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第11話 カケフ君危機一髪! 前へ 次へ 目次へ
放送日時 1986年12月22日
裏番組 ●「プロレススペシャル」
監督 藤田保行
脚本 二色ひとし
準レギュ 安岡力也
ゲスト 相良健治/島田一平、北見敏之/一平の父親、田岡美也子/綾子、堀勉/誘拐団のボス、谷村好一・大倉順憲/誘拐団の手下、小川隆市/刑事、横尾香代子/一平の母親、荒木幹雄/不明
予告 黒鳥学園に一匹の犬が迷い込んだ。飼い主を探すユミたちは掛布そっくりの少年、一平と出会う。一平に気に入られた雄太はしぶしぶ面倒を見る。そうしているうちに、一平が何者かに誘拐された。一平を救出しようとするユミたちは……。次回「セーラー服反逆同盟」、「カケフ君危機一髪!」、お楽しみに!
備考 OPでのケイのチェーン攻撃に効果音は無し。
タイトルの!は正確には45度に傾いて表記されたもの。
評価    シナリオ ★★ 誘拐犯たちの行動には疑問が多い。
演出 ★★★  全篇コミカルな演出。街頭ロケは貴重である。
映像 ★★★★  少年と犬を連れて住宅街を歩くレギュラー陣が微笑ましい。
キャスト ★★★  当時の人気者カケフ君を起用している。脇役陣が渋い。
アクション ★★ 相手は間抜けな誘拐犯だが、不自然に苦戦する反逆同盟。
総合 ★★ 前半はそれなりに楽しいのだが、後半に失速。
アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 さて、全23話中、もっともコメディ色が強く、かつ「反逆同盟」のメインストーリーと関係の薄いエピソードである。

 言うなれば「反逆同盟」の総集編的な映画が作られた場合、真っ先に切り落とされるエピソードだ。

 最初に言っておくと、カケフ君とは当時人気のあった相良健治クンと言う子役と言うか、子供タレントである。テレビジョンを見ると、1986年、1987年にかけて、「反逆同盟」以外にもたくさんの番組に出ているようだ。
  
 いつもと変わらぬ登校風景。明るい音楽から入るのは異例だ。

 そしていきなり登場する犬。第9話でも書いたが、筆者は犬には興味がないので、これが何と言う犬種なのか、全然知らないし、知ろうとも思わないし、それが物語にとって重要だとも思えないので、調べるつもりもない。犬は犬である。

 犬、くぅーんと鳴いて、敷地に入って行く。
 さらに、引き続き室内の授業風景なのだが、ここも極めて異色である。第7話での九条がそうであったように、普段は極悪暴力教師であるはずの佐伯が、まるで別人のように穏やかな表情で生徒達に熱心に語りかけているのである。しかも、その内容が、

 人生とは!

 と言う、かなりざっくりした題の、何と言うか、道徳の時間みたいなやつであった。
 そもそも、これって、授業なのかHRなのか、今ひとつ分からない。

 佐伯「青春とは何か? 恋とは何か? 人生とは何か? そして愛とは何か?」
 うっとりとした表情で弁じたてる暴力教師。

 とうとう発狂したのか? と思ってしまうが、
 ユミなどはニコニコしながら聞き入っている。
 佐伯にもこういうロマンティックな一面があることを知ってちょっと嬉しくなっているのだろうか?
 佐伯の声「それぞれ、みな考え方は違うかもしれんがぁ、要するに……」
 もっとも、ルリのように醒めた顔をしているのも多いし、雄太のように寝てる奴もいる。
 発作的にこういう人生論を語るのは、彼らにとっては珍しいことではないのかもしれない。
 その点、ユミは転入生だしね(と言ってもこの時点で3ヶ月くらい経ってるんだが)。

 ちなみに雄太の耳にペンを刺そうとしているのは、飾り職の秀ではなく、ワタルです。
 この画像でも、前の二人は白けているが、後ろの椎名梢なんかは、ユミのように好意的な表情である。
 佐伯の声「清く、正しく、美しく生きること」
 佐伯「そして優しい心を持つこと、それがその人生を明るく照らし出す……」
 相変わらずちょっと台詞が聞き取りにくい力也。

 ところで、早くも気付いた人もいるかと思うが、今回、今までとは生徒達の席順が違うのである。
 仮にこれを席順Bと呼んでおく。
 
 このシーンだけではわかりづらいが、次回の12話ではテストのシーンでかなりはっきりと位置関係がつかめるので、
 それを参考にして作ったのが上の略図である。

 この席替え、その12話ではストーリー上、必要なのだが、それ以外については特に意味があるとも思えない。
 これ以降、Bで固定される訳ではなく、Aパターンになったり、Bバターンになったりする。
  
 それはさておき、佐伯が話している途中、アキが「ひゃっ」と叫んで立ち上がる。続いてヒロコも。
 ヒロコ「なによーっ!」
 ルリ「なぁにぃーっ?」
 立ち上がったルリの背後には、「アンデルセン」などと書かれたポスターが貼ってある。高校なんですけど。
 三人の奇声の原因は、いつの間にか教室の中に入っていた先程の犬であった。
 しかし、2-Aは2階以上にあるのは確かだし、授業中に扉が開いているとも思えないのだが……。
  
 犬の闖入に妙にテンションの上がる不良生徒たち。どこが不良じゃ。
 女子生徒たち「かわいいーっ」
 もっとも、ここでは、生徒たちは犬が駆け回っているという「てい」で、演技をしているに過ぎないのだが。
 実際に犬の走る様子が挿入されるが、カットが切り替わっている。
 ヒロコ「アキ、掴まえて!」
 アキ「大嫌い、大嫌い、大嫌い……」
 ヒロコの声に、手を振って拒絶するアキ。動物が苦手のようだが、しかし、犬が苦手と言うのもなんだな……。
 佐伯「貴様らぁ〜! 静かにせんか静かにぃ!」
 すぐ切れて、いつもの佐伯になる。
 室内をぐるぐると逃げ回る犬に、山口もメロメロ。第3話の面影は最早ない。
 最終的に、犬は待ち構えていた雄太の腕の中におさまる。
 争うように犬に触ろうと手を伸ばす生徒たち。みんな「カワイイ」を連発している。
 仙道さんの表情なんか見ると、素で犬が好きなのかも知れない、と思う。
 と、次の場面ではいかにも世田谷らしい(?)坂道の多い住宅街を仲良く帰る四人の姿。
 こうして横並びになると、背の高さが比較できて便利である。ケイと雄太はほぼ同じくらいなんだよね。

 ユミ「大丈夫なのぉ? 安請け合いなんかしちゃって」
 ルリ「持ち主探すの大変だよ」
 雄太「いいよ、見付からなかったらウチで飼うから」

 雄太が飼い主を探すからと引き取ったらしい。
 雄太の最後の台詞、いかにも一軒家に住むお坊ちゃまらしい余裕が感じられる。

 ちなみにこの時、ケイの持っているカバンだけユミたちとデザインが違うように最初見えたのだが、これは犬を抱いている雄太のカバンを、ケイが自分のと一緒に持っているのだと気付いた。この辺の描写のディティールとさりげないケイの優しさが好き。
 と、いきなり四人の前に汚いユニフォーム姿の子供が走ってくる。
 背番号は31で、わざわざ調べるまでもなく、阪神の掛布と同じだろう。

 そう、
 当時の大人気子供タレントのカケフ君である。掛布に似てるからカケフ君と言う(まんま)。
 正式には相良健治という芸名で、カケフ君と言うのはバラエティ番組で付けられた愛称だろう。
 今で言う芦田なんとかいう子役に匹敵するような人気者だったんじゃないかと思うのだが、筆者はあまり知らない。

