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第10話 赤い薔薇の死闘! 前へ 次へ 目次へ
放送日時 1986年12月15日
裏番組 ●海外特別企画「86ホノルルマラソン」
監督 帶盛迪彦
脚本 二色ひとし
準レギュ 藤岡重慶、中島はるみ、安岡力也、竹中直人
ゲスト エブリン・ベニュー/オードリー・ベーカー
予告 黒鳥学園に英語教師オードリーが就任した。抜群の容姿、行動力から学園の生徒たちは虜になってしまった。そんな折、赤い薔薇を持ったケイがドクロ面をつけたカード使いに襲われた。オードリーの目的は何か? 「セーラー服反逆同盟」、「赤い薔薇の死闘!」、お楽しみに!
備考 OPでのケイのチェーン攻撃に効果音は無し。プロデューサー補・安倍夏彦はプロデューサーと同じページに表示。タイトルの!は正確には45度に傾いて表記されたもの。
評価    シナリオ ★★★ 学園サイドが初めて反逆同盟へ本格的に攻撃を仕掛けてくる重要な回。
演出 ★★★ 金髪教師に夢中になる黒鳥の生徒たちが笑える。
映像 ★★★  木枯らしの吹くプールの底での戦いはかなり印象的。
キャスト ★★★  ゲストはエブリン・ベニューひとり。
アクション ★★★★  オードリーの綱渡り、中盤のケイの単独アクションシーンなど見所も多い。
総合 ★★★ 設定は面白いが、ストーリーは意外性に乏しく、今ひとつ盛り上がらない。
アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 さて、今回は第4話に続く「怪人シリーズ」の第2弾である。どちらも管理人が勝手に呼んでいるだけであるが。

 ゲストはエブリン・ベニューさんただひとり。ちょっと調べたが、どういう経歴の人か不明だ。他では1990年にNHKドラマに出演しているのがひっかかるくらい。また、クレジットされるゲストがひとりだけ、というのは、全話を通じてこの回だけである。第3話は宮田州以外に、岩田央夫が出ているからね。

 で、放送時期としては第1クールのほぼ終盤で、本来ならば最終回直前の回である。ここに来て、学園サイドが「反逆同盟」に明確に攻撃を仕掛けてくるという今までに無い緊迫した展開なので、これは最初から予定されていたエピソードなのではないだろうか。

 ところで今気付いたのだが、予告ナレーションで、オードリーがドクロ面だと思いっきりネタばらししているような気もする……。 
 で、普段と変わらぬ平和な登校シーンからスタート。ただし、過去のフィルムの使い回しではなく、新たに撮影したものだ。
  
 珍しくミホが最初から登場。「オッス」と挨拶して、左に曲がっている男子は2-Aのいがぐりボーイである。
 また、右手の部屋には会議室と言うプレートが見える。
 ついでに言えば、右の画像の後ろの男子生徒は前回、いがぐりボーイと仲良く遊んでいた生徒である。

 続いて、校長室。
  
 薔薇の花弁がハンカチの上に置かれている。

 真下「この薔薇がいつも事件の現場に落ちてるなんて、とても偶然とは思えませんわ」
 九条「やられたのは学園の関係者ばかりざんしょ」


 校長室に佐伯以外の三人の準レギュラーが揃い踏みの図、だが、前回と同じ面子、服装なので、9話と10話と二話撮りしてるのかも。



 なお、ここの台詞だが、軽く聞き流してしまうのは問題だ。

 まず、「いつも事件の現場」に落ちていると言う言葉。

 過去の9話分について考えると、本格的なバトルのない1話を除き、薔薇が現場に落ちていたのは、2話、3話、7話、8話、9話の5回のみ。いつも、とはちょっと言いにくいのではないか。また「学園の関係者」とも言っているが、5話は黒鳥の事務長だから確かに関係者だが、彼は黒鳥学園のお金を横領していたわけで、むしろ彼らにしてみれば望ましい結果になっている。6話は後援会長の息子がやられているが、これは関係者とは言えないだろう。7話にいたっては全く関係のない悪党を倒しているし、8話も首謀者が佐伯のもと教え子というだけで、これもあてはまらない。直近の第9話にしても、九条が激しく弾劾していた元黒鳥の変態教師・豹藤がやられているだけで、これも被害を受けたとは言いづらい。

 逆に、そういうケース(関係者以外がやられた回)については九条たちも把握していなかったとすれば、「いつも(黒鳥の関係者がやられる)現場に落ちている」という台詞も事実とかなり合致する。つまり、黒鳥の関係者がやられた際に、薔薇が落ちていないのは4話と5話(も関係者がらみと数えれば)だけということになるからだ。4話に薔薇が落ちていないのは、バトルの前、雄太を助ける際にミホが投げているからだが。

 それともうひとつ、「現場に落ちている」と言うことは、彼らはバトルの行われた現場も知っていることになるが、それは意外と難しいのではないか。何故なら2話、3話のように被害者がバトルシーンとは別のところ(この場合はどちらも黒鳥の正門だが)で発見されることもあり、その場合、薔薇の花びらを彼らが発見するのはかなり困難だからだ。無論、被害者たちに聞けば戦闘場所は分かるが、その場合でも黒鳥学園サイドがわざわざ現場まで出向いて行き、実況見分をしない限り、花びらを見付けることはできないだろう。

 まあ、あまり細かく突っ込んでいくとドラマそのものが成り立たなくなるのでこの辺でやめておく。


 ※追記 この台詞についての検証をマニアックコラム005で書いています。詳しくはそちらを参照のこと。



 九条「校長先生のご方針にたてつくヤカラが、身近にいるのかもしれない……恐ろしい」
 真下「それに、とても信じられないことですが、白いセーラー服姿の女生徒が犯人だと言う者もおります」


 台詞のあとで花びらを舌に乗せて味わう竹中直人。これはアドリブっぽい。

 で、この真下の台詞についても吟味が必要。

 彼女はここでは伝聞としてあやふやな証言として「白いセーラー服」うんぬんと言っているが、はっきりいって、それはもうわかりきっているはずなのだ。何故なら、やられたといっても、「被害者」は死んだり再起不能になったりしているわけではなく、単にぶん殴られて負け犬になっているだけで、その後、校長たちに経緯を説明しようと思えばいくらでも出来たはずだからである。

 具体的には、第3話の宮田州たち、第4話のハント・ケーシーなどだ。また、第2話の高沢先輩にしても、のちのち警察に殺人容疑で引っ張られたとしてもその前に校長たちに事情を話す機会はあったはずだ。

 ついでに言えば、この場合、現場に落ちている薔薇より、「白いセーラー服姿の女生徒」そのものの方が、よっぽど彼らの関心を引きそうなものだけど。そもそも薔薇が重要な役目を果たしているなんてことは、現場にいない彼らにはわかりっこないのだから、白いセーラー服集団より先に、薔薇を投げた人間を探そうとするのは明らかに変である。

 無論、これは、当分休んでいた中山美穂にスポットをあてるために作られた話だろうから、そんなこと言っても無駄なんだけどね。
  
 九条「まさかウチの学園の生徒ではないざんしょう……いずれにしてもこれは、由々しき問題で」
 ここでタメてから、勢い良く振り返り、「ざがしょ?」

 だからそれどこの方言だよ。

 しかし、九条はなんで黒鳥の生徒ではないと断言しているのだろう。逆に、関係者ばかりが狙われるとすれば、犯人は黒鳥の方針に反対している黒鳥の生徒やその父兄だと考えるのが妥当ではないか? あるいは生徒指導部である九条にすれば、管理教育が徹底しているから、まさか黒鳥内部にはそういうことを企む者がいるとは思えないと言う自信のあらわれか。
  
 校長は無言で花びらをつまみ上げ、険しい表情でそれを握りつぶす。
 で、再び登校シーンに戻るが、これは、上記のシーンから何日か経っていると考えるべきだろう。後々の展開を見れば分かるが、上の会話のあと、校長が薔薇投げの犯人を探すため、殺し屋であるオードリーを招聘したとすれば、到着までにある程度日数が要るだろうからだ。
  
 とにかく、赤い車で正門から入ってくるオードリー。フォルクスワーゲンのビートルです。
 クラクションをガンガン鳴らしているが、生徒たちは妙にはしゃいでいる。この、正門から玄関にいたるまでの経路をこれだけはっきり見せてくれるのは、全話を通してここだけだろう。
  
 車が止まり、ドアが開き、長い脚がにゅっと出てくる。
 この流れではオードリーが運転してきたようだが、カメラのアングルや、フィルムのつなぎ方を見ると、別人が運転している可能性が高い。エブリン・ベニューさんの経歴が不明なので断定できないが、撮影時に日本での免許を持ってなかったのではないだろうか?

