスケ「うんっ」

 で、これから全話中でも屈指のほのぼのシーンがはじまる。覚悟するように。
 2-Aの教壇に立っているのは、極悪教師・九条……なのだが、
  
 九条「どぅですか、芸術と言うのはやはり美を追求することにありましょう。だから先生はこれからポーズ取りますから先生の見たものをそのままを描けばいいんでざんがしょう。それじゃポーズとりましょう」
 日本語が一部変だけど、とにかくまくしたてる九条と言うよりは、竹中直人のネタを見せられているような感覚に陥る一幕。
 体を反らせて、臀部が机の角にでも当たったのか、
 九条「あ、ケツの穴が……(笑い声に対して)笑うな! じゃあポーズ取りましょう」
 うーん、さすがにこの辺はアドリブかな。シナリオに「ケツの穴が」なんて書いてあったとは思えん。
 生徒たちの反応も、竹中直人のライブを見て素で笑ってるみたいだ。
 そしてトドメは必殺の顔芸! もう、ここは全部竹中直人のアドリブでやってんじゃないかと言うやりたい放題。

 文字通り独壇場である。

 九条は、音楽篇の解説でも生活指導主任としか書かれておらず、何が専門なのか不明だったが、今回のシーンを見る限りでは美術教師だったらしい。ただ、第9話ではちゃんと別に美術室があるんだから、教室で行うと言うのも変なのだが、それ以上に、いつの間にやら今までのイメージとは真逆の面白い普通の先生に変わっているのが非常に印象的なのだ。これでは悪徳教師ではなく、普通のギャグ好き教師ではないか。
 また、授業を受けている不良生徒たちにしても、今回は妙に真面目な態度なのであった。九条への反応にしても、ごく普通の朗らかな感じだし。

 子役が活躍することと言い、今回は前回までと比べると極端なほんわかムードに包まれている。ま、監督が変わった(江崎実生→帶盛迪彦)というのも影響しているのかもしれないが、それ以上に、毎回流血するような暴力的なドラマから、やや穏健な方向への路線転換の模索が早くも始まっていたのかもしれない。このシナリオは、初回オンエアの後に書かれたと思うんだけどね(自信はない)。

 ところで黒板の字や、わけの分からない絵も、竹中直人が描いたんだろうか。

 と、廊下の向こうから軽快なBGMを背に、ユウスケがふらふらと歩いてくる。

  
 そして2-Aの教室の後ろのドアから中を覗く。
  
 ルリ「やあねえ、なにあのポーズ」
 後ろを向いて無駄口をたたくルリ。ケイも同意して頷くが、そこでルリが、ユウスケに気付く。ケイもルリの視線を追って振り向く。
 ユウスケは調子に乗って戸を開けて教室に入ってくる。
 生徒たちは誰ひとり気付かないのだが、戸を開けた時点で、絶対音がすると思うんだけどね。
 なお、入り口のところの机が無人なのは、幼稚園へ行っている雄太の席だからです。
 
  
 ルリは「ユミっ」と、小声でユミに呼びかけるが反応がないので、赤っぽい物体、多分消しゴムだろうが、それを投げつける。
 何事かと見るユミに、ユウスケのことを指差して知らせる。
 ユミは振り向いてユウスケに気付き、「まあ」と言うように声を出さずに驚く。
 ユミの気持ちも知らず、嬉しそうに手を振るユウスケ。何度も言うが、可愛くない!

  
 ユミ「向こう、早く、早く」
 懸命に手を振り、小さな声でユウスケに戻るように指示するユミだが、
  
 九条に見付かり、
 九条「こら! なにを手をぶらぶらやってんだ!」とシリアス顔になって怒られる。
 ユミ「ぁ、すいません!」
 しかし、この画像、知らない人が見たらどういうシチュエーションなのか悩みそうだ。
 ところがこのガキは……あ、ガキって言っちゃった! ……と、とにかくユウスケは、指示に従うどころかますます図に乗って、遂にはジェリー藤尾の娘のスカートの中に潜り込むという恐るべき所業に出る。

 しかし、これだけうろうろしていてユミたち以外誰一人気付かないと言うのは、さすがにウソ臭い。
  
 アキはちょっと怪訝な顔をしていたが、
 「ヒャッ」と可愛い声を出して即座に立ち上がり、
  
 迷うことなく、左横の席にいるワタルの顔に、必殺のビンタを叩き込む。破壊力ありそうだ。
 ワタル「なにすんだ、てめえ!」
 当然怒るワタルだが、この後ろに貼ってあるポスター、ひらがなで書いてあって、どう見ても小学生向けの内容っぽいんだけど。
 アキ「スカートん中、手ぇ入れたろぉっ!」
 歯の間から舌を突き出して発音するアキ。

 ワタルは、身に覚えのない疑いをかけられて頭がバカになったのか、まあ、もともとバカだからか(3話参照)、 
 ワタル「ふざけんなよ、誰がお前なんか……お前、頼まれたってふざけんなよぉ!」

 と言う、シリーズ中の名台詞を吐く。
 で、それを横で聞いていた九条も、乳首を出したまま、
 九条「おいワタル、頼まれたってふざけんなぁ、なんて日本語ないだろう」

 と、的確に突っ込む。

 九条「ははははっ」
 九条の笑い声に、ほかの生徒たちの笑い声が和す。
 自分、このやり取りがとても好きなのだった。

 あまりに理不尽な疑いに思考回路がおかしくなって、言葉がむちゃくちゃになるワタルの台詞もリアルでいいけど、それにいかにも善良な教師ふうに冷静に文法の誤りを指摘する九条の台詞もまた最高におかしい。

 もっとも、ここまで徹底して和やかなムードはこの回限りで、これ以降、九条は以前のような管理教育を目指す悪徳教師に戻ってしまう。
 ただし、以降も、九条は、第9話では一瞬だけ生徒思いの正義感ふうになるし、第11話では佐伯が愛だの人生だのと生徒に説教するシーンもあり、教師たちの性格描写はこのあたりでよくぶれるのであった。 
 そういう一幕の後も、懲りずにユウスケはなおも教室内を動き回り、
 遂にユミのところまで辿り着く。しかし、後ろの森口博子はさすがに見て見ぬふりしてるだろ、と突っ込みたくなる。
 ユミ「どうしたのっ?」
 やっぱり仙道さんは美人だ。