 で、いきなり両手を突き出し、「返せ! 俺のゴンタだ」と自分の飼犬だと言って返還を要求する。
  
 その言い方に、気の良い雄太もムッとするが、基本的に善人なので、すぐ手渡してやる。

 少年は犬を受け取ると、礼も言わずにたったったっと走り去ってしまった。
 雄太「なんだあのガキぃ?」
 ルリ「かっわいくないのっ」
 当然、評判は散々であった。
 そしてカメラは特に意味もなくユミにクローズ。
 今回はなんか髪型が聖子ちゃんカットみたいで、正直、似合わない。

 そしてOPへ。

 なお、監督は今まで助監督をやっていた藤田保行氏。。
 スタート時点の予定では、監督は江崎氏と帶盛氏の二人だけで、彼にお鉢が回ってきたのも番組が延長になったためだろう(?)。ただ、藤田氏はこれ以降も、帶盛監督の助監督を務めることがある。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 さて、Aパートの冒頭も、従来の雰囲気とは一転して、なごやかというか、明るい感じのスタート。

 そう、原宿での街頭ロケである。
 多少、彼女達を見ている通行人もいるが、この混雑なので特に騒ぎにはなっていない。

 ちなみにここでの会話は当然アフレコで、画面での口の動きなどとは潔いほど合っていない。
 撮影時は、ストーリーには関係なく、適当にお喋りさせて歩かせていたんだと思う。
 ルリの声「まあ、もうマフラーもねー、欲しいしねー」
 四人の視点で、街並みが映される。
 ルリの声「あ、あ、あ、これ、なんか、ほら来そう」
 小さくて見えにくいけど、右端の二人の女性なんかはしっかりと気付いているようだ。

 なお、ユミたちが風船を持っているのは、スタッフが位置を見失わない為の目印だろう。
 彼らの前を歩く通行人の中にも同種の風船を持っている人がいるのだが、これはスタッフか、偶然か?
 ルリの声(たぶん)「ね、ね、ね、どっかにさぁ、かっこいい男の子いないのぉーっ?」
  
 誰かの声「馬鹿だね」
 ユミの声「ルリぃ」
 ルリの声「あたしさぁ、折角○○してきたのに」
 ルリの声(たぶん)「誰かにナンパされないのかしら……あたしこういうとこ……ナンパされないのかな、とかね」

 声がかなり重なっていて、とても聞き取りにくい。
 ただ、喋っているのはユミとルリだけのような気もする。

 「ナンパされないのか」などという軽薄な台詞も、アフレコならではだろう。街頭でそういうことを大声で話すのはさすがに恥ずかしい。
 いかにも青春真っ盛りと言う感じの三人娘。いいなぁ。

 また、ずーっと、ケイがユミの腕にぶらさがっているのも、甘えている感じが出ていて可愛い。
 仙道さんのことをお姉さんと慕っていたという雑誌でのインタビューが頷ける。

 面白いのは、多分同じタイミングで撮影してるんだろうが、
  
 とあるショップの前で、ヒロコやアキ、ちえみなどの、2-Aの女性レギュラーたちが万引きしようとしていると言うシーンが挿入されることだ。
 これはまあ、たまには脇役達にも出番をやろうと言うことなんだろうか?
 しかし、よりによって集団万引きって……。

 ヒロコの持つビニール袋にマユミが大胆に商品を突っ込んでいると、店員が飛んでくる。
 店員「オイ君達、何してんだ! 待ちなさい、わかってんだ」
 ヒロコ「なんだよーっ」
 アキ「どういう意味だよっ」
 店員「なんだこれは?」
 ヒロコ「なんだよーっ」
 マユミ「これからレジに持ってくとこ、慌てんなよなぁ」
 と言う次第で、結局、未遂に終わるんだけどね。

 ここでは何とか見逃して貰えたらしいが、世の中そんなに甘くないぞ、と。
 でも、久しぶりに悪の巣・黒鳥学園の生徒らしさが出たシーンではある。
 過去に、職員室のボードに「万引き防止月間」みたいな文言があったけどね。

 ところで、彼ら脇役の私服姿はかなり貴重(?)である。第13話の水着を除けば、ここだけだろう。他は大抵制服だからね。
  
 で、今度は同じような通りを犬を抱えて歩いているカケフ登場。おばさんがガン見している。

 今日は日曜らしいのだが、しかしこいつは犬を抱えて何をしてるんだろうか。謎である。
  
 カケフ君の歩いている道沿いのショップの階段の上に、いかにも怪しい三人組がいた。
 しかし、いくらドラマと言ってもあまりに分かりやす過ぎる、記号的なスタイルである。

 彼らには特に役名はない。誘拐団である。
 真ん中のボスが堀勉というお方で、奇遇なことに子役出身の人らしい。当時、33才くらい。
 左右の手下が、谷村好一、大倉順憲。
 三人とも、ミスタースリムカンパニーというミュージカル劇団に所属している。
  
 ルリ「そんなことどうでもいいんだけどあたし……」
 雄太「あれーっ?」
 ユミ「あの子ぉ!」
 カケフ君に気付くユミたち。
  
 ルリ「相変わらずおんなじユニフォーム着ちゃって!」
  この時、通行人ががんがん背後を通っているけど、撮影の際はどうなってんだろうと興味がわく。やっぱり、スタッフとかが通行人に協力を呼びかけていたのだろうか。

 雄太「好きか、タイガース」
 ケイ「誰のフアン?」
 カケフ「掛布ーっ!」
 雄太「だろうなっ」
 終始和やかなムード。
 と、カケフ君、唐突に振り向いてフレームアウトしてしまう。
 で、彼の向かう先には、不自然な空間ができている。これは明らかにスタッフによって確保されたスペースだ。
 当人達の気持ちは推し量れないが、やっぱり、街頭での演技は恥ずかしかったのではないだろうか。
 特にひとりでやる場合は。
 今回のいけにえは雄太。まあ、今回は雄太がメインの回だからね。

 「待てよ」と呼びかけて、カケフ君の後を追ってフレームアウト。
  
 カケフ君に近付く雄太だか、それとタイミングを合わせて、反対側から先程の三人組が登場。
 しかし、こんなところで誘拐するつもりだったとしたら、相当のおバカさんである。もっとも、人込みでやれば逆に目立たないかもしれないが……。
 雄太「何だお前らは?」
 うう、背後のギャラリーの視線が痛い。
 こういうシーンって、自分がやってるわけじゃないのに凄く恥ずかしく感じるんだよね。

 男「何だお前らは、だと?」
  と、リーダー格の男は一瞬凄んで見せるが、次には指をぱちんと鳴らして、
 三人「アイヤーヤーヤー、アイヤーヤーヤー」
 みたいなことを言いつつ、雄太の周りを回る。これはもう完全に路上ミュージカルで、その恥ずかしさは相当のものだ。

 役者って大変ね。しみじみ。 
 三人「ジャカジャン、ジャカジャン! デュワーッ」
 みたいなことを言って、その場を取り繕う三人。

 しかし、これでは逆に怪しまれると思うが。
 ちなみにこのシーン、あまりに恥ずかしいので、管理人はほとんど見てません。今回、これを書くために初めてしっかり見ています。つらい。
  
 (雄太の役やらされないでよかったぁ)と胸を撫で下ろしつつ、
 ケイ「あの子、家族とはぐれたんじゃない?」
 ユミ「ほっとけないわねぇーっ、仕方ない」と言って、ケイの背中を押して歩き出す。いかにも優等生らしい態度だ。
 あ、油断するとルリが目をつぶってしまう。
 ルリ「も〜、折角の日曜日だって言うのにぃ……」
  ぶーたれながらも、二人の後を追うルリだった。
 この辺、しっかり三人の性格が描き分けられている。

 でも、「反逆同盟」が揃ってこうやって街中で遊んでる姿って、実は全話通してここくらいしかないんだよね。
 登下校で一緒に歩いているシーンはたくさんあるけど。
 と、今度はまた住宅街にワープ。ここは、最初にカケフ君と会った場所と同じである。同じ日に撮影したんだろう。
 ケイが犬を抱き、雄太が子供を背負っている。既にだいぶ歩かされているらしく、