 ここで、ドリフでカトちゃんがストリップをするときのようなサクソフォンのパパパパァ〜ンという感じのお色気定番BGMがかかるのが笑える。
 現れたのは本物の金髪女性。ただし、結構年は喰ってるみたいだぞ。
 それにしても教師が赴任してくる時の服装とはとても思えない。
 周囲の山並みを見回した後、意識的にケツを振りながら、群がる生徒たちの間を悠々と進んでいくオードリー。
 左右に分かれた生徒たちは一様に感嘆の声を上げる。イナカモノか!
 雄太「すげぇ美人!」
 葉山「その上マドンナに負けない腰つきナニモンだぁ?」
 山口「あのお姉さま、ああ、ああ」

 台詞がかぶってて歓声もまじるので聞き取りにくいが、実は雄太が最初の賞賛に言葉を発していたのだ。
 また、雄太とワタルが意気投合したように顔を見合わせているのがなんともおかしい。
 こいつら第3話ではいかにも先輩・後輩ふうにしゃべってたのに。

 女生徒たちのはしゃぎぶりもいささか大袈裟だが、1986年では、そんな反応も不自然ではないかなぁ。日本人はいつまで経っても欧米人に劣等感があるから、どうしてもこういう感じになってしまうのだろう……か?
 そしてそのまま、朝の職員室の風景へ。
 佐伯は「とにかくカン・タンだっ」のエキスパンダーをやり、九条は同僚のヒゲ面日本史教師(名前は不明)をおちょくっている。

 教頭の真下が入ってくる。
 真下「ぐっどもーにんぐえぶりぼでぃ……ミス・オードリー、どうぞ」
 続いて、オードリーが入ってくると一様に立ち上がって「おおーっ」とか「ヒューッ」みたい歓声を上げる教師たち。

 あんま生徒と反応変わんないね。
 真下「かねてから病気療養中の小沢先生に代わって本日からこのオードリー先生が就任されます。小沢先生が戻られるまで2、3年の英語を担当されます」
 この小沢先生と言うのはドラマには一切登場しないのだが、都合よく病気になることで、オードリーの赴任を自然なものに見せると言う役割を果たしている。恐らく、第4話のKC片岡が英語教師として着任する場合も、小沢先生のかわりということだったのだろう。 
 佐伯「ベリーセクシー!」
 オードリー「マイ・ネーム・イズ・オードリー・ヴェイカー、どうぞよろしく」 
  
 真下「それではとりあえず……」
 佐伯「ええ、わたくしの隣の机が空いておりますが」
 真下「では、佐伯先生の隣に」
 佐伯「はい、ええ、ついでと言ってはなんですが、学園内をわたくしがご案内したいと思います、よろしいですか」
 オードリー「サンキュウ」
 佐伯「ウェルカム」
 権力と美女(10話、13話)と金持ち(6話、18話)に弱いと言う、とても分かりやすい精神構造の佐伯であった。
 後ろで九条が物凄い目付きで佐伯を睨んでいる。
 九条「佐伯ちゃん」
 佐伯「うん?」
 九条「鼻の下伸びてるよ」
 佐伯「いい女じゃねえかぁ……」

 この、剛と柔の軽妙なやり取りがたまらなくいい。
  
 言葉どおり、佐伯がオードリーを案内して廊下を歩いているだけで、左右の教室から生徒たちが歓声を上げて、ゾンビのように群がってくる。

 あんたらハシャギすぎ。

 佐伯「外に出るなーっお前ら、静かにしろ!」
 佐伯が吠えるが、あまり効き目はない。

 で、わざとらしく廊下に置かれた花瓶の薔薇をいじっているミホがいる。
 佐伯「あ、お嬢さん、こちら今日から英語の担当してくださるオードリー先生です。こちら理事長のご令嬢で……」
 なお、当時発売されたEPのライナーにはこのシーンのスチールも掲載されている。
  
 ミホ「山縣ミホです」
 オードリー「オー、理事長のお嬢さん……綺麗な人ですね」

 彼女の日本語はカタカナで書いたほうが雰囲気が出るが、読みにくいので普通の表記でやります。
 薔薇をいじっているので、普通ならば即座にミホが怪しいと単細胞のオードリーは考えるところだが、理事長の娘と言うことで、バラ投げ犯の容疑者リストから除外していたのだろう。
 佐伯「ええ、まったく、掃き溜めに鶴です」
 ミホ「ないすちゅうみーちゅう、ミス・オードリー」
 二人から綺麗だと持ち上げられて、いつになく機嫌の良いミホ。
 このカット、とても面白い顔のキャプがとれたが、中山美穂ファンのために貼らないでおく。
  
 オードリー「ナイストュミーチュー、ミス・ミホ」
 佐伯、後ろを向いて、
 佐伯「こらぁーっ、空けろッ!」
 群がる生徒たちを掻き分けて元来た方へ帰っていく二人。
 直後、またもハイテンションで盛り上がるワタルたち。さすがにそろそろ腹が立ってくる。

 今度は、表に出て、薔薇の花壇の横の道を歩いている二人。
 ← 
 佐伯「全く、品の無いクズばかりで申し訳ありません、しかし、あのクズどもをなんとかしてやろうと日夜努力続けてるわたしです」
 オードリー「ユー・ア・グッド・ティーチャー」
 佐伯「いや、生徒というものは……」

 この時、交通標識が背後に見えるが、ここはどこかの公園かな。校舎などがあるいつものロケ地とは異なるようだ。5話でも同じところが使われていたと思うが。
 佐伯がなおも持論を述べようとするが、
 オードリー「グッドモーニィング!」
 と、画面手前でわざとらしく薔薇に花をやっているユミたち反逆同盟プラス2-Aの委員長でもあるアキコに向かって声を投げるオードリー先生。

 今まで見向きもしなかったのに、彼ら反逆同盟が唐突に薔薇の世話しているのはだいぶ不自然だ。
 それにアキコと三人がいつの間にか仲良しになっているのも変である。
 ただ、これは、オードリーが彼女たちに目をつけるきっかけとするための伏線的な演出である。
 もっとも、薔薇の世話をしているから薔薇投げの犯人だと疑うのはあまりに単純な発想だ。彼女たちの他にも世話をしている女生徒がいるしね。
 ユミたち、くるっと振り向いて声を揃えて「グッドモーニング!」
 なんか可愛い……。ちなみに、正門と廊下に彼女たち4人がいなかったのは、このシーンが控えていたせいだろう。
 オードリー「いい学生(がくせ)ですね、あなたたち」
 と言い、去っていくオードリー。
  
 その後、咲き誇る薔薇の映像から、のっそりと顔を出すミホ。
 意味ありげに視線に力を込めるミホのカットでOPへ。

 この段階でオードリーが怪しいと睨んでいるなら、ほとんどエスパー魔美だが、あるいは彼女にしか窺知しえないオードリーに関する情報をつかんでいたのかもしれない。
 ちなみに今回は、ゲストがオードリー役のエブリンさんだけという珍しい回なのだ。

  また、水縞とおる画・二色ひとし(今回の脚本も書いている)作のコミック版の数少ないエピソードのうち、二篇が今回のエピソードを髣髴とさせるものになっている。
 ただし、そちらに登場するのは池原セリカという名前のハーフの女性教師で、その目的はあくまで反逆同盟つぶしである。
 その方法はバイクで怪しそうな生徒を轢いて行くと言う乱暴なものだが、雄太の調査で正体が判明し、反逆同盟に(アクションシーンは割愛して)倒されている。と言うか、(パラパラパラ……とめくって確認)倒されるシーンすらなかった。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 さて、

 早速2-Aで授業を開始するオードリー先生。しかし、なんちゅう格好じゃ。
  
  アキコ「スタンダップ! バウ! シッダウン!」

 委員長のアキコの英語の号令で素直に立って礼をする極悪不良生徒たち。
 この画像ではわかりにくいが、一番手前のタケシは耳に鉛筆かペンを挟んでいて、お前は競馬場のオヤジかと思ってしまうのだった。
 オードリー「授業の前に、あの……、たくさんの心温まるお手紙を男の皆さんからいただきましたが……」
 オードリー「どうも、ありがと」
 と、ぎこちなく頭を下げるオードリー。

 どうでもいいが、帽子くらい取れ。

 ところで、黒板に線を消した跡があるが、これは前回9話の、アキコが黒板を消している時に、いがぐりボーイたちが落書きして自分たちで消させられた際のものではないかと睨んでいる。後半、急ごしらえの美術室も出てくるが、これも前回と同じである。よって、9話と10話は同時に撮影していたのではないかと考えているのである。
  
 オードリーの言葉に、有り余るリビドーを昂ぶらせて、色めき立つバカたち。
 一番後ろの森口君の目もらんらんと光っている。よだれを拭くタケシが情けない。
 レギュラーなのにほとんど台詞のない日向明夫も生唾を飲む。
 が、バカたちの期待も虚しく、ラブレターは真っ二つに引き裂かれる。

 ……はずなのだが、
 実際は、オードリーの持ち方が変だったので、中途半端な破れ方になってしまう。
 その後、何回も重ねて破って事なきを得たが。
 なおこのとき、「ひゅーひゅー」と言う口笛のような音が聞こえるが、このタイミングで鳴るのは変なので、制作上のミスかなぁ。
 凹む男子生徒たちと対照的に「いえーい」と大喜びする女子生徒たち。ケイちゃんも大喜びしております。

 しかし、こいつらが「関東では知らぬもののない超不良の集まり」には全く見えないのだが……。
  
 そして華麗に投げ捨てられるラブレターの破片。またひとしきり女子の歓声が上がる。
 オードリー「わたくし、え、の、手紙はぜぇひ英語で書いてください。そうすれば喜んで読んであげます。そのほうがあなたたちも勉強にもなるでしょ」
 机に指を立てて話すオードリー先生。これはエブリンさんの癖かなぁ。
 オードリー「どぇわ、きょーのおべんきょ」

 エブリンさん、カタコトだけど、良く考えたらだいぶ流暢なので、日本滞在の意外と長い人だったのかも。
 そもそも本職の女優なのかどうかも不明なんだけどね。モデルかな?