 ユウスケ「おしっこ」

 と言う訳で、ユウスケはトイレに行きたかったらしい。そりゃまあそうだろうな。

 ユミ「もう〜」
  
 ユミ「あのー先生、ちょっと、トイレに!」
 九条「だめでざんがしょう!」

 が、にべもなくはねつけられる。なんでだよ? しかし、ヒロコはなんか凄い色の頭しとるな。ワタルも。
 あと、隅の席の森口は、完全に寝てるけど。
  
 そこですかさず、
 ルリ「あ、あたしも」
 ケイ「おなじく」と、援護射撃のために起立する二人。
  
 九条「集中力ないでざんがしょう! でもぉ、我慢が出来ないっていうのならしょうがないでざんがしょ、ふふっいってらっしゃい、いっていらっしゃい、ははぁっ」
 最初は険しい顔で認めないのだが、結局許してしまう優しい九条。
 でも、ユミひとりならだめで、三人ならOKというのも変だけどね。

 それと、トイレは集中力の問題じゃないと思うんだが……。
 直後、足が滑ったのか、ひとりでこけて、「あいたっ、肘を! くっ」と、肘をどこかで打って悶える九条。この辺もアドリブ臭い。その様子にひとしきりまた笑いが起こる。
 スケバンヒロコも大笑い。
  
 で、その隙に、仙道さんが神聖なるスカートをひろげて、ユウスケをその中に入れてしまうのである。

 ぐう、うらやま……、いや、けしからん! だいたい、教室に入るときはそのまま動いてバレてないのだから、出るときにそんなことすると、逆に不自然であろう。ユミが後ろ向きで歩いているのは絶対人目を惹くはずだ。
 あまつさえ、仙道さんの細い足首を掴むお子様。きーっ。
 まあストーリー上、他の生徒たちにばれることはないんだけどね。仙道さんのスカートの中に頭突っ込んだまま廊下へにじり出るユウスケ。
  
 その状態で、よたよたとペンギンのように歩くユミが可愛い。でも改めて見ると、昔のスカートは長かったのだなぁ。
 ユミ「こらっもう、出歩いちゃダメって言ったでしょ!」
 ユウスケ「だってもれちゃうんだもん」
 と、ここでかなり馬鹿でかい声を出しているので、絶対教室内に聞こえると思うんだけどね。
 とにかく、ユウスケを連れてトイレに向かう仲良し三人でした。

 その頃、雄太は早くも「めぐみ幼稚園」を探し当て、そこから颯爽と出てくるところだった。
 今だったら、こんな格好した奴がいきなりやってきたら、即警察沙汰だろう。しかし、ドラマでは雄太はしっかりユウスケの個人情報をゲットしているのだから、隔世の感がある。

 ちなみにこの看板はいかにも取ってつけたようなので、名称は架空だろう。ちなみに建物についてる時計の時刻は10時25分くらいを指している。
  
 その足で、ユウスケのアパートへ行くと、ユウスケの父親・村川(池田まさる)登場。
 村川「ユウスケが?」
 雄太「そう、おいらが保護してっから」
 村川「良かったぁ、三日前に姿を急に消しましてねえ。八方手を尽くして探してたんです」
 らしいのだが、ミホに保護されるまで、どうやって生きていたのだろう。ま、家出したときに多少の食べ物はリュックに入れていたのかもしれない。 
 村川「ありがとうございます」と手をついて感謝する父親に対し、
 雄太「そんな! いやっ当然のことをしたまでですって」と、すこぶる優等生的反応。
 村川「とんでもありません、このお礼は、必ず、さして頂きます!」
 妙に卑屈な親父だった。
 今度は再び学園に舞台がうつり、アジトで手作りの弁当を食べているユウスケ。
 それを嬉しそうに見守るのはミホ。
 ミホ「美味しい?」
 ユウスケ「まあねー」
 可愛げの(ほんとに)ない子供。
 ミホ「こいつぅ、これ作んのにねえ、1時間も早く起きたんだぞっ!」
 ユウスケ「父さんの作るのはもっとうまいもん!」
 ミホ「お父さんいるの?」
 ユウスケ「いないよーっ、そんなもん!」
 ユウスケは父親の作る弁当の方がうまいと口を滑らせるが、ミホが父親がいるのかと突っ込むと即座に否定するのだった。

 と、そこへ戸の開く音がして、ユミたちが入ってくる。
 ルリの声「ユウスケ、お昼もって来たよ!」

 そこへミホが居るのに気付き、
  
 ルリ「おやおや、これは理事長のお嬢様がどおいう風の吹き回しで?」
 と、「ど」にアクセントを込めて先制パンチ。
 吹き回しとか言ってる前に、ミホにユウスケの存在を知られたことに焦ろう。

 さらに、
 ケイ「こんなところにいると、お体が汚(けが)れるんじゃなくって?」
 と、身についていないお嬢様言葉で追撃するケイ。ちょっと後藤さんには荷が重いセ台詞だったろう。
 敵意剥き出しの反応に、さすがに険しい表情になるミホ。
 ルリ「ユウスケ、こんなもん食べてたらねえ、腹ン中真っ黒になっちまうよ」

 言いながら、食べてる途中なのに弁当に蓋をして、箸も乗せて、
 ミホの前に突き返す。

 これはさすがにやり過ぎの演出だろう。自分は中山美穂は嫌いだが、このシーンではちょっと同情してしまい、同時にルリがいやな奴に見えてしまったくらいだから、当時の中山美穂ファンから、山本理沙さんは恨まれたのではないだろうか。まあ、現実と空想の区別のつかないやつばっかりではあるまいが。しかし、第3話の冷たい応対と言い、ここのやり取りと言い、山本理沙さんは損な役回りが多い。

 で、このシーンから分かるように、ルリとケイの理事長の娘ミホへの拒絶反応はとても強く、冒頭でユミが言っていたようにミホの加入を二人が歓迎するとはとても思えないのである。ここでは、勝手にアジトに入られて、ユウスケの世話をしていることへの反発も加味されていたのだろうけど。

 しかし、理事長の娘だからと言うだけで、ここまで嫌われると言うのは、やっぱり、彼女自身にも問題があるのではないかと勘繰ってしまう。実際、このひと、しょっちゅう授業サボっては色んな所に出現するので、結局は理事長の娘と言う立場を利用して好き勝手に振舞っているように見えたのではないか。ついでに言えば、同盟結成時に、「学校に対してはあくまで柔順な生徒としてふるまう」という鉄則があったはずだが、理事長の娘に対しここまで露骨に喧嘩を売るのは、その方針にも反していると思うのだが。ミホの気持ちを知っている我々視聴者からすれば、彼女が父親に告げ口をすることはないとわかっているから、スルーしてしまいがちなのだけどね。