 雄太「まだかよ! 疲れちゃったよ俺」
  ケイ「あれ、ここ、この前犬を渡したところじゃない?」
  というケイの台詞がうまいところで、同じところで撮影しているのを敢えて利用しているわけだ。

 ルリ「ちょっとちょっとちょっと、早く教えてよー」
 ルリが、おぶさっているカケフ君の肩を叩いて促すのが、いかにも彼女らしい仕草。
 カケフ「あっちー」
 無造作に指差すカケフ君。
  
 今度は別の道を住宅の間からロングでとらえたショット。
 四人がこれだけ長い時間、私服で映っているのは今回だけであろう。
 ロケ自体の比率も、最も高いエピソードではないだろうか。
 ケイ「どっちなの〜?」
 カケフ「そっち」
 ユミ「も〜、ほんとにそっち?」

  真面目なユミも含めて全員ウンザリしている。
  
 今度はまた別の、細い坂道を下る。
 走りながら仙道さんがカケフ君の背中をポンと叩くのが、妙にリアルな仕草に見える。
  
 だらだらと降りていく面々。
 放送されるのは数秒だけど、撮影の際は何回か練習して、登ったり降りたりを繰り返していたと思うので、結構大変だったのではないか。
 特に、子供を背負っている南渕氏と、犬を抱えている後藤さんは。
 そして再び平地。閑静な住宅街を歩いている。
 ルリ「もう、どっちなのよぉ!」
 カケフ「こっち」
 ルリ「あたし疲れた!」
 いきなりべたっと座り込むルリ。彼女の性格が滲み出ている。
  
 ユミ「○○(よく聞き取れない……「しても」?)しょうがない」
 ルリ「いやぁ〜ん」
 ユミに手を引っ張られたときに発する声が妙に色っぽい。
 雄太「一体ドコだよ〜」
  
 雄太「もう、だめだ!」
 遂に、雄太がへたりこむ。そこは立派な屋敷の門前であった。

 ケイ「どうなってんのぉ?」
 ルリ「あたしたちねえ、この子にからかわかれてんのよ、もう帰ろう」
 ユミ「もう遊びは終わり、ほんとのこと言いなさい!」
 ユミの言葉に、カケフは門の前に走り寄り、指差して、「ここーっ」と叫ぶ。
 当然、ふざけているのだと取る四人は、険しい顔になる。
  
 ユミ「このーっ」
 ルリ「あったま来た!」
 ケイ「やっぱ、警察行こうよぉ〜」
 ここで、ケイが係わり合いを嫌う日本人的な、つまり常識的な発言をする。
 そりゃまあ、普通は、まず最寄の交番に行くと思うんだけどね。

 でも、この台詞、責任感の強いユミならば決して口にしないだろうとも言える。
  無言でケイから犬を受け取るカケフ君。
 そして「ありがとう」の一言もなく、たたたっと門の中へと入っていってしまうが、それと入れ替わりに、お手伝い風の女性が出てくる。
 綾子「あ、お坊ちゃま」
  
 演じるのは、胸のふくらみがちょっとエロティックな年増、田岡美也子さん。背も高い(164センチ)。
 ちなみにこの時、39歳か40歳。
 それを見ていたユミたちはびっくりする。冗談ではなく、ほんとにここの子供だったのだ。
 綾子「どうもぉ、姿が見えなかったもんですから心配してたんです……ありがとうございました」
 と、ユミたちに近付いて、礼を言って屋敷の中に戻っていく。
 この時、綾子のお辞儀に対し、
  
 最初にユミが頭を下げ、一拍遅れてケイと雄太が反射的に首をちょっと傾ける。
 しかし、ルリがほぼ不動で、微かに頭を動かしているだけで済ませているのも、それぞれのキャラの性格が表れている細かな演出だと感心する。
 ルリ「うっそーっ!」

 もっとも、ルリは無作法と言うより、カケフ君が豪邸に住んでいることへの驚きで心が一杯だったと解すべきだろう。
 雄太「ここかよ〜」
 一歩前に出て嘆声を上げる雄太。
 門構えの映像に、フレーム外から、
 ケイ「信じられな〜い!」

 このひっくりかえったような言い回し、ちょっと真似しようとしてもできない独特のイントネーションである。
 で、翌日の放課後、仲良く連れ立って帰る四人(と2-Aの生徒達)。

 雄太「ったく、昨日は参ったよ」
 ユミ「雄太、あの子に随分気に入られてるみたいじゃない?」
 ルリ「頭の程度もおんなじだしねえ〜」←雄太の胸にグサリと刺さるさりげない言葉の暴力。
 ユミ「うふふっ」
 ケイ「もしかしら、きょ〜うも!」
 雄太「冗談じゃねえよ、懲り懲りだよ!」

 それにしても、くどいようだが、後藤さんは背が高い。
 そしてドラマのお約束で、助監督あたりが横から投げたボールが、雄太の側頭部にヒット!
 これ、何回か練習したり、失敗したりしてるんだろうなぁ。
 ところで、注意深くこのシーンを見ると、実際、門柱のところ、ケイの頭の辺りにほんの少しだけど、ボールを投げている手が映っていた。
 カケフ君の腕にしては位置が高過ぎるので、当然、スタッフのものだろう。意外と近くから投げていたのだった。
  
 雄太「悪い予感……」
 その場に立ち止まり、すぐボールの飛んできた方向を見ずにつぶやく雄太。パッと振り向くと、
 
 果たして、カケフ君が立っていて、飛び切りのスマイルをプレゼントしてくれる。まあ確かに可愛い顔だね(註・ほんとは全然そう思ってない)
 露骨に顔を歪める雄太。
 ルリ「ほうら、噂をすれば!」
 人の「不幸」が嬉しくて嬉しくてしょうがないルリ。
 カケフ「おい、おい!」
 と、横柄に手招きするカケフ君。
  
 ケイ「きみ、誰に会いに来たのぉ?」
 カケフ「こいつーっ」
 雄太「よしてくれよ!」
 ユミ「男は男同士がいいんじゃないの!」
 カバンを胸に抱えて、無責任なことを言うユミ。
 ユミ「じゃあね!」
 そして、カケフ君に手を振ってその場を離れようとする。
 雄太「そんなのずるいよ、置いてかないでよ!」
 抗議する雄太に構わず、さっさと帰ってしまう薄情な三人娘。
 三人を追いかけようとする雄太だが、カケフ君が雄太の服を掴んで離さない。
 カメラの外から多分、ドッグトレーナーが呼んでいるのだろう、犬のゴンタはさっさと左方向へ走っていく。
 次のシーンでは、カメラはどこかの公園の芝生で、まったりしているゴンタと、傍らに置かれたグローブとボールを映す。
  
 軽快なBGMをバックに、バットを構えるカケフ君。当時、掛布の構え方とかを真似してやってたんだろうか。掛布のフォームなんか知らないので、自分は何とも言えないが。
 雄太「行くぞ、一平」
 と、ピッチャー役をやっている雄太。なんだかんだいって、面倒見の良い優しいお兄さんである。

 ……今更だけど、なんでカケフ君は、犬を抱いて原宿を歩いていたのだろう?
  