 で、どういう感じの授業なのかは後で出てくるのだが、次の場面では早くもレクリエーションタイムに移る。
 オードリー「いっくわよ!」
 よく見たら、えげつない眉だなぁ。言うても、1986年だからねえ。
 で、何故かフリスビーを始めるオードリー先生。なんで?
 ま、このフリスビーは、1話から登場していた由緒ある(?)アイテムなのだった。使われて良かったね。
 他愛なく遊びまくっている2-Aの生徒たち。ユミたち三人は加わらず、手前の土手にぽつんと座っている。これは視覚的に、三人がクラスでどういう存在なのかを示している優れたカットだ。小さくて確認できないが、雄太は進んで参加しているのだろう。
 ケイ「どういう人? あの新任の先生」
 ユミ「雄太からの情報はまだないの?」
 ルリとケイは無言で頷く。

 しかし、最初から学園の回し者だとでもいうように訊くのはちょっと変だろう。小川先生が病気なのは事実なのだし。
 と、そこへ飛んでくるフリスビー。
  
 驚きつつ、しっかり受け止めるおケイちゃん。
  
 オードリー「センキュー、あなた一緒にやりましょっ!」
 ケイは、「どうする?」とでも言うように二人を見る。ユミの目は、「やりたかったからやれば?」と応じているようにも見える。
  
 オードリー「たぬしいよ、カモーン」
 重ねて誘う金髪。
 再度の誘いにもクラスのはぐれ者は容易には動かない。
 オードリー「カモンカモン」
 いささかひつこい先生。
  
 さすがに悪いと思ったのか、ほんとは加わりたくてうずうずしていたのか、ケイが笑顔で答える。
 ケイ「イエス、ミス・オードリー」

 立ち上がって、
 ← 
 斜面を駆け下りてオードリーや他の生徒と合流する。この時、画面の奥に一瞬だけオードリーの車が見える。そこが駐車場なのだろうが、他の職員の車は見当たらない。

 ケイがグラウンドに下りると同時に、アキコがオードリーに「先生!」と呼びかけて走ってきて右手を握っていることから、オードリーと特に親しいようだ。
 しかし、これを見ても、やっぱりおケイちゃんは背が高い。オードリーとほぼ一緒か、彼女より高いかも。
  
 ケイに取り残されて、なんとなく寂しそうな二人。
 しかしまあ、大人のユミがそう言う遊びに興ずる姿は想像しにくいので、この反応は自然だろう。
 最後はユミとルリのところにもフリスビーが飛んでくる。咄嗟にキャッチする二人。
  
 二人はしかし、フリスビーを抱えたまま、その場に留まる。
 それにしても、爽やかな秋空だ。

 場面は校長室へチェンジ。
 本棚から半分顔を出して喋りだす竹中直人。
 九条「オードリー先生にはほんとに困りモンでざんがしょう。勝手に一人相撲取ってる。調子のいいことばかりゆって生徒たちを集めている」

 なお、後ろの賞状は、バスケットボール大会のものだ。
 しかし、ここまでのオードリーの行動は「一人相撲」とはちょっと違うのでは?
  
 九条「これは何か、下心があるに決まってるでざんがしょう」
 ゆっくりと前に出ながら喋る九条。最後は、校長の机を乗り越えて、二人の真後ろに立つ。

 真下「下心があるかは知りませんけれど、近頃生徒があたしたちの言うことを聞かなくて困ります。みんなあのオードリー先生の影響ですわ」

 彼女の台詞から、この時点でオードリー赴任からある程度日数が経っていることが窺える。
 真下「このままでは従順な生徒を育てる、黒鳥学園本来の教育が出来ません」
 竹中直人の非常識なほど急接近する顔面ギャグに、笑いを堪えながら台詞をこなす中島さん。ほとんどセクハラである。

 しかし、言い切ったねえ。
 「従順な生徒を育てる、黒鳥学園本来の教育」だって。

 なんにせよ確固とした方針があるのはいいことです。

 ちなみにこの辺の画面構成も、前回を髣髴とさせて、二話撮り疑惑を強くする。
 ちなみにこちらが9話。服装も同じだもんなぁ。
 九条「これはまさに、由々しき問題でざんがしょ」
 しかし、さすがにこの段階でそこまで言うのはちょっとオーバーではないだろうか。
  
 二人の懸念に対し、
 校長「転任してきたばかりだ。しばらく様子を見たらどうだ?」
 校長は穏便な答えを返し、その場を離れる。
 真下「はい」

 ここで、ネタ晴らしをすると、例によってオードリー先生は黒鳥学園に雇われた殺し屋(?)なのだが、この時点では校長も関与していないように視聴者に思わせているのがシナリオ上の工夫だ。つまり、敵を欺くにはまず味方からと言うわけで、校長は部下にもオードリーの正体については話さないのだ。

 その後、窓の外を意味もなく見詰める二人。あるいは視線の先にはオードリーと生徒たちのフリスビー遊びの模様があったのかもしれない。
  
 そのオードリー先生の、超ハデなストッキングに包まれたおみ足から、くりくり左右に躍動するヒップをストーカーのようにおいかけるカメラ。
 初登場時と同じ、お色気BGMが流れる。
 噂の主、オードリー先生のお通りでい。
 廊下の左右に座り込んでいる2-Aのバカたち。一応、掃除をしているらしい。
 通り過ぎたオードリーの尻を追って、ふらふらと腰を振って付いて行くが、オードリー、勢い良く振り返る。
 オードリー「何してるの! あなたたちクリーニングしてるんですか?」
 ワタル&タケシ「あ……イ、イエス!」
  
 オードリー、つかつかと歩み寄り、腰をかがめながら、
 オードリー「こっち」
 と、手にした出席簿などをワタルに預け、
 オードリー「ユー・ドゥー・ライク・ディス!」
 自ら雑巾を持って、お手本を示す。
  
 当然、バカたちは尻に夢中。オードリー「ユー・アンダスターン?」
 ワタル「イエッサー!」
  
 オードリー「ノー! イエス、ミス・オードリー」

 割と細かいことにこだわる先生。
  
 バカたち「イエス! ミス・オードリー!」
 しかし、こんな背中の開いた服着てる教師がいるかっ!

 オードリー「ドュー・ユア・ベスト」と、雑巾を投げる。
  
 キャッチャーのようにそれを受け取るワタル。
 バカたち「イエス、ミス・オードリー」
  
 オードリー「クイック、クイック、クイック!」
 オードリーは再び戻ってきて、ワタルから出席簿を受け取る。彼女の掛け声に、一生懸命掃除を始めるバカたち。

 女子生徒たち「ナニやってんのー」
 それを見た他の生徒たちは大騒ぎ。口々に何か言っているのだが、はっきりと聞き取れない。
 その直後の放課後だろう、アジトにたむろしている反逆同盟の皆さん。

 ルリ「ああ、久しぶりにスカッとしたわ」
 ケイ「ほんと、あの先生なら信用できると思うな!」
 ルリ「思い切ってさぁ、あたしたちの存在教えちゃう?」
 いつになく軽率なことを言うルリ。フリスビーの時はしかめっ面していたのに、徐々にオードリーの態度に好感を抱くようになったのだろう。
 ルリ「あの先生一人味方につけておけば! ずっと楽だモン」
 逆に雄太はいつもと違って慎重で、
 「気が進まねえなぁ、あいつ、髪も目の色も違うし、いまいち信用できねんだ」
 と、さりげなく人種差別的な発言をする雄太。

 髪の色が違うのはお前も一緒だろうが。

 それに、最初の熱狂ぶりとの態度の落差が、不自然な感じがする。
 むしろここは、ユミ以外の三人が賛成した方が良かったかも知れない。
  
 ルリ「雄太の意見は無効よ。ラブレター出して、破り捨てられた本人だもん」
 ケイ「そっ、言い訳なし!」
 笑顔できついことを仰るふたり。
  
 雄太「それとこれとは話が別だろう?」
 雄太は抗議するが、あっさりスルーされる。

 ルリ「でも、あれだけ意見を言ったり行動したり、なかなかできることじゃないと思うわ」
 と、辛口のルリも絶賛だが、生徒たちとフリスビーして遊んだり、掃除をちゃんとしろとかいう程度のことを「なかなかできることじゃない」というのは過大評価だろう。まあ、それだけ、他の教師がボンクラばっかりだということの裏返しか?
 後ろのケイ、何故かおフグっぽくなっている。
 ユミ「ケイとルリが同じ意見なら、私は何も言わないけど……」
 と、今回は妙に影の薄いユミはどっちつかずの優等生的な発言。
  