 (この辺についてはマニアックコラム006参照) 
 ルリの大人気ない態度を見兼ねて「ルリっ」とたしなめるユミ。
 弁当を手に取り、やや険しい目で二人を見詰めるミホに、
 ケイ「やるってえの? 手加減はしないよ!」
 と、可愛くタンカを切るおケイちゃん。
  ユミはたまりかねて、「ルリ! ケイ! ……彼女は」と、思わずミホの本心を打ち明けようとするが、それを制するように、
 ミホ「失礼するわ、お嬢さんのただの気まぐれだったみたい」と軽くいなして、そのまま部屋を出て行く。

 自分で「お嬢さん」言うな。

 部屋を出て行くミホに対し、心の中で「ミホさんっ」と呼びかけるユミ。

 ところでここでユミがミホのことを二人に打ち明けていたら、どうなっていただろう。かなり気まずいことになっていただろうな。
 考えたら、別にミホの本心を秘密にしておく理由はないんだけどね。
  
 ルリとケイも、その後ろ姿を見送ってから、がらりと態度を変えて、ユウスケにサービスこれ努める。
 ルリ「さあユウスケ、こっちのお弁当食べよっかぁ」
 ケイ「ねえ、ミカンもあるし、バナナもあるんだよっ」
 ルリ「ユウスケ、ミカン好きだもんねえー」


 ふたりの、この辺の喋り方はとても愛らしい。特にルリの「食べよっかぁ」の発音は必聴である。
 しかし、そんなにちやほやされるような可愛い子供には見えないんだけどね。

 それと、弁当は多分ユミが持参してきたものだろうが、くだものはどこから調達してきたのだろう。だいたい、今朝初めて会ったのに、なんでルリは「ユウスケがミカンが好き」だということまで知っていたのだろう。謎だ。 
 彼らの会話も上の空で、ひとり、つらそうな表情のユミ。
 弁当を持って廊下を歩くミホもさすがに寂しそうであった。

 ちなみに背後の掲示板に貼ってあるのは(童話の)アンデルセンについて書かれているようだ。ここはほんとに不良の集う高校か?
 ミホのアップでCMへ。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 CM明けました。
 ユミ「見付かったの、ユウスケのお父さん?」
 雄太の報告を受けて、八重歯が一瞬覗く仙道さん。
 雄太「ああ、神社の境内で待ってる」
 場面は素早くその神社に切り替わる。
 雄太「さあ、感激の対面だ」
 ユミに頭をナデナデされるユウスケ。羨ましいお子様だ。
 と、建物の横からおやじが登場。
 村川「ユウスケ!」
  
 しかし、ユウスケはユミの背後に隠れてしまう。
 ルリ「うん? やぁーだ、照れてんのっ!」
 ユミ「さっ、お父さんよっ、はい」
 単純な照れ臭いのだと思い込んでいるユミたちは、ユウスケを押し出すようにするが、ユウスケは嫌がって行こうとしない。
 ユミ「どうしたの?」
 村川「ユウスケ、おいで」
 村川が手を伸ばして呼びかけるが、
  
 とうとうユウスケは彼女たちを振り切って後ろの森の中へ走って行ってしまう。

 カメラは走り去るユウスケの後ろ姿をひたすら映すが、誰も追いかけようとはしない。

 ……追えよ! ここはウソでも、雄太あたりが追い掛けるカットが欲しかった。で、「見失っちゃった」と戻ってくるの。


 再び場面はどこかの公園にかわるが、これは神社に隣接する公園なのか、まったくべつの場所なのか、分からない。第5話でバトルが行われる児童公園と同じかもしれない。
 誰もいないのに揺れているプランコ。
 反省会を開いている大人たち。
 しかし、このアングルだと妙におケイちゃんが村川に接近しているように見える。

 村川「私が悪いんです。あの子の母親が死んでから……忙しさにかまけていつもひとりぼっち……そんな父親を見限ったんでしょうねえ」
 ルリ「そうだよ、一番親を必要としてる時じゃない」
 村川「一言もありません」
 女子高生に叱られて謝るオヤジ。
 ユミ「わたしたちも、ユウスケくんを探してみます……だから」
 村川「……はい」
 だから、何といいたかったのだろう。「だからお前も探せ」かな。
 ケイ「うん、乗りかかった船だもんね!」
 なんとなくこの言い方が、上から目線っぽくで可笑しい。
 村川「ありがとうございます」
 15歳(設定は17だが)の小娘に頭を下げる村川さん。ちょっと悲しい。

 場面は再び学園のアジト。先程のことについて謝罪しているユミ。BGMは「Shadow of Love」のインスト。

 ユミ「ごめんなさい、さっきは……ルリとケイったら」
 ミホ「仕方ないわ、それより気になるわ、ユウスケのこと」
 ユミ「えっ?」
 ミホ「似てるのよあたしに。父ひとり、子ひとりで、ほんとなら何よりも父親を求めるはずよ。しかもあの年で! たださみしくて反発してるんじゃないと思うわ。よほどのことよ、父親の存在さえ、否定するなんて」
 歩きながら話すミホ。
  
 ユミ「ミホさん……」
 ミホ「父親に何かあるのかもしれない。人に言えないような秘密が」

 ミホの背後に久しぶりに前理事長の遺影(殺すなよ)が映り込んでいる。

 次の場面では、全員でユミの部屋に帰ってくる。
 この前にユミがひとりで学園に戻っていることから、この間にそれぞれ手分けしてユウスケを探していたが、見付からなかっため、とりあえずユミの部屋に集まってきたと言う流れだろう……か? みんな疲れている感じだが、
 その苦労も知らずに、ユウスケがひょいと顔を出す。
 ユウスケ「おかえんなさーい!」
 いかにも作為的な顔の汚れ方である。
  
 ユミ「うん、ユウスケ!」
 驚きつつも、ホッとした顔でユウスケに飛びつくユミ。

 雄太「おい、どっから入ったんだあ?」
 ユウスケ「あそこの窓ーっ!」
 と、ドアと反対側を指差す。

 と言うやり取りがあるのだが、過去のシーンから推測するに、ユミの部屋は少なくとも2階以上にあるはずで、その外側の窓からこんな子供が侵入できるはずがない。そもそも一度連れられてきただけのマンションの部屋に、正確に戻ってこれるだろうか、こんな子供が。

 ルリ「こやつ、心配かけやがってぇ」
 何故かちょっとおもしろい二人称を使うルリ。
 ケイ「早速お父さん知らせなくっちゃ!」
 はやるケイを、
 ユミ「ちょっと待って、ちょっと気になることがあるの」と制す。