 カケフ君の打ったボールは見事、雄太の頭にヒット。
 この辺は計算してやれないので、たまたま当たったテイクを採用したのだろう。
 カケフ「やった、ピッチャー強襲だぁーっ!」
 無邪気に喜ぶガキ、いやお子様。
 雄太「おお、い……ちっきしょう〜」
 爽やかな秋空をバックにぼやく雄太。それでも怒らずにボールを捜しに走っていく。
  と、その隙を狙って、カケフ君の背後の植え込みから堀勉以下スリムカンパニーの三人が再び登場。
 堀勉は口に何かスルメみたいなのをくわえている。キャラ作りとして、常に何か口にしているという設定なのだろう。
  
 三人はカケフ君の真後ろに忍び寄るが、何も知らないカケフ君のスイングをどてっ腹に受けてひっくり返る。
 子分「いてっ」
 子分「あたたっ」
 子分「デットボールぅ」
 カケフ「あれーっ?」
 堀勉の声「あたりめ、食べる(?)」
 雄太の声「どうした、一平」
 この、「あたりめ」云々は正直、なんと言ってるかよく聞き取れない。「あたりめ」だけは認識できるのだが。
 堀勉はスルメ(あたりめ)を口から落とし、慌てて緊急離脱。
 「ヤバイ、逃げろ」
  
 この時、子分の一人が蹴躓いて、転んでしまうのだが、これってガチで転んでる感じ。演技だとしたら上手すぎる。
 場面はあっさり切り替わり、どこかの通りを歩く二人の美人の手にしているのはサーティーワンアイスではないか。
 通り掛かった雄太とカケフ君とゴンタ。
 カケフ「あれ食べたい」
 雄太「アイスクリーム? 真冬だぜえっ」
 カケフ「やだ、食べたーい」
 雄太「冗談じゃねえよ、金持ってねえの!」
 その場から逃げようとする雄太だが、前に回りこんだカケフ君に服をポンポン叩かれると、結局折れる。
 雄太「分かったよ、ほら、ここで待ってろよ」
 こういう我儘なお子様は一度ぶっ飛ばしておいたほうがいいと思うんだけどね。
 基本的に、雄太もお坊ちゃんなので、そういう厳しいことはできないのであった。
  
 雄太はゴンタを渡してから、店内に入る。ちゃんと看板が映ります。
 美人の店員から「おまちどうさまでした」と、二個のアイスを渡され、いそいそと表へ出るが、
 はい、いません。
 目が点になる雄太。

 雄太「一平ーっ!」
 そう、よく考えたら、カケフじゃなくて一平と言う役名だったのだが、サブタイトルにも堂々とカケフと書いてあるから、以後もカケフで統一する。

 ちなみに真ん中に映ってる自転車のおばさん、
 雄太が手前側に移動して演技してても、カメラの真ん前を堂々と通って行くのであった。
 この後ろの建物、城南信用金庫とあるが、どこの支店か、ちょっと分からない。

 そしてその夜、カケフ君の自宅。
 母親「あなた、自分の責任を一平の放浪癖のせいにするの?」
 いきなりカケフ君の母親(横尾香代子)から責められる雄太。
 雄太「そうじゃねえけど、おいらだって無理につき合わされたんだよ」
 母親「そうなの、綾子さん?」
 綾子「わかりません、お坊ちゃまは私がお掃除している間にいなくなっちゃったんです」
 それを受けて、
 母親「ホラ見なさい、あなたが誘ったのよ! 万が一のことがあったらどう責任取ってくれるの?」

 あの、言ってることムチャクチャですよ。なんで綾子の発言から、そう言う結論になるの?

 後ろの父親(北見敏之)は割と落ち着いていて、母親の肩を叩き、
 「よしなさい時子、そのうちひょっこり帰ってくるだろう」となだめる。

 それにしても、夫婦揃って原色が眩しい服着てるね。

 母親「いいえ、こんなに遅くなったことはありません!」
 父親(綾子に)「友達の家には訊いてみたのか?」
 綾子「はい、奥様がお帰りになる前に心当たりは全部探してみました」
 雄太「おいらもそのう、公園の周りやゲームセンターや……」
  
 と、電話が鳴る。
 金持ちの癖に何となく安っぽい受話器を取り、「島田ですが」と出る父親。
 「なにぃ、一平を預かっている? もしもし、もしもし?」

 ま、ドラマならではの応対だよね。普通こんな鸚鵡返しで言わないって。

 そして、場面はユミの部屋へ飛ぶ。
 ユミ「ほんっとに誘拐されたの?」
 雄太「一平のお父さん、一日にウン千万円の売り上げがあるレストランチェーンのオーナーだって」
 ルリ「その金を狙うワル(微かに巻き舌気味)がいたっておかしくないわけだ」
 ケイ「どうやら本物ね」
 まるっきり他人事のような口調の二人。何故なら、他人事だからだ。
  
 雄太「だから、な、頼む、おいら責任感じてるんだ。一平を助け出すために手ぇ貸してくれ、お願いだ!」
 と、珍しく深刻な表情で、真っ正面から頭を下げて頼む雄太。まあ、「反逆同盟」の本来の活動趣旨とは関係ないことだからね。
 ルリ「でもねえ、へったに手ぇ出してさぁ、万が一のことがあったら、ねえ?」
 いつになく消極的なルリ。しかし、一理ある発言ではある。
 雄太「いいよ、わかったよ、おいら一人でやるよ!」
 と、雄太もいつになく速攻でいじけて見せるが、これは計算のうちであり、案の定、
 ユミ「しょうがない、雄太のために探ってみようか?」
 と、正義派のユミのありがたいお言葉を引き出すことに成功したのであった。しかも、「雄太のため」ときたもんだ。
 で、島田家の深夜の門構え。
 ケイ「静かね」
 雄太「警察に連絡しないのかな?」

 しかし、ルリは状況を一切考慮しない我儘ぶりを発揮して、
 ルリ「もう、やだぁ、こんな寒いとこで立って待つのぉ〜」
 と、のっけから文句たらたらであった。

 たびたび引用する「DUNK」の記事によればルリ役の山本さんだけはセーラー服の下には何も着ていなかったらしいので、実感のこもる台詞である。
 雄太「仕方ねえよ、ここを張るしかないんだから」
  
 ユミ「私たち、裏回ってみよう」
 と、ケイの腕を叩いて、雄太を残してさっさとその場を離れてしまう。
 普通、こういう場合、2-2で見張るものだが、ルリも一緒についていってしまう。

 雄太、ひとりでその場で見張るつもりだったようだが、
  
 音もなく現れた男性に肩を叩かれ、
 男性「合田雄太君だね、ちょっと署まで来てもらおう」
 警察手帳を見せられて警察に引っ張られてしまう。とほほ。
 雄太の引きつった顔で、CMへ。
 ちなみにこの刑事が、クレジットにある小川隆市氏だ。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 その翌朝、2-Aの教室。
 主のいない雄太の机(ワタルの後ろ)と、浮かない表情のユミ。
 しかし森口君(左)も、すっかりだるい感じの生徒になっちゃったなぁ。
 なお、このシーンでは、また席順がAパターンに戻っている。
 アツシ「雄太の奴、昨日、サツへ引っ張られたらしいぜ」
 葉山「なんでもよぉ、覗きだってよ、くくくくくっ」
 椎名梢「えーっ、やだーっ」
 無責任な噂が飛び交っている。
  
 ヒロコ「あたし、下着泥棒だって聞いたよ」
 ちえみ「ますますいやらしいーっ」
 山口「やつならやりそうだぜ〜〜〜」
 アキ「あたしも〜気を付けなくっちゃねえ〜」
 山口「そうだそうだ……」
 ヒロコ「だいじょぶ!」

 大騒ぎしているぼんくらたち。

 なお、このカットでちえみが持っているのは少年サンデーの44号(10/15)なので、撮影時期は10月前半じゃないかと思う。
  
 対照的に険しい表情の反逆同盟の面々。
 ヒロコの声「あたしだって気を付けなきゃいけない……」←うるさい黙れ
  
 さて、学校のどこかの部屋で、佐伯が話題の主、雄太を尋問していた。
 机を木刀でバンと叩き、雄太をびびらせる。
 佐伯「合田、貴様下着を盗みに入ったそうじゃねえか」
 雄太「そ、そんな、おいらやってないっすよぉ」
 雄太、机の上に正座させられている。
 佐伯「嘘つけぇぃ!」
 いきなり木刀で雄太の肩を殴る佐伯。
 雄太「ほんとですよ! だから疑い晴れてすぐ返されたんですから」
  