 ケイ「決まった! 私からオードリー先生に(ルリとばっちり目を合わせ、小さく頷いてから)話を切り出してみるわ!」
 二人の仲の良さが分かるひとこま。
 雄太「でもなぁ〜」
 まだ承服し兼ねている雄太だったが、
 ケイ「大丈夫よ、オードリー先生、きっと力になってくれるわよ」
 一語一語力を込めて、ケイは断言する。

 だが、この後、ケイが上記のことを実行に移した形跡は無い。考えたら、もしそれを実行していれば、彼らの正体が完全にばれてしまっていただろうから、ケイにそうさせる訳には行かなかったのだろう。最後に成敗されると言っても、別にオードリー、殺されるわけじゃないからね。
 さて場面変わって、夜、歩道橋を昇っているアキコの姿。
 手にはバラが一輪。

 しかし、学校帰りだと思うが、こんな夜中までなにやってんだろう?
 まあ、部活とか生徒会活動とかやってたのかもしれないね。このバラは、学校のあの花壇に咲いていたものか?
 公園の横の歩道を歩いていると、
 夜気を切り裂いて、スペードのエースが飛んでくる。
 それは特殊な材質のカードで、木の幹に刺さってしまうほど鋭い。
 びっくりするアキコ。
 前方宙返りして現れたのは、手作り風味が濃厚に漂うドクロのとんがり頭巾をかぶり、真っ黒な服を着た人物だった。
 唖然とするアキコ。

 どう考えても超ド級の変質者ですからね。
  
 ドクロは、一気にアキコの眼前に迫り、
 バラを持つ右手をつかんで捻り上げ、
 ドクロ「赤いパラはお前が投げるのか?」
 と、加工された音声で喋る。もっとも、声を変えてもこのたどたどしいイントネーションはどう考えてもオードリー先生なのだが。

 アキコ「違います、やめてーっ、きゃーっ、やめてっ」
 ただ、いきなりこんな変な人に変な声で尋ねられて即座に「違います」と、正しく反応できるだろうか。
 仮に、アキコがバラ投げの主であったとしても、あまりに唐突なので「え、何、バラ?」と戸惑うのが関の山だろう。
 ドクロは尚も激しくアキコの腕を捻り上げる。悲鳴を上げるアキコ。
 制服があがって、お腹がまるだしになっている。
  
 アキコ「ああーっ!」
 ドクロはアキコの右腕を持ち上げ、自分の足に落としてへし折ってしまう。
 そしてさっさと逃げ出す。
  
 アキコ「痛いっ、ああ……」
 と、腕を押さえてうずくまるアキコだが、どう見ても折れてないんだけどね(当たり前だ)。
 カメラは意味ありげに地面に落ちたバラを映す。

 その翌日、
 ユミ「かわいそうにアキコ、右の腕を折ってしまったらしいの」
 ミホ「それでっ、相手は誰なの?」
 ユミ「黒い服を着て、ドクロの面をつけた、カード使い……」
 アキコの災難についてアジトで話し合っている二人。
 ミホ「なにそれ?」

 首を振って、
 ユミ「暗闇でいきなり襲われたんで、アキコもよくは覚えていないらしいんだけども」
 ユミの言い方からすると、そのことは直接アキコから聞いた情報のようだ。アキコが担ぎ込まれたであろう病院に、ユミが駆けつけているとすれば、二人は結構親しい間柄なのだろうか。ま、二人とも優等生だからね。
 ミホ「何故アキコが狙われたの?」
  ユミ「さあ」
 ミホ「何が目的なのかしら?」
 ヒゲ面教師の「わかってんのかお前は、え?」などという説教が画面外から聞こえる中、花瓶の薔薇を前景にしてオードリーが職員室に入ってくる。
 オードリー、登場のたびに衣装が変わるのだ。全話を通しても、これだけ衣装持ちは他にいないだろう。
  
 ケイ「あ、ミス・オードリー」
 それを生けていたのはおケイちゃんでした。その声でオードリーに気付き、あたふたする男性教師たち。いい加減慣れろよ。
 ケイ「用務員のおじさんに許可貰って、先生のために生けてきました!」
 手柄顔で話すケイ。用務員のおじさんと言うのは、第5話に出て来た奥村公延だろうか。
 オードリー「ありがとう、でも、どしてですか?」
 ケイ「バースデーでしょ? 先生の」
 オードリー「あ、忘れていたわ」

 自分の誕生日忘れるな。

 しかし、本人も忘れてる誕生日を何でケイは知ってるんだろう。
  
 オードリー「ほんとに嬉しいですね……ケイ、あなた……」
 一輪抜いて、その香りをかいでから、
  
 オードリー「……花、好きですか?」
 言いながら、バラの花でケイの顔を撫でるようにもてあそぶオードリー。なんとなく、いやらしい。
 しかし、おぼこのおケイちゃんは、何の邪心もない笑顔で、
 ケイ「ハイ、大好きです!」

 可愛いなぁ、もう。
  
 オードリー「そう、わたしも、花を愛する人……心、優しい人です」
 いささか文法がおかしいが、まあいいか。
 自分の顎のラインをバラでなぞるように動かすオードリー。
 そして、花にくちづけをして微笑む。

 この時、彼女の単純、イヤ、明敏な頭の中では「ケイは花が好き→薔薇投げの犯人」という図式がインプットされていたのだった。
 だいたい、薔薇投げ犯が、黒鳥の生徒かどうかも分からないのに、彼女に探索を命じた校長も相当いい加減ではあるのだが。
 で、その夜かどうか知らないが、アキコの時と全く同じ時間帯、場所を帰宅中のケイ。まあ、二つのシーンは同時に撮影しているのだろうから、当然なんだけどね。
 アキコと違い、持っている薔薇は複数。
 アキコの災難を聞いているせいか、周囲をきょろきょろ見ながら歩いている。
 で、アキコと違い、彼女は自分から公園の敷地に入っていく。油断なく周囲に目を配りながら。

 このケイの行動、たまたま通りがかったので調べてみようと思っただけのか、最初から自分が囮になってドクロの正体を探ろうとしていたのか、どちらとも採れるようになっている。ただ、後者ならば、ユミたち仲間にも話して協力してもらうのが普通なので、前者ではないだろうか。
 で、案の定、カードが飛んでくる。

 しかし、アキコと違い、反逆同盟の一員であるケイは、
  
 華麗に薔薇の花束ではたき落とす! ……ただし、目ぇつぶっちゃった!
  
 続けて飛んできた一枚が、ケイの頭上の樹皮に刺さる。向きが逆のような気もするが……。
  
 矢継ぎ早に、今度は三枚同時に飛んでくる。スペードのエースばっかりじゃねえか。
  
 今度は体をかわすケイ。カードは後ろの幹に一枚ずつ刺さる。
  
 幹の後ろに隠れて様子を窺うケイ。右の、唇を強く結んでいる表情が良い。
 一見変哲のないバックショットだが、ケイのおさげが左右に完全に離れて、うなじがはっきり見える貴重なショットなのである!
 向こうの木々の隙間に、ドクロがうっそりと姿を見せる。
 幹の陰から相手を覗き見るケイ。凛々しい。
  
 ドクロが再びカードを構えると、素早くその場でジャンプ。無論、実際に宙を飛ぶのはスタントの方。
  
 真下のアングルからもう一度。白いソックスが眩しい。これはやっぱり恩田真美さんだろうか?
 で、後藤さん本人の足首が着地するカットにつなぐ。これは無論、その場でちょっと跳んでるだけです。
 遊具なのか何なのかよく分からないのだが、とにかく屋根に乗ってるケイ。これも本人。
 それに対し、ドクロがカードを投げようとするが、
  
 ケイは素早く手にした花束を投げる。
 普通のバトルシーンなら、チェーンを投げるところだが、普段からそんなものを持ち歩いているわけではない。

 ただ、
 さすがに花弁を前にして飛ぶのはおかしいだろ!

 ま、ミホのバラも同じように飛ぶけどさ。
  
 とにかく、薔薇の花束が直撃して、地面にのたうつ怪人。単なる薔薇の花束で、なんでそんなにダメージを受けるのだろう?
 屋根から飛び降りるケイ(スタント)。
  
 それにつないで、画面の左手からくるっと一回転してフレームインする後藤さん演じるケイ。
 こんな軽いアクションでも、柔らかい砂場の上でやらせているところにスタッフの気遣いが見て取れる。
  
 なおも険しい視線を向けるが、それも一瞬で、すぐ立ち上がり、
   
 反対側へ走り去っていくケイ。
 このまま戦っていれば、ケイが余裕で勝ってたような気もするが。

 ま、もう投げるものがないからね。

 後藤恭子さんは走り方は女の子走りだが、ここの一連の動きは、なかなか鋭くて絵として綺麗である。
 第14話ではスタント無しで簡単なアクションもこなしているから、運動神経は悪くない。

 またここでは一切ケイに台詞が無いのも緊迫感があって良い演出だ。
  
 情けない格好で寝転がっていたドクロ、起き上がり、しばし怒りを鎮めるように前方を見据えていたが、 
 やがて頭巾を取り、素顔を(視聴者に)見せる。その正体はミス・オードリー!