 「腹減ったなぁ」と、喚くユウスケに対し、
  
 ユミ「うーん、汚い顔してぇ」
 と、保護者然とした顔になり、目線を上下させてユウスケを眺め見るユミ。そして、上目遣いをしつつ、
 ユミ「よし、一緒にお風呂はいろっか!」
 と、男性視聴者が即座に仙道敦子のセミヌードを連想してしまう台詞をさらっと言い放つ。

 それを聞きつけて雄太がうろたえる。
 雄太「だめだよ! 一緒になんて……」
 子供に嫉妬してるのがカワイイのであった。そういえば、初回ではユミに惚れている感じがあったが、それ以降、そういうのを想起させるシーンはなかったので、久しぶりの片思いの発露であった。
 ルリ「ばぁーーかっ」
  
 ルリ「何考えてんだよっ」

 早速、天敵のルリに茶化される。かけがえのない青春の1ページ。
 山本理沙さんはこういうセリフ、仕草が似合うよね。
 で、まあ、一部の男性視聴者が期待したような展開にはならず、
 何故か、突然、ミキハウスというロゴがでかでかと画面を占領する。間違いなく、スポンサー対策だろうが、あるいはこの回だけ子供用の衣装のタイアップということで、こういう演出があったのかもしれない。とにかくまあ、ここだけ不純な動機で撮られたカットである。物凄く不自然であるが、子供用の服を選んでいる三人の図は、なかなか可愛らしい。
 ルリ「ねえ、これなんか絶対似合うと思うな」
 ユミ「ユウスケ? そうお赤ぁ?」
 ルリ「かわいいじゃない」
 ユミ「えー、ちょっとちょっと来て」
 ユミは納得行かず、近くにある別の服を見せようとするのだが、その際、ケイの手をしっかり握っているのが微笑ましい。他のシーンでもケイが甘えるようにユミの腕をつかんでいることがあるので、よっぽど後藤さんは仙道さんになついていたのだろう。
 なお、ここの「えー」と言う言い方が、ちょっとおばさんっぽくて面白い。
  
 ユミ「こっちの方が絶対に似合うって」と、緑色の服を推す。
 しかしルリは、台詞の途中から「あっ違う、こっちだってば」と、全否定。
 さらに、ケイも白い服を持って「でも、こっちのほうがいいよぉー」と、主張する。

 意外と、人の意見を聞かない三人だった。

 で、結局どれを買ったのかは不明である。

 一方、ここで漸く父親側の事情が視聴者に明らかになる。
 村川のアパートの部屋。
 西村「一体いつまでかかるんだぁ、ああ、てめえのガキ探し出すまでよ!」
 なかなか面白い眉毛の持ち主、西村といういかにもやくざ風男性。演じるのは増富信孝氏。
 村川「もう少し待って下さい」
 西村「ふざけるんじゃねえよ!」

 後ろのサングラスの男は西村の部下・小沼で、恐らく井上清和という俳優だ。今回、他に台詞のあるキャラはいないからね。
 西村「さっさとヤク売り捌かねえとよ、サツが動き出すんだ。とんでもえねえ間抜けと組んじまったよぉ、昔のコネ利用して病院からヤク盗み出したまでは良かったが、こともあろうによ、そいつをてめえのガキに盗み出されるとはよ」

 説明台詞乙。

 結局、ドラッグであった。このドラマでは悪人=違法ドラッグというパターンが多い。
 なお病院から盗んだと言うことは、モルヒネだろうか?
 カメラが部屋の外を映すと、意外にも盗み聞きしているミホの姿が。

 しかし、第5話の雄太のように盗聴器を仕掛けてずっとモニターしていたのならばともかく、たまたま核心に触れる会話をしているときにそこにいるなんて、さすがにちょっと不自然であるし、だいたい建物の外にいて中の会話がはっきりと聞こえるだろうか? ま、西村はそこそこでかい声を出しているが。

 それ以前に、ミホはどうやってこの住所を知ったのだろう。住所を知っていたのは雄太だけで、ミホが彼からそれを聞き出すのは骨だろう。
 雄太→ユミ→ミホという情報の受け渡しを想像すれば、辻褄はなんとか合うが。
 西村「おうっ、俺の我慢にも限度があるんだよ……おい、小沼!」
 村川「待って下さい!」
 後ろの男が村川にドスをつきつける。
 村川「手掛かりはあるんです、あの、ユミって小娘がユウスケの面倒見てたらしいんです」
 切羽詰ったおやじは、ユミのことをぺらぺら喋ってしまう。
 西村「どこだそいつのヤサは?」
 あんまり顔近付けられると、眉毛が当たりそうで怖い西村さん。

 その言葉を聞き、ミホは驚いてその場をすぐ離れる。ユミのマンションが襲われると思ったからだろう。ただ、ユミが村川に自分の住所を知らせていたとは思えないのだが……。まあ、連絡先として自宅の電話番号を教えていたとは考えられるが。

 それはさておき、マンションの部屋では雄太がドラ焼き食ってるユウスケの子守をしていた。
 雄太「お前、ゆうべユミお姉ちゃんと一緒にこのベッドで寝たのか?」
 自分もユミのベッドを撫で回しつつ尋ねる。
 ユウスケ「うん!」
 雄太「この野郎。……そ、それで、お姉ちゃんパジャマだったか? それともネグリジェ?

 それ聞いてどうすんだ、お前は?


 ユウスケ「はだかーっ」
 ユウスケの答えに、
 雄太「マジかぁ?」
 と興奮するが、
 ユウスケ「うそーっ」

 子供にからかわれてるんじゃねえ。
 もっとも、自分が雄太だったらこういうクソ生意気なお子様はぶん殴ってるところだ。
 ユウスケ「お姉ちゃんのこと好きなんだぁー」
 いかにも80年代のお約束の台詞と言う感じで、とても懐かしい。

 雄太「こいつ、大人をおちょくりやがって」
 大人ってあんたまだ高2でしょーが。

 ユウスケ「大丈夫、言わないから誰にも」
 雄太「ほんとだな、男の約束だぞ」
 ユウスケ「うん!」
 と、ほのぼのしていると、そこへ、ミホからの電話がかかる。
 ユウスケ「オイ、電話だぞ」
 雄太「はい!」
  
 雄太「もしもし、わたしユミです、あなただあれ?」と、気持ち悪い作り声で応じる雄太。
 しかし、話を聞いてすぐ普段の話し方になる。
 雄太「ユウスケがおやじの麻薬を? なんのことだかさっぱりわかんねえよ」
 ミホ「いいからそこにいると危険なのよ、早くユウスケを連れてそっから逃げてぇ!」
 電話ボックスからかけているミホ。
 雄太「ユウスケが麻薬ってなんなんだよ、あんた一体誰なの?」
 ミホの説明を聞いても、腹立たしいほど飲み込みの悪い雄太。