 佐伯「それだけで十分学園の恥さらしだぁ! ゴルァァァ!」
 思いっきり木刀で殴られ、床に倒れ落ちる雄太。
 雄太「いってぇ……」
 カケフ君にかかわったばっかりに、さんざんな目に遭う雄太でした。

 しかし、冒頭の佐伯の演説は一体なんだったんだというシーンだ。

 「優しい心を持つこと、それがその人生を明るく照らし出す……」

 一方その頃、誘拐犯たちは……、
  
 例によって何か食べながら買い物袋を持って歩いているリーダー役の堀勉。フェンスを越えて、雑草の茂った敷地に入る。
  
 工事現場のようなところで、カケフ君に水鉄砲で撃たれたふりをして遊んでやっている手下たち。
 堀勉は、監禁してある筈のプレハブ小屋を覗くが、子供の姿も手下の姿もない。
 カケフ「参ったかー」
 手下「参った、参った」
 と、ボスが飛んできて、
 堀勉「バカヤロウ、ギャングゴッコしてる場合かお前、お前ら、俺達の居場所をお前世間に教えるつもりか! お前うるさいんだ、ばかやろう」
 手下「すんませーん」
 堀勉「それがうるさいってんだ、バカヤロウ」
 手下の頭をぽかぽか殴る。
 堀勉「つれてけ、早くしろ、急げ」
 と、カケフ君を小屋に運ばせる。
 堀勉の買ってきたものをいちいち取り出してチェックするカケフ君。
 しかし、台所もないのに生のニンジンとか買ってもしょうがないだろう。スタッフが適当に買ってきたものだろうが。
  
 カケフ「なぁーんだ、こんなものしかないじゃん」(ないんじゃ?)
 堀勉「このガキ!」
 手下「バカ!」
 カケフ「ステーキは? キャビアはー?」
 と、いかにも貧乏人が考えそうなブルジョア的発想。
 そのボケに対し、いちいち新喜劇のように、全身全霊でコケる三人。ゴンタが恐れて逃げ出す。

 カケフ「お腹減ったーっ」
 堀勉「おい、このガキによ自分の立場を教えてやれ」
 部下「おいボクちゃん良いか、よーく聞くんだよ、これは遊びじゃないんだからね」
 部下「お前はな、俺達に捕らえられていてほんとは命だって危ねえんだぞ」
 が、カケフ君は動じることなく、
 カケフ「おしっこ」と尿意を表明する。
 三人「おしっこーっ?」
 部下「この野郎、わかってんのかよお前?」
 堀勉「おいおいおい、連れてってやれよ」
 の言葉に、二人は彼を抱きかかえるようにして外へ連れ出す。
 部下「もらすなよー、我慢するんだよ、ほい、ほい、こうかー?」
 部下「すまねえなぁ、お前は俺達に誘拐されてるってワケよ」
 部下「そうだよ、ソースだよ」←ギャグらしい。
 部下「だから、騒いだり、言うこと気かなったりしたらな……」
 部下「俺たちの立場がねえんだよ」
 カケフ「もう、いいだ」
 部下「しょうがねえあれだな」
 部下「じゃ、もう降ろせよ」

 この放尿シーン、要るか?
 あと、小劇団の俳優さんって、台詞が早口で聞き取りにくい。

 場面は、再びユミの部屋へ。
  
 ユミ「それで、ほんとはなんで呼ばれたの?」
 雄太「やっぱ、一平のことを遠回しに聞かれたよ」
 三人は座って、バヤリースを飲み、テーブルの上に置いてある個包装のお菓子を食べている。雄太はひとり椅子に座り、バヤリースを飲んでいる。
 このお菓子、小さくて何か分からないのだが、ルリが口に入れて、頬の中でしばらく転がしている。
 劇中、ユミたちが実際に物を食べたり飲んだりするシーンは極めて珍しいのだ。

 ケイ「警察に知らせたのね、ご両親」
 雄太「たぶんな」
 ルリ「(口をもごもごさせながら)だったら任せたら?」
 雄太「やだよ、おいら下着泥棒の疑いまでかけられたんだぜぇっ!」
 体ごとユミたちのほうへ向き直り、
 雄太「必ずとっ捕まえてやる」と、ひとり意気込むが、
 ルリは黙って少し首を振るような仕草。
  
 ケイも、左(ルリ)見て、右(ユミ)見て、無言。
 ユミは、目で気持ちを伝えようとするように、雄太を見るだけ。

 実際、現に警察沙汰になっているわけだし、彼女たち「反逆同盟」がそんなことにまで首を突っ込むのは明らかに筋違いなので、こういう反応も不自然ではない。もっとも、第7話のように、見ず知らずの子供のためにハッスルしたりする場合もあるので、特にユミの事なかれ主義的な態度は、やや消極的にも見える。
 まあ、ルリが言っているように、誘拐事件という特殊な事例なので、と言うのが最大の理由だろう。
 雄太「いいよ、わかったよ、もう誰にも頼まねえよ!」
 今回二度目の逆ギレ。

 このようにコピーしたような場面が出てくるのが、今回のシナリオの欠陥のひとつだ。
 そして雄太は部屋から出て行ってしまう。それを止めたりする声もない。
 その頃、カケフ君と誘拐犯たちは仲良くじゃれあっていた。
 堀勉「オイ、お前ら、いい加減にしろよ!」
 部下「兄貴ぃ、俺達いつまでこんなことやってりゃいいんだよ〜」
 子供のお守りに疲れた手下達が不平を漏らすと、
 堀勉「もうすぐ連絡が入るんだ。それまでお前らは自分の役目を果たしていればいいんだ」
  
 さて、島田家では、警察が逆探知の準備をしていた。

 なお「スケバン刑事2 少女鉄仮面伝説」での南野陽子の部屋にこれと同じ機種の電話があった。
 電話を睨んで、刑事二人、両親が座っているところへ、綾子がお茶を持ってくる。画面の右端に、エキストラが二人いる。
 今回、意外と出演者が多い。終盤では別の子役も出てくるし。
  
 そこへ電話がかかってきて、サッと緊張する両親。
 刑事「逆探お願いします。……どうぞ!」
 北見「あのう、し、島田ですが」
  
 雄太「あのう、一平君戻ってきたでしょうか?」

 空気の読めない雄太の仕業だった。

 当然、おやじは激怒。
 「なんだぁ、君か! こんな時に非常識な!」ガチャッ
 一方的に切られて、溜息をつく雄太。
 でも、今回は犯人の手掛かりが全くないので、他にどうしようもないんだけどね。
  
 その夜、島田家の門から出て行く綾子さんの派手なスカジャン姿が眩しい。

 もう、ばらしてしまうが、彼女も誘拐犯の一味、と言うより首謀者で、これから誘拐犯たちのところへ向かうところなのだった。
 しかし、もうちょっと目立たない格好にすべきなのでは?
 表面的には単に仕事が済んで帰宅するお手伝いと言うことなんだろうけど。
 抜かりなく、門前で張り込んでいた雄太、彼女を尾行する。
  
 しかし、綾子が犯人だから良いけど、そうじゃなかったら単なる不審者である。
 後を追って曲がり角を折れると、綾子の姿が忽然と消えていた。
  
 きょろきょろ周囲を見回す雄太のカットを経て、画面的に反対方向へ歩いていく綾子を映す。
 この省略法は、なかなか気が利いている。
 と、偶然にも、そのすぐ後からやってきたのは「反逆同盟」の三人。

 結局、ほっておけずに出動したのだろう。
 ルリ「ったく、雄太ったら気が短いんだからぁ……どこいっちゃたのよぉ……」
 自分のことを棚にあげてぶつぶつ言ってるルリ。
  
 ユミはひとり立ち止まり、何かを感じて視線を向ける。
  
 空き地の廃材の山から、足が見えている。慌てて駆け寄るユミ。
 ユミ「雄太っ! どうしたのっ?」
 ルリたちも飛んでくる。
 雄太「お手伝いさんつけてたら、いきなり後ろから……」
 ユミ「お手伝いさんを?」
 仙道さんはやっぱり美人ですね。
 それにしても、雄太、今回は散々である。

 舞台変わって、
  アジトで呑気に寝ているカケフ君だが、彼が枕にしているのは、少年マガジンの45号(10月22日)である。
 やはり撮影は10月上旬〜中旬に行なわれたのだろう。
  
 と、そこへ雄太をまいた綾子が入ってくる。
 ちなみに、彼女が開けた戸から、ゴンタがぬそぬそと外へ出てしまう。凄く不自然。
 堀勉「どうしたんだ?」
 綾子「やばいよ、もう警察の手が回っちゃって、下手するとこっちが危ないよ!」
 堀勉「ぁんだよ、あんなに綿密に計画練ったのになぁ」

 どんなに練ったのか、とっくりと聞かせてもらおうじゃねえか!