 今回は他にゲストがいないので、それほど秘密めかす必要はなかったかもしれないが、それでもやっぱり彼女の正体についてはもう少し引っ張って欲しかった。
 校長があんな演技までして視聴者をミスディレクションしてくれていたのに……。

 「怪人」の正体をなるべくはっきりさせない方針で成功した第9話との決定的な違いがここにある。
 それはともかく、
 オードリー「赤い薔薇は……ケイがぁ、投げたね!」
 そう言って、花束を乱暴に投げ捨てる。

 が、相変わらずのカタコトなので、盛り上がらないこと。

 ここで彼女がケイをバラ投げ犯と勘違いしてしまったことが、後の展開につながるのだ。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 場所はユミの部屋。

 前回は一度も彼女の部屋のシーンが無かったので少しだけ久しぶりな感じ。 
 透明なテーブルに載せてあるオードリーの武器。しかし、ケイはいつそれを拾っていたのだろう。なかなか抜け目が無い。
 カードを手に持って、
 ユミ「凄い武器ね」
 ケイ「アキコを襲った奴サ、間違いない」
 雄太「アキコが襲われた時、赤い薔薇を一輪持っていたんだって。ケイも赤い薔薇の花束を持っていただろ?」
 ケイ「うん」

 ケイの「〜サ」は、思い出したように出てくる。
 ユミ「つまり、ドクロが赤い薔薇を持った女生徒だけを狙っていて、
 それは私たちがたびたび救わ
れるあの赤い薔薇に関係があると思うの」
 仙道さんのラ行の発音は時折、巻き舌風になって、とても可愛く聞こえる。

 ところでこの会話のこの流れだと、普通「ところであの薔薇、誰が投げてんの?」という至極当然の疑問が出てくるところだが、シナリオの都合で、と言うか、中山美穂の都合で、決してそういう展開にはならず、見事にその問題はスルーされる。
  
 雄太「うん、と言うことは、赤い薔薇を投げたモンを探してるってことになるなぁ」
 ルリ「だったら、あたしたち反逆同盟を探してることにもなるわっ」

 ……なるかなぁ?
  
 ユミ(頷いて)「たぶん、それがほんとの狙いね」
 そして、カードをテーブルの上に叩きつける。

 物憂い弦楽器の調べをバックに、翌日の黒鳥学園のアジトへ。
  
 ミホ「あたしが狙われてるって? そのドクロ仮面に」
 ユミ「そう、間違いないわ!」
  
 ミホ「あたしが薔薇を投げるのを知ってるのはあなただけ……ユミ、あなたさえ喋らなければ私は大丈夫よ」
 ユミ「私は! ……喋らない」
 ミホ「信じてるけど……でも……」
 ユミ「でも?」
 ミホ「あなたには秘密が多過ぎるのよ」
 ユミ「……」
 ミホ「いいわ、喋りたくなければ喋らなくったっていい。でも、あなたの秘密と、この黒鳥学園に来たことと関係あるなら私は力になってあげられるかもしれない」
 無言でミホを見詰めるユミ。
 しかし、ここでいきなりミホがユミの事情に言及するのはいささか強引な流れである。

 それに、秘密が多過ぎるって、そんなに無いと思うけどね。

 また、「黒鳥学園に来たこと」「あなたの秘密」が関係あるならと言っているが、わざわざ仮定しなくても明らかに関係あるだろう。
 と言うか、エリート校からわざわざ三流の黒鳥に転入してきたことが最大の謎なんだから、なんか変なやりとりである。
 ユミにしても、何故か、母親のことは最大の理解者である筈のミホには最後の最後まで伏せているのだ。はっきり言って、2話でルリが見つけた加寿子の写真、あれをミホに見せていれば、かなり早い段階でユミの本来の目的は果たされていたと思う。しかしそうすると、ドラマがすぐ終わってしまうからなぁ。
 今度はオードリーの授業風景。
  オードリー「オープン・ユア・ブックス、ページ・ハンドレッド・テン・フォー、レッスンフフィフティーン……」

 また衣装が変わってるぞ。
 もっともこの黒いブラウスはドクロ面をつけていたときに着ていたものと一緒かな。
 オードリーの「じゃっ、誰が読んでくれるのかな」という声が、たちまち争うようにして手を挙げる生徒たちの声で掻き消される。
 手前のタケシなんか、手だけじゃなくて、赤いソックスの足まで上げて必死にアピールしている。

 ……思うんだけど、黒鳥学園も、この生徒たちの普段とは段違いのやる気に着目して、このままオードリーに普通に教師をさせておいたほうが、成績も上がるし、生徒たちの素行も良くなるので、薔薇投げ犯探しなんてやめさせれば良かったのでは?
 オードリー(バン! と机を叩いて)「ビー・サイレンス! じゃあ、ミスター山口」
  
 「よぉーっし、やったーっ!」
 指名されて雄叫びを上げる山口。ただ、上の画像では既に立ち上がっているのに、下のカットではもう一度座った状態になって、それから立ち上がるという矛盾が生じている。

 ところで今まで何気なくこの男のことを山口と呼んできたが、実はこのオードリーの台詞によって初めて苗字が判明するのだ。
  
 不平を漏らす左右の女生徒たち「妬くな妬くな」といなしつつ、張り切って教科書を読もうとする山口。
 ヒロコ「あんた読めんのー?」
 まゆみ「読めんのかよーっ」

 山口「ううん(咳払い)、レッソン・ワン・ファイブ」
 いきなり、15をワンファイブと読んで、生徒たちに大笑いされる。

 しかし、この時、手前のアキコも、平気な顔して笑いながら両手を動かしているのだが、
 あんた、こないだ、右腕折られたんじゃないの?

 まあ、劇中では別に日付は明示されていないので、あれから実は数週間経っていて、既に治っていたと抗弁することも可能だが、ここはしかし明らかに撮影上のミスだ。
 恐らく、こちらのシーンを先に撮影しているので、こういうことになったんだろうけど。
  
 オードリー「ノー、レッスン・フィフティーン」
 と、優しく教えるオードリー。
 山口「レッスン、フィフ、フィフ、フィフテエーン」
 おかしな発音に、他の生徒たちが笑いまくる。
  
 オードリー「ノー! フィフティーン……あなた、中学生の時なにやっていたんですか?」
 と、割と厳しいお言葉。
 山口「ハイ大丈夫です読めますよ。レッスン・フェフティー、ザ、ウェスター・ビューオブ、ナッチャー(ネイチャーか? 笑い声)イズ、マンザ、カンチャアンドザロードオブオールシングスワイヒズアモングザミリオンズ……」
 全然読めてない。

 ヒロコ「いい加減にして」
 笑われながらも、それでも懸命に読もうとする劣等生の山口。

 しかし、このあたりは、のちの山田洋次の「教室」シリーズにつながるような、今日の日本の教育に関する問題提起的なシーンになっていないだろうか? なってない? そうか……。
 オードリーはそれ以上特に何も言わず、教壇から降りて生徒たちの間を歩きながら聞いている。心ここにあらずという感じである。
 ちなみにはっきりと背後に授業のコマ割が書いてあるが、これはなかなか貴重なデータなのだ。
 と、オードリーの視線がとまる。
 山口「メイクアップザリビング……ユニバー、ユニバーサルフェアイズ」
  
 おケイが、あのカードで無心に紙を裂いているのだ。なんでそんなことしてるのか、よくわからないのだが。
 それを見て険しくなるオードリーの表情。
  
 それに、結構紙を切る音がはっきり聞こえて、目立ってる感じである。山口はなおも自己流の発音で読み続けるが、
 オードリー「オッケー、ミスター山口、も、いいです。次はミス・渋川」
 と、突然ケイにふってくる。
  
 突然指名されてびっくりするケイだが、「あ、はい!」と答えて慌て気味に立ち上がる。

 老けた山口(山本義明)がやると、いかにも役者が高校生のふりしてる感じだが、
 ケイ(後藤恭子)がやると、いかにも現役の高校生と言う感じでぴったりくる。

 ま、実際この時、彼女は高校1年なので、プライベートではちゃんと英語の授業を受けているのだから当然だけど。
 撮影時、脇役も含めてこのクラスの中では、彼女が最年少だったんだろうか? 森口博子でも18才だしなぁ。
 「ザ・ライテン・トラディッシュ・ザ・ジーニニアス・ザ……」
 と、逐語的だが、すらすら読むおケイちゃん

 相変わらず、後藤さんの手指はすらっとして長い。
  
 まだ途中だったが、オードリー「ベリーグッド、とってもよい発音ですね」
 後ろの立原ちえみが白けたような顔になっているのがいかにもらしい。
 その立原さんは当時20才である。後藤さんと(もしすれば)話、合わなかっただろうなぁ。
 ケイ「サンキュウ、ミス・オードリー」
 素で嬉しそうに答えて着席するケイ。

 撮影時には、実際にエブリン・ベニューさんから発音の指導を受けたのではないだろうか。雑談的にでもね。特にケイはオードリーと二人で絡むシーンが多いから。
  
 それにしてもほんと可愛いのう。頬ズリしたい。オードリー先生、よく見たらえげつないメイクだなぁ。
 なお、オードリー先生、笑顔を見せた後で、急に険しい表情になるのは、ちょっとまずいのでは?
 ケイにも、生徒たちにも丸見えだから。
 で、その頃、再びアジトにいるミホ。