 しかも、背後のドアから小沼が入ってきたのにも気付かない。
 小沼はユウスケに「シーッ」とやってから、 
 雄太の首筋に手刀を振り下ろす。
 あっさり失神する雄太。弱いなぁ。
    
 ミホ「もしもし、どうしたの? もしもしぃ? もしもし?」
 何度か呼びかけていたミホだが、諦めてボックスを出る。


 それからすっかり夜になってから、ようやくユミたちは部屋に戻ってきた模様。
    
 小沼によってめちゃくちゃに荒らされた部屋で、片付けをしている三人と、殴られたところを濡らしたタオルで冷やしている雄太。
 机の上の人形がちょっと怖い。
 ケイ「ユウスケは父親が盗んだ麻薬を持ち出したのね」
 と、ドナルドダックを手にしておケイちゃん。

 ユミ「きっとやめさせたかったのよ。子供心にも悪いことだとわかって」
 うーん、でも、ユウスケの年齢でわかるかなぁ?

 ルリ「許せない父親だよ、ユウスケの心を踏みにじりやがって」
 雄太「なんとかなんねえのかよ!」
 ケイ「そんなこと言ったって、相手の正体もわかんないのよぉ」

 最後のケイの台詞は、後藤さん独特の言い回しが堪能できる。
 ケイだけじゃなく、それぞれみんな個性的な喋り方(演技)をしているから、こういう何気ない会話のシーンが楽しくてしょうがないのだ。
 それにしても、転校から2ヶ月とは経ってないのに、やたら物がある部屋だね。九州から私物を全部持ってきたのだろうか?
 ユミ「麻薬はまだどこかにある筈よ、だからこの部屋を探したのよ」
 ルリ「ユウスケが隠したってこと?」

  
 何かを思い出そうと視線をさまよわせるユミ。ここで結構時間がかかるのだが、冒頭であれだけ分かりやすい伏線を張っていたので、麻薬がユウスケのリュックの中にあるのは分かりきってるんだけどね。この場合は、そのリュックがどこにあるかを考えていたのだろう。

 ただ、リュックがユウスケの手元になかったと言うのはいささか不自然だ。未来予知ができればともかく、肌身離さず持っているのが普通だからね。
 それに、麻薬がまだ相手の手に渡っていないと決め付けるのも変だろう。ユウスケが部屋のどこかに隠していて、それを既に持ち去られているかもしれないからだ。

 そして、ポクポクポク、チーンと言う感じで遂に解答に思い当たり、勢いよく立ち上がるユミ。
 その答えは、彼女たちのアジトであった。まあ、ユウスケがこの部屋以外でいたのはここだけだから、他にはないんだけどね。

 次のシーンでは早くもアジトに来ているユミたち。
 それにしても、相変わらずセキュリティが甘い学校だ。
 ユミが入り際に右手を指して「ケイはこっちを見て」と狭い部屋なのに、わざとらしくそう指示を出すのは、一応、伏線である。
 ところで、廊下に電気が明々とついているのはさすがにまずいのでは? それでいて、部屋の明かりはつけないんだよね。
 ソファのシーツをめくって探すユミだが、画面の左端に何か白い紙が既に貼ってあるのが見える。
 志村うしろーっと叫びたくなる場面だ。部屋の明かりをつけないのは、このためかな。

  
 貼り紙には(わざとらしく)気付かないが、探し物はめざとく見付けるユミ。
  
 ユミはひとりでリュックをテーブルの上に置き、ファスナーを開く。
 しかし、探しているリュックが見付かったら、普通みんなに「あったわよ」とか言うよね。

 リュックから新聞紙の包みが出てきて、中にはビニール袋に詰められた白い粉が……。
 まあ、本物のモルヒネはこんなんじゃないとは思うが、自分も知らない。
 ユミ「あった」
 雄太「やっぱり麻薬だ」
 見ただけで分かるのか、お前は。

 そこで、ユミに言われて壁際を探していたケイが、三人の後ろで貼り紙を発見する。
 ケイ「見て、これ!」 
  
 薔薇の茎で壁に刺してある紙にはこう書かれているのだが、無論、ミホが先回りして残していったものだろう。
 こういう壁に穴が開くほど茎は硬いのだろうか? と言うか、押しピンで十分なのであって、ミホの自己顕示性がよく表れている。

 しかし、ミホはどうやって西村の名前や会社を調べたのか? さらにユミたちがここへ探しに来るとどうして分かったのか。
 いや、そもそもここに立ち寄っているのなら、麻薬の入ったリュックをそのままにしていかないで、ユミに手渡せばいいでしょ。

 ユミは、これ見よがしに残された薔薇を見てすぐミホの仕業だと気付き、
 ユミ「ミホさん……」
 心の中で感謝するのだった。

 この段階では、他のメンバーは、誰が紙を貼ったのか、雄太に警告してきたのが誰なのか、そもそもユミにユウスケを預けた「ある人」が誰なのか、まるで関心がなく、詮索しようともしないので悶着にならずに済んでいるのだが。

 その頃、村川はユウスケとともに西村の事務所にいた。 
 村川「あれを何処に隠したんだ? 言うんだユウスケ!」
 麻薬のありかを問い質すが、ユウスケは横を向いて答えない。
 西村「えーえー、ダメだそんなこっちゃあ……もっとガツンとオヤジの権威見せたらどうなんだよう」
 これはいつものセットにストリップのポスターとかべたべた貼って、ヤクザの事務所っぽく見せてるんだろう。
 小沼「なんなら俺が……」
 村川「待ってください」
 しかし、小沼さんは、すごい柄のネクタイしてはりますね。
 村川「ユウスケ、お父ちゃんがな、こんなに一生懸命なのは、何の為だか分かるか? みんなお前に楽をさせてやろうと思ってやってるんだ。それが分からないのか? ユウスケ!」
 そこへ、電話がかかってくる。
 西村「はい、ああ、俺だ。うんー? ……分かってるよ、ああ勿論OKだよ……じゃっ」
 無論、相手はユミからだろう。このやりとりからすると、場所の指定はユミのほうがしているらしい。
 西村「小娘が取引持ちかけてきた。ガキとブツと交換だとよ……ふぇへへへへっ」
 あっさり応じる西村だが、よくよく考えたら、ユウスケは実の父親と一緒にいるわけで、その子を赤の他人が引き取ると言うのは、なんか変だなぁという感じである。ここは、おやじが改心してヤクザたちと縁を切って(ユミたちと一緒にいて)、ユウスケだけが囚われていると言う状況じゃないと、成立しない話だと思うのだが。ついでに、西村はなんで自分たちのことを彼女が知ってるのか、疑いもしない純朴なヤクザだと思われる。