 あ、思わず大声を出してしまった。

 部下「そうだよー」の2乗。
 綾子「あたしだって諦められないよ、借金返してゆっくり外国で遊ぼうと思ってんのにさぁ」

 さて、ここもシナリオのダメなところなのだが、どうもこの人たち、二回目の具体的な脅迫電話をかけてないようなのだ。なんで?
 彼らの台詞から、警察が出てくること自体、想定していなかった節もある。だから、綾子の早過ぎる白旗宣言になってしまうのだが、普通、警察に言うだろう。
 堀勉「やめよっか?」
 綾子「ばかっ……早く荷物まとめてさ」
 ここも、手を引こうという堀勉を罵倒した同じ台詞で、綾子が高飛びをしようと主張しているのも、シナリオの杜撰なところだ。

 手下「あのよ、そのガキ、どうする?」
  
 その言葉に、カケフ君の寝顔を凝視し、黙って薬を取り出す綾子。どうやらさらった子供を殺そうとまでするのである。どんだけアホ。
 綾子「だから……、これで!」
 部下「えええ、ほんとにやっちゃうのかよ」
 堀勉「当たり前だ。奴に全員顔を見られてんだ」
 と言いつつ、三人揃ってサングラスをかける。
 部下「しぶい〜」

 って、お前ら、
 ……何のためにサングラスかけてたんだよ! 素顔を見られないためだろうが!

 とにかく今回の誘拐計画は穴がありすぎる。
 一方ゴンタは、何も考えずに夜の街を疾走していた。
 雄太たちも、ご同様、何も考えずに夜の住宅街をうろついていたが……。
 最後尾のユミだけ、ふっと何かに気付き、
  
 美しく振り向いて考え込む。

 間にもう一度ゴンタの走るカットを入れてから、
 ユミ「そうよ、綾子さんが共犯者よ。島田家や警察の動き、手に取るように分かる立場だし」

 と、何をいまさらと言う感じの推理。この辺も、なんかぼけてるんだよなぁ。
 この台詞を言わせるのなら、雄太を見つけた直後にしないと決まらない。
 それにユミの言い方だと、既に誘拐そのものが成功した(犯人が警察を出し抜いて身代金をゲットした)ようにも聞こえるし。

 ルリ「雄太を殴ったってことは、もう気付いてるよね」
 雄太「すると、つまり……」
 ユミ「一平君が危ない!」

 え、イヤ、だから、それは最初から分かってることなのでは? 誘拐されてるんだからさ。

 綾子が自分が共犯だと発覚したと悟ったことで、差し迫った危険があるということが言いたいんだろうけど、とにかくこの辺の会話はちぐはぐである。
 ま、実際、この時プレハブ小屋では、ユミの予想通りカケフ君に危機が差し迫っていたんだけどね。

 バヤリースに溶かした毒を飲まそうとみんなで口々に勧めているが、カケフ君は何故か飲もうとしない。寝てる間に毒を混ぜて勧めているのなら、毒入りだとは気付かず、すぐ飲みそうなものだが、頑なにそれを拒む。
 ユミたちは、例によって闇雲に疾走中。おケイは本気で走り過ぎて、膝小僧が見えるくらいにスカートがまくれるのだった。
 で、都合よく、彼らの行く手でうろうろしているゴンタ。
  
 ゴンタのいる通りに出てきたユミたちは、ゴンタの姿に気付く。
 雄太「あっ、ゴンタだ、ゴンタ」
 この時、後藤さんが例によって腕をぐるぐる回す、女の子走りを短い時間だが披露している。

 雄太はゴンタのそばに走り寄り、
  
 必殺の土下座!
 雄太「ああ、ゴンタ様、仏様!」って、祈るだけじゃしょうがねえだろ。

 後ろのユミとルリもちょっとだけ手を合わせてゴンタを拝むような仕草を見せる。
 と、雄太が視点をゴンタの走ってきたほうへ向けると、
 カケフ君のユニフォームを着た少年が歩いているではないか。

 偶然にもほどがあるということを知ろうか。

 それに、一瞬、カケフ君が歩いてるのかと、視聴者が混乱する。これは、ユニフォームのニオイでゴンタがプレハブ小屋に雄太たちを誘導するための小細工なのだが、こんな取って付けた手段じゃなく、前半で、雄太とカケフ君が遊んでいる時に、カケフ君の持ち物を雄太が貰っていた、と言うように伏線を張っておくほうがよっぽどスマートだ。

 雄太はいきなり少年につかみかかり、
  
 雄太「このユニフォーム、どうしたの?」
 少年「一平から貰ったんだ!」
 雄太「この帽子貸してくれる?」
 少年が頷いたのを見て、帽子を借りる。
 で、その帽子をゴンタにかがせる。これでカケフ君の居場所へGOと言う寸法。

 話を進めたいところだが、カケフ君って、誘拐される前もされた後もずーっとユニフォームを着ていたと思うが、一体いつ、この少年にあげたのだろう。無論、複数持っていて、それを譲ったのだろうが、しかし、背番号も同じものやるというのが、そもそもおかしいし……。せめて帽子だけなら分かるんだけどね。

 ついでに言えば、ゴンタは、その(ユニフォームの)匂いを追跡して、ここまで来たという説も立てられるが、そもそも、ゴンタは飼い主であるカケフ君のそばにいたわけで、だったら最初からそこから離れようとしないだろう。あるいは、真っ先に家に帰って、家族にカケフ君の危機を訴えるだろう。

 それに、犬にアイテムの匂いをかがせて持ち主の居場所を突き止めさせると言うパターンだが、この場合、もともとゴンタはカケフ君の場所を知ってるわけなので、そこにニオイを頼りに行くと言うのも、極めて間抜けな話である。こんなまどろっこしい、不自然なことをさせずとも、雄太が一言「一平のところへ連れてってくれ」と言えば、ドラマなんだから、ゴンタは即、そうしただろう。

 とにかく、雄太の願いを聞き入れて、走り出すゴンタ。
 雄太「やったぁー、ありがとうっ!」
 ユミ「ありがと」
 すかさず、ゴンタの後を追う雄太たち。ユミがちゃんと少年に小さく礼を言ってるのが彼女らしい。
  
 その頃誘拐犯たちは、毒殺を諦め、首を絞めて殺すと言う直接手段に切り替えていたが、指を噛まれたりして埒が明かない。
 そのぼんくらぶりに、「だらしないなぁ、ったく〜」と嘆く綾子さんの気持ちも分かる。
 なんでそんな奴らとつるんでるんだろうね、彼女。彼らとの関係についても一切説明がないのが物足りない。

 一心不乱に駆けて来て、このプレハブ小屋に入ってくるゴンタのカットを挿入してから、
 遂に、自らバットを持ってカケフ君の頭に打ち下ろそうと覚悟を決める綾子さん。ほんとにやりそうで怖い。
 おののくカケフ君。
    