 相変わらず授業受ける気が全然ねえ。
 理事長の娘じゃなかったら、とっくに退学だぞ。
 意味ありげ(ホントは何の意味もない)に窓外を見詰めてから、
  
 芝居かがった動作で振り向き、
  
 オードリー先生愛用のカードを投げる。
 板に刺さるカード。ただ良く見ると、裏側にもう一枚何か張り付いているね。何か細工がしてあるんだろうな。

 このシーン、全然要らないんだけどね。

 ま、8話9話と連続して休んだ後のアイドル中山美穂の出演なので、特に出番を増やしたのだろう。
 (5話と6話も休んでいるからね)
 で、今度は何故か美術室が映し出される。これも、前回第9話で登場した即席の美術室と同じだろうと思う。彫像などの配置は違うけどね。
 床に薔薇の花をばらまいて、踏みしだいている人物がいた。
 無論、オードリーである。
 これは、公園でケイにあしらわれ、しかも自分の投げたカードでてなぐさみをしていたことで、プライドを傷つけられ、その怒りをぶつけているのだろう。

 ただシナリオの流れとしては、ここでミホが、オードリーの様子を目撃するシーンがないとおかしいと思う。でないと、次のシーンで、ミホがオードリーの正体を知っているが如き態度を見せるのが、不自然に映るだからである。
  
 さて、放課後、珍しくひとりで帰宅中のケイ。背後からクラクションが鳴り、ふりかえると、
  
 オードリーの車がゆっくり近付いてくる。
 ここはちゃんとオードリー本人が運転してる感じなんだけどね。
 この笑い顔、ちょっと怖い。
  
 ケイ(ひょいと体を屈めて)「オードリー先生!」
 オードリー「おうちに帰るんですか?」
 ケイ「はい!」
 オードリー「わたし送ってあげましょ、お乗りなさい」

 そう言われて、さすがの元気娘ケイもちょっと戸惑う。
 ケイ「ええっ?」
 オードリー「早く乗りなさい」
 ケイ「はい!」
 が、強く促されるとオードリーのことを信頼しているケイはすぐ笑顔になって助手席に乗り込む。軽いなぁ。
  
 ケイ「先生の車に乗せてもらえるなんて、ラァッキッ!」
 他意なく喜ぶおケイちゃん。若干、発音がおかしいけど。

 オードリーはたくさんの目撃者を作りつつ車を発進させる。

 ケイも、さっきオードリーに「反逆同盟」のことを打ち明けようと言っていたのだが、その素振りを見せない。
 ミホもそれを目撃していた。
 「やばいなぁ〜」

 「とにかく軽いんだよね」(by Hi-Hi)

  先程のシナリオの欠陥と言うのは、ここで、いつの間にかミホがオードリーの正体を知っていることだ。

 それに、この後、ミホが何か行動を起こす感じも窺えない。実際は、二人の後を追ってケイを助けることになるのだが、だったら幹につかまってないで、すぐタクシーでも呼べと思うのだが。そういうことをしない限り、二人の行く先は絶対分からないと思う。
 (ただし、オードリーの車は結構目立つのでそれを手掛かりに車道沿いを探して歩けば見付かるかも知れないけど……)

 あるいは、お嬢様なので、イケメン運転手付のリムジンでも呼んで、追跡したのかもしれない。
 ← 
 ケイを乗せたオードリーの車が道路を走る様子が映されるが、何故かカメラ手前のフェンスにたくさんの薔薇が差し込まれている。

 無論、行き先はケイの自宅なんかではなく……、
 どこかの、使われていない(冬だから当然だが)プール施設にやってくる。学園を出てからは、車を不自然にロングでとらえているので、ここでもオードリーと言うか、エブリンさんは運転していない可能性が高い。やっぱり日本での免許がなかったからなのか。
  
 水が抜かれて蕭然としたプールを手前にしてさらに奥に進む。
 ここが後にバトルの舞台になるのだ。

 車は、プールの向こうにあるメインの建物の前で停まるが、建物の上に「京王プール」と言う文字が見えるので、とにかく京王線沿線の施設なんだろうが、どこにあるのかはよく分からない。そもそもここは経営中のプールだったのだろうか。なんとなく既に廃業したっぽいのだが。
  
 何の説明もなくこんなところへ連れて来られても、ケイはさほど警戒しているようには見えない。
 オードリーに続いて車を降り、 
 ケイ「ここはどこですか? 何か用があるんですかぁ?」
 子供のように質問をするケイだが、オードリーは無言で建物に入って行く。ケイも続く。
  
 静止画ではわかりづらいが、オードリーが無造作に開けた扉のガラス部分に、しっかりと背後のスタッフが映っているのはご愛嬌。
 ついでにガタンガタンと言う電車の走る音もしっかり入っている。 
 人気のないロッカールームらしきところに入る二人。
 ケイ「何か取りによったんですかぁ?」
 と、緊張感のない質問をし続けるケイ。オードリーはずんずん奥に進んで行く。
  
 ケイ「先生っ!」
 この映像からすると、廃業ではなく単にオフシーズンという感じだ。
 かなり奥まで進んでから、くるっとオードリーが振り返って一言、
 「先生、先生って甘えるな!」

 確かに、ここのケイは小学生みたいにべたべたしている感じなので、このオードリーの一喝には、見てる我々もつい頷いてしまう。
 しかも、それをカタコトの日本語で言ってるので、かなり笑える。
  
 オードリーの豹変にびっくり顔になるおケイちゃん。
 ここの演技も、いかにも素人っぽくて、監督の「はい、恭子ちゃん、そこで驚く!」と言う指示が聞こえてきそうである。
 オードリー「もっ、ゲームは終わりさ! これから、じっくり吐かせてやる!」
 急にぶっきらぼうな喋り方になって、ケイの顔をひっぱたくオードリー。
 このドスの利いた台詞も、本人は意味分からないまま喋っていたとしたら、相当間が抜けている。
    
 ケイ「うっ」
 きりかえしで、オードリーにビンタされるおケイちゃんの様子。そのまま突き倒されて、
  
 ケイ「うっ」
 テーブル(?)の間に落ちるように、ロッカーに背中をつけて尻餅をつく。
 間髪入れず、その上からスチールのチェアみたいなものが勢い良く叩きつけられているのだが、この瞬間、ケイの姿が忽然と消えてしまう。
 無論、後藤さんの安全を考慮した上での編集である。

 で、時間は一気に夜中に飛ぶ。 
  
 水のないプールの底を、冷たそうな風がさらっていく。
 スタッフが掻き集めてばら撒いたであろう、枯葉や枝がからからと舞うのが荒涼としたムードを出している。

 しかし、ケイの家では家族がどう考えても心配して騒ぎになっていると思うのだが。しかもオードリーが彼女を送っていくところをたくさんの生徒に見られてるしなぁ。へたすりゃ警察が来るぞ。
  
 縛られて、汗が滲むおケイちゃん。いかにも霧吹きで吹いたような汗だけどね。悔しくて顎とお腹の出るケイ。
 オードリー「お前の、その身のこなし、ただものじゃないね……お前一人じゃないね……仲間は何人?……ナニが目的で学園にたてをつく!」
 ケイ「知らない! 私はただの……」

 プールの監視台みたいなのにケイを縛り付け、カードを時折投げつけながら一本調子で尋問するオードリー。

 しかし、今、夜の7時として、授業が終わったのが4時とすると、かれこれ3時間は経っているわけで、その間ずぅーーーーーーっとこんなことやっていたのかと思うと、ちょっとのんびりし過ぎてるだろ。その前のシーンでケイが気絶でもしていれば(彼女が意識を取り戻すまでの時間があるので)間尺に合うのだが。
 オードリー「まだそんなこと言うのか!」
 顔をゆがめて精一杯の演技をするエブリンさんだが、カタコトの日本語なので怖くもなんともない。
  
 威嚇で投げたカードがスチールパイプに刺さる。頬から血がにじみ、息を呑むケイ。確かにこの状況はちょっと怖い。
    
 オードリー「次はドコ切ってほし?」
 カードを、ケイの目の前にちらつかせて、「その可愛い鼻ぁ? それとも目?」
 オードリー「その愛くるしい顔、血だらけにしてやろうか!」

 脅してるのか、誉めてるのか、よくわからないオードリー先生でした。

 教室でケイの顔を薔薇でもてあそぶシーンと言い、なんとなくオードリー先生からは同性愛的な匂いが漂うのだ。
  
 と、そこでロッカーの陰から突然(ほんとに突然)ミホが顔を出し、ものすごーく分かりやすく驚く。
  
 その癖、一種の迷いもなくバラを投げるという段取りの良さを見せる。ここまでたったの3秒である。

 で、さすがに今回はバンク映像でなく、ちゃんと新撮だけど、まあ、さすがにここで電柱の影から薔薇投げたら手抜きだと非難されるしな。

 だが、あたかも中山美穂がプール施設に来ているようだが、この背後のロッカー、最初のプール施設のものと違うようだ。セット?