 普通は、このまま取引のシーン、つまり戦闘シーンに行くところだが、今回はミホがメインと言うことで、その間にこんなシーンがある。
  
 夜の街を走るミホ。これは取引現場に向かっているところなのだが、そこがどこなのかは、さすがにユミから連絡を受けないと分からないだろうから、上の電話の後、ユミがミホに知らせたのだろう。

 ところで、後ろの電柱に「松丘」とあるのだが、町名だろうか。しかし、現在の地図でも当時の地図でも、松丘小学というのはあっても、そういう地名は調べた限りではなかったので、どこで撮影しているのかは不明だ。ただ、序盤で、ユミのところから帰っていくシーンと同時に撮影しているのは間違いないと思う。そのシーンに映り込む電柱にも「松丘」と言う字が見えるからね。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 戦闘シーンであるが、厳密にはこの後、一旦ユミたちが掃けてからにすべきなんだろうが、ロケーションは変わらないので便宜上、ここからとしたい。
 待ち合わせ場所については言及されていないが、どこかの公園であろう。所在無げにユミたちを待つ西村たち。
 村川がユウスケをしっかり抱きかかえているのが麗しい親子愛に見えるが、こいつはこれから麻薬と子供を交換しようと考えているわけで……やっぱり何か変だなぁ。ここでは、最終的に麻薬ではなくユウスケを彼に選ばせないと、ドラマとして完結しないと思うのだが。
 ほどなくやってきたのは、意外にも普通のセーラー服姿の三人だった。
 初見の際、てっきりいきなり白いセーラー服でやってくるのかと思っていたが。

 こういう時でも、後藤さんの指先はピンと伸びていて気持ちが良いが、これはもう完全な癖だろうな。
 夜の静けさの中、ユミたちのサクサクと言う足音だけが響く。
 西村「約束のものは持ってきたか?」
 ユミ「ええ」
 ユミが前に出て、リュックを抱えて西村の前に立つ。
 西村「おいっ」
 西村さん、割に律儀な人のようで、顔をくしゃくしゃにして喜び、ちゃんとユウスケをユミに渡してやるよう村川に指示するのだった(ま、あとで襲ってくるんだけど)。
  
 ぼんくらオヤジは、言われるままに自分の息子を突き放そうとするが、ユウスケは父親から離れようとしない。
 この子役、可愛くはないんだけど、当時としてはやっぱり芝居はうまい方だろう。
 そのいじらしい様子を見て胸を熱くさせるユミ。
 村川「ユウスケ、行くんだ! さあっ」
 抵抗していたが、強く押されてしぶしぶと父親から離れユミのところへやってくるユウスケ。

 繰り返すが、実の父親が麻薬の代わりに子供を他人に差し出すのは、やっぱり変だ。
 どうせこの後、ユウスケは父親が引き取る以外にないのだから、この取引自体が無意味に思えてしょうがない。

 西村はリュックをユミからひったくるように受け取り、ユミはすぐにその場を離れようとする。
  
 ユミ「いこっ」
 ユウスケを促し、
 そのまま背を向けて立ち去ってしまう。この展開も意外で面白い。
 ユウスケは未練ありげに父親を振り返る。
  
 西村はビニール袋を破り、粉を小指の先につけて舐めると言う、ドラマの鉄板演出をこなす。
 昔から思うけど、味見して本物かどうか分かるんだろうか……?
 とにかく、本物だったので、顎を動かして指示を出す西村。
  
 すると、ユミたちが歩いていた横のしげみから複数の荒くれ男たちが突然現れて襲ってくる。
 しかし、この夜中に、結構距離があるのだが、こんな微妙な合図でよく分かったな。普通に「オイ」とでも声を出せばいいのだ。

 なお、右手前の下っ端の背中には「忠誠」と書いてある。
  
 最初に出てきた男は、ユミたちの真横にいたので、今回は追いつかれるのは必至のように見えたが……、
 次のカットでは、あっという間に差をつけられているのだった。
 下っ端「待てよオラ」

 なお、右の下っ端の背中には「極死」という文字が。どういう意味じゃ。
  
 しかも、下っ端の皆さんは木立の中でユミたちをすぐ見失ってしまい、立ち往生。とほほ。
 「待てこの野郎」「どこやこら」「どこいった」「どこいきやがった」言う喚き声が虚しく響く。と、皆さん一斉に園内にある橋のほうを振り向く。
 視線の先には、橋の上に並ぶ三人のシルエットが。
 まあ、こんなことを言うのは野暮だけど、さすがに着替えるのが素早すぎないかい?
 服だけなら、制服の下に白の戦闘服を着ていたと強弁できなくもないが、メイクまでばっちりやってるからな。
 「なんじゃあれは」と言う素の感じになる西村さん。
 ルリ「闇の中で、のさばり続ける悪党ども」
 今回はちょっとテンションが低いルリ。
 ケイ「(一拍置いて)てめえらのようなワルは、許せねえ」
 後藤さん、毎回言い方が違うところが逆に発見があって楽しい。15歳の新人に演技力を求めてはいけません。
  
 ユミは、まず腰のあたりで拳をクロスさせ、腕はそのままで「天に代わって」まで言い、
 両手を構えながら、「成敗する!」と決める。
 西村「なんだ、てめえらぁ?」
 西村の普通すぎる問いかけ(合いの手とも言う)を受けて、
 三人「セーラー服、反逆同盟!」と名乗る
 全体的に、ちょっとエコーがかかっている。

 西村「ふざけるなこのガキ、ほえづらかくんじゃねえぞ!」
 と、ドスの利いた大人の対応をする西村さん。もっともほんとの大人は、見なかったことにして家に帰ると思うが。

 ここから「Don't Stop Lullaby」がスタート。
 まず、橋から飛び降りる三人。これはユミ。
 ついでルリ、
 最後はケイ。
 そして、ユミの着地シーンをつなぐ。
 橋の下に降りた三人に、下っ端たちが襲い掛かり、いつものようにしばし乱闘。
  
 ケイが後ろ向きで再び橋の上に飛び上がると言う超人的な動きを見せる。無論、逆回しである。
  
 そこから(スタントから後藤さんに戻って)チェーンを投げる。だが、この時のアクションではチェーンを完全に手放してるようにしか見えない。
 下っ端の足にからみつくチェーン。
  
 次のカットでは(なぜか)再びチェーンの端を持って引っ張っているケイ。
 さらに、そのまま男を宙に吊り上げてしまうと言う怪力ぶりを示す。
 映像を見たところ、単に引っ張って持ち上げているとしか思えないので、凄まじい腕力である。
  
 さらに、再び下に降り、宙吊りの男に蹴りを喰らわすと言う凄いことをやっている。矢継ぎ早に、背後から襲ってきた敵も美しい蹴りで撃退しているのだが、とてもかっこいいので是非映像で確認していただきたい。

 ここは、一応男の体を支えたまま戦っているようだが、さすがにそれは無理がある。素早くチェーンの端を端の手摺に結び付けたのか?