 一緒におののくズッコケ三人組。
 と、絶妙のタイミングで石が投げ込まれ、プレハブ小屋の窓ガラスが割れる。
 ぎょっとする一堂の上に雄太の声がかぶさる。
 「見付けたぞ! 誘拐犯人!」

 確実にその場にいる筈なのに、以後のバトルシーンに雄太の姿はない。
 今回は雄太とカケフ君との関係が重要なのに、雄太がカケフ君を助け出す、みたいなシーンもないのだ。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 さて、やっと戦闘シーン。
 慌てて外へ飛び出す四人。人質を放置するな。
 高いところに並び立つ三つの影。
 堀勉「なんだ、てめえらは?」
 この期に及んでポーズを決める三人。堀勉の持っているのはきゅうりです。
 数歩前に出ると、その姿がはっきりと映し出される。
 野暮は承知で、コスチュームはどこに用意していたのだろうと言う突っ込みをしてみる。
 第一、今回は学園とは無関係の相手なのだから、素顔で戦っても問題ないと思うんだけどね。
 ルリ「闇の中でのさばり続ける悪党ども!」

 今回も、「闇の中で」で一拍置かず、「のさばり〜」と言っている。
 置いた方がカッコイイと思うけど。
 ケイ「てめえらのようなワルは許せねえ!」
 静止画でもはっきり息が白いのが分かる寒さ。
 ユミ「天に代わって」拳を構えてから、「成敗する!」
 三人「セーラー服、反逆同盟!」

 ここでも、ルリとケイの息が真っ白だ。

 こんな珍妙な人たちを前にして、
 綾子「おもしれえ、くるか、てめえら、行け!」

 意外とノリの良い綾子さん。……ま、ヤケクソになっているだけかもしれないが。

 彼らの頭から、既にカケフ君のことは綺麗さっぱり消えている。
 綾子の掛け声とともに、一斉に飛び出す四人だが、ひとりはぬかりなく鉄柱に頭突きして、貪欲に笑いを取りに来る。
 堀勉も、ずーっときゅうり持ったままだしな。

 ユミのジャンプカットから、「Don't Stop Lullaby」がスタート。ただし、歌詞は2番から始まる(ガラスの指輪にも〜)。
 さて今回の敵は、全エピソード中でも、恐らく最弱の部類に入るかと思われる。
 だから、勝負も一瞬で決まりそうなのだが、
 これが意外と長引くのだ。

 しかも、相手の自滅がなければ負けていたかもしれないほど苦戦する。反逆同盟、強いんだから弱いんだか、わからない。

 とにかく最初はいつものように乱戦。
 綾子さん、好戦的な割に最初は傍観している。
 この画像の手前の赤いコーンだが、遠近法ででかく見えるわけじゃなく、実際に人の背丈くらいあるのだ。でけえな。
 ちょっと高い場所からユミを攻撃する綾子さん、だが、ここは明らかにスタントである。髪型が全然違う。
  
 ユミ(スタント)は二人を相手に回し蹴りを連発。
 蹴られた部下が、積み上げられた資材の上にはいあがって逃げるのを、追うユミ。ここでは仙道さんにスイッチしている。
  
 そこへ、綾子が背後からバットで襲ってくるが、ユミはそれをかわし、受け止める。ここは二人とも役者本人がやっている。
 ユミと綾子はバットを握って力比べをするのだが、ただのヤンキー崩れの綾子が怪力をもって鳴るユミと互角と言うのは……? まあ、実際、男どもよりよっぽど強そうではあるんだが。
 上にいる部下は、うろうろしていたが、四角い箱のようなものを掲げ、
 綾子に加勢するために、ユミの上にそれを落とす。
  
 しかし、狙い外れて、綾子のバットに当ててしまう。綾子、思わずバットを手放す。
 綾子「このドジ野郎ーっ!」
 部下「ごめんなさい」
 これが今回の自滅その1。

 もっとも、邪魔がなくてもユミが負けていたとは思えないが。
  
 さらに、この人、そこから降りようとしてバランスを崩し、スタントマンばりの豪快さで落っこちる。しかも、
  
 その下に、てこの原理モデルのようなあんばいに、板が斜めにコーンの下に差し込まれていて、その端に座るように落ちる。
  
 そして、コーンが空高く舞い上がるのだった。ほとんどスラップスティックの世界である。
 考えたら、堀勉以下の三人は、こういう芝居を得意としていたのかもしれない。
 部下「あああ……」
  
 で、それが、ケイと戦ってる別の部下の頭へ、
 スポッ!

 今回は、バトルシーンも全話を通じてもっともコミカルである。
 そいつを、多少もたもたした動きで背後からスカーフで首を絞めるケイ。
 彼は首を絞められながら、「バカ、バカ」とドジな仲間をなじる。自滅その2。
  
 機械の上で戦っていたルリが、そのドジな部下を殴って下に落とす。
 しかし、ここでスタントが回転しながら落ちる時に、後頭部が機械の斜面にもろに当たっているように見える。痛そう。
  
 もっとも、カットは変わらず、続いて地面に飛び降りたルリと普通に戦っているので大丈夫だったのだろう。

 で、意外なことに、このドジな雑魚と一対一の格闘戦をして、ルリは苦戦してしまうのである。
 ルリ「えいっ」
 突き飛ばされて、倒れ込みながら鉛筆を投げているくらいだ。連発する「えいっ」がちょっと色っぽい。
 と、思ったら、相手は雑魚じゃなくて堀勉だった。まあ、どっちにしても苦戦は意外である。

 しかし、上のスタント、どう考えても堀勉と体型が違いすぎる。まあ、しょうがないけど。
 で、ルリの滅多に外れない鉛筆投げ、彼はそれもかわしてしまう。

 もっとも、このシーン、
 鉛筆が飛げられた時、画面の左下に鉛筆を投げるスタッフと思しき手が見切れてしまっている。堀勉、思いっきり目つぶってるし。
 さらに、堀勉とルリがぶつかり合おうとしたとき、さっきのドジ野郎が右から後ろ向きで割り込んでくる。
 そして堀勉を機械のところまで押し戻してしまう。自滅その3。
 もっとも、堀勉はすぐ部下を突き飛ばしてルリと戦っているので、戦況にはあまり関係なかったが。
  
 それでも、堀勉はルリとまともに打ち合い、ルリの腹にまともにパンチを入れているのだから、相当強いと言わねばならない。
  
 突き倒されて、ぶざまに寝転がったところを、無理矢理抱え起こされるルリ。
  
 で、よせばいいのに、「おい、今だ」と、ドジ野郎に攻撃するよう命じる。
 ドジ野郎は木材をふりあげて襲い掛かる。背後の手書きイラスト、工事現場にあったものか。
 今度はブロックに足を取られ、
  
 二人の目の前ですっ転ぶ。いい加減にせいよ。自滅その4。
 堀勉「ばかやろう〜」
  
 その隙にルリは、エルボーを堀勉の腹に打ち込み、ウルトラマンがレッドキングを倒したときのような首投げを放つ。
  
 倒れているドジ野郎の上に投げ飛ばされる堀勉。
 ここは、投げるほうも投げられるほうも、役者自身がアクションしている。
 まあ、堀勉は仕事柄、もともと体を動かすのは得意なんだろうけどね。
 カメラは再びケイを映す。チェーンを投げるケイ。
 もうひとりの部下の首に巻きつく、のだが……さっき、この人の背後から首絞めてなかった?
  