 また、先程流してしまったが、
  
 左の画像に見えるオードリーの背後のロッカーと、右側のオードリーのアップの時の背後のロッカー、明らかに違う種類なんだよね。

 だから、一見、この施設内で全部撮影しているようでも、部分的にセットで撮っているのだろう。
 これもやっぱり、中山美穂のスケジュールの都合だろうか?

 しかし、先程も触れたが、ミホはどうやってここを突き止めたのか、謎である。
 助けに来るまでだいぶ時間がかかっているので、ほんとにオードリーの車を目印に探し回っていたのかもしれない。
 ドラマ的には、バトルシーンを夜間のプールで撮るために、敢えてタイムスケジュールを遅らせる必要があったのだろう。
  
 それはともかく、薔薇が空を飛び、オードリーに命中。
 花弁に顔を覆われ、「アーッ、ノー!」と叫んでぶっ倒れるオードリー。ただし、この時、オードリーの口は閉じたまま。

 さらにミホはもう一輪薔薇を投げて、
  
 ケイの手首を縛っているロープに当てて、……切っちゃうのである。

 どういう仕組みじゃ

 ここはさっき、ミホがカードを投げていた意味のないシーンに意味を持たせる為にも、二発目は薔薇ではなくカードを投げて、さくっとロープを切るべきだったのではないか?
  
 で、面白いことに、自由になったのに、ケイは悶えるオードリー先生をほっといて、そのまま逃げてしまうのである。
 一般生徒ならともかく、反逆同盟のメンバーである彼女ならその場で取り押さえることが出来ただろうに。

 まあ、体力が低下していたのでとりあえず逃げたのかもしれない。それに、素顔のままで戦ったら、正体がばれるとので、メイクをするために一旦退散したというのもあるだろう。
 オードリー「ケイーッ!」
 ケイの名前を呼びながら床に倒れるオードリー。

 で、この床の感じを見ると、これは明らかに普段の教室などと同じである。
 少なくともプール施設とは違うところで撮っているのは確かだろう。
  
 と、ここで一転して黒鳥の校長室へチェンジ。黒電話が鳴っている。

 遅くまで何してたのか知らないが、ひとりでいたのは確かだろう、校長が電話に出る。
 「はいあたしだ……ふぁっ、オードリー、ナニ、逃がしたぁ?」

 と、ここまで来てオードリーが校長の手下だったことが(視聴者に)分かる。
 オードリー「アイムソーリー、それが、赤い薔薇が飛んできて……イエス、赤い薔薇の使い手は他にいたんです。渋川ケイ、ではないね……」
 施設の外の赤電話からかけているオードリー。

 しかし、夜も遅いんだし、一旦うちに帰ってから電話しようよ。

 それはともかく、ここで明確にケイの名前が校長に伝わっているのが興味深い。オードリー自身は否定しているものの、容疑者であることは間違いないので、校長たちにとって貴重なデータだと思うのだが、それが、以降活用された形跡は一切ない。
 仮に薔薇投げ犯ではなくとも、肝心の「白いセーラー服姿の女生徒」である可能性だってあるわけだしね。会話の感じから、多分、拉致する前か、あるいはプール施設で自由を奪ってから夜になるまでに校長に電話連絡していたものと思われるが(だとしたら校長が夜中にひとりで学園にいたのも頷ける)、その際に、ケイの「ただものじゃない」身のこなしが理由に挙げられていたはずで、少なくともそれは校長には伝わっていると思うんだけどね。

 電話の途中、ふと気配を感じたオードリーは背後を見遣る。
 ジャジャーン!と言う感じで浮かび上がる三つの影。

 それにしても、ケイが大急ぎで二人に連絡して、メイクして着替えして、ここまでひーひー言いながら駆けつけて来て、それでオードリーがとっくに帰宅して優雅にワインでも舌先で転がしていたら、ものすごく間抜けだったろうなぁ。オードリーの電話に感謝しなさい。

 それにしても、ケイの両親は娘のことを全然心配していないようである。
 連絡もなく夜中まで出歩いていたかと思えば、慌てた様子で、しかも頬に傷をつけて帰って来、あまつさえ変なメイクをして白いセーラー服姿でまたどこかへ急いで出掛けている姿を目撃していたら、とりあえず学校に相談しそうなものだが(以上は全て筆者の妄想です)
 あるいは、共働きとかで海外にいるとか、そういう都合の良い設定なのかもしれない。

 さらに余談だが、レギュラー5人の中で自宅や自室の様子が一度もドラマに出て来ないのはおケイちゃんだけなのである。また、家族についての情報が台詞でも映像でも一切ないのも彼女だけ。

 さて、今回は境目が切りにくいのだが、以下を戦闘シーンとしたい。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
  
 寒風吹きすさぶ中、ゆっくりと近付いてくる三人。
 しかし、セーラー服一枚とは寒そうだ。撮影時、仙道さんや後藤さんは下にシャツを着ていたようだが、山本さんは素肌につけていたという情報もある。心なしか、特に山本さん(左端)が寒そうである。

 オードリー「あっ、白いセーラ服……」
 つぶやきとともに、かくんと落ちる受話器。

 校長「どうしたんだ? 白いセーラー服が……、なんなんだよっ!」
 電話の向こうで喚く校長。意外と威厳がない。
 しかし、オードリー、慌てて受話器を放すこともないのと思うのだが。むしろ出来るだけ情報を校長に伝えるのが仕事だろう。敵が三人いるとか。
 で、どういうやりとりがあったのかしら、次の場面では水のないプールの底に立っているオードリーの姿が。なんで? と思ってはいけない。
 オードリー「よやく出てきたね、まってたよ」
 逆に三人はプールサイドに立ち、彼女を見下ろしている。

 しかし、彼女が狙っていたのはあくまで赤い薔薇の使い手であって、白セーラー服軍団ではなかったと思うのだが。まあ、いいか。
  
 ルリ「闇の中で、のさばり続ける悪党ども!」
  
 ケイ「てめえのようなワルは許せねえ!」
 後藤さん、何回やっても台詞がたどたどしいなぁ。でも可愛いから許す。
 ちなみに、最初にスカーフを構えた後、台詞を喋る前に何故か左手が下がる。

 しかし、これだけ間近ではっきり見たら、さすがにオードリーには彼女が渋川ケイだと分かると思うんだけどね。うーん。
 このドラマでは、メイクをしている限りは正体はバレないというきまりになっているようだ。
  
 ユミ「天に代わって」両手を構えてから、「成敗する!」

 今回のユミのポーズはかなり決まっていて、カッコイイ。
 オードリー「なにもんだ、おまえたちは?」

 いや、なにもんだって……、あんた今、「待ってたよ」って言わなかった?

 しっかし、このまぶしいほどの光はどこから来てるんだろう?(答え・スタッフの持ってるライトからです)
 三人「セーラー服反逆同盟!」
 オードリー「なぁまいきな!」
 しかし、エブリンさんもこの時だいぶ寒かっただろうなぁ。

 カードを横に投げてから、シャンプーのCMのように体をくるりと回転させると、
 あ、瞬間的に美人。
  
 多少、位置はずれるが、黒いマスクを被った状態にチェンジ。
 こういうノリが、自分が「怪人シリーズ」と名付けている理由のひとつなんだけどね。
 ま、このマスクはアクションシーンでスタントの顔が見えないようにするための措置であろうが。
  
 さていよいよ本格的なバトル開始。バトル前にユミが「ケイ、ルリ」と声をかけているのがちょっと珍しいパターン。
 その場で両腕を広げて三人同時にジャンプ。
 ここで早くも三人ともスタントに変わる。

 そしてここから「Don't Stop Lullaby」がスタート。
  
 「えいえい」言いながら、プールの底に着地、前転する三人。ここから急にカメラがロングになるのだが、この時点でオードリーもスタントになっている。
 んで、ここからしばらく前転後転合戦となる。

 オードリー先生にいたっては三回くらい連続して回転してます。
  
 三人に囲まれる形になったオードリー、ジャンプする。
 ルリとケイの背後から、頭上を越えてプールの縁に立つのだが、この時、ルリとケイが無表情でつっ立ってる絵が妙におかしい。
  
 夜の闇で宙返りして……、この金髪どう見てもカツラだなぁって、当たり前か……プールサイドに着地するオードリー。
 オードリー「あうっ」
  
 同時にカットが切り替わり、エブリンさん本人にスイッチしている。三人はスタントのまま。
  
 そしてスペードのエースを3枚同時に投げつける。三人(本人)は左右にばらけてかわし、カードはプールの側面(底?)に刺さる。飛んでる時は3枚とも同じ向きだったが、刺さったものは1枚だけ向きが逆になっている。
  
 ケイ(本人)が画面左から側転しつつフレームインし、チェーン&スカーフを飛ばす。
 この側転のアクションは前半の公園での動きと同じである。
 しかしオードリーは大人の女性の威厳を、ここでむちゃくちゃな技で見せ付ける。
  
 わかりにくいけど、向かってくるチェーンを前方回転しながらかわし、
 プールの取っ手の鉄棒に巻きついたチェーンの、
 その上に飛び乗ってしまうのである!
  