 次はルリ。
  
 背を向けた状態から、勢い良く振り向く。
 そして、眼前の敵に対してパンチを放った感じで、カットがかわる。
  
 すると画面が引きになり、複数の敵を相手に大立ち回りを見せるルリの様子が映し出される。
  
 地面を転がって攻撃を避けてから、鉛筆を二本手にしながら立ち上がる。鉛筆を構えてから、
 その場で大きくジャンプするのだが、この時、珍しくスカーフが左に偏って乱れている。
 ただ、ここは映像を止めて見るとはっきり別人だと分かってしまう。
  
 そして、2列縦隊になった敵の肩の上を歩いて、その後方に跳ぶと言う、超人的な動きを見せるルリ。いかにもJACっぽいアクションだね。

 さらに、
  
 そのまま空中で体を捻って、踏み台にした下っ端たちに向かって鉛筆を投げると言う、これまたアクロバティックなアクションを見せる。
 この時の空を飛ぶ鉛筆のイメージ映像、ちょっと短いような気もする……。
 例によって指の間に刺さる鉛筆。大袈裟に悶える敵。
 しかしその奥からさらに二人の敵が迫ってくるので、着地してからもう一度二本投げる。
  
 ここでは、右手、左手と両方の手で投げてるんだよね。
  
 今度も正確に指の間に刺さる。敵はもんどりうって痛がるのだが、さすがにオーバーリアクションでは?

 次はユミ。
  
 対峙した男の攻撃を左手で受け止め、その腕を右手で打ち、
  最後は右足で蹴り上げる。
 ここは仙道さん本人がやっているが、かなりさまになっている。

 カットが変わると、カメラが引きになって(スタントにスイッチし)、
  
  
 後方の石段で、複数の敵を次々と薙ぎ倒して行くのだった。惚れ惚れするような動きである。

 そして、またすぐ本人のアクションにつなぐのだが、その編集が巧みなので、パッと見、本人が全部やっているように見える。
  
 ただ、コマ送りで見ると、仙道さんが笑っているように見えるコマがあったりする。
  
 渾身の右ストレートでぶっ飛ぶ敵!
    
 渾身のハイキックでぶっ飛ぶ敵!
  
 ユミに殴り、蹴られて、つぎつぎ水溜りに突っ込む悪人たち。
 見てる方は派手でいいけど、やってるスタントの人たちは大変である。
 なお、今回は、細かいアクションの積み重ねではなく、各キャラの特徴的な大きなアクションを撮ろうと言う方針のように見える。
  
 再び、あまり意味もなく空中回転するユミ。が、スタントの顔が割とはっきり写ってしまっている。
 続いて、ルリとケイも飛んで、
  
 後方でぼんやりしていた西村の前に着地し、逃げ道を塞ぐように反復横飛びしつつ、迫る三人。
  
 と言うタイミングで、ミホが登場。無論、これはセットに植木でも置いて、撮影してるんだと思うが……。一回くらい戦闘現場に来い。
 ミホ「おかしい(発音もおかしい)、もう一人の男は?」
 おっ、そう言えば、管理人もすっかり忘れていたが、小沼さんがいたんだっけ。 
 そう、小沼さんが橋の上からライフルで狙いをつけていたのだった。
 そういうものがあるんだったら、最初から使えばいいのに。
 いかにもマジックで引いたようなスコープの中に、ユミがうつる。ピンチ!
  
 銃の引き金に小沼の指がかかった瞬間、待ってましたとばかりにミホがバラを投げる。
 顔中バラだらけになってしまう小沼さん。
 しかし、小沼さんがいたから良かったが、彼がいなかったら、ミホは「いったいあたしは何しに来たの?」ということになっていて、相当凹んでいただろう。

 小沼さんはそのまま下に落ちてしまうのだが、
    
  
 ここ、何気に凄いのは、単に落ちるんじゃなく、左の画像のように手で橋の基部を掴んで押して、自分から反動をつけて落ちると言うより跳んでることだろう。 これは普通に落ちると、橋の基部に当たって危ないからだと思うが。
 花びらを顔に貼り付けてから、跳ぶまでにカットが変わっているので、演じているのはやはりスタントかな?
 そして、忠実な部下・小沼のいない西村など、ただの動きの鈍いおっさんでしかなかった。
 ただ、ユミと並ぶと背が高くて体格もいいのだ。三人はスタントだと思うけど。
 ユミ「えいっ」
 ユミに蹴られて、リュックを飛ばし、そのままフレームアウトしてしまう西村さん。見掛け倒しか。
 彼、いわゆるラスボスなのに、実際に倒されるシーンがないと言う珍しい人なのだった。
 麻薬入りのリュックが地面に落ちる。
 落ちてから僅か3秒でそれに飛び付いたのは……、
  
 やっぱり、おやじでした。
 いままでどこにいたんだ。
  
 この期に及んで薬持って逃げようとするが、ケイがそれに気付いて素早くスカーフを解いて投げつける。
 なお、戦闘中に、ケイがスカーフを外すシーンがあるのは異例だ。もう必要ないと一旦スカーフを結んでいたのだろうか。
 ちなみにこの時、一応背後で西村がユミとルリにトドメを刺されている感じになっているが、映像ではやっぱりはっきりとは見えない。
  
 チェーンは正確におやじの足首に絡みつき、おやじはすっ転ぶ。

 あっという間に女子高生軍団に囲まれるおやじ。絶体絶命!
 ただ、西村を殴っていたユミとルリが駆けつけるのが、少し早すぎるかも。
 往生際悪く悶えるおやじ。最後の最後でも、ユウスケではなく麻薬に飛びついた時点で、感動のハッピーエンドにはなりそうもないのだが。
 ルリ「てめえのような腐れ外道にゃ、親の資格はねえんだよっ!」