 そのまま男を引っ張り寄せる。
 快調に攻め続けるケイだが、その横の高いところでは、ルリが堀勉とまだ戦っていた。
 いつの間に、上に行ったんだろう。
 しかも、また苦戦しているルリだった。

 ルリ、今回、弱過ぎる。
 これはもう、体調が悪かったと断定するしかない弱さだ。
 堀勉にのしかかられて、首を絞められていたが、それでも、右足を思いっきり蹴り上げ、巴投げのように、
  
 下に落としてやっつける。無論、スタントである。
 一方、ユミも、引き続き苦戦して、綾子に首を絞められていた。

 うーん、ユミも風邪ひいてたのかしら。この生活感のある綾子さんが、格闘戦では無敵のユミと互角以上にやりあっているというのは、さすがにねえ。
 それでも何とか振りほどいて、綾子を殴り倒すが、綾子は起き上がりざまに、ナイフを取り出してつきつける。
 ここで、BGMが途切れる。
  
 怯むユミ。しかし、ちっちゃなナイフを突きつけられただけで立ち竦むのも変といえば変だ。
 第9話では、でっかい中国刀を持つ相手にひるむことなくぶつかっているんだけどね。
 ここからまた、ドジ野郎も加えて、キレの悪いだらだらした戦闘シーンが続く。
 ユミ、回し蹴りをしたあと、バランスを崩してよろけているので、本当に体調が悪かったのではないだろうか。前半、島田家の前で張り込みをしていた時、ルリがしきりに寒い寒いと言ってたことなどからして、その際に風邪を引いたとは考えられないだろうか?

 とにかく、
 と、今までヘマばかりしていた男が、ユミの足を掴んで動きを封じると言うファインプレーを見せる。
  
 身動き取れない相手に飛び掛り、殺そうとする綾子。釈然としないが、ピンチのユミ。
  
 明確な殺意を持ってる綾子さん。過去にも人殺してそうで、怖い。
 と、唐突に現れるあのお方。
 今回は特に彼女のことを思い起こさせるシーンや台詞が絶無だったので、物凄ーく不自然だ。

 無理して、バンク映像(第7話)で参加させることも無いと思うが、これが大人の事情なのだ。
 で、バラ投げの餌食になって、途端に面白く、いや弱くなってしまう綾子さん。
 綾子「何よ、これ、何よーッ」
  
 ユミは男の手を振りほどき、野獣のような目で立ち上がり、
 さらにそのお腹と言うか、股間をを踏み台にして、ジャンプ。
  
 顔を隠しながら、トドメの蹴りを放つ。健闘するも、最後はのされる綾子。
  
 そこへ、ルリとケイも、残る二人を蹴飛ばしながら、フレームインしてくる。走って、ユミの横に立つ。
 ここではBGMは「Shadow of Love」のインストに切り替わっている。
 予想外の苦戦を制してホッとしている三人。
 ユミ(ミホさん、ありがと)

 普通なら、ここでカケフ君が雄太に助けられて顔を合わせると言うのがお約束だが、反逆同盟の正体を知られてはまずいと言うことなのか、そういう展開にはならない。と言うか、児童労働法(?)で、こんな遅くにはカケフ君は撮影に参加できなかったからか? 特にアクションシーンはどうしても時間がかかっただろうからね。

 そのかわり、
  
 島田家の門前で縛られた状態で捨てられている三人と、魂の抜けた綾子さん、及びカケフ君とゴンタの映像が挿入される。

 しかし、大の大人四人をここまで運ぶと言うのはなかなか大変だろう。無理にここまで連れてこなくても、警察に連絡して、カケフ君だけ連れてくればいいんじゃないのかな。
 と、ユミたちが電話したのだろう、そこへ両親が出てきて、息子と無事再会する。ドラマでは初対面だけど。

 母親「一平、一平〜!」
 父親「綾子、お前だったのか!」

 妙に察しの良いおやじでした。

 それにしても警察は何の役にも立たなかったなぁ。
 結局、堀勉は身代金の要求をしてないんだよね。こんな弱腰の誘拐犯も珍しい。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 さて、翌日(たぶん)の放課後、いつものようにだらだらとみんなで帰る2-Aの面々。

 ケイ「全て終わって、すっきりしたね!」
 雄太「気分も晴れやか、心はウキウキさぁ」
  
 ユミ「雄太、一平君と遊んでやらなくて良いの?」
 ルリ「今日も来てるんじゃないかなっ?」
 みんなで最初にカケフ君が出てきたところを見るが、誰もいない。
 雄太「ほら、来てないじゃん!」
 安心して歩き出す雄太だが、ふと立ち止まり、
  
 おそるおそる振り返る。一旦、このカットで雄太が安心したように微笑むのだが、編集上、二つの間に下の誰もいない門の映像を挟んでから、それから雄太が笑うようにしないとしっくりこないだろう。

 実際は、雄太が笑ったあと、
 数瞬だけ無人の画面を映し、
 あっさりとカケフ君が登場するようになっている。
 当然、固まる雄太。
 カケフ「お〜い、お〜い!」
 変な掛け声で手招きするカケフ君。
 ユミ「あっはっ」
 ルリ「うっふっ」
  
 雄太「助けてくれえー!」
 カバンを放り投げて、逃げ出す雄太。カケフ君も追うが、ゴンタは勝手に別の方向へ走っていきます。
  
 二人のあとから、笑いながら歩き出す三人。しかし、前回9話では、向かって左に折れていた筈だが……雄太たちに付き合ってやるつもりなのかもしれない。あるいは喫茶店にでも寄るつもりなのか。
 この時、ユミがさりげなく雄太の投げたカバンを拾い、持ってあげる気遣いが、些細なことかもしれないが、とても好きなのだ。
 よって、最終カットは雄太のカバンになるのだった。



アバンタイトル Aパート Bパート 戦闘シーン エンディング 予告編+まとめ
 
 予告編

 公園で野球をするシーン
  
 左が予告編、右が本編だが、打球の飛んでいる方向や、二人の距離が異なる。

 他にも細かい違いはあるが、わざわざ取り上げるまでもない。

 まとめ

 さて、最初に言ったように、今回は極めてコメディ色の強い、しかも「反逆同盟」の本来の活動とは全く関係のないエピソードだ。
 シナリオは特に後半、穴が多いけど、前半の、佐伯の人生訓や、原宿でのロケ、住宅街でのロケなど、他の回ではあまり見られないシーンも多く、そういう意味では貴重である。
 ただ、アクションシーンで、尺を引き伸ばすためか、「反逆同盟」が理由もなく弱くなって苦戦しているのがちょっと残念だ。

 シナリオで一番気になるのは、誘拐後の展開。
 意気地のない犯人たちは警察が介入しただけであっさり尻尾を巻いてしまうが、こういう場合、当然予想されてしかるべき展開だろう。また、お手伝いである綾子が共犯と言う設定も、ほとんど活かされていない。

 改良案として、身代金受け取りは実際に行われるが、警察がひそかに張り込んでいたにも拘らず、犯人たちはそれを事前に察知していたかのように逃げてしまう。しかも一平は返してもらえない。そこでやっと「反逆同盟」が捜査に乗り出し、内部に協力者がいることに気付き、ゴンタの嗅覚でアジトに辿り着くと言うような流れにすべきだったろう。だから、ゴンタは一平とを、一緒に連れ去られてはダメなのだ。



 おまけ

 振り返ると、ほんとに今回の雄太はふんだりけったりだった。
 その災厄を一覧にすると、
1 子供を背負って長いこと歩かされる
2 子供にボールをぶつけられる
3 子供の相手をさせられる
4 子供の打ったボールが当たる
5 子供にアイスをねだられてしぶしぶ買う
6 その隙に子供を誘拐される
7 そのことで子供の母親に非難される
8 子供の家の前で張り込んでいると、警察に事情を聞かれる
9 それが、下着泥棒で捕まったのだと言うあらぬ噂になる
10 そのことで佐伯に怒られ、殴られる
11 ユミたちに協力を要請するが断られる
12 子供の家に電話するが、逆に叱られる
13 綾子を追っていたら、殴られて気絶する
14 犬に土下座する
15 事件解決後、また子供につきまとわれる
 書いてて、つらくなってきた。



 

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