 呆れ……、イヤ、驚く二人。
  
 そのまま華麗に綱渡りをするオードリー先生もバカだが、
  
 チェーンを離さないで、そのままオードリー先生を支えてあげるケイもかなりおバカさんであった。

 ただ、ここのオードリーさんのチェーン上の動きとBGMの「Don't Stop Lullaby」との曲の盛り上がりの部分がマッチして、個人的には妙にかっこいいシーンになっていると思うのだ。インパクトにおいても、もっとも印象に残る戦闘場面の一つには違いない。

 で、結局ケイは、オードリー先生がかちゃかちゃとチェーンの上を渡り歩いて、顔の前まで来るまでチェーンを持ち続けるのであった。
 そんで、顔を蹴られる。
  
 オードリー「あうっ」
 倒れるケイと、やや猪木の挑発ポーズぽくなっているオードリー。
 そしてまた、互いに牽制気味の戦いになるが、やっぱり、1対3と言うのはちょっと卑怯かな。
  
 ユミ「えいっ」「うっ」
 ユミの渾身の蹴りをかわし、地面に倒れた状態から、ユミの腹を蹴って投げ飛ばすなど、オードリー、強いところも見せる。
  
 右に左に動いて、間合いを計るユミ。
 カードを手に、くるっと一回転するオードリー。これは本人。
    
 構えを維持しながら、左右に動いて位置を入れ替えるルリとケイ。
 再びロングになって、オードリーが三人それぞれに鋭い打撃を与える。
 画面が小さいので映像的に損をしているが、この辺を見る限り、彼女の戦闘力は第4話のKC片岡よりは上のようだ。
 1対1なら、ユミは無理でも、ケイやルリには勝てるんじゃないか?

 ついでオードリー、またじゃんじゃんカードを投げてくるが、
 ケイはスカーフで、
  
 ユミは拳で、
  
 ルリは鉛筆でそれぞれあっさり払い落としてしまう。

 みんな、そう言うときはちゃんと目を開けましょう。

 その流れで、
 逆にルリが鉛筆を投げる。
 そして……、
  
  
 空中でカードをはじき返すと言う神業を見せる。

 しかし、カードを弾いた後の鉛筆の動き、明らかに根元を人が持ってる感じがして、ちょっと失敗。
  
 そして、三人が時間差で前、後ろ、奥から華麗にジャンプする。
  
 これは、ルリとケイの動きで相手を幻惑させて、ユミのキックが炸裂するという技か。
 このアクションは以降の回でも再利用される。
 その蹴りをまともに浴び、(自ら)首を振ってのけぞるオードリー。
 オードリー「おうっ」
 さらにルリの鉛筆が追い討ちをかけて、珍しく、指の間ではなく左目に刺さる。あぶないよ。
  
 しかしオードリーが本当に凄いのは、普通はこのままずるずるやられるものなのに、嵩にかかって攻撃してきたケイとルリを、身体を伏せた状態からキックで撃退してしまうところである。結局、最後はユミの三連続蹴りに倒されるのだが、この粘り強さは特筆に価する。

 で、今回の戦いでは、結局ケイはほとんど役に立たないのであった。
 オードリーと因縁のあるケイに見せ場が無いのは、手落ちかもしれないね。
  
 そして、とどめは、三人横並びの正面蹴り! ただ、スローモーションと言うことあり、なんとなく笑っちゃうんだよね、ここ。
  
 しかも、アクション専門でない女優さんが長いスカートで蹴ると、見栄えがしないんだよね。
  
 蹴りがまともに顔面に入り、再度のけぞり、くるくるまわりながらよろめくオードリー。ここは女優本人がやっているので、その拙さをカバーするためか、スローになってます。
    
 無念の表情で遂に力尽きて倒れるオードリー。
 そして大量のカードをばら撒く。例によって、スペードのエースばっかり。
 夜空に舞うカードが美しい。
  
 落ちてくるカードをワンポイントにしてそれぞれ勝利のポーズを決めるユミたち。
 ただ、ユミちゃんはカードが肩と頬の間に挟まって、思わず目をつぶってしまうコマがあるけど。 
  
 逆に、ケイとルリは今度はしっかり目を開けたまま演技できました。ぱちぱちぱち。
 BGMのサビとも相俟って、ここはかなり印象的なシーンに仕上がっている。
  
 ラストは美しいユミのアップ。それにあわせて、「Don't Stop Lullaby」がピタッと終わる。

 今回は、戦いの前にバラを投げているので、ミホは助太刀のバラ投げはしない。
 それでも、念の為に近くから見守っていたとも考えられるが、(寒いので)とっくの昔に家に帰っており、寝転がってテレビを見ていた可能性大。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
  
 運送トラックが黒鳥学園に入ってくる。

 これはダック引越しセンター。協力企業としてはクレジットされていないが。
 888-8888の電話番号は当時話題になったらしい。
 始まりと終わりが、それぞれ赤い車の来着なのは単なる偶然だろうか? 偶然です。
 校長室で、ソファに座ってタバコを吸っている真下のところへ佐伯が「失礼します」と入ってくる。
 画面には見えないが、校長の「ああっ」という返事が聞こえる。
 「重たいでましょ〜」と繰り返しながら九条と、佐伯が巨大な木箱を運び込む。
 佐伯もあわせて「なんでましょう?」と言ってるのが笑える。

 それに対して九条がハッと佐伯を見詰めるのが竹中直人の細かい芸。
  
 横からフレームインしてきた校長に対し、
 佐伯「宛先は学園ですね」
 真下「送り主は誰?」
 九条「わからないでざんがしょう」

 顔を見合わせていたが、校長の指示で蓋が開けられる。
 その時も、開いた蓋が顔に当たって「あいた〜」とアドリブっぽい声を出す竹中直人。ほんと、笑いに貪欲な人だ。
  
 と、木箱の中には段ボール箱が入っていて、
 例の、ファファファファ〜ンというお色気BGMプラス、チャチャチャチャチャチャというコミカルなシーンで多用されるBGMが流れるなか、、
 縛られて、口に薔薇をくわえたオードリー先生が出てくる。

 無論、ユミたちの仕業だろうが、木箱とか、運送代とか、結構お金かかったんじゃないの?
 それ以前に、オードリー、別に猿轡されてるわけじゃないので、大声出して助けを求めろよ。それ以前に、くわえている薔薇を放しなさい。

 周囲を見回し、カメラを見据えてから、
  
 「ノーッ!」で終わり。

 さすがにちょっとどうかと思う……

 それに先程も言ったが、これだと普通に、戦った三人組のデータやケイのことなどを詳しく校長達に喋ることができたはずである。
 それは、校長たちにとって貴重な情報になったはずなのだが、以降、そう言う形跡は見られない。
 ま、ショックですっかり馬鹿になっちゃったという解釈はできなくもないが。

 とにかく、僕らの憧れ、オードリー先生はこれっきり学園からいなくなってしまうのである。

 ただ、今回の場合だと、反逆同盟にやられたことは伏せておいて、そのまま素知らぬ顔で教師を続けても問題なさそうである。アキコの腕を折ったと言うのも別に証明できないわけだし。さっきも言ったように、彼女が英語教師をやっていれば、少なくとも生徒たちの英語の成績は上がっていただろう。

 それにしても今回は雄太、ルリの影が薄い。ケイがメインの回なのでしょうがないけどね。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 予告編

 今回は、総じて本編と異なるカットは少ない。
 ただし全くないわけではなく、どちらもケイがらみなのだが、
  
 こちらはともに予告編の画像。公園でドクロ面に襲われた際、本編では飛んできたカードを一枚叩き落すだけだが、
 予告編では合計三回連続で左右に払っている。ついでに、ここでも目ぇつぶっちゃってる。
  
 また、凄く細かいことだが、陸橋を登るシーン(左が予告編、右が本編)

 背景の歩道の人影がまったく異なるので、これはそれぞれ違うテイクだということが分かる。

 また、プール施設の建物内でオードリーが本性を現したときのケイの表情も違う。
  
 左が予告編、右が本編である。体の向きからして違う。



 まとめ

 やはり、オードリーのカタコト日本語が全篇に渡って緊張感を突き崩し、シリアスなはずのストーリーもいまひとつ盛り上がりに欠ける。また、久しぶりの出演と言うことで中山美穂の出番が無駄に多かったり、逆に雄太やルリの出番が極めて少ないのも特徴。今回はしかしおケイちゃんのエピソードと言うべきだろう。

 また、本文でも触れたが、前半で「オードリー先生に私から話してみる」とケイは明言しているのに、その後、機会があったはずなのに、全然そういう様子が見られないのは、シナリオの欠陥だろう。
 それでも、金髪教師に熱狂する生徒たちの様子が笑えるし、アクションシーンはユニークで映像的にも美しい。エブリンさんにしても、カタコトの日本語にしては演技はうまいと言うべきだろう。突き抜けた面白さはないが、楽しいエピソードである。



 それにしても回を重ねるごとに、2-Aの生徒たちがアホっぽく、つまり普通っぽくなっていくなぁ。
 初回のあのギラギラしたタケシと山口君はどこいっちゃったんでしょう?

使用前(第1話) 使用後(第10話)



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