 く、腐れ外道って……。

 しかし、このタンカは「不良少女と呼ばれて」出演時のキャラを髣髴とさせるものがある。台詞の内容もね。
 ケイ「ユウスケは、もったいなさすぎるぜ、てめえには!」
 後藤さんも負けじと精一杯ドスの利いた台詞を放つ。

 ただこの場合は「てめえにはもったいなさすぎるぜ、ユウスケは!」と言う風に表現した方がいいと思うんだけどね。
  
 ユミも、一瞬悲しげな表情を見せてから、おやじの襟を掴んで立たせ、
 ユミ「あんたにわかるかい? 親を捨てなきゃならない子供の気持ちが!」

 しかし、三人の台詞を聞き比べると、やっぱり仙道さんが一番芝居がうまいなぁと感心してしまう。台詞に心が入っているのがわかる。
 
 ユミの叫びに、
 ミホ「ユミ……」
 ここで中山美穂にカメラがいくのは、無論、冒頭で、ミホが自分の父親への複雑な思いを吐露していることと呼応しているからである。ユミの言葉は、ユウスケとミホとを重ね合わせた上でのものだった。あるいは、自分自身のことも込めて言っているのかも知れない。ユミの場合は少々違うけれどね。

 そう考えると、このシナリオは思っていたより悪くないのかもしれない。
  
 当然、説教だけで帰すつもりはなく、とりあえずユミがお腹を殴る。と言っても、本気で殴っているわけではなさそうだ。
  
 続けて手刀を肩と言うか、背中に振り下ろす。

 そのタイミングで、
 「やめろーっ」と声がして、ユウスケが飛んで来る。

 ま、よくあるパターンだね。しかし、こいつもいままでどこにいたんだ。
  
 ユウスケ「この野郎ーっ、俺の父ちゃんになにすんだ!」
 と、ユミに飛び掛って、ぽかぽかと殴る仕草をする。戸惑うユミとルリ。

 最初は父ちゃんなんかいないとまで言っていたユウスケの、これが本当の気持ちだったのだ!



 ふーん、そうなの。出ベソなの。

 ユミはこの時、「あのね、あんたのお父さんは麻薬を横流ししようとした悪人なの。だからこれから成敗するのよ」と明答すべきだったろう。
 子供だからって何でも我が通ると思ったら大間違いなのだと、しっかり教えておいたほうがいい。

 しかし、抜け目のない村川は、ユミたちが気勢を殺がれたところを見逃さず、
 村川「ユウスケ、ユウスケ!」と息子にむしゃぶりついて、それ以上の制裁を免れようとする。

 「ユウスケーっ、ユウスケ、お父ちゃんが悪かった、ユウスケ、許してくれな」と号泣するおやじに、三人も手をつかねるのだった。
  
 ケイは、やや殴り足りない面持ち。
 ユミの顔は穏やかなものになっている。
 親子の和解を見届けて満足そうに去っていくミホに対し、感謝の気持ちを込めた視線を送るユミ。
 ここから「Shadow of Love」のピアノバージョンにBGMがかわる。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
  BGMはそのままに、バトル後のなごやかなエンディングへ。
 ユミ「ユウスケくんが、お弁当美味しかった、ありがとうって」
 ミホ「うん」
 二人が歩いている薔薇の咲き乱れる花壇、最初の頃にミホが薔薇の世話をしていたのと同じ場所だろうか。5話で奥村公延が管理していたのも同じか? 10話では同じ道を、佐伯とミス・オードリーが一緒に歩いていると思われる。

 ユミ「きっとお父さんも立ち直るわ……ユウスケくんのために」

 そうかなぁ……、また同じことやらかしそうだが。
 だって、麻薬と交換に息子を他人に渡すような男だぜ。

 で、結局その村川はどうなったんだろう。ユミの台詞からでは、警察に逮捕されたのか、彼だけ見逃して貰えたのか、はっきりしない。
 ミホ「そんな日が来るかしら、あたしたちにも」
  
 ミホの何気ない一言に、ユミは急に真剣な表情になり、互いに深刻な表情で見詰め合う。
 ミホはやがて微笑を浮かべるが、
  
 ユミは表情を崩さないまま、無言でその場を離れてしまう。

 ちょっとこの台詞と、役者の態度はわかりにくい。「あたしたち」というのはミホと父親である理事長のことを示しているのだが、この流れだとミホとユミのことを指しているのかと一瞬思ってしまい、「そんな日が来るかしら」の意味が理解できなくなるからだ。

 それに、台詞のあと、ミホははっきりと微笑んでいるのに、ユミはまるで気に障るようなことを言われたかのような顔になり、ミホを無視するように立ち去ってしまうのも、ちょっと変である。ここは普通に、「きっとそんな日が来るわよ」と言う意味を込めて、ユミも力強く頷く、などで良かったんじゃないかと。
  
 目でユミを追った後、ミホは溜息をついて再び憂い顔になって、「つづく」のだった。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 予告編

 今回は、予告編と本編の間にあまり違いはない。

 まず、ベッドで眠っているユウスケを見ながらユミとミホが話しているシーン。

  
    予告編                                     本編

 予告編では、ユミが肘を突いて手の甲に顎を乗せているのだが、本編では親指で支える形になっている。
 ユウスケの組んだ腕の形も違うのが分かるだろう。

 また、教室に入り込んだユウスケをユミがスカートの中に隠して廊下に連れ出すシーン。
 並べて比較するほどの違いはないのだが、無論、異なるテイクである。 
 予告編のユミの動きはペンギンみたいで可愛い。



 まとめ

 初見の評価は最低ランクだったが、改めて綿密に見ると、思っていたほどつまらなくはない。

 可愛くない子役が活躍するのが個人的に趣向に合わないし、中山美穂の芝居が下手なのでうんざりしていたが、ユウスケとおやじの関係を、ミホと理事長の関係に重ねて、ユミが訴える台詞は胸に迫る。

 一方で、極悪教師のはずの九条が妙にいい先生になっていたり、演出上の統一に混乱が見られる。

 それと本編でも述べたが、ユミたちが、ユウスケの実の父親に、麻薬とユウスケの交換を申し出ると言うのはどうもヘンである。
 厳密には、ユミが交渉している相手は西村ではあるんだけどね。
 それでも、トータルとしてはやっぱり平凡なエピソードである。結局、村川がどうしようもないダメ人間で、その癖、最後の最後に息子を出汁にしてムリヤリ感動的な締め括りさせようとするのが、ドラマとして成立していないところが原因だろう。

 繰り返しになるが、もっと早い段階で村川を改心させ、麻薬を西村に渡し、かわりに息子を取り戻させるようにしないとね……。